不思議だ… これだけ話題になってそれがこれだけ長く続けば、本来なら大規模な「コモディティー化」が起きてもおかしくはないはずなのです。そう、今回取り上げるお話の主役は「ロレックス」さんです。
長く腕時計業界のトップランナーとして牽引役を担うに相応しい確かなモノ作りで消費者の期待に応え続けてきた「ロレックス」。当然ながら、常に下からの突き上げを食らってきたわけですし、実際、ロレックスの品質に肉薄したメーカーもあります。
それでも、少なくとも2010年代以降は「ロレックスの独壇場」が継続しています。ってなわけで今回は、今以て消費者の興味を最大限に喚起し続けるロレックスの秘密とその理由について、ワタクシなりに考察したいと思います。どうか最後までお付き合いを (*´∀`*)
トップランナーを引きずり下ろす「コモディティー化」とは??
解りやすいのは「デイトナ」を例にした場合でしょうか?? 腕時計好きの永遠の憧れにして、入手難易度「Sクラス」のコスモグラフ・デイトナ。
その人気と話題性は常に消費者の注目の中心にあり、その注目点こそがロレックスを追随するメーカーにとっての道標でもあります。要するに、見た目や機能性を含め、デイトナの全てが「模倣の対象」になるのです。
模倣で応酬するメーカー自体が巷で「一流」と呼ばれるブランドであった場合、出来上がった製品のレベルも極めて高く、消費者に「デイトナの代わりにコレでも構わない」と考えさせるプロダクトが完成する場合もあります。
一般常識の範囲で言えば、ここで「コモディティー化」が発生します。見た目や機能がさほど変わらない製品が、デイトナよりもはるかに安く入手難易度も低いとくれば、大元の商品が純粋な「価格競争」に巻き込まれるのも仕方がありません。そうして、差別化されていた製品のアドバンテージは薄れます。
価格以外の差が消滅すれば、消費者は安さだけを購入の指標に切り替えます。特に目には見えづらい「耐久性」や「質感」は軽視される傾向にありますから、かつては特別視されていた製品も自然と汎用品(コモディティー)として扱われるようになるのです。「コモディティー化」とはこれら一連の現象を指す言葉です (;´∀`)
「コモディティー化」に抗うすべはあるのか??
ここで一旦、「コモディティー化」の概要をまとめたいと思います。「要因」と「影響」、ブランドが講じる「対抗策」についてお話します。
コモディティー化が起きる代表的な要因
技術の平準化
革新的だった技術が他社に模倣され、市場全体の水準が上がることで、製品間の違いが曖昧に。
過剰な競争
参入企業が増え、差別化の手段が枯渇し、最終的に「価格勝負」に。
顧客の成熟
顧客が製品・サービスを「当たり前のもの」と見なし、驚きや感動を感じなくなる。
情報の過剰供給
レビューや比較サイトなどで製品の情報が簡単に手に入るようになり、選択が機能や価格のみに。
「コモディティー化」の影響
「価格競争の激化」はいずれ、深刻な「利益率の低下」を生じさせます。「ブランド価値の低下」は築いてきた「ブランドロイヤルティを喪失」させるでしょう。また、そういった状況で生き残るためには「経済的な体力」が必要です。大手のみが繁栄するという消費者にとって面白みのない状況は商品カテゴリー自体から活力を奪います。深刻化した場合、規模の小さな「中小企業」は自然と淘汰される運命を避けられません (;´∀`)
「コモディティー化」に対抗する策は??
