弊サイト「腕時計喫茶」は『ほぼ100%が腕時計ネタ』のサイトです。
ですが、目標としてはもっとこう… 腕時計ネタを中心にしつつ「腕時計ライフをより一層楽しむための周辺環境」にも言及したいと考えてきました。そういう意味では、前に書かせていただいた「カメラネタ」なんて、手前味噌ながら「こういう脱線が腕時計喫茶っぽいかも」と思いましたし。実際、不思議と大ウケしました(笑)
そもそも腕時計自体も数ある「ガジェットの一つ」として好きになった側面がある私。例えばかつて幾度も「腕時計趣味を中止に追いやった要因」の幾つかは、パソコンを中心とした「デジタルガジェット趣味」の盛り上がりでした。
いや、これじゃあ「意識高い系」みたいに聞こえてしまう。実際は業の深い「自作パソコン馬鹿のご乱心」に過ぎませんでした(笑)
まあ、そんなこんなで今回は「パソコン(PC)」のお話をさせてください。それも所謂「ミニPC」。しかも、AIの計算処理を手助けする「NPU(Neural Processing Unit)」を搭載した「AIPC」と呼ばれるジャンル(?)の、要するに「イマドキなパソコン」のお話でございます (*´∀`*)
まだまだ聞き慣れない「AIPC」とは??
ここ数年の技術革新で最も目覚ましいものは何かと問われたら、多くの人が「Artificial Intelligence(AI・人工知能)」の発達と答えるのではないでしょうか?? 実際に「ChatGPT」などに代表されるネットワークサービスAIに触れて「ここまで来たか!!」と驚いた方もいらっしゃるでしょう。
「AI」が演算で消費する電力が世界中で問題になるなど、人間社会にとってAIは欠かすことのできないテクノロジーになりました。10年前には予想もしなかった状況が現実のものとなりつつあるのです。
そんなAIを支援する機能については、すでにスマートフォンで一般化されつつあります。今回ワタクシが購入した「AIPC」は「AI支援用のユニット」を内蔵したものですが、AI処理の分野でスマホに先行されていたパソコンが、ようやく次世代への歩みを始めた… そんなテクノロジーの集大成です。
ただ、実際は有効に実行できるアプリケーションなどの環境整備が追いついておらず、何を以て「AIPCと位置付けるか」についてもハッキリしない有り様。そんなこんなで、何となく朧気な印象で語られることの多かった「AIPC」でした。
はっきりしない状況に「輪郭」をもたらしたのは、マイクロソフトが定義した「Copilot+ PC」でした。これは「40TOPS以上のNPUを搭載」していることが、マイクロソフトにとって「AIPC」と呼べる最低ラインであると表明したものです。これで今後のAIPCはAIの整数演算性能「Tera Operations Per Second(TOPS)」で「40TOPS以上」を目指すことになるでしょう。ちなみに10TOPSは「10兆回/秒」のオペレーションが可能であるとの意味です。何だか凄まじい数字ですねぇ (;´∀`)
というわけで「TOPS」の数値に着目していただければ、「AIPC」としての性能を測る目安になります。ちなみにプロ用のスーパーハイエンドなマシンに搭載される「NVIDIA DGX Spark」で「1000TOPS」。一般的なPCに搭載されるNPUなら高くて「50TOPS」辺りになります。
GEEKOM AI PC GT1 Mega で「次世代の扉」を開けよう!!
