腕時計インフルエンサー(とお呼びして良いのかな?)の方に誘われる形で9月某日、銀座で行われた「CHRONO24」さん主催のイベントに参加しました。
インターネットを主戦場に世界的な腕時計販売業者としてしられる「CHRONO24」さんが、どのようにリアルユーザーと接するのかにも興味がありましたが、何より今回、「CHRONO24」さんが紹介して下さるブランドが、兎にも角にも「私のツボ」でした。それが『FURLAN MARRI(ファーラン・マリ)』です (*´∀`*)
『FURLAN MARRI(ファーランマリ)』お披露目イベント in GINZA
この日のイベントの主役『ファーラン・マリ』はご存じの方も多い、ジュネーブを拠点とするスイスの新興時計メーカーです。そんなファーラン・マリが「2025年新作時計」を日本で〝先行お披露目〟する運びとなり、ブランドに興味のある方々が招待されたわけです。
会場に設定されたのは銀座の「会員制BAR」でした。大阪の北新地でなら似たような場所の経験もありますが、銀座ともなると恐れ多くて小刻みに脚が震えました(汗) 典型的な庶民気質を露呈したワタクシ… (;´∀`)
この日はブランドトップのお二人「アンドレア・ファーラン氏」と「ハマド・アル・マリ氏」も来日。終始和やかな雰囲気の中、ブランド創立の背景から成長のストーリー、時計作りに込めた想いを聞かせていただきました。
GPHGで決めた〝驚異のロケットスタート〟

『ファーラン・マリ』といえば忘れてはならないのが、創立から僅かな期間で21年のGPHG「Horological Revelation Prize」に選出された『MR. Grey Ref. 1041-A』の存在。この賞は常設ではなく、審査員たちの裁量で若いブランドの革新的な時計に与えられます。要するに「その年に最も注目すべき新しい才能」として『ファーラン・マリ』は選ばれたのです。

当時、これには私も少なからず驚かされました。生まれたばかりのブランドの、しかも「メカクオーツ」を搭載した時計が高い評価を受けたことに、近年の時計業界が抱える「高級ブランド偏重に対する危機感」を見たからです。
自然に起きる「変化」を待つのではなく、新興勢力の成長を後押しすることで業界に「新鮮な風」を吹かせようとしたのでしょう。そんな折にキラリと光る新星『ファーラン・マリ』を発見。その後のGPHGの方向性にも影響を与える印象的な〝意思表明〟だったように思います。
だとしても『ファーラン・マリ』の「驚異のロケットスタート」は印象的でした。腕時計ビジネスに参戦する新規ブランドは数えきれませんが、これほど早く認められるケースは稀だと思います。
その証拠にファーラン・マリという企業には7人のスタッフしか在籍していません。企業としての骨格を充実させるよりも早く、作る時計が広く世界で認められたのです。他の若いブランドからすれば、こんなに羨ましいことはないと思います (*´ω`*)
初めて『ファーランマリ』の現物を見ました!!
新作を含め、一通りの時計を見せていただきました。会員制のクラブに相応しく、トレイに載せられた時計たちが恭しく運ばれてくる形で(笑)
クラシックスタイルが特徴の『ファーラン・マリ』に関しては「新しい古いで選ぶ時計ではない」気がしました。そもそも「新しいものを欲しがるマインド」自体、腕時計の本質を軽んじているようなところがありますし、その点、コレクション全てをフラットに見渡せる『ファーラン・マリ』の時計たちは、私が拘る部分にも見事に合致したのです。

とはいえ、このイベントにおける注目が〝新作〟に集中していたのは間違いありませんでした。特に機械式〝Disco〟シリーズの限定モデル「Disco Onyx Diamonds」は多くの来場者を悩ませたと思います。
目を引いたのは「ラボグロウン ダイヤモンドを使ったインデックス」。搭載する手巻き「PESEUX 7001」に施された仕上げも素晴らしいものでした。ベスト・オブ・プゾーかもしれません。キズミが大活躍!! (*´∀`*)