市場としては非常に厳しい「お見合い状態」が発生します。消費者の総数に対して「購入可能性のある人」の数が限られている「腕時計業界」にとってみれば、コモディティー化の発生は絶対に呑み込まれたくない「泥仕合の様相」です。
そういった忌むべき状況を避けるために、ブランド(メーカー)が行うべき「対抗策」には以下のようなものがあると考えられます。
- ブランド力の強化(プレミアム戦略)
- サービスのパーソナライズ化
- 顧客体験(CX)の向上
- 知財(特許など)による囲い込み
- サブスクリプション化
つまり、「ウチの商品を他の有象無象と一緒にするな!!」という戦略です。ただこれら施策は大きな「危険性」も孕んでいます。特にそれが「高級路線化」を伴う場合、消費者は容易に興味と愛着を失います。一度失った関係性を取り戻すことは容易ではありません。
模倣の乱立は大元のブランド価値を大きく引き下げかねませんが、模倣による「イメージの搾取」をものともせず、むしろ「本物としての価値」を高め続けるブランドがあります。恐らく世界で唯一、「コモディティー化の方程式」から逃れ、孤高を保ち続けるブランド… それが「ロレックス」です。
この瞬間もロレックスの何某かを求めて並ぶ行列は後を絶ちません。一体全体なぜ、数百万円の腕時計が「需要に対して圧倒的に供給が足りない」なんてことが起きるのか…
ロレックスの時計は「本当に枯渇しているのか??」 次の段ではその辺りを考察して参ります (*´∀`*)
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ロレックスが「モデル別年間販売本数」を公表しない理由を考える
最初から言い訳のようで恐縮ですが、ロレックス社は非常に秘密の多い企業です。どんな情報も全ては経営戦略の名のもとに一括管理され、その秘匿ぶりも徹底されています。ですから大手メディアの情報も基本的には「推論」に過ぎません (;´Д`)
では何故、ロレックスは枯渇を実証するために不可欠な「各モデルごとの年間販売本数」を公表しないのか?? ChatGPTの「ディープリサーチ機能」を用いて、専門家の意見や信頼できる情報源の見解を整理しつつ、秘密のベールの向こう側に迫ってみたいと思います。
非上場企業ゆえ、情報公開義務がない
ロレックスは創業者の名を冠したハンス・ウィルスドルフ財団によって運営されている非上場企業です。株式市場にも公開されていません。
そのため、上場企業のように業績や販売数を公表する法的義務がありません。故に経営指標や販売データを外部に公開しない方針をとっています。
ロレックスは売上高や生産本数なども公式には一切公表しておらず、これは「個々の製品こそが主役であるべき」という同社の哲学にも沿った姿勢だと考えられます。
財務情報さえも非公開であるため、モデル毎の販売本数のような詳細なデータが公開されないのは当然かもしれません。
「希少性を演出」巧みなマーケティング戦略
ロレックスと言えども、商売の原則「需要>供給」からは逃れられません。ロレックスが販売データを公表しない背景には「製品の希少性を演出する戦略」もあるでしょう。自社製品の高い品質をベースに市場での「希少価値という魅力」を維持しているのです
需要が常に供給を上回る状況を意図的に作り出すことで「入手困難」なブランドイメージが醸成され、顧客の熱望や話題性を高める圧倒的な効果を生み出します。
実際、正規店での人気モデル入手は非常に困難な状況となっており、わずかな入荷情報にも顧客が殺到する有り様です。需要の超過状態はロレックス社のマーケティングの柱として最重要の位置にあるため、具体的な販売本数を公開しない戦略こそが需給バランスをコントロールして、希少性を演出する役割を担っています。
巷では「ロレックスが意図的に出荷を絞っている」との噂もあります。これらの批判についてロレックス公式は「未曾有の需要が原因」と説明しており、あくまで需要が供給を大きく上回っている故の結果であると述べています。
いずれにせよ、詳細な生産・販売数を明かさないことが「ミステリアスな需給実態」を演出し、ブランドへの関心と希少価値を高めているのです (*´∀`*)
「秘密主義」が形作るロレックスの『神話』
「秘密主義」とも言われる情報非公開の姿勢自体が、ロレックスのブランド戦略と合致しています。他の高級時計ブランドのように工場見学をメディアに開放したり、経営者や技術者が積極的にメディアに露出することもほとんどありません。メディアで自社製品を語ること自体がブランドと製品価値を貶めると考える、数少ない企業です。
社内の動向や戦略を公にしないことで「世界で最も有名でありながら最も神秘的なブランド」という独自の地位を確立。この神秘性ゆえに人々の好奇心がかき立てられ「もっと知りたい」「何が何でも手に入れたい」という欲求を生み出しているのです。
ロレックスは経営情報だけでなく創業以来の詳細な歴史や内部の意思決定プロセスについても多くを語りません。その「語られざる部分」がブランドにある種の「神格化」をもたらしているのです。モデル別の販売本数を明かさないのも、このロレックスの一貫した秘密主義と完璧に整合しており、情報を絞ることでブランドの高貴さや権威性を演出している側面があるのです。