めちゃめちゃ個人的な理由で恐縮ですが、実は本業の作業環境が総替えになるタイミングで、次期環境に「AIPC導入」を激しく推したのが、当時の部門責任者であったワタクシでした。
AIPCが必要だと考えた理由は幾つかありますが、一番切実だったのは「ADOBEのAI化に対応しなければならないこと」でした。主要アプリの幾つかがすでにAIを内蔵していますし、今後それらの利用が必須になれば、今は「絵に描いた餅」であっても、いずれはAI支援性能が必要になると考えたからです。
そして今夏、インテル製「Core Ultra」搭載のノートPCが納入されるわけですが… 推薦した私自身は「AIPC」に触れたこともないんですよ(笑) こりゃあ幾らなんでもマズいと思いまして。いずれは自腹を切ってでも「Core Ultra」と「ARCチップ」に触れておかねばなるまいと考えていました。
ところが、会社の技術系部門と折衝していた昨年末の段階で、Intel製AIPC搭載PCはまだまだ高嶺の花でした。「この値段を支払えばミドルレンジの腕時計が買えるなぁ」なんて考えた私を誰が責めるだろうか (;´∀`)
そんなこんなで「AIPC検証」をこの時期まで引っ張ってしまったわけです。まあ今からでもやれることは数多くありますしね。特に安定動作するドライバを見つけるためのベンチマークは、絶対にやっておかねばなりません。
ってなわけでワタクシ、行動に移しました!! これまで見たことも聞いたこともないメーカーである『GEEKOM』さんで、インテル「Core Ultra9-185H」を搭載したAIPC『GT1 Mega』を購入しました。銀色に光る美しい筐体。こっそり狙っていた「楽天スーパーセール」のタイミングで大盤振る舞いです。私が見たタイミングではAmazonと比較して、数万円安くなっていました(ツイてる!!)
『Copilot+PC 基準』にはギリギリ届かないが… GEEKOMのAIPC「GT1 Mega」は期待できるPCだろうか??
さて、ワタクシが購入したGEEKOMの「GT1 Mega」。おそらく読者の皆さんの中には「何それ?」という方も多いかと思います。そりゃあそうです。何せこのメーカー、名前こそハイテク企業っぽいものの、日本国内での知名度はまだまだこれから。ですがスペックを見ると中々どうして、結構な実力派であることがわかります (*´ω`*)
ちなみにGEEKOMさんは、2003年に台湾で設立されたミニPC専門ブランド。その後、製造拠点を中国の深圳(シンセン)に移して、今では世界130か国以上で展開してるグローバルメーカーです。生前、ウチの親父が深圳と大連に会社を興したこともあって、何となく親近感を覚えたワタクシ(台湾でも非常勤の大学講師とかやってましたしね。オヤジ殿)
搭載されているのは、Intelの最新プロセッサ「Core Ultra 9 185H」。16コア・22スレッドという脳筋ぶりに加えて、肝心の「NPU性能」は「34TOPS」。
解ります?? 前述しましたMicrosoftの「Copilot+PC」の基準「40TOPS」にはギリギリ届いてないんですよぉ(チーン) それでも従来のPCにはなかった「AI処理専用回路」が使えるというのは、今後の可能性に大きな希望を抱かせてくれます。先々を見据えた投資ということで!!
弊サイトの未来のために「AIPC」を使い倒そう!!
元々は2000字にも満たない記事を乱造していただけの「腕時計喫茶」でした。それでも次第に読者が増えてサイト名の露出も増えてくると「遊びに来てくれた読者さんを逃がしたくない!!」という欲のようなものも芽生えてきました。そうして、記事の読み応えを意識するあまり自然と長文化が進み、掲載する写真にもそれなりのものを準備するようになりました。
本格的なカメラの導入は確かな効果がありました。スマホで撮影した写真とは次元の違う高密度な表現は、コンテンツに「オトナの色気」を加えてくれたと思います。ただ、何せ吐き出すデータが大きい。編集にも相応な環境を要求するようになって、これまでの作業環境ではストレスを感じるようになってきたのです。ですから新しいPCに求めるものの第一義は「パワー」です。演算性能やストレージ容量のアップグレードで、作業効率の底上げを狙います。
公私ともに本格的に利用し始めた「生成AI」に関しても「AIPC」というカテゴリーに期待しています。今回購入した「GT1 Mega」が、弊サイトの編集作業にどの程度の最適化を果たすかは解りませんが、作業の一翼を生成AIに担わせることで、人間とAIのブレインストーミングが進むことは明らかです。
AIを自在に駆使できるかどうか… かつて問われた「検索スキル」同様に、この先は「生成AI使用スキル」がビジネスの成否を担うようになるはずです。そのためには使い倒さねばなりません。「AIPC」という「次世代の概念」そのものを (ΦωΦ)
グラフィックデザイナー目線で「真に使えるPC」とは??