その辺りは私もつぶさに拝見しつつ身悶えましたが、そんな美麗を記録に残すための写真は一枚も撮っていません。敢えて撮らなかったのです。
肉眼で観察するのに集中していたのも確かですが、ある種の予感がしたのですよ。写真を撮ってしまったら、安易に記録に残してしまったら、後々まで何度も見返してその都度悩むことになるじゃあないかと (;´∀`)
77万8800円の「Disco Onyx Diamonds」に関して言えば、私のおサイフ事情的に「手が出ない価格だった」という側面もありました。要するに「見ちゃった事実を残したくなかった」ワケです。誠に情けない話ですが、こうでもしないとワタクシ、あっと言う間に破産しちゃいますので。
「メカクオーツ」なら… 買える!?
機械式の「Disco Onyx Diamonds」が〝高過ぎる〟というわけではありません。仕上がりから言えば、むしろ「かなりお買い得な時計」です。私のおサイフが脆弱過ぎるだけの話(汗)
この日は「見た時計をすぐに購入して持ち帰れる」という、この手のイベントでは珍しい趣向がありました。ですので参加した皆さんの気合も相当なもので、私にしても限界ギリギリまで「買うか買わないか」で思案を続けました。

そして数分後「これならお持ち帰りも許されるかなぁ」と思い至ったのが「Rosso Grigio」でした。シックでどこかキュートな色使いのバイコンパックス。メカクオーツ搭載品ですからお値段もそれなりです。可愛い… 中国の古い茶器みたいな良さがあります。

さて、このイベントの「2番人気」はといえば、「Mr. Grey」の眷属でもあるメカクオーツ搭載「Sabbia Rosa」だったと思います。PVD処理されたエレガントな「ローズゴールドのケース」には、それだけで着用者の袖口を華やかに彩る魅力がありました。丁寧に研磨されたアプライド(風)インデックスも惚れ惚れするような存在感 (*´ω`*)
ただ、私個人は「ローズゴールドが故に」避けざるを得ませんでした。というのも、私の中でローズゴールド(RG)のケースは「お洒落な人が使う」というイメージがありまして、どれだけ素敵な時計が現れても「RG」だと毎度躊躇してしまうのです。これが「イエローゴールド」であれば、迷うことなく飛び付いたかもしれません(いい加減に克服しないとダメですねぇ…)
この時点で「新作」に拘泥する気持ちは完全に無くなっていました。そもそも私にとって、この日拝見した『ファーラン・マリの時計』は全てが「お初」なワケですから、何を購入しても「新鮮」なはずです。この論法が私の精神を息苦しい「新作縛り」から解き放ちました(笑)
〝視線を釘付け〟 一ツ目・黒ダイヤルの「Nero Sabbia(ネロサビア)」が刺さる

新作を拝見することに全集中で挑んでいた私でしたが、その最中、チラチラと横目で追っていたモデルがありました。それが「Nero Sabbia(ネロサビア)」です。
本来であれば、ひと目で特徴的な「モノコンパックス デザイン」から注目すべき時計かもしれません。しかし私にとってそれは二の次の要素でした。それよりも何よりも、このモデルで注目すべきは「ダイヤルの仕上がり」そのものでした。それもそのはず、ちょっとでも価格のことを真面目に考えたら、あり得ない完成度のダイヤルですから。
というわけで…「ネロサビアの購入」を決めたワタクシでございます (*´ω`*)
自然と伝わるダイヤルに込めた「メッセージ」

もちろん高価なエナメルではないでしょうし、ガルバニック塗装でもないと思っていましたが、ここは堅実に「ラッカー」でした。
製法は何であれ、とても美しい均一な艶が特徴のブラックです。針が落とす影の上品さを見れば、時計好きなら誰もが恋に落ちるはず。いやはや、ラッカー製法の可能性を見せてくれる、本当に素晴らしい仕上がりです。
オニキスの如き深みを湛えたブラックに、印象的なコントラストで浮かぶ針、そしてインデックス… う~ん… 高級感があり過ぎる!!
このダイヤルには『ファーラン・マリ』が掲げる〝仕上げに対する拘り〟が詰まっていました。価格を言い訳にすることなく、今できる全てを限界点で形にしようとする「心意気」がヒシヒシ伝わってきたのです。
思わず「で、この時計って幾らでしたっけ??」と自問したのは内緒です (;´∀`)
「アワーマーカー」の出来栄えが高級機に匹敵

