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「レディースの腕時計」にデザイン的な完成度の高さを感じるとき

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 私も以前に1本だけですが購入させていただきました。個人的には安心して取引することができるサイトだと思いました。

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「Chrono24」で世界中からレア物を探す

  「Chrono24」が面白いのは、日本のオークションやショップサイトと異なり「日本人に馴染みのないブランド」の腕時計や、日本ではなかなかお目にかかれないアンティークに出会えるという点です。

 ある程度の知識は必要ですが、現行の人気腕時計の原型ともいうべきレアなアンティークが出品されていることもあったりして「なるほど!コレがそうなのか!」ってな感じでブランドの歴史に対する造詣が深まります。

 先日もイスタンブールの業者さんからの出品ですんごいのを見つけました。私がいくら腕時計馬鹿だといっても、腕時計を探しにトルコ共和国へホイホイ飛んでいくわけにも参りません。腕時計愛好家の端くれとして、世界の片隅のどこかに「あるところにはある!」と確認できるだけでも、とても勉強になる有用な腕時計ポータルサイトだと思います。

 私は1週間に数回の頻度で「Chrono24」さんにお邪魔しますが、目当ての腕時計をブランド決め打ちで検索しているときなどに、度々起こる不思議な現象がございます。

なぜか「レディースの腕時計」を見てしまう

どこぞの女性に腕時計をプレゼントするという予定がある訳ではありません。全く無意識のうちに「レディース腕時計の写真」をクリックしてしまうのです。

そして、ケース幅の情報を確認して「これ女性向けやないかい!」と残念に思うのです。特に少し古めのROLEXに多い気がします。

私はそれほど各ブランドの歴史やアーカイブに詳しいマニアではありません。その辺の「無知」故でしょうか、デザイン的に気になる腕時計に対して余計な「先入観」がありません。その分わずかに柔軟思考でいられるのかも(@_@;)

腕時計の「レディースとメンズ」… 異なる一番の要素は「サイズ」

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「レディースのデザイン」にはコーディネートを破綻させないバランスが要求されます。 

 例えば律儀に同じシリーズラインアップを「メンズ」「レディース」に分けて展開してくれるブランドも多く存在しますが、その場合、デザイン的な変化は女性が使用することを想定した「小型化」であると思います。

 デザイン的には同じ方向性であっても、小型化のためにあらゆるパーツを再設計しなければなりません。想像にすぎませんが、その苦労は最初から「小さな時計」を作る以上の困難さではないでしょうか?一度、完成を見たデザインをリビルドする苦労は、私もクリエーターの端くれとして充分に理解できるつもりです。

 恐らく、「レディース」を優先的に展開、あるいは専業とするブランド以外では、まずは「メンズ」を企画、展開し、次に(評判が良ければ)「レディース」という流れになるかと思います。そしてそれは「レディースの腕時計」「メンズの腕時計」の副産物であることを意味します。

 VAN CLEEF&ARPELS(ヴァンクリーフ&アーペル)のようにほぼ完全に「レディースのみ」を展開するメゾンや、「レディース」しか存在しないシリーズを除けば、言葉は良くないですが「レディース」「メンズ」「二番煎じ」にあたるはずです。本来ならこの流れは、オリジナルである「メンズ」の完成されたデザインからの「改悪」になってもおかしくありません。

 ところが私のように「レディースのデザインの方が洗練されているのでは?」と感じる人間もいます。もちろん、単純に「小型化=洗練」であるはずもありません。しかし、小型化の途上で逆算的に省かれたデザイン的な要素が、まるで最初から「無駄」であったかのように、完成度とある種の「凄み」を増した「レディース」が多くあるのは事実なのです。

「レディースモデル」はより厳しい「審美眼」に晒されている

 私なんかもまさにそうなのですが、男性は案外、身なり全体の「バランス」については無頓着な傾向があると思います。 

 お洒落の達人の方は除くとして、ほとんどの男性は「腕時計そのもののカッコ良さ」には敏感で厳しい目をお持ちです。腕時計は男性用の方が4割増しくらいで高価になる傾向もありますので、間違いのない買い物のために徹底的な下調べを行っていると思います。

 その時点で、漠然とした「服装」との馴染み具合をイメージされることでしょう。しかしながら、スタイリストさんでもない限り、「コレはスーツに合う」「コレは半袖の時期にピッタリ」といった「ざっくり目」の判定が関の山ではないでしょうか?私はまさにそんな感じです(¯―¯٥)

 そして腕時計を提供する各ブランド側の意識も、男性相手ならば「最先端の機能」「流行のデザイン」といった、解りやすいところを抑えておけば大丈夫という考えではないでしょうか。服装への「合わせやすさ」についても多少の意識はあるでしょうが、ぶっちゃけ二の次だと感じます。

それだと「レディースの腕時計」には通用しない

 女性は次の日に着る服のコーディネートを前日の夜に考えたりしますよね。それは特別なことじゃなくて、彼女たちはごく自然に「一番美しい自分を見せる術」を追求しているのです。

 そんなことのできる男性はそう多くないと思います。少なくとも私の周りにはいません。朝起きてから外出寸前になって「昨日はコレ着たから今日はコレでいいか?」みたいな人がほとんどだと思います。

 女性は日々の実践で「自分を形作る」ことが当たり前の世界に生きています。服も靴もカバンもアクセサリーも、それら全てが自分を現す大切な「記号」なのです。

 そしてそれらに注がれる厳しい「審美眼」は、当然ながら「腕時計」にも注がれます。半端なアイテムなら琴線にすら触れないでしょう。「レディースの腕時計」「メンズの腕時計」よりはるかに厳しい世界で戦っていると感じる所以です。