ワタクシには一応… っていうか、すでに数十年間のデザイナーとしてのキャリアがございます。その課程で数え切れないくらいの数の作業用パソコン(Windows・Macintosh・Linux)を使いました。Macはクアドラ700から現在所有のM1Airまで9台購入。他にも、理想の環境を作るために自作したパソコンは、少なくとも40台はあったと思います。インテルなら80386、AMDならAm486の時代から脈々と自作… いやホント、これぞ筋金入りのギークですわ(汗)
その辺の「新CPU」や「新プラットフォーム」に飛び付く軽薄なマインドについては、腕時計趣味と大して変わりません。購入までに万全な下調べをしたいと考えるのも同じです。
そこで雑誌やインターネットで情報を集めるわけですが… それらが役に立った試しがないんです。少なくとも「ストレスなくグラフィックデザインに集中できるパソコンか??」なんて基準で書かれた記事を見ることなんてありませんでした。
そういう「プロを納得させる性能」について検証するには、この場合、記事を書く記者にも「プロのデザイナーとして長年仕事をした経験」が欠かせません。
そんな人物がパソコン雑誌の書き手にいるわけもなく、私としては各種ベンチマークの数字から、自分が仕事で使った際の負荷状態を想像して「総合力」を弾き出すしかありませんでした。
正直、専門誌がお得意の「ベンチマークテストの結果」なんて、実際に使い始めた時点で全く意味を成さなくなります。パソコンが向き合うべきは「個々のユーザーの個々の使い方」であって、その使い勝手の良し悪しは数値に置き換えられるものではないからです。
稀に「フォトショップ」のフィルターベンチみたいなものを見かけることもありますが、フィルターをかける以前の作業が如何に快適かを教えてくれる記事なんて、それこそ読んだ記憶がありません。そもそも重たいフィルターをかけるときは作業の最終段階。重たいフィルターを使ったら、処理が終わるまでコーヒーでも飲んで待っていればいいのです。終わるまでひたすら「じ〜っ」と見ている人なんて… いませんよね??
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※また今回も長くなりそうですので、ここらで一旦、頭の中を整理しましょう!!
ここまでのおさらい
- 「AIPCとは??」 生成AIの推論を支援するハードウエアを搭載したパソコンである
- 「Copilot+PC基準とは??」 マイクロソフトが定義した次世代型AIPCの基準
- 「AIPCを使ってワタクシがやりたいこと」 重たい画像の各種編集作業やAIを使った補助的作業を快適にこなしたい
パソコンの快適さは「自らが体感するもの」… ってなわけで、ここから先の記事も「体感ベース」の書き方になります。要するに「デザイナー仕事」や「腕時計喫茶の素材編集」をどれだけ快適にこなせるかを指標にして「GT1 Mega」の可能性を探るわけです。
辛抱強く最後まで読んでいただければ「嬉しい情報」と「困った情報」が手に入りますよ(笑) 今まさに「AIPC」が気になっている「同志諸君」の参考になれば幸いです (*´∀`*)
この『弁当箱』の中にインテル「9」の名を冠したCPUが入っているんだぜ!!
「皆殺しの富野」監督の最高傑作の一つ『伝説巨神イデオン』の劇中で、敵の逃亡を許したことを責められた主人公のコスモが、半ギレ気味に言い放ったセリフを思い出しました。何話だったかは忘れましたが、曰く「戦闘機ってのはまず、パワーなんだ!!」
多くの人にとって快適なパソコンとは「パワーにゆとりのあるパソコン」です。「いやぁ~ どうせ軽いゲームとブラウジングしかしないからさ」みたいな人にとっても、パワーがあるパソコンの恩恵は計り知れません。快適さが違います。
で「GT1 Mega」ですよ。信じられます?? 恐らく何十年も前からパソコンにお世話になってきた人ほど俄には信じられないと思いますが、何と「Core Ultra 9 185H」16コアで22スレッド、最大「5.1 GHz」の凄まじいCPUを搭載しているのですよ。
これまで使ってきたワタクシの愛機「MSIのゲーミングノート」は「Core i7(10750H)」搭載なのですが、それですら「AI使用」を除いたほとんどの作業に不満はありませんでした。それよりも総合的な実力で勝るGT1 Megaの「Core Ultra 9 185H」ならば、私のやりたいことなんて十全にこなせるのは明白です (*´∀`*)
デスクトップ用の「i9」とは何が違うの??
