『Baltic』フランスの洒脱が詰まった〝ネオ・クラシック〟

「SARB035と033」〝プアマンズ グランドセイコー〟と呼ばれた実用腕時計のレジェンドを振り返る

 〝自分にとって必要な腕時計〟という考え方があります。個人差のある日常に落とし込んでガシガシ使いつつ、それでも単なる〝道具以上〟の存在であり続ける… そんな「実用時計の理想形」

 嗜好品の最たるものになりつつある現代の腕時計にしてみれば、それは数少ない「腕時計の在り方を定義する必然」の一つです。

腕時計喫茶 wristwatch-tearoom 写真 α7RⅤ SARB035 SARB033 SEIKO セイコー メカニカル 白ダイヤル シルバーダイヤル ブラックダイヤル ブレスレット 平置き
Seiko SARB033とSARB035

 というわけで今回は、ワタクシの腕時計歴の中でも特に思い入れの深いセイコー メカニカル「SARB035&033」のお話をさせていただきます。実用時計の理想像を思い浮かべるとき、この2本だけは絶対に外せません。

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自分を大きく見せるための道具

 今やこんなにも〝物わかりの良い腕時計趣味人〟になってしまったワタクシですが、若かりし頃、自分という看板だけで個人事業主として仕事をしていた期間は、世間のご多分に漏れず〝自分を大きく見せる役割〟を腕時計に期待していました(あの時代の業界人は皆さんそんな感じでしたねぇ)

 目の前のクライアントさんに対して「貴方が考えている以上にオレは稼いでいる」と印象付けるには、誰でも知っている高級腕時計を見せびらかすのが手っ取り早かったからです。クリエーターの仕事は売れているところに集中するのが道理ですから、陳腐なパーソナルイメージ戦略も場合によっては有効でした。実際は大して稼いでいなくても… (;´Д`)

効果的な演出手段としての高級腕時計

 所詮は演出に過ぎませんが「こんなにスゴいものが買えるくらい仕事が来ているんだ!!」と無言で伝える手段としては「高級腕時計」以上に効果的なものはありませんでした。ただ、20代半ばの若者には明らかに不釣り合いでしたから、大手出版社との打ち合わせの合間に「それって本物??」と疑いの目を向けられることもしばしばありました(汗)

 こういった雑味のある趣旨で購入した腕時計であっても、もちろん〝欲しいから買った〟わけです。しかしながら今思えば、あの時代の私は半分「ビジネス腕時計好き」とでも申しましょうか…「流石だね!!」「売れてる人は違うね!!」と言われたいがために、高級腕時計を買うようなところがありました。購入した時計に対する愛着も推して知るべしです。

上役の顔色を伺いつつ、時計を使う日々の「ジーショック」

 時は過ぎ、老舗マスメディアの一員として再スタートを切った私にとっての腕時計は、会社内の〝偉い人の顔色を伺いながらでないと着けられないアイテム〟になりました。若造が会社でロレックスなんて、もってのほかだった時代です。

 奉公を重ね、自分自身がギリギリ経営側の人間になってみて、偉い人が若い社員の袖口なんて一々見ていないことを理解しましたが、少なくともあの時代の空気には「若いくせに生意気だね」と言わんばかりの苦々しい成分が含まれていました。高級時計を堂々と着けるためには出世するしかない!! 結構真面目にそう考えていたくらいです。

 そんな「雌伏の時代」ともいうべき若かりし頃、私が安心して着けていられたのがカシオの「G-SHOCK(ジーショック)」でした。安いモデル中心でしたが、新作が出るたび、大阪梅田の三番街にあった行きつけの時計店に突撃。安月給をものともせず、多少の無理は承知の上でニューモデルを買い漁りました。

セイコー5とオリエントが上げた〝本格的な腕時計趣味の狼煙〟

オリエント ORIENT WEEKLY AUTO KING DIVER ウィークリー オート キングダイバー 横置き 写真 腕時計喫茶 wristwatch-tearoom
今も手元に残る、数少ないオリエント

 そうして歳をとってポジションも変化し、ずっとG-SHOCKというわけにはいかなくなった私。マトモで無害な社会人に見せてくれる時計が、今こそ必要になったわけです。

 とはいえ、例えば切羽詰まって誰かにお願いごとをするとき、左腕にこれみよがしの高級腕時計が見えていたら、相手の人はどう思うでしょうか?? 「なんだ、余裕あるじゃん」ってな感じで、額に滲む脂汗すら〝演出〟だと思われかねません。

