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薄毛と腕時計のお話

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私が仮住まいする西新宿の界隈は、威圧的な高層ビル群が立ち並ぶことで知られる街です。なのでとにかく「風が強い」

私は強い風が苦手です。体重が軽くて飛ばされそう…みたいなメリー・ポピンズ的な可愛い理由ではありません。ぶっちゃけ頭髪が心もとないために、風が強いと髪型がグシャグシャになってしまうのです。ワックスを使おうが何をしようが関係ありません。本日はその辺の中年男にありがちな事情を絡めたお話をしたいと思います。

それは大昔、学生の頃の切ない思い出。

ひょんなことから知り合った漫画家さんのアシスタントをしていた時期があります。週刊と月刊を一本ずつ。先生とアシスタント2名という最小の布陣にとってそれは、こなせる限界量の仕事だったと思います。あれはキツかった…

子供の頃からの夢、「漫画家になりたい!」という気持ちが僅かに残っていた当時の私にとって、プロの現場で実際の厳しさを知ること以上の修行はありませんでした。その間にマイナーな雑誌でデビューさせてもらえたり、一応の夢を叶えることが出来たワケですが…後に紆余曲折があって、結論としては「自分にはとても無理だ」という判断を下しました。物語を作る能力も足りませんでしたし、マンガ絵も中途半端なレベルでした。確実性の低い無謀な夢を引きずることなく、早めに軌道修正できたのはよかったと思います。

一度アシスタントに入ると、2日は徹夜して背景や効果の絵を描き続けるハメになります。食事も適当、風呂も入れず…小汚いあんちゃんが3人、6畳一間にひしめくのです。ちょっとした地獄です。

あるとき先生が背後から、私の描いた背景をチェックしていた時のこと。「そこのアパートもっとボロっちく描いて」だったかな?そんな注文の後で先生に言われた一言は、まだ二十歳そこそこだった私には衝撃的でした。

「おまえ…ハゲてるやん」

 「えぇ!?」…急に何を言い出すんだこの人は!って感じでした。戸惑いを覚えつつも、すぐにもう一人のアシスタントに確認。早く!早く否定してくれ!(;´Д`)

「オレの口からは…ごめん」

 優しい口調とは裏腹に、それは私にとって残酷な事実を告げるものでした。二十歳での薄毛…恋も結婚もまだまだこれからだと思っていたのに…(´;ω;`)

まだインターネットなんてなかった時代です。情報の少なさはしばしば人を孤独にさせます。「二十歳の薄毛なんて、世界にどれくらい存在するんやろ?」そんなことを知りたくても、調べる方法は何もありませんでした。

思うに、頭頂部を侵略された最大の原因は、栄養への配慮に著しくかけた「食生活の乱れ」だったと思います。お腹にたまればそれでよし。そんな苦学生の鏡のような生活をしていたのです。タイムマシンがあったならあの頃の自分に会って「良質のタンパク質を採れ!」と諭したいところですが、うちにドラえもんはいません(;´Д`)

振り返れば、あの瞬間から私の「脆弱な頭皮を守る戦い」は始まりました。髪に良い生活を追求して、一時は見事なV字回復を果たしたこともありました。十分な睡眠と穏やかな日常を日々の課題として、できるだけストレスを溜めないように生きてきました。

それでも現実は厳しく、年齢とともに毛根は力を失い、煮込みすぎたニラのような有り様です。髪に良いとされるアミノ酸やら亜鉛やらのサプリにも相当なお金を使ってきましたが、最近は効果を感じることができなくなってきました。歳も歳ですし、そろそろ…年貢の納め時なのかもしれません(´;ω;`)

髪が薄くなると当然ながらヘアスタイリングが決まらなくなります。ある人からしきりに「パーマをあてたら?」と薦められるのですが、恐らく「パーマでウェーブ作って隠せ!」って意味だと思います。気遣いが嬉しい反面、「ほっとけや!」って感じもします。

スタイリングが決まらなくなってくると、最初に影響を受けるのが「服装」でしょうか。特に私服は変えざるを得ない状況に追い込まれます。もちろん探せば薄毛に似合う服もあるのはあるのでしょうが、全体として、若々しいアイテムは「痛い」感じになってしまいます。

実は腕時計にも薄毛に対して「似合う」「似合わない」の時計があると感じています。大雑把に言えば「若い人向けに作られた派手さのある大柄の時計」はキツい。

やはり薄毛はその要因に関わらず「老化現象」と見られる場合が多く、ゆえに服にしろ時計にしろ、若い人向けのエッジの立ったデザインがフィットしなくなってしまうのです。私もそこで悩んでいるところです。

「いっそ、スキンヘッドにして薄毛を躱せばいいんじゃない?」とアドバイスを頂くこともあります。しかしアレは、頭の形がカッコいい人にしかできない「高難易度」な技だということを解ってほしい。

私は頭の形が異様に悪いので、スキンヘッドはできれば避けたい…それに顔立ちもヌボ~っと冴えない感じなので、絶対にツルツル頭は似合わないと思うのです。目鼻立ちが良ければ、そりゃあやってみたいですよ。スキンヘッド。「ドウェイン・ジョンソン(ロック様)」みたいになれるならね(身体もバキバキに鍛える必要がありますが…)

「ロック様」が出てきたので、薄毛と体格の関係性にも言及しなければなりません。

同じ薄毛を比較したとき、体格のよい薄毛さんの方が断然「カッコいい」のは明らかです。男性フェロモン発現の最たるもの「薄毛」「恵まれた体格」の両方を持つ人は、「男らしさゆえの薄毛」という価値を獲得できるからです。それは「女らしさ」に比肩するものとして好意的に受け止められる存在として、男性の間でも一目も二目も置かれるのです。私自身も「あの人、男らしくてカッコいいなぁ~」と見惚れるのはそういう薄毛さんです。