どう見ても「弁当箱」… しかもダイエット中のサラリーマンが持ってくるようなサイズ感のケースに、インテル最高峰の「9シリーズ」が載ってるなんて…「見た目は子供、頭脳は大人」って感じですよ。
ただ「9シリーズ」と申しましても、デスクトップのそれとは別物です。間違いなくノートPCや超小型PCにとっての最高頭脳だとは思いますが、誤解を招かないよう、デスクトップとの比較をお見せしたいと思います。
省電力版 Core「Ultra 9」とデスクトップ版「i9」 性能比較 | ||
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項目 | Core Ultra 9 185H(U9) | Core i9-14900K(デスクトップ) |
世代 | Meteor Lake(Intel 14th, モバイル) | Raptor Lake Refresh(Intel 14th) |
コア構成 | P:6 / E:8 / LP-E:2 = 計16C/22T | P:8 / E:16 = 計24C/32T |
最大クロック | 5.1GHz☺️ | 6.0GHz☺️ |
TDP(PL1) | 45W(PL2約70W) | 125W(PL2 253W以上)🔥 |
内蔵GPU | Intel Arc(多くのゲームが問題なく遊べるレベル)☺️ | Intel UHD(グラフィック性能控えめ)グラフィックカード増設🙆♀️ |
NPU搭載 | (Intel AI Boost) | (非搭載) |
用途イメージ | AI編集・動画編集 | クリエイターPC・ゲーミング・AI学習マシン |
発熱・騒音 | 熱くならず静音動作🧊 | 強冷却必須(爆熱ゴリラ)🔥 |
ベンチマークスコア(Cinebench R23) | マルチ:約15,000前後シングル:約1,800前後 | マルチ:約39,000前後シングル:約2,200前後 |
搭載機器 | ミニPC、ハイエンドノート💻️ | デスクトップ自作PCやBTO🖥️ |
お解りいただけますでしょうか?? 同じ「9シリーズ」の「Core Ultra 9 185H」と「Core i9-14900K」であっても、その目指すところはまるで違います。単純なパワーならもちろんデスクトップ用である「Core i9-14900Kが爆速」です。しかし、CPUがフル稼働しているときの熱量を表す「TDP(Thermal Design Power)」を見てください。「125W」… 火傷必至のアッツアツですからね。運用には高性能な冷却システムが欠かせません。
当然、そんな灼熱CPUを薄造りのノートPCに載せるわけには参りません。そこでTDPを抑えて小型筐体への搭載に特化した「省電力CPU」が必要になるわけですが… 数ある省電力CPUの中でもトップクラスの性能を誇るのが今回、ワタクシが購入した「GT1 Mega」に搭載されている「Core Ultra 9 185H」なのです。
省電力版とはいえ、Cinebenchのシングル性能などはかなり肉薄しています。アーキテクチャーの素性の良さが解りますね。
それにしても… 何ともストイックなCPUじゃないですか。無駄なエネルギーを使わず、ギリギリの高性能を狙ったその肉体(?)は、まるで試合前の「力石徹」のようです ((((;゚Д゚))))
内蔵SSDが「2TB」って… どこの天国だよ!!
