初めて入った腕時計販売店で初めて言葉をかわす販売員さんと、思いのほか会話が盛り上がることがあります。きっかけは大抵、その販売員さんが個人的に好きなブランドを聞いたりとか… まあそんな、パーソナルな部分に触れたときです。
ホント、たったそれだけのことで、人間同士の心理的な距離は一気に縮むのです。そこからはかなり逸脱した話もできるようになりますし、互いの公的な関係性以上に込み入った「ここだけの話」ってやつが聞けちゃうこともあります。「時計好きの時計販売員さん」を見付けたら、どんどん臆せず話題を振りましょう。仲良しになって損なことは一つもありません。
ただし、会話の内容をSNSで共有したり、「大っぴら」に明かすのは慎重になるべきです。面白い話ほど「危険度が高い」と注意すべきでしょう。その辺りの配慮で信頼度が増せば、さらに面白い話が聞けるようになるはずです (*´∀`*)
「腕時計の所有本数」を聞かれるのが怖い
友人のように会話を交わす中で、必ず聞かれるのが「何本の腕時計をお持ちなんですか??」という質問。「どの程度の腕時計好きか」を計るバロメーターにはなるはずですから、販売担当としては、抑えておきたい情報かもしれません。
そんなときは毎度、シドロモドロになるワタクシ。強烈なコレクターの方と何度も邂逅しているはずの販売員さんですし、ちょっとやそっとじゃ驚かないはずですが… 恐る恐る私が「え~と… 100本は超えていますね」と話した途端、何だかちょっと、変な空気が漂います (;´Д`A
その様子から、明らかに「この人… ヤバい人だ!!」と身構えたのが解ります。「何かに没頭し過ぎている人」って、どこか理解を超えた存在に見えるのかもしれません。警戒されたとしても仕方がないところです。
思えば、「所有本数30本」くらいまでは、むしろ誇らしい気持ちで「30本はいってますね!!」なんて声高に言えていた気がします。恥ずかしくなり始めたのは「50本を超えた辺り」から。オーバーホール代金で心配されたり、生活大丈夫ですか??と気遣われたりし始めるのも、その辺りからでした (;´∀`)
高い時計は「一本だけ」あれば良い
今更「常識人」になりたいわけではありませんが、それこそ管理の手間を考えて、今の半数まで腕時計を減らしたいと思っています。「え!? それも??」みたいなブランドも対象。暇さえあれば、その辺の仕分け作業を進めている最中です。
「使っていないブレスレットはどこ??」「純正の尾錠が見付からない!!」「余りコマが行方不明!?」… などなど、ありがちなトラブルで遅々として進んでいませんが、頑張っています(汗)
所有本数を半数にできたとしても、まだまだ全然、常識人にはほど遠いわけですが、そもそもよ~く考えてみれば、腕時計の所有本数なんて「お一人様につき、一本」が相場なんですよ。社会人になったタイミングで、冠婚葬祭に呼ばれるタイミングで、そういった何らかの「きっかけ」で半ば「仕方なく」腕時計を購入する人もいらっしゃるでしょう。
昨今は結納の風習も薄れてきましたし、高級腕時計に「必要性」を感じるイベントは確実に少なくなってきていると思います。身を寄せるコミュニティーによっては「腕時計なんて全く必要ない」場合だってあるでしょう。
ただ、立派な社会人が腕時計も着けず式典に参加すると、それだけで見識を疑われる場合もあります。そして、そういった「人間としての器を問われる瞬間」に関して言えば、年齢とともに遭遇回数が増すものです (;´∀`)
式典に招待されたら「役割」を全うしなければならない