拝見してすぐに往復ビンタを食らったかのような衝撃を受けました(笑)
いや、冗談じゃなく「ネロサビア」の〝アワーマーカー〟が強烈過ぎました。これももちろん、お値段から察するに手書きではないでしょう。恐らくは一般的な「パッド印刷」ではないかと思いますが、その仕上がりが余りにも見事。お世辞抜きでビックリしました。
ブラックダイヤルに灼けたようなサンドベージュ色のインデックス。同色で揃えられたアワーマーカーはタップリの厚みで着色され、下地が透けるなどの影響を全く感じさせません。
ローマン書体の抑えた表現と拘りのミニッツトラック、脈拍計スケールの佇まいが抜群です。その「完璧な調和」を崩す「モノコンパックス」の容赦のないこと(笑) これが洒脱というものです。

数百万円の時計であれば当然ですが、実際、13万円ちょいの時計でこの充実っぷりには目を見張ります。キズミでしつこいくらい確認しましたから、間違いありません。
ちなみにイベント最中に「手描きの風合いを出すため、敢えて荒れたアウトラインを再現している」と聞きました。確かに「手描きです」と言われても納得できるアワーマーカーです。
うーん… 余りにも良い。アプライドインデックスの類も素晴らしいファーラン・マリですから「Sabbia Rosa」にも後ろ髪を引かれまくりましたが、そもそも「プリントのインデックス」が大好きな私が「ネロサビア」を見逃すことなんて、できるはずもなかったのです (*´ω`*)
数クラス上にしか見えない「針」の仕上げ

針に関しては「Disco シリーズ」が余りにも素晴らしく、シビアに比較すれば「ネロサビア」のそれが僅かに劣る印象でした。特に中心軸を飾るキャップに気合いが入っており、ワンクラス上の時計であることを如実に物語っています。
ただ、写真を見ていただければお解りいただけると思いますが、「ネロサビアの針」も非常に高いレベルで仕上がっています (*´∀`*)
滑らかな表面、美しい形状。ダイヤル外周部に向かって自然なカーブを描く秒針… クラシック顔の時計がお好きな方であれば、この「拘り」に膝を打つに違いありません。
10万台の時計における「最高峰の針」だと思います。この価格帯でよくぞ実現してくれました。
抜かりのない仕上げの「ケース」に魂を抜かれる

腕時計に対する私の価値基準には常に「お幾ら万円の時計か??」という前提がございます。10万円の時計と100万円の時計を同じ舞台で勝負させてはいけないのです。
「ネロサビア」のように価格帯から逸脱した時計を見ると、思わず「上のクラス」と比較したくなる衝動は私にもありますが、その「逸脱」にこそ心血を注いできたブランドのことを思えば、それは余りにも不公正です (;´∀`)

そんな気持ちで「ネロサビアのケース」を拝見しますが… 全く以て、逸脱も甚だしい作りです。誰もが使いやすい38ミリ幅のケースは、シンプルなデザインながら重厚な仕上がり。個人的にはラグのカーブ具合いと長さが絶妙だと思いました。「良い脚」しています。
いやコレ、パテックの横に置いても何ら遜色ない気がしますね。カラトラバがあれば比較としてはベストなのですが… 試しにゴンドーロと2ショットしてみましょうか??

雲上と肩を並べてこの違和感のなさ!! ね?? ヤバいでしょ??(笑)
平たい「リューズ」の、平たくない存在感

クラシック顔の時計には、この「平たいリューズ」が良く似合います。それにしても「リューズというパーツ」は不思議ですね。整った顔の小さなホクロのように、その有り様で「個性を定義」するようなところがあります。
小さなリューズを付ける理由の最たるものは「手の甲への干渉を抑制する」ことだと思いますが、デザインの側面から見れば、小さくなることでむしろ目立ち、個性を際立たせる効果があるのです。

「ネロサビアのリューズ」は時計の雰囲気を壊さず、それでいて効果的なチャームポイントとしても機能しています。ムーブメントが〝メカクオーツ〟である以上リューズを扱う場面は限定的ですが、トータルデザインの一角をその存在感で支えてくれる「名脇役」です (*´ω`*)
「ケースバック」さえも美しく

バックル同様、コスト削減のために「目立たぬから」と後回しにされがちな部材「ケースバック」。ところが「ネロサビア」はそんな〝裏の顔〟すらも美形でした。

「十角形」に成形された高級感溢れるケースバックを見れば、隅々まで浸透する『ファーラン・マリの美意識』に圧倒されるはずです。好きです!!(*´∀`*)
ファーランマリが高めたメカクオーツ「VK64」の存在感