ビジネスにおいて「神格化」を勝ち得た稀有な企業である「ロレックス」。腕時計ビジネスはもとより、他のどの業界で探しても「ロレックス」のようなブランドは見当たりません。余人には到底真似のできない手腕です。
非公式な考察を容認することで「ロレックスの注目度」はさらに高まる
ロレックスが自社で詳細データを公表しないため、業界関係者や調査機関による「サードパーティ分析」がロレックスの実態を知る数少ない手がかりとなっています。
例えば、投資銀行モルガン・スタンレーと調査会社LuxeConsultのレポートには、ロレックスは2021年に「約105万本の時計を生産」し、金額ベースでスイス高級時計市場の「約29%を占めた」とあります。
しかし、これらの数字はあくまで第三者の推計であり、ロレックス自身が公式に認めたものではありません。
確実な公式データが得られた最後の年は2015年で、この年にロレックスは「約79万6千件のクロノメーター証明書を取得」したと公表しています。当時はそれが年間生産本数の推定根拠とされました。
その後COSC(公式クロノメーター検定機関)の公表形式変更もあって、ブランド別の証明書発行数は伏せられ、以降は業界アナリストによる推計に頼るしかない状況が続いています。
面白いのは当のロレックスがこうした第三者の分析結果について「肯定も否定もしない姿勢」を貫いていることです。業界や顧客は推計値に基づいて同社のビジネス規模を見据えるしかありません。しかしある意味では、ロレックスはこの状況を「戦略的に容認している」とも言えます。外部分析に任せておくことで自社からは一切何も明かさず済みますし、それによってブランドの謎めいた部分を保ちながらも、消費者側にとってブランドの優位性証明である「市場規模の推測」が可能だからです。
公式発表がないことで生まれる憶測や議論さえも、ロレックスにとっては注目度を維持する一助なのです。 以上のように、ロレックスがモデル別の年間販売本数を公開しないのは、非上場ゆえ「情報開示義務がない」こと、希少性を演出する「マーケティング戦略」、ブランド神話を支える「秘密主義」、そして第三者分析に頼ることを「容認する方針」といった理由が複雑に絡んでいると考えられます。これらの方針がロレックスのブランド価値を否応なく高め、長年にわたり高級時計市場で独自の地位を維持する原動力となっているのです (*´ω`*)
次の段ではロレックスの「主要モデル」について、その推定年間販売本数を見ていただきつつ、特定モデルの「人気の理由」について分析して参ります。
※コチラの販売本数も気になるところです(笑)
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ロレックス主要モデル別・年間販売本数(2022–2023年推定)
主要モデルごとの年間販売本数および全ロレックス内の販売シェア(%)は以下の通りです(数値はいずれも公表値ではなく業界分析に基づく推計)
モデル名 | 推定年間販売本数 | 販売シェア(%) | 備考 |
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デイトジャスト | 約300,000本 | ~25–30% | 1945年発売。幅広いサイズ・デザイン展開でロレックス最大の主力モデル(販売数は第2位モデルの2倍超)。世界中で人気が高く、若年層の購入比率も最大。 |
サブマリーナー | 約120,000–130,000本 | ~10% | 1953年発売のダイバーズウォッチ。ステンレススチール製が中心で需要も非常に高い。近年生産拡大傾向にあり、ロレックス内で最も製造数の多いプロフェッショナルモデル。 |
GMTマスター II | 約90,000本 | ~8% | 1955年初代発売のパイロットウォッチ。近年の「スプライト」(左利きGMT)追加で人気がさらに上昇。ステンレスモデルが約6割を占める。生産本数はサブマリナーに次ぐ規模。 |
コスモグラフ・デイトナ | 約25,000本 | ~2% | 1963年発売のクロノグラフ。供給数が特に少なく、全モデルの中でも約5%程度に留まるとされる希少モデル。ステンレス製は全体の約1/4と極めて限られ、残りは金無垢やコンビモデル。需要超過で常に品薄状態。 |
エクスプローラーⅠ&Ⅱ | 約80,000–90,000本 | ~7% | 初代エクスプローラーは1953年発売(エクスプローラーIIは1971年)。耐寒・耐衝撃性を備えた探検家向けモデル。価格帯が比較的低めなこともあり生産数はGMTマスターIIを上回るとの分析もある。主に北米や欧州で人気。 |
デイデイト | 約50,000–80,000本 | ~5–7% | 1956年発売。「プレジデント」の愛称で知られる高級路線モデル。金無垢(18K金・プラチナ)のみで展開されるが、サイズや素材バリエーションが豊富なため販売比率はサブマリーナーやGMTより高いと報告された。米国やアジアで特に人気。 |