「そんなの自分の勝手じゃん!!」と個人の考えを押し通せる剛毅な方には無用かもしれません。ただ、友人の結婚式で同じテーブルに付いた顔見知りたちが一様に「ドレスコードを遵守すべし」と考えていた場合、腕時計を身に着けていない貴方の袖口は、ともすれば周りの注目を浴びるかもしれません。そもそも式典とは、普段とは著しく異なる空間です。お互いがお互いの身なりを観察しあって「今日の自分の格好はおかしくない!!」と安堵するようなところがあるのです。
「しまった!! 腕時計はしてくるんだった!!」と後悔したとして、それを恥に思うことはありません。ただし、式典に呼ばれる側の最低限のマナーとして、その場の雰囲気に合わせる配慮は必要です。面倒くさい話だと思いますよ、私も。
もう14、5年も前になりますか… 気さくな雰囲気の結婚式に、花嫁側ゲストとして呼ばれたことがあります。その際、「カジュアルな装いでお越し下さい」をそのまま受け取って、近所のコンビニに行くような格好で来ちゃったヤツがいましてねぇ(笑)
「招待状にカジュアルって書いてたやないかぁ~!?」と必死に訴えられて困り果てたわけですが、要するに招待されたゲストではあっても、自分のポリシー以上に尊重すべきものがあるとされるのが、結婚式などの式典なのです。「ホストに恥をかかさない気配り」も大切でしょう。
ゲストという「役割」を与えられてその場にいると考えるべきなのが「結婚式」。シミ一つないジャケット、キレイにアイロンの効いたシャツ、丁寧に磨かれた革靴… それらと同じく、適切なスタイルの「腕時計」にも、必需品として与えられたポジションがあるのです。まあ、そんなに難しい話ではありませんけどね。今回の記事を読み終わる頃には、朧気なイメージが湧いているはずです (*´ω`*)
腕時計に纏わる主な「ドレスコード」
まず始めに、私個人の考えを申しておきますが、「ドレスコード」なんて無視したって一向に構わないですからね!! 前述のような「ちょっと気まずい瞬間」を味わうことはあるかもしれませんが「そんなの関係ねぇ!!」で突貫したって良いのです。
ここで申し上げることなんて、極めて一般的な「枠」に過ぎません。ご自分のアイデンティティを放棄してまで従うことではないのです。やらかしちゃったアイツだって、慌てず堂々としていれば良かったんですよ (;´∀`)
ホワイトタイ(White Tie)
最も格式の高い正装。宮廷晩餐会やノーベル賞授賞式などで着用。
推奨腕時計:なし(腕時計を着けないのが正式)
腕時計は「時間を気にする=無礼」とされるため、懐中時計が適切。
ブラックタイ(Black Tie)
タキシードを着用する準礼装。結婚式の披露宴や高級なパーティーなど。
推奨腕時計:ドレスウォッチ
薄型でシンプルなデザイン(例:ラウンドケース、スモールセコンド)
革ベルト(ブラック or ダークブラウン)ゴールドやプラチナのケースが好ましい。
ビジネスフォーマル(Business Formal)
スーツ着用のビジネスシーン(役員会議、重要な商談など)。
推奨腕時計:クラシックなドレスウォッチ or 上品なシンプルウォッチ
シンプルな3針または控えめなクロノグラフ。革ベルト or メタルブレス(派手すぎないもの)
ホワイトやシルバーのダイヤルが無難。
ビジネスカジュアル(Business Casual)
ノーネクタイやジャケット&チノパンなどの柔らかいビジネススタイル。
推奨腕時計:シンプルなクロノグラフやスポーティなドレスウォッチ
ステンレスブレスやカーフレザーもOK。シンプルなデザインならダイバーズやパイロットウォッチも可。
「かしこまった場」に対応するためのドレスコードと言えば、以上の4つではないかと思います。誠に面倒なことですが、周囲との接触を断ち切って世捨て人にでもならない限り、程度の大小はあれ、誰もが多少の意識はすべきことだと思います。「腕時計運用ルール」みたいなものでしょうか??
ドレスウォッチ購入は勿体ない!?
