どんな流行もいずれは廃れるものです。「廃れる」なんて文字化すると「ギョッ」とする関係者の方がいらっしゃるかもしれませんが、要は消費者が勝手に「飽きる」のです。そして、瞬間最大風速の大きい流行ほど、その現象は早く訪れます。
「飽きられることを防ぐ」、或いは「回避する」ことなんて誰にもできません。優秀なマーケターの方であれば、一般消費者が「やばくね??」とザワつき始めるよりも早く、そのことを察知できるでしょう。ただ、察知できたからと言って、大きなうねりに手を突っ込んで逆回転を試みるわけにもいきませんよね。基本的には静観するしかないのです (;´∀`)
横目のクロノグラフに飽きた??
「飽きる」と「嫌いになる」は似ているようでまるで違う概念です。飽きを感じ始めた腕時計があったとして、だから嫌いになったかと言えば、そういうわけではないでしょう。
「好きで購入した」という事実は自分の中の重要な歴史ですし、それは塗り替えることも書き換えることもできない不変のファクトです。例えば私は「イチゴ味のチョコレート」が大好きで、一時期は日に3種類くらいのイチゴ味チョコを、狂ったように食べ続けていたことがあります。それでも嫌になることはなく「飽き」の足音さえ聞こえませんでした。
ところがある日、パタリと「今日は食べたくない」と思う日がやってきました。そこからチョコ自体に何となく受け付けないものを感じるようになって、数年間チョコから距離を置いた時期がありました (;´∀`)
とは言え、新作のチョコにイチゴ味があれば「むむむ… これは!!」と最低限のチェックは欠かしませんでした。しかし、では「購入して食べるのか」といえば「今はいらない」としか思えない…
私はこの「今はいらない」「今は何か違う」こそが「飽き」の純粋な発露だと考えています。要するに、そもそも好きなものでないと「飽きようがない」のです。
クロノグラフで最も美しいレイアウトを選べと言われたら、私個人は考えるまでもなく横配置の「バイコンパックス!!」と即答するでしょう。シンメトリックデザインはあらゆる分野で「神のバランス」ですから、それを採用したクロノグラフはどれも神秘的な美しさを湛えています。
縦軸のシンメトリーで言えば「横3つ目」もそうですが、バイコンパックスに比べると「神秘性」が足りません。横3つ目(トリコンパックス)にはどこか「ライク・ア・ローリングストーン」な雰囲気があって、定番には違いなくてもどこか「俗っぽい」。それが「現役世代」には刺さるのだと思いますが、落ち着いた気持ちで使えるクロノグラフを探すのであれば、「横目バイコンパックス」こそが相応しいと思います。
なのですが… 最近のワタクシ、どうやら「バイコンパックスに飽きてきた」ようでして(汗)
単純に「買い過ぎた」だけのような気もしますし、それにより現出した自分のコレクションが思いの外「おとなしい」ことにも、ちょっとした不満があるような気もします。まあ、別の何かで刺激を受ければ、再び「バイコンパックス」にも視線が向くこともあるでしょう。嫌いになったわけではないですしね (*´∀`*)
もうすぐ「縦目クロノグラフ」の時代が来るぞ!!(根拠無し)
3針の腕時計は「腕時計の基本」ですし、腕時計趣味を続けている方で「3針が嫌い」というケースは珍しいでしょう。「デジタルしか使わない」と仰る、奇特な方ならいらっしゃるかもしれませんが。
もちろん私も「3針」が大好き。最近は「2針」の良さにも目覚めてきましたし、所謂「引き算の美学」を理解できる域に達した自分に、愛好家としての成長を感じたりもします。
ただ、私の場合、腕時計趣味以前の問題として、極度の「貧乏性」があります。お菓子なら「増量」と印刷されたものを買っちゃいますし、靴下も激安の「10足セット」が大好きです。
その貧乏くさいマインドのまま腕時計に相対するからいけないのですが… 同じ価格帯で3針とクロノグラフがあれば自然と「クロノグラフ行っとこう!!」と思っちゃうのですよ。だってほら、針が多いんですよ?? 得した気がしませんか??