オイスターパーペチュアル | 約120,000本 | ~10% | 1930年代から続くロレックス基本モデル(現在の現行コレクションは様々なサイズの無垢ステンレスモデル)。エントリーモデルながら近年のカラーダイヤルブームで需要急増。クラシック系列ではデイトジャストに次ぐ生産量と推測される。 |
※上記の「販売本数」は2022年または2023年時点の年間生産・販売本数に基づく推定値です(ロレックスは非公開企業のため正確な公式数値は公表されていません)。「販売シェア」はロレックス全体の推定総生産本数(2022年約120万本、2023年約124万本)に占める割合を示しています。
推定販売本数に基づく「分析と考察」
ここ数年、ロレックスは年間「約120万本超」の腕時計を生産・販売したと推定されます。中でも「デイトジャスト」は、ロレックスの企業活動を支える頭抜けたモデルラインです。
全体の3割近くのシェアを占める「デイトジャスト」
「デイトジャスト」販売本数シェアは全体の「3割近く」にのぼり、単一モデルとしてロレックス社の売上を強力に牽引している基幹モデルです。
事実、デイトジャストだけで年間推定「23.7億ドル(小売価格ベース)」の売上を生むとの分析もあり、単一モデルで『独立ブランド並み』の大きな存在感を示しています。
「デイトジャスト」はサイズ・素材・デザインのバリエーションが極めて豊富で価格帯も広いため、男女問わず世界中の顧客層に受け入れられていることが、この圧倒的シェアの要因です (*´∀`*)
安定した需要で売れ続ける「サブマリーナー」
スポーツモデルでは「サブマリーナー」が最も生産数が多いと見られます。伝統的なダイバーズモデルであるサブマリーナーは、ステンレススチール製を中心に常に高い需要があり、総生産の「1割強」を占めるとの推計があります。
「サブマリーナー」は近年、生産がやや拡大しているとの見方もあります。ウェイトリストの緩和が見られるかもしれません。
これからも代表的な希少種?? 「コスモグラフ・デイトナ」
一方で「コスモグラフ・デイトナ」は変わらず非常に入手困難です。その年間生産は全体のわずか数%程度(2~3万本規模)と推定されています。
ロレックスの中でも特に限定的な製造数であることが「デイトナ」の高い希少性とプレミア価格維持につながっています (*´ω`*)
比較的、需給バランスが良い「GMTマスター II と エクスプローラー(I・II)」
「GMTマスター II」や「エクスプローラー(I・II)」も主要スポーツモデルとして年間数万本規模が生産されています。「GMTマスターII」は世界的な旅行需要や近年追加された新色モデルの影響で高い人気を維持。生産比率も総数の約8%程度に達し、比較的入手しやすいモデルと言えます。
「探検用ツールウォッチ」である「エクスプローラー」に関しては合算の生産比率で「GMTよりも上」であると考えられています。ニッチな位置付けながら安定した供給が続いているので、こちらも比較的手に入れやすいラインです。
ロレックスの売上を支える高額モデル「デイデイト」
高価格帯の「デイデイト」いわゆる「金無垢のロレックス」もロレックスを代表するモデルです。素材の特性上、生産数自体はステンレス中心の他モデルより少ないものの、カラーバリエーションやサイズ展開が豊富であることから、中古市場での流通比率では「サブマリーナー」や「GMTマスターII」を上回るとのデータもあります。資金さえあれば手に入る可能性の高いモデルなのかもしれません。
日付と曜日表示を備えた「デイデイト」は米国やアジアの富裕層に人気が高く、ロレックス内の「売上貢献度も非常に大きい」モデルです。
若年層に大人気「 オイスターパーペチュアル」
最後は「 オイスターパーペチュアル」です。このモデルはロレックスのエントリーラインでありながら近年注目度が急上昇しています。
2020年以降に発売されたカラフルなダイヤルの「 オイスターパーペチュアル」は品薄状態になるほどの人気となり、同社クラシック系列ではデイトジャストに次ぐ生産数を占めるとの分析結果もあります。
価格帯が抑えめでサイズ展開も多彩であることから、若年層や初めての高級時計購入層にも支持されており、実際「Chrono24」の調査には、購入者が30歳未満の層において「ロレックス全販売の41%が オイスターパーペチュアルなどのクラシックモデルで占められる」とあります。
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以上のように、ロレックスのモデル別販売動向を見ると、「デイトジャスト」を筆頭にクラシック(ドレス系)モデルが全体の約5割以上を占めつつも、プロフェッショナル(スポーツ系)モデルにも依然として高い需要が続いていると解ります。特に「デイトナ」や「GMTマスターII」など一部モデルは供給が極端に絞られており、市場での極端なプレミアム価格にも納得がいきます。
ロレックス全体としては2023年に小売売上高が初の「100億スイスフランを突破」。市場シェアも30%超と「前例のない水準」に達しました。
モデルごとの戦略的な生産配分(収益性の高い金無垢モデルや人気スポーツモデルの慎重な供給調整)により、同社はブランド価値と需要超過状態を巧みに維持していると言えるでしょう。ロレックスだからこそ可能な「超売り手市場の創出」です。