 この頃に買いまくっていたのが久しぶりの機械式「セイコー5」「オリエント」。今でもこの2つを見ると、夜討ち朝駆けで馬車馬のように働いた地獄の日々が蘇ってきます。電車が止まっても歩いて出社、インフルエンザはただの風邪なんて言われてねぇ… (;´Д`)

 何はともあれ、例え安価なモデルでも機械式は楽しいなぁ~と、自分の中で何やら本格的な腕時計趣味の狼煙が上がったのは、この2つのブランドがきっかけだったかもしれません。

セイコー「SARB035」との出会い

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SARB035

 「5」「オリエント」の往復にも飽きた頃、私の視界に飛び込んできたのがセイコーの低価格機械式「SARB 035」でした。

 最初の印象は「これまたどこから見ても〝セイコー〟ってな感じのモデルだな」… でした。と同時に「ほぼGSじゃないか!?」という、この先何年も抱き続けることになる、安いセイコー時計にとっての〝最高評価〟をすでに感じていました。

Amazonでたびたび開催された「SARB祭り」

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SARB033とSARB035

 実は未だに謎でしかないのですが、当時のアマゾンでは白ダイヤルの「SARB035」と黒ダイヤルの「SARB033」の値下げが、数度にわたり行われたことがあります。その都度、アマゾンで安い腕時計を監視している〝魂の友〟たちが狂喜乱舞。その様子から誰が言ったか「SARB祭り」と呼ばれていました。あれは楽しかったなぁ。

 底値は2万円を切っていたと記憶しています。私は底値を見過ごしてもう少し高い値段で購入するハメになりましたが、それでもたったの「3万3943円」です。

 この価格に対して何故「たったの」と言えるのか、次の段ではこの価格が如何に「破格」であったかをご説明させていただきます。

 安いからといって、何かを我慢する必要もない価格帯最高峰の完成度で伝説となった「SARB035」。そのあまりの魅力に禁断の〝同型異色買い〟を断行した「SARB033」についても、合わせてお話ししたいと思います。

今では有り得ない、凝ったデザインの「ケース」

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SEIKO SARB035

 本当に優れたモノは、どんなに時代が変わろうとも色褪せない… こうして「SARB035」を見て、ひしひしと感じます。

 今だからこそ唸ってしまうのは、絶妙に着けやすい幅38.4ミリ、厚さ11.2ミリの「ケース」です。ツルンとシンプルに繋がった表面ではなく、ラグからケースサイドに凝ったステップ構造を取り入れています。仕上げもこの価格帯としては十分です。

 2026年の私が思うのは、今このケースを使ったら総額で一体幾らの時計になるのか… です。セイコーの機械式ブランドである「プレザージュ」で探しても、「SARB035」に匹敵する凝った作りのケースは見当たりません(仕上げは現行プレザージュが上だと思いますが、ケースデザイン自体はシンプルですからね)

腕時計喫茶 wristwatch-tearoom 写真 α7RⅤ SARB035 SEIKO セイコー メカニカル 白ダイヤル シルバーダイヤル ブレスレット ラグ ケース マクロ 平置き
SEIKO SARB035

 決して〝贅を尽くした細工〟ではありませんし、ヘアライン処理などはセイコーの近作と比べて〝甘い〟と言わざるを得ません。しかし、初出である2008年当時でさえ、コストに見合わない良作と言われた「SARB035」「SARB033」。現在のプレザージュでいえば、20万円前後の値付けが妥当かもしれません(下手すりゃもっと上の可能性も)

 時代と言ってしまえばそれまでですが、要するにこれはコストの問題ではなく、一般向け腕時計メーカーとしての〝矜持の問題〟です。コストさえ言い訳に過ぎなかった〝職人魂の時代に咲いた最後の徒花〟「SARB035」のケースにはそんな二つ名が良く似合います。

使えば使うほど好転した〝ブレスレットの評価〟

腕時計喫茶 wristwatch-tearoom 写真 α7RⅤ SARB035 SEIKO セイコー メカニカル 白ダイヤル シルバーダイヤル ブレスレット 平置き
SEIKO SARB035

 「SARB035」をグランドセイコーと本気で比較するなんて不平等もいいところ。しかしながら「SARB035」には、そんな上位存在と〝比較してみたくなるポテンシャル〟を感じるのも事実です。