腕時計喫茶に掲載する写真は、一つのコンテンツにつき多くて十数枚ですが、実際の撮影枚数は数百枚に及んだりします。その中から写りの良いものをチョイスして使っているんですよ。
使わなかった写真たちが全てゴミかというと… そんなことはありません。とくに掲載可能なレベルで撮れた写真の「別アングル」は捨てるに惜しく、可能な限り残しておきたい。実際にだいぶ時間を置いてから「あ、これ使えるな!!」と日の目を見た写真も少なくありません。
ところがちゃんとしたカメラを使い始めてからのデータは基本的に「RAW(生データ)」… 要するに「データ全部入りでガッツリ重たい」わけでして、それらを保管しておくためのストレージ容量は、どれだけ大きくても大き過ぎるということがありません。
で、GEEKOMの「GT1 Mega」。内蔵のSSD容量が「2TB」ですよ!? 私が個人用に使っているNAS(HDD4基)は運用容量6TBなので、その3分の1の容量がローカルにあるわけです。しかもSSDですからね。これだけあれば、写真や動画データの一時保管場所として存分に使い倒せるはず。今まで、ちまちまクラウドやNASにデータを移動させてローカルストレージをこじ開けていた、あの貧乏くさい作業をしなくて良いわけですから。
実際、ストレージの小ささはそのまま発想力にも影響しますからねぇ。記憶域に掣肘されて作るものまで小ぢんまりとしてしまったら、クリエーターとしてはホント、目も当てられません (;´Д`)
メインメモリ「32GB」も夢のようだ!!
これまでのメインPC(MSIのゲーミングノート)を使いRAWデータ十数枚をアドビ「Lightroom(ライトルーム)」に展開すると、CPUファンは唸りだすわ、マウスカーソルはカクつき始めるは散々だったわけですが、今回購入した「GT1 Mega」であればCPUパワーも十分ですし、何と言ってもRAM(メインメモリ)が「32GB」ですよ!! 倍以上の枚数のRAWを一度に展開できるのです。
フォトショップでも仮想メモリに頼ることなく、大きなサイズのデータを何枚も展開できますし、拡大縮小も素早くヌルヌル動きます。これはマジで捗る!!
スゴいなぁ… 初めて購入したハードディスクが80MB(ギガじゃないですよ??)だったことを思えば、RAMに32「ギガバイト」って、信じられないくらいの進歩です。大袈裟でもなんでもなく、まるで夢のようです (*´ω`*)
この小さな筐体に所狭しとインターフェースが並ぶぜ!!
いやホンマに、厚みはあるけど「ヤマザキの食パン」より小さい面積ですよコレ。強靭なアゴを持った美少女なら、安々と咥えて疾走するかもしれません。「遅刻、遅刻ぅぅぅ~ってね(笑) 」
そんな小さな筐体に、ミニタワーなみのインターフェースが並んでいます。USBに関してはこれで足らないってことはなさそう。カメラを繋いだままでイヤホンを充電して、無線キーボード・マウスのドングルを2個差して… 要するに余裕なのです。
LANポートも2つ。複数のLANをまとめて帯域幅を増やす「Link Aggregation(リンクアグリゲーション)」にも対応しています。
カメラ使いとして地味に嬉しいのが「SDカードリーダー」が内蔵されていること。
これでもう「USBのカードリーダーどこ行った!?」と探し回るトホホともオサラバできそうです (*´∀`*)
Windows11がインストール済み しかも「PRO」って凄すぎん??
