【2025年8月追記・再編集版】
他の方々がどのように感じてきたかは解りません。ただ、私自身は若かりし頃、「世の中にこんなにダサいカラーリングの時計があるか?」とさえ思っていました。それが「ペプシカラー」のベゼルを持つダイバーズに対する原初の印象です。「折角のカッコいい時計にわざわざキカイダーみたいな色塗らんでええやろ!?」…そんな風に見えていたわけです。「キカイダーみたいな色」に関しては、正直今でもそれにしか見えませんが、評価は正反対に変わったと思います。
初めての「ペプシベゼル」は『ネイビーボーイ(SKX009KD)』
評価が180度変化した理由ですが、私の場合はSEIKOの名機「ネイビーボーイ(SKX009KD)」との邂逅です。数あるペプシの中からコレを選んだ理由はぶっちゃけ「セイコーで最安級のペプシ」だったからなのですが、このところ僅かに値上がり気味…それでも3万円もしないお値打ちダイバーズです。

正直なところ、見た目に高級感は皆無です。しかしツールとしての魅力は満載。その辺りは「使ってみないと良さがわからない時計」の典型と言えるかもしれません。また、安っぽいと揶揄されることも多いジュビリーブレス風ブレスですが、着けやすいのでNATOに換装する気が起きないくらい気に入ってます。そして最大の特徴、「ペプシの回転ベゼル」ですが、その安っぽい、ともすれば軽薄な感じが若さにも通じて、身に着けるとジワジワと元気が出てきます。この「若さ」とか「パッション」を与えてもらえるという部分は、ペプシカラーの時計に共通する特徴ではないかと思います。
そもそもこの「あえて安っぽくする」感じ。NATOストラップもそうなんですが、昨今の私的にはたまらなく好きな方向性なんです。ペプシカラーの場合は「玩具っぽさ」と言えばよいのかもしれませんが、そんな、「オトナの玩具(いや、そういう意味じゃなくて)」的な魅力があることを「ネイビーボーイ」が気付かせてくれたわけです。
キャリバーは手巻きとハックを持たない7S26ですが、やっぱり手巻きがあったほうが便利。安いので文句は言えませんが、4Rが載ってれば…
SEIKOは特にこのペプシカラーのダイバーズに名機が多いメーカーです。気軽に買える安いものから、少し勇気のいる高いものまで。その中で、私でも何とか買えそうなお値段の時計をリストアップしていきます。
SEIKO 5 スポーツ(SNZF15K1)

キャリバーは7S26の派生型でほとんど同じ性能の7S36を搭載。手巻きもなければハックもなし。
私はこれのゴールドモデルを持っていますが、何ともいえない渋さが気に入っています。ケースデザインから受ける印象より少しオーバーサイズなのですが、控えめなリューズガードや適度に丸みを帯びたラグのお陰で嫌らしさがありません。日常使いにはとても優れた時計です。100m防水もいざという時頼りになります。まぁ、それだけに4R系が載っていればと思うのですが。
ペプシカラーのベゼル搭載にしては、品のある仕上がりになっています。実はこのモデル、ダイアルの出来がメチャクチャ良いのです。私が持っている金のSNZF22JCの場合、よく出来たダイアルに対して僅かに手抜き感のあるベゼルが残念なのですが、SNZF15K1のペプシカラーなら、その安っぽさを逆手に取れて気にならないかもしれません。
SEIKO 5は新時代に突入してしまいましたから、いずれは旧ラインも淘汰されてしまうでしょう。入手は早めが良いと思います。
プロスペックス(SBDY017)PADI スペシャルモデル

キャリバーは4R36自動巻き、手巻き付きです。風防はハードレックスですし、「5」の上位機種みたいなスペックの時計ですが、いやぁ、ダイバーズの魅力が滴るようなこの面構え。幅45ミリのド迫力なケースも、丸っこいデザインが功を奏して押し出しが強すぎる印象はありません。ハンドもダイアルもとても美しい仕上げです。意外とスーツにも合う時計だと思います。
プロスペックス(SBDY011)PADI スペシャルモデル

SBDY017から打って変わって直線的なデザインです。あちらがザクならこちらはガンダム?ペプシカラーが似合うシャープなケースデザインです。キャリバー4R35搭載。これからの季節、黒革のライダースジャケットなんかと合わせたらカッコ良さそうです。ダイアルの波型パターン(ギョーシェ)が渋くて、ペプシカラーの突飛な印象を中和しています。
プロスペックス(STBR031)LOWERCASE Special Edition
キャリバーV147搭載のソーラー時計。ツナ缶タイプのダイバーズは街中で使いづらそう?という思い込みというか疑念があった私。なのであまり真面目にチェックしていなかったんですが…コレはやられました。単純にカッコいいです。サイズも幅42.7ミリですからそれほど大きくないですし、ツナ缶タイプにありがちな「今から潜るで!」みたいな圧がないのが良いです。
G-SHOCKのようなミックスマテリアルのケースはすこぶる軽く、全体で72グラムしかありません。白いダイアルもペプシカラーのベゼルを品よく受け止めて、これならシティーユースでも違和感なさそうです。コレはやばい。かなり前向きに欲しいと思ってます。
ペプシなモデル以外だとコレが気になります。この調子だと、近々「初ツナ缶」を手にしている可能性は高いですね…(汗)
プロスペックス(SBDC057)「ダイバースキューババイカラーベゼルモデル」