最上位の「ホワイトタイ」の記述に注目して下さい。そもそも「腕時計ですらない」… 懐中時計が推奨となっていますよね?? 古い映画などで見ている分には格好良いですが、腕時計よりも所作の「キレイ・キタナイ」が如実に出るのが懐中時計の恐ろしさ。トップハット姿のフレッド・アステアのように「洗練された所作で使える」のであれば、腕時計よりもはるかにお洒落な雰囲気が醸せるでしょう。
私自身もそうですが、そんな「園遊会」みたいな場所にでも行かない限りは、そもそも懐中時計なんて必要ありません。ウチの亡き親父どのはそういうお呼ばれに縁のある男でしたから、懐中時計も所持していましたが、普段はオメガのドレスウォッチばかりでした。
ってなわけで、現実的に対応を迫られるのは「ブラックタイ」「ビジネスフォーマル」「ビジネスカジュアル」辺りになるでしょうか。まあ、ビジカジはお好きな時計で構わないと思いますよ。G-SHOCKみたいな「遊び系」でなければ大丈夫です。
さて、ここで問題になるのは当然「ってことは何かい!? 2針やら3針スモセコやら、素材違いで色々揃えんとアカンってことかい!?」だと思います。「ゴールドケースの2針」なんて、普通のサラリーマンはまず使いませんよ。式典のためだけに揃えるには余りにも勿体ない出費です。
「薄型のスモールセコンド」もあればあるに越したことのない時計ですが、他にもバリエーションをお持ちの方であればという注釈が付きます。見た目が大人しい時計ですから、時計から「ガツンとくるエナジー」を期待している人にとってみれば、少々物足りないカテゴリーかもしれません (;´∀`)
実際、ガチなドレスウォッチの購入を「勿体ない」と感じて後回しにしている人は少なくありません。私自身、完全にそのタイプでしたし、庶民としては「どうせ大金を支払うならお腹いっぱいになりたい!!」と考えるのは自然なことです。
その選択が「スポーツウォッチ」に偏るのも仕方がないことです。作りの派手さに比例して「良い時計を買ったった!!」という感激も大きいですからね。
そしてワタクシが思いますに、この辺の事情は世界共通かもしれないのですよ。
と言うのも、オーデマ・ピゲ(AP)の新世代ドレスウォッチ「Code 11.59」って、まさにそう言った「ドレスウォッチに対する反感情」を解消すべく生まれたのではないかと思っているからです。
そうなんです。「Code」ってああ見えて「ドレスウォッチ枠」なんですよ。確かに、あのデザインであれば、スポーツウォッチ並の「ガツン」を味わえるでしょう。
ドレスコードを意識しつつも「一本だけ」腕時計を選ぶとしたら??
皆が皆、「Code 11.59」を買えるわけではありませんし、ぶっちゃけ私も買えません。それに何気に癖の強いデザインですから、アンチの多い時計でもあります。まあ今回はCodeの話は置いておきましょうね。
冒頭で申しました通り、腕時計なんて良いところ「お一人様につき、一本」なのですよ。普通は虎の子の一本を大事に使って、あらゆるシーンを乗り切るべく知恵を絞るのです。高級腕時計であれば尚更でしょう。
では、その「虎の子」は何であるべきか?? 私は思います。それは「シュッとしたビジネスウォッチ」であると。
広義で言うところのビジネスウォッチは多種多様です。多くのラグジュアリースポーツがここにエントリーされるでしょうし、シンプル系のクロノグラフもビジネスカテゴリーに区分けされます。要するに「仕事場に着けて行けるなら」それは「ビジネスウォッチ」なのです。って、全部やないか(笑)
しかし今回、砂布巾がお勧めしたいのは「バーインデックス」「幅38ミリまでのケース」「袖口に潜り込める薄さ」。そして何より「ノンデイト」の「3針(スモセコを含む)ビジネスウォッチ」です (*´∀`*)
なぜ「バーインデックス」なのか??
一つずつ説明しましょう。まずは「バーインデックスの必然性」についてです。語るまでも無いかもしれませんが、アラビアインデックスはカジュアルになり過ぎますし、反対にローマンインデックスはフォーマルに寄りすぎます。
その丁度良い感じの中間地点にあるのが「バーインデックス」です。ドレスウォッチで良し、スポーツウォッチで良しの万能型インデックス。「一本だけ良い時計を持っていたい」とお考えであれば、インデックスは「バーインデックス一択」だと思います。使えるシーンの幅広さが違いますよ (*´ω`*)
なぜ「幅38ミリ」なのか??
きっかり「幅38ミリ」である必要はありません。39ミリでも37ミリでも構わないんです。計測した寸法よりも、実際に腕に載せたときの「量感」が大切です。
ただ、40ミリ幅を超えると、腕時計は急に大きく見え始めますし、36ミリ幅を下回る時計は「小さな時計が好きです」という雰囲気が出てしまいます。いずれも標準的なサイズの手首における「基準のひとつ」に過ぎません。ただ、この辺の感覚を共有している方は、相当数おられます。
その辺を鑑みての「38ミリ幅標準」です。ガチムチ体型の方や細腕の方は、ご自分の事情に照らし合わせて「標準サイズ」を決めて下さいね (*´∀`*)
なぜ「袖口に潜り込める薄さ」が必要なのか??
