こんなサイトを運営しているからと言って、私自身は腕時計を作ったり売ったりする側の人間ではありません。大好きな腕時計を楽しむ側の一人として、エッセー風味のソリューションジャーナリズムを展開しているのが私という人間です。
そんな私にはファクトチェックで頼りにしている多くのデータサイトが存在します。それこそ足を向けて寝られないサイトの一つが「Caliber Corner」さん。ムーブメント関係で重要なファクトはCaliber Cornerさん他、幾つかのサイトを照合しながら掲載しています。
久しぶりに欲しくなったタグ・ホイヤー「Formula 1 Solargraph(フォーミュラ1 ソーラーグラフ)」

閑話休題。私が購入したことのある「タグ・ホイヤー」は、若い頃に出会った「モナコ」や「カレラ」を始めとする数本です。
歳をとってからはタグ・ホイヤーというブランドが纏う〝若々しい空気〟に再三はじかれ、ちょっと気になっても足を運ぶまでには至らない… そんな状況が続いていました。それでも頻繁に、こんな枯れた男を「なぬ!?」と二度見させる時計が出現するタグ・ホイヤー。最近で言えばそれは間違いなく「フォーミュラ1 ソーラーグラフ」のことでした。
私にとっては何とも懐かしい、80年代風味の「フォーミュラ1 ソーラーグラフ」。これぞタグ・ホイヤーのレガシーとも言うべきアイコニックなデザインを、現代的な解釈で38ミリケースにギュッと詰め込んだ手腕に痺れました。80年代、90年代にダントツで輝いていたタグ・ホイヤーがここに復活したと喜んだわけです。あの時代のタグ・ホイヤーは、今見てもゾクゾクするような名作揃いでしたからね (*´∀`*)
何より嬉しかったのはその〝価格〟。カレラの3針が50万円を超え、クロノグラフが100万円を超える時代に現れた「29万7000円」はインパクトがありました。もちろん機械式ではありませんが、スイスの一流どころでは今や絶滅危惧種ともいえる「30万円ライン」を死守してくれたことに、タグ・ホイヤーの戦略を超えた〝意地〟を見ました。
そんな「フォーミュラ1 ソーラーグラフ」が搭載しているムーブメントが、アクアレーサーにも使用されているソーラーキャリバー「TH50-00」。ちなみにタグ・ホイヤー公式では〝自社製〟の記述が見て取れます。
「TH50-00」で喧々諤々
その辺りを深掘りしていくと、アチコチで「TH50-00は、ラ・ジュー・ペレとタグ・ホイヤーの共同開発である」という要旨を見付けました。だとしても昨今の〝自社製云々〟に照らせば、ちょいと強引に自社製を名乗ること自体は珍しくありません。
そもそも2025年11月には、タグ・ホイヤーが属するLVMHの時計部門が〝ラ・ジュー・ペレの少数株式〟を取得。これにより両社の関係は、単なる外部サプライヤー以上のものになったわけです。
そんな「TH50-00」に関して、SNSで興味深いポスト(私が見たのはリポスト)を見付けました。と同時に「あれ?? これってCaliber Cornerさんでも賑わってたネタだなぁ」と思い出して探してみたら… ありました。およそ1年前に〝ちょっとした議論〟が (;´∀`)
その特徴はもう完全にシチズン「E168」やがな

ここまで読んで「へぇ~、ラ・ジュー・ペレってソーラームーブメントなんかも作れるんだね!!」と感嘆の声をもらした方も少なくないでしょう。
ところが今のところラ・ジュー・ペレは、あくまで機械式ムーブメントメーカーです。とすれば畑違いの「TH50-00」はどこで産み落とされたのでしょうか??