 今だから思うことですが、購入直後、私は「SARB035のブレスレット」を正しく評価できていませんでした。

 すでに巷では「プアマンズGS」という異名を得ていた「SARB033」「SARB035」でしたが、常識のモノサシに囚われていたからでしょうか… 両者をじっくり比較することもなく、半ばイメージの世界で「良く出来たブレスレットだけど、値段なりのところはある」と通り一遍の評価を下していました(それでも同型を2つ購入したわけですから、めちゃめちゃ気に入ってたことは確かです)

腕時計喫茶 wristwatch-tearoom 写真 α7RⅤ SARB035 SEIKO セイコー メカニカル 白ダイヤル シルバーダイヤル ブレスレット バックル 平置き
SEIKO SARB035

 ブレスレットに対する評価は、使うごとに好転していきました。コマ同士の滑らかな連結、所有欲を満たす質感、丁寧に磨かれたコマの面取り、実用モデルとして完璧な重量。何よりもひと目でセイコーだと解る象徴的なデザインが、使うたびに小さな満足を積み重ねてくれました。

GS購入で、ブレスレットの評価がさらに上昇

 評価の極めつけは後年の「GS購入」でした。「GSよりもSARB035のブレスレットの方が上だった」… なんてことは申しません。しかしながら眼前に並べた両者、SARB035のブレスレットとGS「SBGC007」のブレスレットが、セイコーの歴史の中で〝一つ繋がりの系譜〟に属していると気付くのに時間は掛かりませんでした。

 遠目で見たら大して変わらないように見える… これはお互いの価格差を考えれば、ほとんど奇跡のような出来事です。

〝プアマンズ グランドセイコー〟というこれ以上ない異名

腕時計喫茶 wristwatch-tearoom 写真 α7RⅤ SARB033 SEIKO セイコー メカニカル ブラックダイヤル ブレスレット 平置き
SARB033

 「プアマンズ グランドセイコー」… この言い回しを初めて目にしたときの私の心中には「上手いこと言うなぁ」という気持ちと、小馬鹿にしたようなニュアンスに対する複雑な気持ちが入り混じっていました。「貧者のグランドセイコー」〝GSを買えない人のための慰め時計〟と読み下した人も多かったでしょう。

 ところが実際に「SARB033」「SARB035」を所有し使ってみたことで、この異名が表す本当の意味が、セイコーという腕時計メーカーの〝底知れぬ懐の深さ〟にあると理解できました。

 価格帯を無視したかのような出来栄えの「SARB」を、後からリリースされた同格の新作が次々と販売価格で追い抜いていく不思議な現象にある意味快哉を叫び、ある意味畏怖を感じた消費者が与えた、これ以上ない、そしてこれしかない評価… それが「プアマンズGS」という異名なのです。

どう見る??「Cal.6R15」搭載

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SEIKO SARB035(Cal.6R15)

 2005年に登場し、セイコー自動巻きの中位グレードとして一世を風靡した「Cal.6R15」を搭載する「SARB033」「SARB035」。その後の「6R系ファミリー」のベースとなった歴史的存在なのですが… 愛好家からの評価はあまり高くありません。約50時間とパワーリザーブも長めなんですけどねぇ。ゼンマイはスプロン510です。

 ひとつには「日差+25秒~-15秒」という、スイス製エボーシュと比べて些か劣る「精度」があると思います。スタンダードグレードとは良い勝負なのですが… これはもう、そういうものだとしか言えません。

 もう一つ言われているのが「個体差が大きい」こと。これに関してはウチのは2本とも結構な当たり個体だったので、個人的には何の不満もありません。ノーOHなので、今測れば大きく劣化しているかもしれませんが(笑)
 
 いずれにせよ、今でもそこそこの… いや、十分なムーブメントが使われています。

リューズとチャプターリングくらいしか、お値段なりの箇所がない

腕時計喫茶 wristwatch-tearoom 写真 α7RⅤ SARB035 SEIKO セイコー メカニカル 白ダイヤル シルバーダイヤル ブレスレット ケース リューズ 平置き
SEIKO SARB035

 「SARB035」で最初に「仕方ないかぁ」と諦めたのが「リューズ」。正直ここは値段なりです。あと「チャプターリング」も他の仕上げと比較すると少し落ちます。まあ、チャプターリングが惜しい時計なんて、世の中にゴマンと存在するわけですが。

腕時計喫茶 wristwatch-tearoom 写真 α7RⅤ SARB035 SEIKO セイコー メカニカル 白ダイヤル シルバーダイヤル チャプターリング 平置き
SEIKO SARB035