スルスルッと一切の引っ掛かりなく… である必要はありませんが、外側のボタンを留めた状態のビジネスシャツの袖口に、「収めようと思えば収まる」くらいの薄さが望ましいと思います (*´ω`*)
大抵のビジネスウォッチがクリアしていると思いますが、厚みもさることながら、ケースの形状的に引っ掛かりやすい時計もあるので注意。
袖口をクシャクシャにするような時計は、かしこまった場で使うのに相応しくありません。時計は薄い方がお洒落に見える… それは間違いないですね!!
なぜ「ノンデイト」なのか??
「デイト」って良くも悪くも「目立つ」のですよ。機能としては腕時計が持つべきものであるはずなのに、いつまでたっても「異質」な存在なのです。不思議ですよね。デイトが出現して何十年経つんだよって話ですよ。
その異質感を逆手に取ったデザインも少なくありませんが、シュッとしたデザインの時計ということであれば、「デイト枠は邪魔者」です。少し気取ったお呼ばれで使うことを企図すれば、デイト付きの「生活感」も邪魔かもしれません (;´∀`)
「ダイヤルカラー」は何を選べば??
「お呼ばれ対応」で真面目に考えると「シルバー一択」になってしまいますが、それではあまりにも芸がない。
そんなわけで、どこに着けて行ったって「目くじらを立てられない」で済むカラーも混ぜましょう。基準は「その色のジャケットを着て、街を闊歩できるか??」です。
解りやすいのは「アイスブルー」。腕時計のダイヤルカラーとして未だブームの最中にある色です。でもですよ?? アイスブルーのジャケットやコートを着こなせますか?? それを着て街を歩けますか?? 下手すりゃ「昭和の漫才師」ですよ (@_@;)
流行のダイヤルカラーでもある「ピンク」もそうですが、アウターとして使いこなせない色は、ご自分の常識範囲から外れた「突飛なカラー」ということになります。
シルバーのアウターなんて非現実的すぎますので、ホワイトと考えることにしますが、そこに「ブラック」は問題なく加えることができるでしょう。「グレー」や「サーモン」、「ダークブルー」も大丈夫。
「グリーン」は発色次第でしょうか。シブい「ブラウン系」もアリです。
要するに「この色のアウターなら着こなせる」とイメージができるカラーであれば、どんなシーンでも「ギョッ」とされることなく「その場に馴染む」のです。小さいくせに「妙に目立つ」腕時計のダイヤルに関しても、この「常識範囲内」にあります。
万能型「ビジネスウォッチ」5選
そんなわけで、上記の条件を完璧に備え… は無理かもしれませんが(汗) それっぽい「ビジネスウォッチ」を「5本」探してみました。今回は機械式には拘りません。スモセコならクオーツ特有の「たどたどしいステップ」も気になりませんしね!!
CITIZEN(シチズン)「エコ・ドライブ ワン」AQ5010-01E(33万円)
ケース径「38ミリ」。機械式でないことが惜しいと思えるほど、あまりにも美しい「エコドライブ」搭載の3針スモセコです。ノンデイトがもたらすシンメトリックの緊張感。バーインデックスの長さも完璧。大きく開かれたスモセコと主ダイヤルが作り出す接線も、際立つような格好良さです。シチズンが作るドレス系ビジネスウォッチの中では、相当に完成度の高い時計だと思います。
何と言っても際立つのはこの「薄さ」。ドレスに寄り過ぎて甘くなるとビジネスでは使いづらくなってしまいますが、そこは「シチズン」。インダストリアルでシャープなエッジが働く男性の袖口をキリッと引き締めてくれるでしょう。
特に目的もなく量販店の時計売り場を覗いたとき、私の視線を捉えて離さない時計の一つが「エコ・ドライブ ワン」シリーズ。恐らくもう随分と長い間、欲しくて欲しくてたまらない状態なのでしょう。
「エコ・ドライブ ワンには、どんなストラップが似合うだろうか…」 極上のレザーストラップを纏わせてみたくなる、そんな「無条件の上質感」が「エコ・ドライブ ワン」にはあります。実際、もっと評価されるべき時計ですよ (*´∀`*)
RAYMOND WEIL(レイモンド・ウェイル)「ミレジム」2930-STC-65001(34万1000円)
ハイブランド中心に「旬の時計」を選び、栄えある賞を与えてきた「GPHG」。そんな中、2023年に「GPHG2023チャレンジウォッチ賞」を受賞した「MILLESIME(ミレジム)」の快挙は、特別に印象的なものでした。