「TH50-00」のレイアウトから、その原型はシチズン製エコ・ドライブ・キャリバー「E168」ではないかと指摘されていますが、実際、これまた私が足を向けて寝られない「Watchbase」さんにも〝シチズンE168をベースにしたその他のムーブメント〟の欄に「TAG Heuer caliber TH50-00」と「TH51-00」が並んでいました。シチズンと言えばラ・ジュー・ペレを買収し、完全子会社化した親企業。なるほどなるほど…
そこから「ははぁ~ん、親から提供を受けて、ラ・ジュー・ペレが仕上げを加えたんだな」と思いきや、パワーリザーブがE168の6ヶ月に対して、TH50-00は10ヶ月と大幅に伸びていたり〝そこそこ別物〟と呼べる程度の差異がスペックからも見て取れます。
ほな「E168」とは違うかぁ

そもそも使っている充電式セルが違いますし、中身のIC回路や制御系に手が入っている可能性もありますね。
問題は仕上げも含めてその辺りを〝ラ・ジュー・ペレでやれたのか〟という話だと思います。タグ・ホイヤー用に別アセンブリとして独自性を出したか、提供された設計図を元にラ・ジュー・ペレが組み立てたか…
公開情報だけでは、どの部品と工程が原価要件に算入されているのかまでは分かりません。但し、現にSwiss Madeとして流通している以上、TH50-00が〝規則上の要件は満たしている〟と考えるのが妥当です。
コート・ド・ジュネーブ装飾が施された受け板の形状も、厳密に言えば「E168」とは異なります。ほなやっぱり「E168」とは違うかぁ~ (;´∀`)
「自社製(In-House)」の解釈を問う
日本人としては、シチズンの軍門にタグ・ホイヤーが下ったみたいにも読めて面白い話ですが、ことはそう単純な話ではありません。
実際、ムーブメント専業メーカーの株式を取得し、幾ばくかの資本を投下することで「身内感」を出し、それを以てインハウスとしているブランドもあります。この辺りに関しては、もはやその是非をどうこうする段階は過ぎたかもしれません。
問題は、ラ・ジュー・ペレを経由することで、シチズン由来と思われる技術をタグ・ホイヤーの〝自社製〟という物語へ組み込めるのか、という点です。もちろん、両社間でどのような技術供与や契約が交わされているのかは分かりません。ただ、一般消費者がイメージする「共同開発」よりも、少しばかり複雑な構図に見えるのは確か。
そして、もう一つ気になるのが、それを以て「スイス製を名乗れるのか」という点です。
スイス製の冠を戴く〝条件〟
スイス時計産業連盟の資料によれば、「Swiss Made」を名乗るにはスイス製ムーブメントを使用し、スイス国内でケーシングと最終検査、技術開発を行った上で、完成時計の製造原価60%以上をスイス国内で発生させる必要があるとされています。
これは部品の60%がスイス製という意味ではありません。あくまで中心となる基準は「製造原価」です。また、ストラップやブレスレットなど、時計を腕に装着する部分は時計本体の定義から除外されます。ラグスポが持て囃されるこの時代に、ブレスレットの扱いよ(笑)
さらに「スイス製ムーブメント」と言い張るためには、スイス国内で組み立て、スイス国内で最終検査、製造原価の60%以上がスイス国内で発生、組立費を除く構成部品価値の50%以上がスイス製、といった条件をクリアする必要があります。
さて、問題の「TH50-00はスイス製なのか??」です。上の要件に照らせば、スイス国内で組み立てと検査を行っていると考えて良いでしょう。製造原価60%以上と構成部品50%以上についても、現に「Swiss Made」として流通している以上、少なくとも製造側は「我々は要件を満たしている」と判断しているはずです。
罰則もありますし、タグ・ホイヤーやラ・ジュー・ペレほどの企業が、そこを軽視しているとは思えません。
それでも残る〝心情的違和感〟
とはいえ、腕時計のことが好きで好きでたまらない方ほど、この件に対しては形容し難い〝心情的違和感〟が拭えないかもしれません。心情で切り取れば「産地偽装の一種」に見えなくもありませんからね。
残念ながら、このような心情から最も離れた場所に「Swiss Madeの仕組み」は存在します。それはスイス時計の文化と歴史を守ると言うよりも、もっとシビアな「スイスの利益」のために作られたもの。スイスにとって時計製造は、民間企業の営みであると同時に、法律と通商外交によって価値を守る、事実上の国策産業なのです。
それはスイスという高級時計の本丸の価値を下げないためのものであり、時計製造者に対して〝スイス時計とはこういう物〟と定義付けるモノサシでもあります。
このルールは「毒と華」の意味合いを持っています。毒とは一般消費者には解りづらい〝ローカルルール〟としての在り方。華とは文字通り「スイス製という価値のお墨付き」… 要するに〝有難み〟です。この2つがごちゃごちゃと絡み合うことで、消費者はことあるごとに翻弄されてしまう。
これに関してはもはや〝承服するしないの問題ではない〟のかもしれません。消費者である私たちにできることは〝飲み込む〟ことだけ (;´Д`)
とはいえブランド側にも、自分たちの事情を〝飲み込みやすくする努力〟が必要でしょう。決して安くはないお金を支払うというリスクに対して、何よりも購入したお客さんが長く安心して使えるように配慮することが、延いてはブランドの価値を盤石にするために必要な〝最善策〟だからです。
大岡裁きがヒントに??