なんと、今や中級機以上でないと使ってくれなくなった感のある「6R15」を搭載。それだけでかなり嬉しい一本です。適度な丸みと直線の使い分けが秀逸で非常に美しいケースデザインだと思います。伝統的なセイコー時計のデザインコードに沿ったデザインなので、ビジネスのお供としても日々役に立つ時計ではないでしょうか。雨が降ろうが風が吹こうが、200m(潜水)防水ですから何も恐れることはありません。
ベゼルエッジがおとなし目で、スポーツモデルでありながらも、どこかすました印象があります。そこにペプシカラーがあしらわれているのですが、デザイン上でいい感じの「ほぐし」になっていて、それが使えるシーンの幅を広げていると感じました。こういう小技、セイコーは上手ですよね。
Seiko 5 Sports x Pepsi® Limited Edition(2025年9月新作)
2025年の追記です。何てことはない、赤青だから単純に「ペプシ」と呼ばれるベゼルカラーがあるわけですが、若い人を中心に人気の「セイコー 5 スポーツ」から、マジもんで「ペプシコ社とコラボレーションしたモデル」が発売されます。面白いこと考えますね!!
SEIKO 5スポーツ SKX series(SBSA319)

シルバーダイヤル、ステンレスのケースとブレスレット… シルバーカラーのカタマリである「SBSA319」に、発色の良い『ペプシベゼル』が良く似合います。爽やかだ… スーツにも合いそうだ!!
ペプシベゼルを搭載したモデルの成否は、それこそ、腕時計に付ける色の組み合わせとして「センスが良いとは言えない赤青を如何に消化するか??」にかかっています。頑張って「品良く」まとめることに成功したモデルもあれば、敢えて「ダサいまま」突貫しているモデルもあります。
「SBSA319」に関して言えば、むしろ「上品さと高級感」を感じさせる仕上がりです。プロスペックスシリーズよりは厳つくありませんし、38ミリのケース径も相まって使い回しも効きそうです。ダイヤルの「ペプシロゴ」も可愛らしいですね!!

裏はペプシデザインをプリントしたトランスペアレントバックです。ガッツリとムーブメントが見たい人にとっては、少々邪魔なデザインかもしれません (;´∀`)

白っぽい「ペプシ缶」に入っています。プルタブまで再現されているとは… 芸が細かい!!
キャリバー4R36搭載で価格は「5万1700円」。世界限定7000本です。
SEIKO 5スポーツ SKX series(SBSC023)

こちらはGMTムーブメント「4R34」を搭載した「SBSC023」です。迫力のある42.5ミリ幅の黒いケース、黒いダイヤルに黒いシリコンラバーのストラップが付いています。

裏はブラックを基調にしたモノトーン。「スモーキーなトランスペアレントバック」がストリートカジュアルな雰囲気を醸し出しています (*´ω`*)

こちらは「黒いペプシ缶」に入っています。何だか間違えて冷蔵庫に入れちゃいそうだなぁ (;´∀`)

シリコンラバーのストラップは特別製。ペプシのロゴがデカデカと入って、何となく「ブライトリング」のようです。これが欲しくて買う人も多そうです。
キャリバー4R34搭載で価格は「7万3700円」。世界限定7000本です。
なぜ「ペプシとSEIKO 5 スポーツ」の組み合わせなのか??

先に真面目な話をするならば、ある種のポップカルチャーとして考えたとき、お互いに訴求するゾーンが近いという「特別なシンパシー」があったことでしょう。実際、今回のペプシコラボは腕時計好きのみならず、世界中の広い範囲の方に刺さっているようです。ペプシのロゴを冠する「本物のペプシベゼル」ですからね。何気に文化的な価値も高いため、10年後に振り返ったときに特別な価値を有している可能性もあります。
それにしても… 同じコーラメーカーでも、コカコーラじゃないんですよ。ベゼル云々抜きにしても(笑)
私見もいいところですが、「セイコー 5 スポーツ」に似合うのは、圧倒的にペプシなのですよ。ペプシの「どうせ市場シェアではコカコーラに勝てない」みたいな少し拗ねた感じが、「永遠の反抗期腕時計」、セイコー 5 スポーツのイメージに合っているのです。そういう意味で、今回のコラボレーションは「神コラボ」かもしれません (*´ω`*)
最後に… 如何でしたでしょうか??

これぞ「赤と青のエクスタシー」。キカイダー的に言えば「善と悪の葛藤」を表したようなペプシカラーのベゼルたち。
機能性の象徴でもあるバイカラーは、活動的なスポーツモデルの時計たちに、一段上のエネルギッシュな印象をもたらしてくれます。元気な若い人はもちろんですが、私を含めた年配の諸兄にこそ必要な「パッションの源」がそこにはあるのです。
2025年9月発売の「Pepsi コラボレーション限定モデル」は、様々なスポーツモデルで「ペプシベゼル」を提供してきたセイコーにしても、「ペプシベゼルの極み」とも言うべきプロダクトです。ペプシコの力を借りて露出を広げたいセイコーと、腕時計という「イメージの良い商品」とのコラボでブランドイメージを強化したいペプシコの利害が一致したことで生まれた「本物のペプシベゼル」。何やら特別な存在になりそうじゃないですか?? (*´∀`*)








ご意見・ご感想
コメント一覧 (2件)
seikomatic様。
そうなんですよね!価格的に安いのと「安い価値」しかないのとは別なんですよね。モノにはそういう側面がありますが、腕時計は特にそういう「深さ」があると思います(*´∀`)
安っぽいと言えば安っぽいですが。。。安いとは限らないのが腕時計。ツナ缶ザクモデルとかもそうですが、「大人のおもちゃ」としては上々だと思います。深いです。遊び心満載でいきたいものです^^。