ミレジムが素晴らしかったのは、クラシックの流儀をベースにしつつも、現代の時計に相応しい「先進性」を感じさせてくれたことでしょう。ドレスウォッチの概念に加え、実用品としての行き届いた配慮。時代に翻弄されることのないデザインが今まさに、多くのファンに突き刺さっています。
RAYMOND WEIL(レイモンド・ウェイル)「ミレジム」2930-ST-60001(36万3000円)
35ミリサイズもありますが、ここでは敢えて「39.5ミリ幅」のモデルをチョイスしました。ミレジムの素晴らしいところは、この2種類の間で「印象の違いがほとんど見当たらない」ことです。ですから単純に、腕載りや見た目のバランスで好きな方を選ぶのが良いかと思いますが、35ミリを選択される場合は、ブレスレットモデルを推奨したいと思います。ストラップだと、少し小さく見え過ぎるかなぁ~と個人的にはそう感じました。
RAYMOND WEIL(レイモンド・ウェイル)「ミレジム」 2925-STC-60001(28万6000円)
かしこまったお呼ばれに着けてヨシ!! 毎日の仕事で颯爽と着けてヨシ!! 時計を趣味にしている方でなくても「虎の子の一本」として持っておくのに、これほど適した時計もないでしょう。
私もいずれは一本、欲しいと思っています。センターセコンドか、スモールセコンドか、はたまたムーンフェイズ付きか… 今回の趣旨からは離れますが、クロノグラフも良い感じです。う~ん… 悩ましい (@_@;)
LOUIS ERARD(ルイ・エラール)「エクセレンス スモールセコンド テラコッタ」LE34238AA07BVA26
個人的にずっと欲しい状態にあるモデルです。バーインデックスにすべし!! とか言っておきながらの「飛びアラビア推薦」。でもこのアラビアインデックス、非常に細身で目立たず、それでいてアクセントにもなっているという、昨今の時計デザインの中でも、相当上位に食い込む完成度だと思っています。針も抜群に格好いいです。やばい~ 見てたらマジで欲しい~ (*´ω`*)
ケース径は「39ミリ」なので少々大型で、実際、厚みもそれなりにあるのですが、シンプルなアウトラインがその辺りを上手くまとめています。それよりも「顔」、顔の良さですよ!! イケメン過ぎる~ (*´∀`*)
ムーブメントはセリタの「SW261-1」。スモール セコンド仕様の3針用です。カレンダー機能があるのに多くの時計でカレンダー機能を省かれるという、トホホな使われ方が憎めないムーブメントです。まあ確かに、スモセコのクラシカルなダイヤルを作るなら、デイトは必要ありませんからね (*´∀`*)
ROLEX(ロレックス)「デイトジャスト 36」オイスタースチールRef.126200 (113万5200円)
内外野どこでも守り、投手も捕手も、何なら監督まで任せられるスーパーユーティリティが「デイトジャスト 36」です。
デイト付きではありますが、DJに関しては構わないでしょう。ここに違和感を感じる方自体、それほどいらっしゃらないでしょうし。
但し条件があります。「フルーテッドベゼルを避けること」。お持ちの方なら感じていらっしゃるかと思いますが、フルーテッドベゼルって、とにかく「キラッキラ」なんですよ (;´∀`)
どんな照明条件でも輝きを失わない「フルーテッドベゼル」。遠くからでも「あの人の時計… DJ??」と認識させるベゼルの威力、それは「強烈な自己主張」…
シーンを選ばずに使うことを念頭に置くと、そういった「過剰なアピール」を邪魔に感じるケースがあるはずです。
そこでお勧めしたいのが「ドーム型のスムースベゼル」。DJの普遍的な価値はそのままに、スムースベゼルがもたらす「楚々とした誠実さ」が、さらに使い勝手を高めるはずです。「DJなのにスムースベゼルを選ぶとは… コヤツめデキる!!」と一目置かれるかもしれません。或いは「DJでスムーズベゼルを避ける変わった人」として、いきなり「マニア判定」を授かるかも?? (;´∀`)
NOMOS Glashütte(ノモス・グラスヒュッテ)オリオン・ネオマティック Ref.396(62万4800円)
直径「36.4ミリ」のステンレス製ケース。何の変哲もない極めてシンプルなデザインのケースですが、ドーム型に沈み込むダイヤル、同じくドーム型の風防が合わさり、カタマリとして洗練されたシルエットがたまりません。
そして、理想形とも言うべき「インデックス」。完璧な長さのバー。ミニッツトラックから僅かに始点をずらしたことで、視認性が大幅にアップしています。上手い!! 上手すぎるぜノモス!!