落語や講談で有名な江戸噺に「三方一両損」ってのがありましてね。
三両の入った財布を拾った男と落とし主が互いにお金を受け取らないと意地になって、裁定を奉行所に持ち込む。
困った奉行の大岡越前が自前の一両を足し、四両として2人に二両ずつ分け与える。三両もらえるはずだった拾った男は二両しかもらえず〝一両の損〟。落とし主も同様に〝一両の損〟。巻き込まれてお金を出したお奉行も〝一両の損〟… これにて〝三方、一両の損〟と。
何の関係もないお奉行が気の毒で仕方がありませんが、私はこの寓話の中に「TH50-00」の一件を飲み込みやすくする〝鍵〟があるような気がしています。
要するに「シチズンが世界に誇るソーラー技術を土台とし、タグ・ホイヤーとラ・ジュー・ペレが、それぞれ何を担ってTH50-00を完成させたのか」を明確に説明しておけば良かったのです。
タグ・ホイヤーは、純然たる自社技術という幻想を一つ手放す代わりに、世界有数のソーラー技術を持つシチズンとの強固なパートナーシップをアピールできる。
シチズンとラ・ジュー・ペレは、黒子に徹して技術を提供する代わりに、自らの技術がスイスを代表する高級時計ブランドに選ばれたという評価を得る。
そして購入者は、スイス時計に対する夢を少しばかり手放す代わりに、その時計がどのような技術と協業によって生まれたのか、そのストーリーを納得した上で購入できる…
これなら〝三方一両損〟であると同時に、全てが丸く収まる〝三方一両得〟にできたかもしれません (*´∀`*)
強かに生き残るスイス時計
そもそもスイス時計産業も〝万能の神〟ではありません。かつてクォーツショックによって大きな打撃を受けた歴史があり、今後も異なる技術革新に直面する可能性があります。
そんなスイスが出した一つの結論があります。スイス連邦政府が制定した〝時計におけるSwissの表示使用を規制する政令〟によりますと…
「完全な機械式ではないムーブメントでは、電子モジュール、エネルギー収集モジュール、調速機構、歯車列、モーターなどの部分組立てを国外で行うことが認められる」とあります。それって… (;´∀`)
「できないことはできないんだもん!!」みたいな開き直りを感じて、何とも言えない政令ではありますが、見方を変えれば、スイスが自国だけでは完結できない領域を冷静に判断した末の規定とも読めます。
できないものまで抱え込まず、国外の力を借りながら、時計全体としての価値はスイス国内で作る。その割り切りこそ、スイス時計産業が幾度もの危機を乗り越えてきた強さなのかもしれません。
「TH50-00」を搭載した時計に「29万7000円」は適切か??
その答えを探る前に、スイス時計業界のコスト構造を把握しておく必要があります。ラ・ショードフォンを拠点とする腕時計製造コンサルティング企業で、新規参入メーカーを支援する「Bryek Horlogerie SARL」さんによると、その内訳はこのようになります。
| ムーブメント | クォーツ 10~35 CHF |
|---|---|
| 自動巻き 80~220 CHF | |
| ケース | 25~120 CHF |
| 文字盤・針 | 13~70 CHF |
| 風防(サファイアガラス) | フラット 約10 CHF |
| 両面反射防止ドーム型 最大40 CHF | |
| ストラップ | シンプルな革 約10 CHF |
| ステンレススチール ブレスレット 約100 CHF | |
| 組み立て・検品コスト | 20~100 CHF |
新規参入メーカーに対する提案ですから、そのままタグ・ホイヤーさんのような一流ブランドには当てはまりませんが、イメージするための材料の一つ、あくまで参考としてご覧下さい。
| エントリー向けクォーツ | 製造原価 約110 CHF |
|---|---|
| 推奨定価 450~550 CHF(原価率 約20~24%) | |
| 標準的な自動巻き(ETA/Sellita系) | 製造原価 約390 CHF |
| 推奨定価 1,200~1,600 CHF(原価率 約24~32%) | |
| メカニカルクロノグラフ(20気圧防水) | 製造原価 約580 CHF |
| 推奨定価 1,900~2,600 CHF(原価率 約22~30%) |