サブダイヤルそれぞれに施された意匠にしてもコストが掛かっていますし、3針よりクロノグラフの方が「お得である」という考え方はある意味で正解だと思います。
そもそも腕時計の良し悪しが「そこにはない」ことは重々承知したうえで、それでも私は「6:4」でクロノグラフが好きです。経済事情が許す限り、クロノグラフにときめき続けるでしょう。
ここで先述の「バイコンパックス飽きた問題」が浮上してきます。この先しばらくは横目を避ける… となると自動的に「縦目を選ぶ」ことになりますが、できるなら「縦2つ目」は省いて考えたいところです。縦2つ目と言えば、完成度の点でも「ポルトギーゼ オートマチック」の印象が強く、私の中にそれ以外の選択肢が生じないのがその理由です。どうしても縦2つ目が必要なら、素直にポルトギーゼを買うしかないのです。
唐突に何の根拠もない話で恐縮ですが…「希望的観測8割」で私は予言します!! 近い将来、必ず到来する「縦3つ目ブーム」を!! (*´∀`*)
如何ですか?? 「汎用ムーブメント搭載の証」として冷遇されてきた「縦3つ目」の復権がすぐそこまで来ている… そんな気がしませんか?? しませんか?? そうですか(汗)
私の目には、落ち着かないアシンメトリーなサブダイヤル配置も何気に新鮮に映ります。ちょっと照れくさい若き日の記憶(?)にも似た「反抗的なバランス」が、中年(老年?)の心に沁みる今日この頃なのです。
イタリアの「伊達男たち」を虜にした名作クロノグラフ『EBERHARD CHRONO 4 130(エベラール クロノ4 130)31129.01 CP』を購入
底なし沼の如き腕時計界隈でも「次はエベラールを買うんだ!!」なんてセリフは終ぞ聞いたことはありませんが、不肖の私、先日「エベラール」を購入しました。ご縁を下さったのは「ISHIDA新宿」さんです。
すでにエベラールのユーザーである方から「砂布巾さんもどうですか??」とお誘いを受けて「一丁行ったろかい!!」と購入を検討し始めた私でしたが、ほぼ即座に「エベラールを買うならアレでしょう!!」と脳裏を掠めたモデルがありました。それが「クロノ4」です。
「なんじゃこりゃ!?」ですよね?? 解ります。初見はとんでもなく変な時計です。その反応は然るべきものだと思います。
手放して久しいですが、私は以前「クロノ4」を持っていました。中古で購入した個体でしたが、確か剣ズレか何か不具合が発生して、オーバーホールも面倒なのでそのまま売ったと記憶しています。アレは情のかけらもない「非時計道的」な売り方でした(反省)
少し古い腕時計雑誌をペラペラとめくると、そこには必ず「エベラール」があります。そしてほとんどの場合、一番アイコニックに扱われている時計こそ「クロノ4」でした。
戦時中、イタリア海軍将校の公式時計として採用された経緯から、その後もイタリアのエグゼクティブから絶大な支持を集めるに至った「エベラール」。「20世紀イタリアで最も偉大な男」ジャンニ・アニエッリ氏が愛用していたことでも知られています。スイスブランドでありながら、イタリアの伊達男たちに重用された「エベラール」の時計たち。中でも2001年に発表された「クロノ4」は、ブランドを象徴するアイコン的存在です。
横に列をなして並ぶ4つのサブダイヤル。存在感満点のインデックス、そして針。豊満な曲線が大胆に交錯するケース。
それら全ては機能性の裏付けに基づいてデザインされたものに違いありません。違いありませんが、何と言えば良いか… 全てが無駄に「エロい」のです。ここから先はクロノ4の「色気の正体」について、検証して参ります。
それにしても… 横目のクロノグラフを避けるとか言っておきながら、選んだのが「横に4つ配置のサブダイヤル」ですよ!! 訳が分かりませんよね?? 避けるのではなく「横目で突き抜ける」発想に至った理由が、この先にあります (*´∀`*)
変態砂布巾コレクションにおいても突出した変態度数「横4列のサブダイヤル」ってどやねん!?