そして恐るべき薄さの自動巻き「DUW3001」。僅か「3.2ミリ」の厚さしかないこのムーブメントのお陰で、ケースサイズも厚さ「8.5ミリ」しかありません。高精度を約束する「ノモススウィングシステム」を搭載。「DUW3001」はノモスのエレガントとアクティブを体現するムーブメントなのです。
ここまでコンパクトで薄いとくれば、少々「ドレスに寄り過ぎているのでは??」という懸念が生じるかもしれません。ところがどっこい!! 使われることに最大の意義を求めた「バウハウス」の信念が、「オリオン・ネオマティック」を実用品として宿命付けています。
極限まで削ぎ落とすことで手に入れた「美」に目を奪われるのは仕方がありません。ですが「オリオン・ネオマティック」の真価は、日常的なアクティビティの中でこそ発揮されるのです (*´ω`*)
最後に… 一本こっきりだからこそ、とことん悩んで決めて欲しい!!
とまあ、こんな感じで「ビジネスシーン主体」、でも「お呼ばれシーン」にも対応可能な時計について、書かせていただきました。体現する時計を探してみると、意外なほど少なかった印象です。
要するに「ガチなビジネスウォッチ」に、お呼ばれに相応しい「ほんの僅かな上品さ」があれば、今回の条件にハマる時計ということになるでしょうか。ただ、それだけで選ぶわけにはいかなかったのが今回の趣旨。そう、それを以て「たった一本の腕時計」にできるかどうかが最重要なのです。
正直、ここに「デイトジャスト」を上げた時点で、「DJ出したら、この話も詰みやな」という苦い認識はありました。しかし、避けるのも不自然。特に「他にこれといった時計を持っていない方」が、最高の形で「体裁」を整えるための「高級腕時計」を探せば、どの道を進んでも「ロレックス」に行き着くでしょう。「折角だし」「どうせ大金出すなら」… この辺りの葛藤の先にデカデカと看板を出しているのが「ロレックス」というブランドなのです。強いですよねぇ…
ただ、だからこそですよ!! そんな「大定番」をさらりとかわし、自分の個性をぶつける選択も尊いわけでして、ルイ エラールやノモスは、そんな目線で選んでみました。
「エコ・ドライブ ワン」は最近の私の「趣味」です(笑) 気付いてしまったのですよ。あの時計の格好良さ。日本の「粋」みたいなところに。
誰が購入してどのように使っても「ああ、良い時計だな」と思えるのが「ミレジム」です。絶妙に古く、絶妙に新しい。話題に上るだけあって、エイジレスな良さがあると思います。
結局は所属している組織やコミュニティの許容範囲から「着けても許される時計」を探すしかないわけですが、その中から広範囲な使用状況で活用できる時計を、しかも「一本だけ」選ぶとなると、相当難易度の高い選択になると思います。
とにかく慌てず、ゆっくり探して下さい。納得できるまで探しに探して… その間は「チープカシオ」でも良いじゃないですか?? そのままチプカシで事足りるようでしたら、それでも構わないんです。決めきれないのに無理してまで買わなくて良い。腕時計ってそう言うものですからね (*´ω`*)
ご意見・ご感想
コメント一覧 (2件)
自分も複数本所持していますから、
オールラウンドな時計一本、みたいなチーム編成は
真の相棒感があってちょっと憧れますね!
紹介された時計の中だとデイトジャスト1本だけ所持とか
かっこいいかも、、
自分もいずれは1本選んで添い遂げたいです、1本だけ選ぶのはかなり難しそうですが。笑