「ネロサビア」が搭載するムーブメントは「Cal.VK64」です。ワタクシ思いますに、Seiko Instruments Inc(SII)製メカクオーツムーブメント「VK64」が、低価格帯の時計にこぞって採用される理由は3つです。
❶「安価」であること
3000円辺りで取引されることもある「VK64」。大量に導入すれば単価はさらに下がるはずですし、仕上げに拘ってトランスペアレントバックにしても、ほとんど意味のないムーブメントです。その「割り切り」があったればこそ新興ブランドなどは、限られたコストの多くを仕上げなど他の部分に回すことができるのです。
❷機械式に見える「スイープ運針」
「機械式」にしか見えない滑らかな運針が「VK64」の魅力です。機械式クロノグラフ同様にレバー、ハンマー、ホイール、ハートカムを持つ「VK64」。「ガチン!!」とリセットされるクロノ針を見て、初見で「これはメカクオーツだ!!」と見破る人がいるとしたら… その人はきっと変態です。
❸何にでも積めるバランスの良さ
ケーシング直径が29ミリですので、頑張れば比較的小さなケースに収めることも可能です。この取り回しの良さに加えて、サブダイヤルの絶妙な配置も「VK64」の人気を支えています。近過ぎず離れ過ぎず、VKを設計した方は「クロノグラフの格好良さ」を解っていますねぇ。
このように、機械式クロノグラフを積んでいたら採算の取れない小規模ブランドにとっては「神」のような「VK64」。加えてベースがクオーツですから、精度は機械式の高級キャリバーに勝るわけです。そりゃあ使われますよねぇ。
そんな「VK64」が心底報われた瞬間が『ファーラン・マリ』の〝GPHG獲得〟だったと思います。あの瞬間から「VK64」への風向きが明らかに変わりましたからね (*´∀`*)
「5気圧の防水性」をどうみるか??

スポーツウォッチを愛好する諸兄からすれば「5気圧かよ!!」ってなものかもしれません。しかしですね… 顔!!「ネロサビアの顔」を見てやって下さい。ほらね??「アタシったら3気圧」みたいなクラシック顔をしているじゃないですか(笑)
だから十分なのです。5気圧でも御の字です (*´ω`*)
ストラップが「もう一本」 太っ腹か!?

イベント会場でトレイに載せられてやって来た「ネロサビア」には「ベージュのレザーストラップ」が付いていました。これはこれでお洒落でしたが、私的にはファーラン・マリ公式の写真で見た「黒いレザー」が気になりました。で、聞いてみたわけです。「ブラックのストラップはありますか??」と。

「ブラックも同梱です」… マジか!! このお値段の時計でそこまでやってくれるのか… というわけで、最初から2本のストラップで楽しめる「ネロサビア」です (*´∀`*)


手持ちのストラップを合わせてみると??
JLC Handmade さんに作ってもらったばかりのストラップもありますし「ネロサビア」のお色直しを楽しんでみましょう。こういうとき「ラグ幅20ミリ」と「アビエ」の有難さが身に沁みますね(笑)


怖いくらいにフィットしました!! 色気マシマシ!! (*´ω`*)
コンパクトでノスタルジックな「ボックス」
この日の購入は珍しい趣向で行われました。まず、購入自体はお馴染みの「CHRONO24公式」からオンライン決済します。この日のために特設したページで各種手続きを済ませてステータスが「購入完了」になったら、その画面をキープしたままで別室に移動。
会員制クラブのさらに特別な一室で密談(?)が行われて、いよいよ「ネロサビア」の受け取り。受領後に「CHRONO24公式」でステータスを〝受け取り完了〟に更新したら全取引の完了です。
最初は「何だかかったるいぜ~」みたいに感じましたが、実際にやってみると中々面白い体験でした。オンラインなのに商品の受け渡しはリアルなんですもの。今後の「CHRONO24」さん主催のイベントはこの方式に決定かな??

このとき初めて拝見した「ボックス」にもやられました。ナニコレ… 可愛い (*´ω`*)
必要以上に大きくないボックスの有り難さは、コレクションが50本を超えた辺りで気付くはずです。諸君!! 威嚇するかのような「デカい箱」に何の意味があるというのか??