ダニエル・ウエリントンの流行った理由がよく分かる

 男性にとってもそうであるように、女性にとっても「高級腕時計」の購入はちょっとした勇気を必要とするでしょう。男女問わず、一般人にとって高級腕時計は相変わらずの「高嶺の花」だからです。

 ですが女性の場合は、必ずしも「高価でドヤれるモノが欲しい」わけではないのだと思います。例えそれが世界中で大人気のタイムピースだったとしても関係なさそうです。

 彼女たちにとっては、その時計が自分のパーソナリティーに「合うか合わないか」が最重要なのだと思います。どんなに優れた逸品でも、自分にピタッとハマらなければ「無用の長物」になっちゃいそう(¯―¯٥)

 男性は「素敵な腕時計を手中」にすることで満足しますが、女性は「素敵な腕時計を身に着けた素敵な自分」に満足したいのだと思います。

 男性をクライアントにする場合に比べて、なんと難しい商売なのか…

 女性の方が男性よりはるかに自分自身の主義主張に対して「率直」です。条件をあらゆる角度から分析して、その時にたどり着ける自分自身にとっての「最適解」を探す努力を惜しみません。他人が何と言おうとも「我が道」を進む精神的なタフさこそが、安易で単純な流行に迎合しにくい最大の理由だと思います。

 私が世の女性に対して「絶対に勝てない」と感じるのも、まさにその部分です(;´∀`)

 そういえば、一時期よりは落ち着いたようですが、「Daniel Wellington(ダニエル・ウエリントン・以下DW)」の人気はいまだに根強いようですね。

ICONIC LINK(DW00100207)¥3万800円〈2025年6月時点〉

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ケース幅 28、32、36ミリの三種展開

 久しぶりにチェックしてみましたが、この3連ステンレスブレスのモデルはなかなか良いですね。潔いほどにシンプルなダイアルですが、従来の「DW」のデザインよりベゼルの存在感が増したことで、とても締まりのある顔になったと思います。

 3連ブレスの真ん中のコマはポリッシュされた鏡面仕上げ。ビジネスシーンで手元をいい感じで引き締めてくれると思います。全然興味のないブランドだったけど…ちょっと欲しいかもしれません(*´∀`*)

 この新作「ICONIC LINK」を出す前の「DW」は、基本的にはたった一種類の「虎の子」ともいえるデザインに、素材やサイズの展開を増やしつつ、何だか解んないけど「上手に切り盛りしているブランド」というイメージでした。男の私の目から見ると、ミニマリズムの申し子と呼ばれるシンプル過ぎる外見は「なんやしらんけど…全部同じに見える」ってな感じでした。

 正直、巷の女性に人気が高いと言われても「どこがエエんやろ?」としか思えませんでした。ホントにどこがそんなにツボるんだろう?

「シンプルでカワイイから?」「購入しやすい価格だから?」

 先に申しましたとおり、女性は「自分で自分の形を作る」ことが当たり前の世界に生きています。一方的なお仕着せでは満足でしない…例えば千人の女性がいれば、そこには千通りの「個性」が存在するのですから(そこを尊重できる男がモテるんですよね)

 つまり「個性の強すぎるアイテムはコーディネートの邪魔になる」というある種の強迫意識が働いて「DW」に代表されるインシピッドな腕時計の、高い汎用性がもてはやされているように感じます。

 シンプル過ぎる「2針」「DW」は、ほぼ「着けていない」に近い薄い存在感で腕に巻かれるはずです。彼女たちはそこに思い思いのストラップやブレスを組み合わせて、自分に最高の相性を発揮する「カワイイ」を完成させるのでしょう。気軽にいろいろ可能性を試せるリーズナブルなお値段も支持される理由です。

 そういう意味でいうと「DW」の腕時計は「贈ってもらう」より「自分で買う」モノなのかもしれません。

 あれ?何が言いたかったのか、解かんなくなってきました(汗)

 「DW」のように手頃な価格で何となくオシャレな腕時計に人気が集まる一方、高級ブランドの腕時計は現在苦戦中といっても良い状態にあります。

 「高級腕時計」「高級」な分、当たり前ですが「DW」より大きな満足を顧客に与える使命を帯びています。「メンズ」の場合は解りやすい「ブランド力」「機能」を全面に押し出すだけでもある程度の計算は立つでしょう。 

それが「レディース」だとそう簡単にはいかない…

 美しく可愛いらしい女優やモデルを使った広告も「あの人だから似合うのよ」と言われてしまう難しさは、およそ「メンズ」の世界では無縁の反応です。ブランド力だけではダメ、機能美なんて知ったことじゃない、キモになる「カワイイ」だって人によって全然違う…(;´∀`)

 「レディースの腕時計」をデザインする全てのプロダクトデザイナーの方に敬意を表します。大変でしょうけど、珠玉の一本で淑女たちのハートを射抜いて下さい(*´∀`*)

 最後に私が「カワイイ」「カッコいい」の中間くらいの、揺れる気持ちで見てしまう一本をご覧ください。

ROLEX オイスター パーペチュアル 31 (177200)

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出典:https://www.chrono24.jp/

 このバランス、この一歩引いた中で際立つ存在感。オイパペは「レディース(ボーイズ)」の方がカッコよく見える時計の典型だと思っています。

 ベゼルとケースの形が印象的で、シュリンクされたダイアルが一層キレイに見えます。「メンズ」のオイパペと構成要素は変わらないはずなのに、なぜかこちらには「宝飾」と呼んで差し支えないほどの気品を感じる。オッサンだけど買ってもいいかなぁ…ボーイズ…( ー`дー´)

 う~ん…やっぱりアレでしょうか?

 同じ機能のメカならサイズが小さい方により大きな「有り難み」を感じてしまうという、私の世代に特有の価値基準…ですかね?(汗)

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