謎だ… 10万円ちょいのこのPCに、どうやったら「Windows11」、しかも「PRO」がプリインストールできるんでしょうね。恐らくは大量のライセンス購入で単価を下げているからだと思いますが、PROとHOMEには天と地ほどの差が(マニア目線で)ありますので、PRO搭載の有り難さが骨身にしみます。
「Hyper-V(仮想化機能)」が使えないとか、あり得ないですし、「リモートデスクトップのサーバーに設定」できるのもHOMEにはない特権です (*´∀`*)
実は一番叶えたかった『夢』 液晶モニターに「ミニPCを背負わす」
地味にやってみたかったことが実現しました(笑) どうゆうわけだか最近の私の認識では「オシャレなパソコン好きはPCそのものを隠す」というのがありまして。まあ、パソコン好きって時点でオシャレとは大きな隔たりがあるわけですが(笑)
iMacだってMac miniだって、一見してパソコンには見えないからお洒落なのであって、如何にもなデカいパソコン自体は余り見栄えが良くありません。少しでも見栄えを上げようと「電飾化」した黒歴史については… あまり聞かないでください (;´Д`)
そんなわけで「ミニPCを買ったらモニターの裏にVESAで固定して隠しちゃおう!!」そう思い続けてようやく、実行に移すときがやってきました。
ちょっとした問題が発生
ところが、そこにはちょっとした障壁もありまして… 愛用のモニターアームが「VESAを占拠」しているんですよ。
ちなみに「VESA」とは、モニターをアームや壁掛け金具に取り付けるための標準規格のことです。ディスプレイの裏にネジ穴があるでしょ?? アレです。
オタクといえば「モニターアーム」… ですよね?? 実際、見た目も含めて気に入って使っていたわけですが、外さなければVESAにミニPCを背負わせる計画は実行不可能。というわけで、泣く泣くモニターアームを処分することにしました。この先、使うことはないかなぁ…(会社のデスクに?? う~ん)
その後、外したアームの代わりに、付属していたスタンドを探したわけですが… 見付かるまでの短い時間、結構な緊張がありました。というのも、モニターを購入してすぐにアーム化してしまったため、純正スタンドの仕様を思い出せなかったからです。万が一… でもないんです。結構な確率で、スタンドの固定自体が「VESA頼み」ってことがあるのですよ。
探している純正スタンドがVESA固定だったら終わりだなぁ~と思いつつ、厳重にプチプチで包まれたスタンドの全容を確認しました。よっしゃ!! 筐体下部で固定するタイプでした!!(勝ったな)
というわけで、このように念願の「小型PCのVESA固定」が実現しました。うわぁ~ PC本体が軽いからスタンドが揺れまくることもないし、これはかなりイケてるかも!!
「天才かGEEKOM!!」と感心したのは、VESAで固定すると本体が横向きになって、フロントUSBが右利きにとってベストポジションになること。優先のキーボードやマウスをお使いの方であれば、この心遣いの有り難さがひとしお沁みるはずです。「カードリーダー」が上に来る設計にもシビレましたね (*´∀`*)
もっと攻めたデザインでも良いんやで??
「GT1 Mega」のデザイン… オリジナリティーも何もあったものじゃない、どう見たって「Mac mini」です。それ以外のものには見えません。
これについて腕時計好きの皆さんならば、些か生暖かくも寛容な気持ちになれるのではないでしょうか?? 売れている、要するに評価の高いデザインは「パクってもヨシ!!」みたいな傾向が、腕時計世界同様、ミニPCの世界にもはびこっているのです。
デザインで勝負するプロダクトではないから… それは確かにそうなのですが、だったら端から「負けを認めたかのようなパクリデザイン」ではなく、ダサかろうが何だろうが、オリジナルのデザインで作るべきではないでしょうか?? 性能は最高なのですから「Mac mini 何するものぞ!!」くらいの気概を見せて欲しいところです (;´∀`)
「GT1 Mega」の『AIPC』としての総合力評価は??