お色気検証に移る前に、クセのあり過ぎるムーブメントの話をしましょう。
「クロノ4」をご覧になれば、その表面的事象としての「異形」に目を奪われるはずです。そして同時に考えるでしょう。「どないなってんねん!? サブダイヤルの構造は」と。
素人が表面から見ただけで解るはずもありません。クロノグラフモジュール部分で「特許を取得」とありますので、受理された内容を探して詳しく調べるのが、一番手っ取り早いはずです。
実は特許申請があれば、誰でもその内容に目を通すことが可能です。私もちょくちょく欧州のデータベースにアクセスしますが、絶対に存在するはずのものでも辿り着くのは至難の業。
まあそれでも、懸命に探すしかないわけでして。さて今回の「クロノ4」のモジュールとデザインに関する特許は… ありましたありました!! 欧州特許データベース「スペースネット」さんで発見した内容がこちらです。
Watch movement with hand display
Abstract:
Watch movement with hand display, comprising mobile elements ( 44, 42 ), designed to receive the hour ( 16 ) and minute ( 20 ) hands indicating current time, mounted pivoting to pivot about a first axis (A-A) arranged substantially at the center of the movement and four mobile elements ( 58 b , 60 b , 64 b , 62 b) designed to receive hands displaying complementary functions. According to the invention, the four mobile elements ( 58 b , 60 b , 64 b , 62 b) are mounted pivoting on the movement about second (B-B), third (C-C), fourth (ND) and fifth (E-E) axes arranged on a straight line (X-X) perpendicular to them.訳文:
現在時刻を示す時針(16)及び分針(20)を受けるように設計され、ムーブメントの実質的に中心に配置された第1の軸(A-A)を中心に枢動するように取り付けられた可動要素(44、42)と、補完的な機能を表示する針を受けるように設計された4つの可動要素(58b、60b、64b、62b)とを含む、針表示付き時計ムーブメント。本発明によれば、4つの可動要素(58b 、60b 、64b 、62b)は、それらに垂直な直線(X-X)上に配置された第2軸(B-B)、第3軸(C-C)、第4軸(ND)、第5軸(E-E)を中心に揺動するようにムーブメントに取り付けられる。
もうちょっと解りやすく説明はできんものかと思いますが、やっていることは解りました。実際、考え方自体はシンプルなものです。ただ、通常の位置から輪列を介して横配列に伝達される分のパワーロスはありそうですし、ベースムーブメント(ETA caliber 2894-2)へフィードバックされる負荷もゼロではないでしょう。
そう言えばワタクシ、気付いちゃったんですよ!! この「4つのサブダイヤル」、実はかなり見やすくて、頭の中に情報が残りやすいということに!!
人間の「眼球の動き」や「視野」に配慮した設計ではないだろうか??
人間は水平位置に並列配置された2つの眼球を持つ動物です。ですから当然、その視野角は横に広がっています。
テレビのバラエティ番組で出演者に映像を1分間見せた後、「では、右端の女性がさしていた傘は何色でしたか??」みたいな質問をする「記憶力クイズ」がありますよね?? 「そんなの覚えてないよ~」と動揺する反応を楽しむだけのゲームに過ぎませんが、それは人間が、視野に入る全ての情報を処理しているわけではないという科学的な根拠に基づいています。
要するに、見えてはいるけれど「記憶に残すほど、しっかりとは見ていない」のです。