 逆説的に言えば、それくらいしか「安い時計」だと思い出させる箇所がありません。何だかもう、存在がバグっています。

〝黒ダイヤル〟SARB033の解釈

腕時計喫茶 wristwatch-tearoom 写真 α7RⅤ SARB033 SEIKO セイコー メカニカル  ブラックダイヤル ブレスレット 横置き
SARB033

 ブラックの柔らかいサンレイダイヤルが「SARB033」の魅力。言ってしまえば035との違いはダイヤルしかありません。

 そしてこのダイヤル違いが、この両者の使い方に大きな影響を与えています。

 「SARB035」に対して「SARB033」はやんちゃな時計です。昭和のヤニ臭さがあると言いますか、張り込み中の刑事2人が、牛乳とアンパンで寒空をしのいでいた時代の匂いがします。昭和に作られた時計ではないはずなのに(笑)

 靴底を減らして駆け回るお仕事の方にこそ着ける資格がある…「SARB033」はそういう時計です。

〝白ダイヤル〟SARB035の解釈

腕時計喫茶 wristwatch-tearoom 写真 α7RⅤ SARB035 SEIKO セイコー メカニカル 白ダイヤル シルバーダイヤル ブレスレット 横置き
SEIKO SARB035

 「SARB035」の魅力は、まるで修道士のように静かでありながら、日々のビジネスウォッチとして365日飽きずに使える奥深い魅力にあります。

 ダイヤルはホワイトともシルバーとも異なる独特の優しい色。ほぼ艶消しでありながら僅かなマチエールを感じさせる、温かみのある質感が特徴です。私は035を手にしたとき、理想のホワイトダイヤルを「遂に見つけた」と思いました。

 以前書いた記事では「SARB035」のことを「塩サバと味噌汁と白ごはん」に例えましたが、我ながら上手い例えだったと思います。毎日でも飽きずに美味しく食べられますからね (*´∀`*)

追憶「SARB017」

 6R15搭載のSARBといえば〝名作〟と呼ばれた「SARB017」も外せません。以前に行ったプレゼント企画で当選品としてお出しした「アルピニスト」のことです。元気に動いているかなぁ~ 愛用されてると良いなぁ~ (*´ω`*)

 当時からすでに「SARBはこの3本でワンセット」と言われていましたし、そう思って私も揃えたわけですが… 腕時計ユーチューバーのしば時計さんが自身のアイコンにされているのを見て「やっぱり良い時計だった!!」と、今更ながら思い直しました(プレミア付いていますね)

最強の〝謝罪時計〟

腕時計喫茶 wristwatch-tearoom 写真 α7RⅤ SARB035 SEIKO セイコー メカニカル 白ダイヤル シルバーダイヤル ブレスレット 平置き 青いネクタイ
SEIKO SARB035

 最初から特殊な用途を思い浮かべて購入した「SARB035」ではありませんでしたが、いつの間にか「謝罪時計」という、おかしなポジションに収まってしまいました。

 何かをやらかして謝りに行く際に丁度良い〝真摯な風情〟がその理由でしたが、何となく自分の中で「反省しなきゃなぁ」みたいなときや、何かに区切りを付けてやり直したい気持ちのときに着けることがほとんどに。

 ちなみにこの定位置を任すことのできる奇特な時計は、私のコレクションの中でも「SARB035」以外にありません。同型であっても「SARB033」は、黒ダイヤルの時点でこの役割には不適格です。

 目立たず、とはいえそれなりの存在感で「生真面目な時計を着けてます」というアピールにもなる「SARB035」。艶消しの少し黄色みかかったホワイトの文字盤に、上品なドーフィン針、あまりにも繊細な秒針。インデックスのサイズも含め、それら要素が「これ以上、前に出るつもりはありません」と宣言しているかのようです。

 まるで、つまらないプライドを捨てて無心に頭を垂れる瞬間のために作られた時計のよう。身に着けるたびに背筋が伸び、原点に還るような気持ちにさせるのが「SARB035」です。

α7RⅤで写真を撮ってやりたくなった

腕時計喫茶 wristwatch-tearoom 写真 α7RⅤ SARB035 SARB033 SEIKO セイコー メカニカル 白ダイヤル 黒ダイヤル シルバーダイヤル ブレスレット 平置き
SEIKO SARB035とSARB033をSony α7RⅤで撮る

 ウチの「SARB」さんたちって、実はめちゃめちゃ状態良いんですよ。先ほど申した通り、出番が特殊で極端に限定されているからなのですが、目立つ傷もほとんどなく、まるで1時間前にアマゾンから届いたように美しく輝いています(それは誉め過ぎかしら)

 そもそも今回、今更ながらSARBの記事を書こうと思ったきっかけは、Googleのサーチコンソールで「SARB関連が妙に読まれていた」のを確認したからです。そこでこの機会に「追いSARB記事」を書いてみようと企んだ… と。

 それなら折角なので「キレイな写真を残してやろう」なんて思いましてね。購入当時のスマホ画質とは比較にならない現在の環境、腕時計喫茶自慢の「α7RⅤ」で美しい姿を撮ることにしました。

 どうでしょう?? 今回の写真。美人さんに撮れていますか??