最後に… ロレックスの戦略が生み出す「憧れという物語」
象徴的なグリーンに縁取られたファサードを見るだけで、血圧が上昇する方もいらっしゃるかもしれません。数え切れない「敗北」が蘇り「あの緑を見るのも嫌だ」と言う方もいらっしゃるでしょう (;´∀`)
ただ、それこそが「ロレックスが提供するストーリー」であるとも言えます。たかが腕時計の話でここまで心が乱されるのは何故か?? それはロレックスが仕掛ける一手がことごとく消費者の「耳朶を打つ」からです。
※命尽きる前に買いたいと思っています(汗)
今回は大規模な分析が必要だったため、ここ最近やたらと腕時計について語り始めた私の「ChatGPT」さんにお願いして、推論完了までに時間を要する「ディープリサーチ」を実施。お陰さまで人間の手なら数日は必要であろう検索作業が15分ほどで終わりました。まだまだ文章を人間のように組み立てる能力には至りませんが、データーマンとしてはすこぶる優秀です。
ここまで我慢して読んで下さった皆さまは、少なからず「ロレックスが気になっている」のではないでしょうか?? 僅かでも購入の可能性を引き上げる情報を求めて「腕時計喫茶」に辿り着いた方もいらっしゃるはずです。
驚異的なリセールバリューが「ロレックス人気」を支えているのは事実です。しかしそれだけをよすがに数百万円を支払う覚悟で、尚且つ「真夏の炎天下にマラソンを断行する」なんて馬鹿げています。今回の記事はそのような無茶を奨励するものではないことを、ここに明記しておきます (;´Д`)
それではもう一度、今回の記事の「主要な論点」をご確認下さい。
情報統制と非上場の強み
ハンス・ウィルスドルフ財団による非上場経営ゆえ、販売本数・財務指標を開示する義務がない。これが「希少性を演出する余白」を生み、ブランド神話を強化する。
需要>供給の人為的バランス調整
年間生産は約120万本規模に抑制。モデル別にデイトジャストが3割、デイトナは約2%と極端なメリハリをつけ、常時“品薄”を維持。一次市場で買えない体験が二次市場の高騰を呼び、結果的に正規ルートで購入すること自体が「特別な体験」となり、その価値が一層高まる。
一貫した製品哲学と品質管理
キャリバーの自社開発・内製率を徹底し、モデルチェンジを小刻みに行うことで、技術優位とリセールバリューを同時に確保。
語られぬ歴史が生む神秘性
工場見学やトップのメディア露出を最小化し、「見えない部分」そのものをブランド資産に転化。“知る人ぞ知る”構図がコレクターの心理を刺激する。
第三者推計を黙認する“計算された沈黙”
モルガン・スタンレー等が発表する推計値を否定も肯定もせず放置。外部が勝手に語る数字が無料の宣伝となり、注目を常に市場へ還流させている。
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ロレックスはこうしたレイヤーを多重に重ね、「秘密+希少+品質」のトライアングルでコモディティー化を封じ込めています。言い換えれば「開示しないこと」自体が最強のマーケティング資産。この戦略が崩れない限り「王冠の神話」は投資対象としても嗜好品としても頂点に居続けるはずです。
「憧れ」を自らの「誇り」とするためには、お目当てのモデルを入手するしかありません。今回の記事がその一助になれば幸いですが、それこそ「ロレックスの手のひらの上」だと考えると… やれやれ、どうやったってロレックスには勝てそうもありませんね (;´∀`)
※参考資料:
- Rolex Case Study: How Many Watches and How Much Money Does Rolex Make? – Quill & Pad, 2024
- Is Rolex a Non-Profit? Answers to Your Burning Questions About the Rolex Watch Company – Teddy Baldassarre, 2023
- How many watches does Rolex make a year? – EmpireDrop, 2025
- How many watches does Rolex produce per year – Horando, 2023
- How Many Rolexes Are Made a Year? – Bob’s Watches, 2023
ご意見・ご感想
コメント一覧 (2件)
大学の講義みたいで面白かったです。笑
記事を読んで改めて、しばらくはロレックスの人気は
続きそうでね。
ブランディングと努力の賜物ですね!
打倒できそうなのはオメガくらいでしょうかね〜…
Y太さま、コメントありがとうございます♫
大学の講義に例えていただきましたが、そこまでアカデミックでしたっけ??(笑)
ただ、調べれば調べるほど、考えれば考えるほど、ロレックスほど努力をしているブランドはありません。
トップに君臨し続ける根拠がロレックスにはあるのです。
打倒ロレックス… 簡単ではありませんが、それこそが腕時計世界が一皮むけるきっかけかもしれませんね!!