「見る」と「注意を払う」には大きな違いがあります。注意を払えるエリアは意外なほど狭く、「映像記憶のギフテッド」でもない限り、自分の目で見た映像であっても、そのほとんどはノイズとして処理されてしまいます。
普通、クロノグラフの針全ての情報を把握する必要はありません。欲しい情報だけに絞って「選択範囲」を狭めることで、その瞬間に注目すべき針を読んでいるはずです。ほとんどの場合、それで問題はありません。
そんな「当たり前」を「それじゃあいかん!!」と考えたのがエベラールさんです。クロノグラフの4つのサブダイヤルを同軸線上に横配置することで、左右の目が作り出す横長の視野で、無駄なく視認されるように考えたわけです。実際、腕にはめて数分で感じました。「サブダイヤルがめちゃくちゃ見やすい」と (*´∀`*)
まるで根拠があるかのように書きましたが、全ては私の中の科学的知識で「クロノ4」の在り方を分析した結果に過ぎません。ただ、我ながら核心に迫っているのではないかと思います。実際に使ってみて、そうとしか思えないところが「クロノ4」にはあるのです。
サブダイヤルの妙な配置で、笑いを取りに来ている時計ではありません(笑)
これほど仕上げに拘った時計だとは思わなかった
これだから実物を見ないで時計を判断してはいけないのです。まずエベラールさんの公式ページに掲載中の写真に魅力が無さ過ぎて、あれを見て「良いな!! 買おう!!」とはならないでしょう。あの写真を見て「良い」「悪い」の判断はほぼ不可能です。
なので、他で一生懸命写真を探しました。購入前の最終確認として、少しでも写りの良い「クロノ4」を探そうとしたわけです。ところがこれが見付からない!! いやいや、そんなワケはないだろうと高精細の写真を探してネットの海を彷徨ったわけですが、それらしきものはどこにも見当たりません。
「エベラールだぞ!? 古豪だぞ!?」と憤りを感じた私でしたが、無いものは無いで仕方がありません。ISHIDA新宿さんで見せてもらった際に、気に入らなければ買わないだけのことと割り切って考えることにしました。
そして当日のISHIDA新宿。養生を剥かれた「クロノ4」が室内照明を浴びてキラキラと輝く様を見て、あっと言う間に理解できました。めちゃくちゃ仕上げが良い時計じゃないですか!! (*´∀`*)
100万円オーバーに相応しい「ケース」の仕上げ
シンプルに見えてその実、複雑な曲線の集合体である「クロノ4のケース」。曲線に沿った仕上げは相当に難しいはずですが、正確に刻まれたヘアラインと、歪みなく磨かれたポリッシュのコントラストが実に素晴らしい。手を抜かれがちのケースサイドも終端まで神経の行き届いた仕事。
「42ミリ」と、昨今の流行りで言えば大型のケースに属しますが、何の!! アチコチが充実しまくっていることもあって「大き過ぎるといった印象は皆無」です。
艶めかしく伸びるラグの力強さ、存在感満点のベゼル。そのどれもがブレのない整った仕上げで満たされていました。そうですね、こう言うのを「高級腕時計」と呼ぶんですよ (*´ω`*)
力感のあるリューズ
好きです!!このリューズ!! 「ネジ」って感じの男性的な意匠にクラクラきちゃいます。そして何より「ちょー巻きやすい!!」。さらに言えばこう見えて「ねじ込み式」です。防水性「5気圧」なのに!!(笑)
リューズには「エベラール130周年」を表わす刻印がなされています。ちょっとした「特別感」が嬉しいじゃないですか。
お色気系クロノプッシャー
「プッシャー」がもう… 何なの!?(笑) 昭和の深夜番組並に色気がスゴいです。
思わずソフトタッチしたくなるボクだけの絶対領域。押した際の力の伝達にも無理がなく、実は非常に考えられた形状なのではないかと思います (*´∀`*)
男性的な強い輪郭を形作るベゼル
ケースの段でも書きましたが、何気にこの「クロノ4」のデザインのキモ、或いは最終ラインは「ベゼル」だと思います。
非常に力感のあるインダストリアルな佇まいで、荒ぶる4つのサブダイヤルも何のその、全てをマルッと包み込む無限の包容力で「クロノ4」という時計を見事に成立させています (*´∀`*)
常識を覆す存在感を感じる「肉抜きされた時針、分針」
最初、それこそ公式の写真で見ただけの段階では「この肉抜きの針、ぺらっぺらちゃうの??」と訝しんでいたワタクシですが、実物はちょっとこれ!! ペラペラ系には違いないのですが、こんなに美しく仕上げられたペラペラスケルトンを私は見たことがありません。