未だに衰えぬ人気の証明

セイコー SARB035 SARB033 SEIKO Chrono24 販売価格 2026年8月時点
Chrono24での販売価格(2026年8月時点)

 「SARB035」の中古価格をChrono24さんで確認してみました。「12万7548円」… ちなみに私が購入した価格は「3万3943円」です。

 一方「SARB033」の購入価格は「3万5800円」でしたが、これもChrono24さんで検索すると「10万9875円」でした。確か以前は035よりも033の方が高かったと記憶していますが、いつのまにか逆転していたようです。

 いずれにせよ、私が購入した価格から3~4倍のプレミアが付いているわけで、これはセイコーの低価格機械式では前代未聞のことです。

 実際、ディスコンまでにかなりの本数が販売されたはずですが、世界を相手にしているChrono24さんを探してもヒットする個体は僅か。未だに人気が衰えていないことは間違いありませんが、買った人が手放さないことで、枯渇が常態化していることも〝プレ値の理由〟ではないかと思います。

最後に… 忠実に復刻でもされない限り、二度と見ることはないかもしれない時計

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SARB033とSARB035

 「SARB033」「SARB035」が正式に廃番になったと聞いたとき、まるで旧知の友人が二度と会えない遠隔地に引っ越したかのような淋しさを覚えました。どちらもすでに所持しているのに… です。この先、例えば私が書いた記事でこの2本の素晴らしさに触れ、自分も一本と思い立ったとしても、もう二度と、新品として購入することはできない。それはとても残念なことですからね。

 恐らく私の中で、或いは同時期に廃番の報に触れた方々の中でも、もはや「二度と作られることはないだろう」という気持ちが湧いていたのではないでしょうか。それくらい、挙げればキリがないほど魅力的で、尚且つ優しい最高の実用時計でした。

 真の意味でのビジネスウォッチとして、未だに探している人が多い事実からも、この2つの「SARB」の中には現行のセイコーにはない〝何かしらの価値〟があるのだと思います。現行のプレザージュにはない〝古典風味〟も… 良いんですよねぇ (*´ω`*)

Seiko SARB035/SARB033 仕様とスペック

Seiko SARB035 SARB033 specifications
型番SARB035、SARB033
キャリバー6R15(自動巻き / 手巻き付き)
石数23石
振動数21,600回/時(6振動/秒)
駆動時間最大巻上時約50時間持続
精度日差+25秒〜-15秒
ケース素材ステンレススチール
ケースサイズ(径)横 38.4mm(リューズ除く)
ケース厚さ11.2mm
縦サイズ(ラグtoラグ)約44.8mm
ラグ幅20mm
風防(表)サファイアガラス
裏蓋シースルーバック(ハードレックス)
文字盤カラーアイボリー/オフホワイト(035)、ブラック(033)
防水性能10気圧防水(日常生活用強化防水)
耐磁性能あり(JIS1種耐磁)
重量約136g
機能・特徴秒針停止機能(ハック機能)、日付表示(デイト)、ルミブライト(針・インデックス)

買ったからこそ書ける記事がある…

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コメント一覧 (2件)

  • いつも楽しく拝読しております。
    プレゼント企画でいただいたSARB017は今も愛用させていただいています。
    SARB017が人生2つ目の機械式でしたが、どこにでも連れて行ける安心感があり、精度も良かったので、機械式時計を購入するハードルをグッと下げてくれました。
    (そのせいで最近はお留守番が多くなりがちに…ごめんねSARB017…。)

    • ひだりさま、コメントありがとうございます♫

      そして愛用のご報告、めちゃめちゃ嬉しいです!!
      使用頻度なんて関係ありません。
      使っていただけるだけで… もう(>ω<) 精度にもご満足いただけて本当に良かったです。 ハードル下げちゃいましたか(笑) なんて罪なアルピニスト!!

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