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「贋作」が腕時計の文化を破壊する

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今回は手短に書きたいと思います。毎度毎度5000字を超えちゃうと、読む方も大変じゃないかなぁ~と思いまして(;´∀`)

とその前に、先日職場内でブライトリングの「コルトオーシャン」を見つけました。多分「A17035」だと思うんですけどねぇ。大事に使っていらっしゃるようで、ライダータブ付きのベゼルがピカピカに輝いていました。何だろう…その光景だけで私は幸せな気持ちになるのです。「腕時計同好会」とか会社に作っちゃおうかしら(*´∀`*)

さて、ここで皆さまに質問です。

「貴方がお使いの素敵な腕時計…果たして本物ですか?」

いきなりの不躾な問いかけに「ムッ!」とした方もいるかもしれません。しかしこの質問、実は私自身にも投げかけたものでした。

というのも…「二次市場」から入手した腕時計の「原則的に正真正銘の本物」であるという、消費者にとっては「当たり前の認識」が、些か怪しくなるような記述を読んでしまったからなのです。

最近、心底「恐ろしいなぁ」と思ったニュースに、最近の高級腕時計の「ブランドコピー品」「信じられないくらいのレベルに到達したらしいぞ!」というのがありました。

弊ブログでは折りに触れ「コピー品はダメ絶対!」な立場を貫いてきました。珍しいことでも何でもない、腕時計愛好家なら当たり前の「反射」です。善悪の判断を待つまでもなく「ブランドコピー品はゴミ以下」であると断言します。

実はここ数ヶ月の間で異なるメディア(SNSを含む)から同様の情報をちょぼちょぼ得ていました。そこから調べ始めると、信頼できる報道の中にもそのような記述を多数発見。そもそも「購入するヤツがおるから作るんやろ!」とやり場のない怒りで悶々とする私。「そんなもん買うて、何がしたいんや?」と正直思いますし、自己満足で終わるならまだしも、同時にそれは、明らかな「他人を欺く行為」なのです。

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許すまじ…コピー品

例えば…どこぞの有名ブランドの時計が欲しかったとして、程なくその時計をモデルにした…俗に言う「スーパーコピー」の存在を知ったとします。普通なら「怒りが沸々と湧いてくる」はずです。ずっと欲しいと思ってた高級時計。いつかは買ってやろうと頑張って働いてきた。それなのに…「ワシの真っ直ぐな憧れと情熱を返せ!」と思って当然。「ブランドコピー品」は腕時計文化の純粋な部分に泥を塗る存在なのですよ。

ところが稀に(稀だと思いたい)「そっくりさんが100分の1の価格で買える!安い!ラッキー!」みたいに考える人もいるのでしょう。そういう人が身近に存在するわけではありませんが…以前、某SNSで一度だけ「間違いなくパチモン」なロレックスを見たことがあります。

それはどこぞのメディアで「贋作はこうして見抜け!」みたいな記事に取り上げられたモデルでした。もの凄く良くできたパチモンでしたが、一箇所だけ誰にでも解る違和感があるのです。私が気付くくらいですから、多くの人が「おいおい!」と思ったはずです。

「いいね」の少なさから、オーディエンスの戸惑いが伝わってきました。だって「いいね」を押したら、贋作を認めたことになっちゃいますからね!「当人が気付いていない可能性もあるし…軽々には突っ込めん!」とソワソワした人も多かったはずです(;´∀`)

この「大っぴらに非難しづらい」という心理的な構図こそ、ブランドコピー品を撲滅、或いは駆除できない事実に直結しているのだと思います。ソワソワしちゃうのはそう言うことでしょう。

しかし、いずれは世界の高級ブランドが一致団結して真贋を瞬時に判定する「特殊な検査方法」を開発するなど、出来るだけ水際で食い止めないことには、後々マズいことになるような気がしています。

というのも、少なくない数の「スーパーコピー」がすでに中古市場を対流している可能性があるという記述を、某メディアでつい先日、目撃したからです。それは背筋が凍るような報告でした。中古品で過去の名作に触れることを楽しみにしている私なんかにしてみれば、絶対に信じたくない話だからです。

この報告の真の恐ろしさは、贋作が本物に混じって「しれっと流通している可能性」…ではありません。曲がりなりにもプロを標榜する買い取り業者の「目を欺けるレベルの贋作が存在する」こと。そして、その贋作の贋作たる特徴について「プロの業者が見逃してしまっている」…という事実の方です。

中古市場の表玄関である「買い取り業者」が厳正な「審判」の役目を果たせていない可能性は、中古市場の存在価値を大きく揺るがす問題だと思います。

映画「ルパン三世 カリオストロの城」には、超絶技巧で作られた「ゴート札」という偽札が登場します。世界の様々な大事象に関与したとされる闇資金、それが「ゴート札」だったと…そんな話でしたっけ。

この映画、かつてのTVシリーズの中に元ネタとされる回があることで知られています。「ルパン三世1stシリーズ」の第10話、「ニセ札つくりを狙え!」がそれです。

そこには偽札作りの天才職人として「イワノフ」という人物が出てきました。その奇跡の手から作られた偽札を目にしたルパンは「素晴らしい!芸術だ!」とべた褒め。イワノフの才能に敬意を抱くルパンは「いやぁ素晴らしい!まさに神業だ!」といつもの軽薄な調子でグイグイ彼に接近します。とそこには一枚の紙幣が。

 ルパン「ん?これは失敗作かい?」

 イワノフ「それは本物でございます」

 凄いぜイワノフ!!(;´∀`)