「フォーミュラ1 ソーラーグラフ」の価格は、ブレスレットモデル「WBY1111.BA0042」の場合「29万7000円」。些か乱暴な試算ではありますが、仮に同資料が示す30%前後の原価率をそのまま当てはめれば、製造原価は「約9万円」となります。
残る約21万円がそのまま利益になるわけではありません。流通、店舗、人件費、広告、保証、開発、在庫、ありとあらゆるコストがここに積み重なります。
この構造を知れば、世の中のマイクロブランドの安さの秘密が良く解るのではないでしょうか。流通を絞りマーケティングを最小限に。合わせてブランドの利益そのものを圧縮することで、あの安さを実現しているわけです。
価格で頑張るそれらマイクロブランドを肌身で知っている人ほど、ある種の憤りを拭えないかもしれません。「どうしてなんだ??」… と。
スイスの一流ブランドという〝看板のお値段〟
製造原価を除いたコスト… それ即ち「ブランドの価値を担保するためのコスト」だと考えれば、それこそが「ラグジュアリーにお金を払う意味」そのものだったりします。
ですので「フォーミュラ1 ソーラーグラフ」の価格は、諸々全てを含んだ「29万7000円」で間違いありません。購入者が手にするのは時計そのものだけではない。莫大な周辺コストに支えられた「タグ・ホイヤーというスイスブランド」も、その価格に含まれているのです。
とはいえ今回は「ムーブメント」のお話。商売の構造を把握した上で(E168由来と思われる)「TH50-00」を搭載した時計の「29万7000円は適切」なのか…
仮に製造原価を「約9万円」だと考えれば「なるほどね」と思えるフシもありますが… 果たして??
ちなみに低価格帯の時計だからといって、必ずしも流通や広告費が比例して下がるわけではありません。一流ブランドが低価格を打ち出すためには、企業として相当な努力と覚悟が必要です。
美しい幻想を支えるシビアな現実
面白いことにスイスの腕時計業界では、日本人的な幾つかの常識が通用しません。パートナーから仕入れたムーブメントをバラバラにして仕上げを加え、精度を調整して性能を高めたところで、日本人の感覚ではそれを自社製とは呼びません。ところがスイスでは〝ほぼインハウス〟として成立する場合があります。
歴史的に「価値観の上書き」に抵抗がないのかもしれません。それはまるで周辺国を次々と制圧し、その文化の美点を自らの文化に統合しながら盤石な体制を築いたローマ帝国のよう。
周辺の優れた文化と技術を自らの版図へ取り込み、より強大な価値体系を築いていくその姿… それは長く領土と文化のせめぎ合いを経験してきた欧州ならではの〝強かさ〟と言えるかもしれません。
ブランドは消費者に夢を与える綺羅びやかな存在ですが、企業としてのブランドはファンタジーではありません。腕時計という具現化された夢は、どうしようもなくシビアな現実で出来ています。私自身、今回の執筆を通じて、改めてスイス時計のリアルを勉強し直すことができたと思っています。
最後に…「フォーミュラ1 ソーラーグラフ」に対する私見

たまにはこういう角度から腕時計を分析するのも… 燃えますね(笑)
そういえば、いつだったか「TH50-00」を搭載した「アクアレーサー」を見に行ったことがあります。丁度手間いらずのダイバーズが欲しいタイミングだったと思うのですが、刹那的に「アクアレーサァァァ!!!」みたいな気持ちが湧き上がりまして。お店(新宿のISHIDAさん)に伺って現物を腕に巻き、鏡の前で勘違い気味のポーズを決めた後ですよ。
「へぇ~、ソーラーなんですね。これ」… 価格的にクォーツだと思っていたわけですが、あのときはむしろ「ソーラーなのにしっかりした文字盤で、さすがに良い時計じゃん!!」という感想でした。
クォーツだと思っていた時点でそれほど中身に拘るつもりもなく、ムーブメントの出自を問うような質問もしませんでした。あのとき「シチズン ⇒ ラ・ジュー・ペレ ⇒ タグ・ホイヤー」の物語を耳にしていたら、私の中で何らかの変化があったでしょうか…
ちなみに私個人の趣味で言えば「フォーミュラ1 ソーラーグラフ」もかなり唆られる時計です。少なくとも見た目はどストライク。3本くらい大人買いできたら、マイコレクションの〝可愛い枠〟がどれだけ整うことか…