サブダイヤルの小さな針の仕上げも相当なものです。「針だらけの時計」の主役は「針」に違いないという、当たり前の答えが目の前にありました (*´ω`*)
クラシックの流儀を抑えた美しいセクターダイヤル
2001~2002年の腕時計雑誌に、恐らくは発売されたばかりの最初期型「クロノ4」も取り上げられていました。基本的な意匠は今回私が購入したモデルと変わりませんが、あれれ??「セクターダイヤル」ではなかったんですね。そう言えば私が前に持っていたクロノ4もこんな感じでした。今見ると、何だかのっぺりしてますなぁ。
セクターを取り入れて、インデックスの領域を中心と分断したのは大正解だと思います。これにより中央軸に取り付けられた針とインデックスの関係性が濃密になりましたし、その分、横4列のサブダイヤルが際立ちました。この変態的コンセプトを、よくぞここまで美しくしたものだ… (*´∀`*)
高級感を約束するブラック蓄光
地味な拘り「ブラック蓄光」。一見「どっちでも良いやん」に思えるかもしれませんが、シルバーダイヤルで通常色の蓄光塗料を使ったとしましょう。つまんないですよ。恐らくはかなり「普通っぽく」なってしまいます。
こういった細かい部分でも「あーでもない、こーでもない」と議論があったと思いますが、その成果として「黒い蓄光の採用」があったと考えると、現物を見て何となく腑に落ちる部分もあります。良いのよ。格好良いから!! (*´∀`*)
昔からのデザインを継承した「尾錠」がイイ
実は「クロノ4」を購入したその足で、オーダーストラップの名門、東京浅草「松下庵」さんへ行きました(笑) 前日に「オールウォッチクラブ(AWC)」のイベントがありましたので、この日はAWC代表の中澤氏にもご同行いただく格好に。
ちなみに、オリジナルのままでしばらく使ったとしても、全く以て不満のない出来のストラップです。汗防御にも配慮されていますし、見た目よりずっと肌なじみが良いと感じました。
「良い時計を買ったら松下庵」は、私にとってすでに儀式みたいなものですが、東京生活が終了すればそれも難しくなります。ってなわけで、元のストラップが悪いとか不満があるとか… まあ、そういう場合もありますが、純粋に「今のうちにクールなストラップを作りたい!!」という一念で「Go to Matsushita-an」となりました。時計界隈のキーマン2人を繋ぐのは、これで2度目かな??
松下さんのお薦めを軸に、中澤さんの意見も参考にして「クロノ4用ストラップ」のオーダーを無事に済ませることができました(これは贅沢!!) その際、松下さんがクロノ4の尾錠を見て「懐かしいですね!!」とひと言。どうやら昔からエベラールと言えばこの尾錠だそうで、何となく尾錠に感じていた「レトロ」に納得がいきました。可愛いですよ。この尾錠 (*´ω`*)
ストラップが出来たら自慢しますね!! (*´ω`*)
イタリアで愛される「エベラールの味」
聖地・ラ・ショー・ド・フォンで創業したブランドですし「SWISS MADE」ではありますけどね。イタリアなんですよ…「エベラールが背負うイメージ」は。
かつてエベラールがイタリアの軍事関係に公式採用された理由は「性能」だったかもしれませんが、現代に至るまでイタリアで支持され続ける理由を考えると、その秘密はやはり「独特の色気」にあると思います。
その色気に着目し、ファッションとして世に知れ渡るきっかけを作った人物が、フィアットグループの会長を務めた「ジャンニ・アニエッリ(Gianni Agnelli, 1921-2003)」氏でした。
イタリアの伊達を象徴するファッションアイコンでもあったジャンニ・アニエッリ氏。スリムなスーツに身を包み、ゆるくネクタイを締め、カフの上からロレックスやエベラールを着ける独特なスタイルは、その後、ファッション業界に大きな影響を与えました。
数々の先進的機構を開発し「クロノグラフの雄」として名を馳せた「エベラール」。1996年の「トラベルセトロ」で43ミリケースを採用し「デカ厚ブーム」を牽引。その辺りの「技術とデザインで時代を作るエベラール」の真骨頂が、2001年登場の「クロノ4」だったと思います。
日本の腕時計愛好家が「エベラール」に行き着くには、少し遠回りが必要かもしれません。エベラールが持つ「独特の味」理解するためには、それなりの経験年数が必要な気もします。