小さく質感の良い外装に観音開きのギミック。これこそが『ファーラン・マリ』の美意識。パーフェクトです!!
あと、このとき「ファーラン・マリのキャップ」を頂戴しました。こうやって時計ブランドの帽子が増えるワケですよ(笑)
正直『ファーラン・マリ』を舐めてました!!
私は「GPHG」の公正さを信じていますし、そこで評価された時計たちにも「やっぱり一味違うなぁ」という印象を持っています。その時代に「楔」となる存在とでも申しましょうか… エントリーの段階ですでに「図抜けた時計」を選んで見せる「GPHGの目利き」はさすがとしか言いようがありません。

ですから、21年の部門賞を獲得した『ファーラン・マリ』についてもかなりの好印象でしたが、それでも、まだまだ評価が足りませんでした。現物の魅力に触れた瞬間、自分の理解の浅さを反省したくらいです。
恐らく、私以外にも多くの方が「現物を見る機会がない」ことで、『ファーラン・マリ』の真価を理解できずにいると思います。「ネロサビア」のような時計を生み出す『ファーラン・マリの魅力』は、現物に触れることで伝達されるのです。
そのきっかけとなった「CHRONO24」さんのイベント。B to C主体の『ファーラン・マリ』のような新興ブランドにとっては、エンドユーザーと触れ合い、リアルな反応を収集する貴重な機会だったに違いありません (*´∀`*)
「同じモデルを購入した男2人」の心中は??
同行のインフルエンサーさんも随分と悩んでいましたっけ。最初は新作の「Sabbia Rosa」に傾いていたと思います。何度も着けたり外したりを繰り返し、自然光を求めて窓際まで移動したり。
「ネロサビア」にも惹かれるものがあったらしく、そちらでも悶々と悩んでいたみたいです。
そんな逡巡を生暖かい目(?)で観察していた私でしたが、先に「ネロサビア購入」を決めました。そこに触発はなかったと思いますが、インフルエンサー氏も「自分もネロサビアで!!」となって、男二人が同時に同じ時計を購入するという、珍しい事態に発展しました(笑)
さすがだなぁ~と感心させられたのは、自分のセンスと直感を信じたインフルエンサー氏の胆力です。腕時計趣味で最も大切にすべきは「己の欲求と本能」ですからね。それこそが時計を尊重することになりますし、何かに遠慮して「次点」を選ぶのでは本末転倒です。それに比べたら、隣の男と被ることなんて些末なことに過ぎません。

というわけで、ちょっぴり照れくさい「お揃い購入」になりました。付き合ってないですからね!!(;´∀`)
購入直後から「次が欲しい」状態
解っていましたよ!! 初めて購入するブランドの「最初の一本」って、要するに「入場券」なのです。その一本をきっかけにブランドの深淵に触れることにもなりますし。となると「2本目はどれにしようかしらん」なんて、困ったマインドが湧き上がるのも仕方がありません。仕方がないですよね??
その全てが「魅惑のラインナップ」である『ファーラン・マリ』ですが、最初の一本が「ネロサビア」だったことにも大きな意味があると思っています。モノコンパックスという攻めたデザインであっても、どこか「ファーラン・マリの基本形」を思わせる「ネロサビア」。だからこそ、次に何を追加購入しようとも「良い組み合わせになるに違いない」という、謎の自信もあったり(笑)
何にせよ1年くらい悶々としつつ、その時間すらも楽しみたいと思います。
『ファーランマリ』は単純な「復刻」を志すブランドではない