フォーミュラ1の現行モデルは〝若い人向け〟のメッセージが強く、私のような年齢だと躊躇させられるラインナップですが、クラシックなデザインのソーラーグラフならば、こんな年寄りでも違和感なく使えそうな気がしています。ポップな色遣いのモデルもめっちゃ可愛いですし (*´∀`*)
そんなわけで私見を申し上げるなら、ムーブメント云々もほとんど気になりません。私にとっては〝最近のタグ・ホイヤーにしては安くて可愛い時計〟という事実があるだけ。粉もん文化で育ってきた人間なので、原価云々よりも「食べて美味いか」の方が重要なのですよ。〝不味いキャビアより美味しいたこ焼き〟… 腕時計もコレだなぁ (*´ω`*)










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コメント一覧 (4件)
大変興味深く拝見しました。こういう経営系の記事、今後も楽しみにしています。
最終製品の価格設定と製造コスト、根深い問題ですよね。
スイスのマイクロブランド、BA111ODの創業者のように「ブランド幹部はプライベートジェットで移動しながら、サプライヤーには毎年値下げを要求するのは、スイス時計産業の基盤を弱体化させる」と批判的な声も聞きます。
また、欧州の一流ブランドの鞄やスポーツカーが中国の若年層に売れなくなっている、との報道をここ数年見かけるようになりました。価値観の地殻変動は確実におきていると思います。
丁度タイムリーにお盆休み中、大阪大学のドンゼ教授の著作「ロレックスの経営史」を読みました。ロレックスが60年代には、性能による訴求をやめて物語による訴求に、つまりモノづくり企業からゆめづくり企業に転換したこと、が解き明かされています。
その神話創造の過程で、一部の著名なスポーツ選手等に報酬を払って自社時計を着けてもらった驚きの傍証も示されています。
一読の価値ありです。
Veritasさま、コメントありがとうございます♫
これは最早、コメントを超えた一つの考察ですね (*´∀`*)
まさに仰るとおりです。
スイスの時計産業には歴史的な「水平分業」のイメージがありますが、現在は大資本による「垂直統合」が進んでいます。
特に日本人に違和感を抱かせるのは、この垂直統合がセイコーのような「内製化」を意味していないところです。
単なる強者による弱者抑圧を感じさせるエピソード(示して下さったようなもの)も多いですし、日本では想像できないレベルの一人勝ち構造が透けて見えます。
低価格帯を盤石なものにする一方で高級路線を推し進めたハイエック翁にしても、ここまでの状況は想定していなかったのではないでしょうか。
このまま行けばいずれ、名前だけは有名な「腕時計を作らない腕時計ブランド」だって出てくるかもしれません。
数百万円の腕時計を売っているブランドが実はペーパーカンパニーだったなんて、洒落にもなりませんよね。
スイスの高級腕時計は薄皮一枚の夢を纏っている状態です。
志をもって参入してきた新興ブランドには、この状況を打破し、モノづくりの出発点に立ち返らせる働きも期待しています。
深いところまで読んでいただいて嬉しいです。
社会派の記事は書いてもあまり読んでもらえないのですが、今後も継続的に書いていきたいと思います (*´ω`*)
興味深い内容の記事でした!
今まで意識してなかったですけど、Swiss Madeの表記があればまるっと全てスイスのもので完成してるという漠然としたイメージがありました。
時計見に行く時に、ブレスレットはどこ製なんだ?尾錠は?、みたいに今後はちょっと見る目が変わりそうです。笑
Y太さま、コメントありがとうございます♫
「スイスだから高くても仕方がない」という刷り込み。
ラグジュアリーの産地としての絶対的な認知。
そういった意識を消費者の心中に深々と擦り込んだSWISS MADEですが、いずれは何らかのディスラプションが起きるかもしれません。
現状の問題点から足元をすくわれて〝スイス離れ〟が起きる可能性だってあります。
そうならないためにも本来は、マルッとスイス製、マルッと同一ブランドであることが望ましいわけですが…
基準を厳しくし過ぎると、早々に脱落するブランドが現れると(笑)
スイス製かどうかは別として、ケースの仕上げとブレスレットの仕上げを比べると面白いですよ。
セットものとは思えないほど、違和感バリバリのブレスレットもあったりします (;´∀`)