ただ、個性を尊重し、個性を磨く意識の高い「精神的イタリア人」の皆さんであれば、瞬間的にエベラールの面白さに気が付くかもしれません。私も今回の購入で「自分の中のイタリア成分」に気付くことができました。誰かさんに倣い、今日から「ミラノ出身」を吹聴したいと思います。Grazie per l’orologio meraviglioso!! (*´∀`*)
最後に…『買うべき時計を買った』 200%の満足をもたらす〝 個性の怪物 〟「エベラール クロノ4 購入」
まずは誘ってくれた腕時計愛好家某氏に感謝を!! お誘いがなければ「エベラール」という「可能性」に再注目することもなく「クロノ4」との再合体もあり得ませんでした。
お陰さまで前回の購入・利用では気が付けなかった「面白味」にも、今回は気付くことができました。「クロノ4」自体も相当な進化を遂げていましたし、私自身にそれを正当に評価できるだけの「時計眼」が育っていたこともあって、想像の数倍、いや、数十倍のインパクトで突き刺さっています。
今回は、どうにかして「クロノ4」の素晴らしさを伝えようと執筆させていただきましたが、まだまだまだ!! 全然表現が足りません。皆さん試しに息を止めて、自分の拳で下っ腹にパンチしてみて下さい。ズシンと来たでしょ?? それです。私がエベラールの「クロノ4」から食らった衝撃は、その「ズシン」と同種のものなんです。
腕時計コレクションを拡充させていく中で、ふと方向性を見失うことがあります。自分は一体何処へ向かっているのか、次に購入すべき時計はどんなジャンルの時計なのか…
10本や20本であれば全体を俯瞰して答えを出すことは難しくありません。どこかに必ず「足りない」を感じるでしょうし、それを加えれば自動的に「次の足りない」も見えてくるでしょう。
ところが100本も所有すると、正直、何も見えなくなります(汗)「より高級に」であれば、私なんてまだまだ序の口だと思いますが、ジャンルで考えるとほぼ全てが目の前にある状態だからです。
「腕時計が欲しいから頑張ってきた」私にしてみれば、次に欲しい時計が思い浮かばないことは、生きる上での「杖を失う」に等しい状態。ただでさえ「ファイティングスピリット」に翳りを感じつつあるのに、このままでは前に進む気力さえ潰えてしまいます。
購入前には想像すらしませんでしたが、今回手に入れたエベラールの「クロノ4」は、そんな停滞した状況に「喝」を入れられる「最高の時計」でした。まさに「今買うべき時計を買った」そんな気分です。
コレクションボックスがパーッと華やかになって、自然と口角も上がる… そんな「幸せ気分」にしてくれる「クロノ4」。100%の納得と100%のハッピーが合わさって「200%の満足」を味あわせてくれる「個性の怪物」。唯一無二の「変態クロノグラフ」なのです (*´∀`*)
EBERHARD CHRONO 4 130(31129.01 CP) | |
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ムーブメント | 自動巻き EB 250(ETA 2894-2 ベース) |
ケース素材 | ステンレス・スティール |
ストラップ | ブラックアリゲーターストラップ |
風防 | フラット型サファイア・クリスタル(反射防止加工) |
ケース径 | 42mm |
ラグ幅(ストラップ幅) | 20mm |
防水性 | 50m |
文字盤カラー | シルバー |
機能 | エベラール特許取得済のオリジナル4カウンター搭載のクロノグラフ |
ブレスレットオプション | あり |
ご意見・ご感想
コメント一覧 (4件)
すごい存在感ですね!
つけてる人見つけたら思わず、え!?って思うくらい
目をひくデザインです!
大きめでスポーティーな見た目なのになぜかキレイめに見えるのが不思議です。
(腕にのせたら存在感あるしスポーティーに見えるんですかね?)
それにしてもムーブメントを特許のデータベースから調べるのは変態すぎますね。。笑
「変態クロノグラフ」ですか!!
色気ムンムンですね!!!(日常生活では使えないセクハラ傾向の文言です)
初めてイタリアの時計を間近にしたのはパネライでした。
地味な業界には幾分不釣り合いなオーナーは細身の長髪で、先の尖った靴を履いていました。
彼は長髪を掻き上げながらパネライを勧めてきましたが、「私の中にはゲルマンはあるがイタリアの血はないので使いこなせない」と応え、銀座のブティックで再度試しましたが断念しました。