クラシカルな様式に根ざしたかのようなデザインを得意とする『ファーラン・マリ』ですが、私の目には単純な復刻を目的にしたようには見えませんでした。
この直感を言語化するのは非常に困難ですが、クラシカルな顔にどことなく「現在時」を感じるのです。1940年代のクロノグラフにインスパイアされているのは確実ですが、最終的なまとめ方自体は如何にも「今風」。だからこそ「ああ、凝りもせずまた復刻かよぉ」といったありがちな失意とは無縁でしたし、むしろ「新鮮なクラシック」という、謎めいた価値観の存在に胸が踊ったのです。
この矛盾はどこから来たのかと想像してみました。これは私見に過ぎませんが、もしかしたら共同創設者兼アーティストの肩書を持つサウジアラビア出身「ハマド・アル・マリ氏」の存在が大きいのではないかと思います。
欧州の歴史に根ざしたデザインを形にしつつも、存在して「当たり前の歴史」をなぞるのではなく、全く新しいものとして対峙する。その姿勢こそが『ファーランマリ流 21世紀のクラシック』を生み出しているのではないでしょうか。そしてそれを可能にする「外から目線」を持っているのがサウジアラビア出身の「マリ氏」ではないかと。
この日、来日したお二人の人柄と関係性に触れて、この絶妙な間合いこそが『ファーラン・マリ』なのだと確信した次第です。
最後に… 実機を見るなら「覚悟」して下さい(笑)

この日の「CHRONO24」イベントは完璧でした。様々なイベントに参加させていただいた経験から思うことですが、腕時計のイベントってホント、難しいのですよ。参加者のマインドもバラバラですし、それらを纏めて同じ方向性で楽しませる困難さは相当なものだと思います。
そう考えるとこの日は素晴らしかった。約2時間単位で参加者を入れ替えることでダラダラした中だるみもありませんでしたし、心地良い「緊張感」もありました。「ヤバい!! 早く決めなきゃ!!」「決済が間に合わない!!」などなど、急き立てられる場面も、今思えばジェットコースターのように楽しい時間でした。
問題はこういったイベントが「東京に一極集中」していることです。『ファーラン・マリ』のように「現物の威力が凄まじい時計」は可能な限り多くの人にお披露目すべきで、そのためには東京を離れ、地方へと目を向けてほしいのです。素晴らしいイベントを体験させていただいたこともあって、そう強く思いました。
但し皆さん!! 覚悟はして下さい。至近距離からキューピッドに急所を射抜かれたかのように、確実に欲しくなりますから。『ファーラン・マリ』の… 特にVK搭載のラインナップはそういう時計です。
最後に白状しましょう。
このイベントに招かれるまで『ファーラン・マリ』は私の視野の外にありました。純粋な「現物の威力」だけでどケチな私に「13万4200円」を散財をさせた『ファーラン・マリ』… 誠に恐るべしと言わざるを得ません。
| FURLAN MARRI〝Nero Sabbia〟の主な仕様 | |
|---|---|
| ケースサイズ | 幅38mm(ラグ トゥ ラグ46mm) 厚さ11.5mm |
| ケース材質 | 316Lステンレススチール |
| 防水性能 | 5気圧 |
| ムーブメント | セイコー VK64 |
| 機能 | クロノグラフ、脈拍計(15脈動)スケール、 60分カウンター |
| 風防 | 反射防止および指紋防止コーティングを施したサファイアクリスタル |
| ストラップ(ラグ幅20mm)✕ 2本 | 【ベージュ】同系色のステッチ 【ブラック】ベージュカラーステッチ |
追記:ファーランさんとマリさんのサインをいただきました(笑)
えへへ… このイベントで時計を購入した人には色々と特典がございまして。サインと記念撮影をお願いしました。良い歳してミーハーですみません(笑)


「どこに書きましょうか??」と聞かれ、ワタシは躊躇なく「外箱に!!」と嘆願。貴重なお宝としてグッと価値が増したような気がします (*´∀`*)
撮影機材 : α7SⅡ(Debut)、FE 70-20mm F4 Macro G OSSII、E 30mm F3.5 Macro、28-75mm F/2.8 Di III VXD G2、Galaxy note 10 +









ご意見・ご感想
コメント一覧 (2件)
ファーランマリ中々良いですなぁ
見た目がクラシックな感じなのに、メカクォーツという
ギャップも良きですね!
見た目も良くて、コストもおさえらるのでメカクォーツ
搭載はエンドユーザーにはメリットしかないですね。
(新興ブランド以外もぜひ取り入れてほしい!笑)
しかし着実に本数増えてないですか!?
レビュー記事読むの楽しいので読者的にはウェルカムですが。笑
Y太さま、コメントありがとうございます♫
良いですよ~ファーランマリ。
拘る部分の熱量と切り捨てる部分のクールさがたまりません(笑)
これからもっと露出が増えるような気がします。
え~っと、所有本数を数えると胃が痛くなるので数えません(笑)
増えるもんは増える!!(;´∀`)