ここで言う体格は「筋肉」を指すものではありません。固太りで単純に「デカイ人」ならよいのです。その存在感が細かいディテールを凌駕して、薄毛すら魅力に変えてしまうワケですから。

そういう恵まれた人なら腕時計に関してもそれほど気遣うことなく、好きなものを使えると思います。そもそも大柄の人はオーバーサイズを苦もなく着けこなしちゃいますから、羨ましいですよね。

問題は薄毛の進行で「全体的に老けて見えてしまう」私のような人の場合です。ここからは似たような悩みを抱えて生きる「同朋」に向けて、「将来に向けてオレたちが購入すべき時計」について考えてみたいと思います。具体例というよりは、「カテゴリー」に関する提案です。

若者向けに設計された腕時計の多くは、薄毛でなくとも中高年にはマッチしづらい難しいアイテムです。もちろん敢えてそこに切り込んで、軽やかに着けこなしている上級者もいるにはいます。そういう人は既存の考え方に新しい価値をプラスできる「開拓者」的な存在です。隙きのないオシャレに挑んでいる人、みたいな印象です。

しかし、私を含めた「一般の中高年」にとっては難題です。それなら最初から中高年に似合うよう設計されたもの、さらには薄毛にも似合うような時計を探したほうが近道ってなもんです。

最近のことですが、この件に関して一つの正解にたどり着きました。

薄毛さんには「貴石や貴金属を使った時計がよく似合う」という事実です。今でも変わりませんが、私はインデックスがダイアだったり、これみよがしにプラチナが使われているような時計は苦手です。コレクションのバランスみたいなものを考えて、時々「総ゴールド」みたいな時計も買ってしまいますが、例えば10本くらいの所有本数なら絶対に買わなかったと思います。

しかし、「好き」「似合う」は異なります。ほぼ無関係です。

そもそも「似合う」は他者評価です。他人さまからそう言われて初めて「似合う」を自認すべきなのです。

昨年末の「腕時計欲しい欲しい病」発症直後のこと。近所の散歩に出かけたつもりが、いつのまにか新宿の小田急百貨店にお邪魔していました。学生時代によく遊びに来ていた界隈でもあり、未だ懐かしさを残す小田急周辺は足が向きやすい場所なのです。

躊躇なく腕時計売り場へ特攻。一時間ほどを費やして20本近くの時計を下見することができました。その時、私と腕時計に関する「ある種の変化」に気づかせてくれたのは、セラミック使いが得意な、あるブランドのブティックに立ち寄ったときのことでした。

私の「これとは決めてないけど、とにかく腕時計がほしい」というアバウトな注文に応えてショーケースから出してくれた時計は、どれもこれまでに薦められた経験のないタイプの時計でした。

シンプル過ぎる3針にダイヤのインデックス、艶かしく輝くマザー・オブ・パールのダイアル、ド派手なコンビモデルなどなど。それはこれまでなら決してお薦めされなかった腕時計でした。

試しに着けてみると、「すごくお似合いですね」とスタッフさん。私も確かに「あれ?似合うじゃん」と思いました。それは不思議な感覚でした。全然ほしいと思っていなかったジャンルの時計でしたが、何かしら私に足りないピースを埋めてくれた気がしたのです。

以前、私が行き付けだった大阪なんばの腕時計専門店で聞いたことがあります。「お客さんへ商品を薦める基準は何ですか?」

そのお店のスタッフさんは言いました。「お客様に似合うと信じたものです」と。その根拠については「専門店のプライドです」とも仰っていました。

その言葉を信じるなら、小田急百貨店で某ブランドが私に薦めてきた、ダイヤのインデックスやマザー・オブ・パールといった「派手な装飾」を施した時計こそが、今の私に似合う時計だということになります。進行中の薄毛を含め、私という対象を全体的に見て判断したときに、そう思わせる何かがあったのでしょう。

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私のオヤジも大概な薄毛さんでした。そして身に着けるものに関しては生粋の「派手好き」でもありました。今思えば、すでに答えはあったのです。

薄毛の大先輩だったオヤジには解っていたのかもしれません。ある年齢に達して外見がそれに比例して変化する中で、自分を客観的に見ることがいかに大切かということを。

上の写真のROLEX(DJ)もオヤジの形見の一つですが、これはまだまだ大人しい方。他に数十本は所有していたであろうオメガを中心とした時計たちは、さらに輪をかけて派手なシロモノでした。子供だった私の目には「趣味の悪い腕時計」としか映らなかったそれらですが、今なら解ります。確かにオヤジには似合っていました。

私の旧知にいつもキレイに身なりの整った、70歳代半ばのご婦人がおられます。その方なんと!アイラインのアートメイクとまつ毛のエクステをされてるんです。私の母と同世代ですから、比べるとちょっと信じられない女子力です。そして実際にまつ毛やアイラインの効果は絶大だと思いました。そりゃあ、若い子がやるワケだわ。

私には、貴石や貴金属を使った派手な紳士用の腕時計が、そのアイラインやまつ毛と同じ効果をもたらすものに思えます。若さという美の根源的な力を失っても、あるべき自分として輝かせるための、それは最終手段だと思うのです。特に腕時計は男子にとって最後まで残る装身具です。その存在感と影響力は軽視できません。

歳を重ねた男子が、失った魅力を取り戻すために着ける「エクステンション」として、女子力ならぬ「魅惑の男子力」をプラスしてくれる「派手な腕時計」の存在価値に目を向けてみませんか?

そして気が向いた時に、お近くの腕時計専門店でその腕に巻いてみて下さい。意外や意外、似合っていたら、きっとあなたも私の同朋に違いありません。頭髪にお悩みならなおさらです(*´∀`*)

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