本物以上…そこまで行けば偽札にも芸術的価値が出るのかもしれませんが、それって偽札としてはアウトなのでは…とも思ったり。

件の「凄いスーパーコピー」「本物より凄い」となれば興味を示す手合が現れるかもしれませんが、実際はどこまで行っても「本物を超えられない存在」なのは確かです。しかし、聞いた話によると「トゥールビヨン」すらコピーしてしまえる業者もあるそうで、そこには「複雑機構を組める時計師」が所属しているということになります。それは余りにもったいない。今すぐまともなメゾンに就職して、その才能を正しく使ってもらいたいものです。

ブランドコピー品の罪深さは、身近な人を騙したり、中古業者を欺いたりすることだけではありません。コピー品は存在するだけで腕時計文化の純粋性を失わせ、その歴史の価値を粉々に粉砕する可能性があるのです。

現在のことは解りませんが、かつて「ルイ・ヴィトン」のバッグなどはコピー対象として格好の餌食でした。一時はちょっと怪しげな商店街なら普通に出回っていたくらいで、ある意味コピー品の分際で妙な「市民権」さえ得ていたように記憶しています。実際、特徴的な「モノグラム柄」はコピーの象徴みたいに扱われ、本物を持っていても本物に見えない…そんな不条理が起っていました。

その結果「ヴィトンなんてダサ~い」みたいな女の子が増えて「街でモノグラムのバッグを見ない」時期すらあったと思います。その代わりヴィトンは「ダミエ柄」で巷を席巻していましたっけ…確かに!ワシも買わされたでぇ(;´∀`)

その時代の「モノグラム=パチもん」という風評の原因が、大量に流通してしまったコピー品の存在なのは間違いないでしょう。本物を持っていても「それって本物なん?」と、いちいち訊かれたとしたら…失礼な!もうええわ!ってなりますよね?

この先、腕時計のコピー品が近所の商店街にまで流通したらと考えると怖すぎますが、万が一ロレックスのコピー品が「当たり前に買える」ようになってしまったら…本物のロレックスの方にも影響がないとは言い切れません。

与太話に聞こえるかもしれませんが、パチモンのヴィトンも一時はそんな感じでしたからねぇ(;´Д`)

近くの人に「どうせ偽物でしょ?」なんて思われているとしたら…誰が大金だして高級品なんか買うでしょうか。

二次市場に降りる前の検問「プロの買取業者」の真贋判定も及ばない、それこそ「スーパーなコピー品」が多数暗躍しているとなれば、中古品に対する信用は瓦解し、その価値はいずれ地に落ちるでしょう。「真贋判定できないので、こちらの時計は買い取れません」なんて、本末転倒な「最悪」もありえます。

現在の腕時計を取り巻く環境は、過去に例がないくらい良好です。これは関係者の並々ならぬ努力と消費者の深い理解があったればこそ。そんな状況を日常として見てきた消費者ならば、同様の日々が未来永劫続くものだと誤解しがちです。

しかし「必需品」とは言えない「高級腕時計」の足元は案外と脆弱なのかもしれません。それは砂で作られた壮麗なお城のようなもの。関係者が長い年月、心血を注いで積み重ねてきた「信用」という名の「砂の城」が、許されざる「ブランドコピー品」によって今まさに破壊されようとしているのです。

大袈裟ですかね?(・д・`)

結果的に「あんた大袈裟やなぁ」で終わればそれが一番だと思います。しかし現実はそんな楽観主義者たちの観測など無視して、最悪の一途を辿っているかもしれないのです。

「正規店でしか買わんし関係ないわ」と仰る方…そのまま続けて下さい。それが一番安全です。二次市場に関わらなければ騙されることもないでしょう。

問題は、複雑な事情で「並行品」に頼り、過去の良作を求めて「中古品」を漁り続ける私のようなタイプでしょうか。こういう楽しみ方をしてきた方は、今後はこれまでの何倍もの注意を払って、腕時計を探すことになるでしょう。プロの目すらアテにできないとなれば、頼れるのは己の知識と感性のみ…「ブランドコピー品憎し」の心を糧に刮目して「二次市場と対峙」するしかないのです。

…にしても、リスクを甘受できない方にとっては、おいそれと手出しできない趣味になってしまったんでしょうかねぇ…腕時計(´;ω;`)

「ブランド」「販売・流通」そして「消費者」…これら強固な「価値観」のトリニティーに侵入してきた異物「ブランドコピー品」。最新モデルのコピーすらもあっという間に完成させる開発力には正直舌を巻きます。しかし、不正な方法でマーケットに侵入し消費者を惑わす「まがい物」には絶対に手を出してはいけません。

誘惑に負け、一度でも買ってしまったら…その人は二度とまともな「愛好家の楽園」に立ち戻ることはできないでしょう。腕時計の「失楽園」ですよ。

どれだけソックリでも、どれだけ魅力的に見えても…「ブランドコピー品」は所詮「最低最悪の偽物」です。腕時計の歴史と、これから先の腕時計の未来を大切に思う方なら、絶対に手を出すことはない…私はそう信じています。

とりあえず、せめてもの自己防衛策として中古を探す際は業者さんから「正真正銘本物です!」という言質を取りましょう。業者さんに「疑ってるのか?」と思われても仕方がありません。たったこれだけでもだいぶ違うと思うんですよねぇ。気持ち的に(*´∀`*)

そもそも買取業者さんだって被害者なのですから、いずれ何らかの手を講じてくるはずです。日本の二次市場は非常に安定して運営されており、それは優秀な業者さんの頑張りと、秩序ある消費者の行動による成果だと思っています。

私たち消費者と業者さんがタッグを組んで、日本の二次市場という名の「領海」から、怪しげな「改造漁船」を叩き出してやりましょう!!

※今回は約4700字でした。短くまとめる才能なさ過ぎでスミマセン(;´∀`)

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