10数万円の小型パソコンとは思えぬ、驚くべき性能だったとお伝えしておきましょう!! 特にAIの推論を支援する「NPU」がこれほど「効く」とは思いませんでした (@_@ )
実はそれほど「ガツンと効果がある」とは期待していなかったのです。まだ「第一世代」ですから、次世代のさわりを、ほんの少しだけ味わえたらいいなぁ~くらいの気持ちでした。
腕時計喫茶の編集で「AI」に頼るシーンは大きく分けて「2つ」あります。完成した原稿の全文を読ませての「校正作業」。そして、アイキャッチ画像にパブリックドメイン以外で人物写真を使いたい場合の「想像上の人物描写」。今のところこれらに尽きます。
私が使っている生成AIは「Chat GPT」と「Copilot」です。GPTは課金して「プラス」ユーザーになりました。GPTはローカル環境に依存していないため、パソコンの性能はほとんど関係がありません。通信が早ければやりとりのスピードも上がる… その程度でしょう。
対する「Copilot」は先述の通り、これから先の「AIPC」を定義したくらいですから、積極的にローカル環境の支援を受け入れる方針です。これには、ハードウエアメーカーでもあるマイクロソフトの事情も絡んでいるでしょう。要するに「お金をかければかけるほど、生成AIを快適に使える環境が手に入る未来図」を示した形です。ハードウエアメーカーにしてみればようやくでしょうね。ゲーム以外でもハイエンド環境が必要な理由ができたわけですから。
その尖兵として「GT1 Mega」が搭載する「NPU」にも大きな使命が課せられていると思います。この段階でNPUの有用性を示さなければ、ハードの売上でウハウハの未来も足踏みしてしまうからです。「NPU搭載」がハードの買い替えを促せるか… 全ては「現時点での性能次第」です。
「GT1 Mega」の凄まじい高性能に震えた
その性能ですが… いやはや、私の予想を軽く超えてきました。
「Copilot」の話ですが、画像生成をやらせてみてビックリ。「2~3秒くらい」で、私が戯れに注文した「変形合体・大阪城ロボ」を描いてくれたのです。ちなみにインテル「Core i7-10750H」にNVIDIA「RTX 3050」を搭載したMSI製のゲーミングノートだと「11秒」かかりました。同じプロンプトで同じ結果が出ないので厳密な比較としてはアレですが、体感速度の速さは確かに感じました。「NPUが効いてる」と素直に考えるべき結果です。
Meteor Lakeの内蔵GPU「Intel Arc」の性能も、当初思っていたよりもはるかに高い印象です。32GBのメインメモリの効果もあると思いますが、悪名高い「重量級」のアドビのアプリケーションが軒並みサクサク動くさまは圧巻でした。
「Core Ultra 9185H」の底力を見たのは「画像データの圧縮」でした。私の場合、カメラが吐いたRAWをライトルームでサイズを変えずに編集してJPEGに変換。その後「caesium-image-compressor」という高圧縮ツールでWebpに再変換するのですが… 試しに私が撮影した腕時計画像「2048 × 1536 pix(一枚あたり30MB)」を20枚、Webp変換してみました。圧縮によるデータ削減率は最大で95%に到達。
これまでだと、トイレに行って返ってくるくらいの時間が必要な作業でしたが「圧縮開始」のボタンを押下して「1秒もかからずに圧縮が終了」しました。ぶっちゃけこれは鳥肌もの。
画像圧縮の快適さを左右するのは「CPU」です。特に「コア数とクロック数」が重要だとされています。また、Webp変換にはCPUが持つ命令も重要で、最新CPUである「Core Ultra 9185H」の実力が如実に発揮されたテストになりました。
Adobeがサクサク。AIによる画像生成に強く、大量の画像圧縮も爆速。PCとしての基本性能の高さに「NPU」という『隠し剣』を持った「GT1 Mega」は、一般のPCユーザーにとってかなり贅沢なスペックのPCであることは間違いありません (*´∀`*)
「GT1 Mega(U9-185H)」の素晴らしいところ
- 対応する環境であれば、AI支援「NPU」は如実に効果を発揮する
- 強力な「Ultra9-185H」搭載で、ミニPCにありがちな限界を感じない
- 「32GBのメインメモリ」でタスク作業も余裕綽々
- ストレージ不足とオサラバ!!「2TBのSSD」
最後に… 本気で「買い」だと思いました!!
かつてはヘビーなゲーマーだった私も、最近はSTEAMのセールで買ったカジュアルゲームをチマチマ遊ぶ程度に。以前だったらこんなに小さな筐体のパソコンをメイン機に据えようなんて発想自体があり得ませんでした。それくらい「大艦巨砲PC主義」に捕らわれていたわけです。
「5インチベイは最低4つ!!」「ミドルタワーより小さなパソコンなんて、女子供の玩具に過ぎん!!」と、今なら各方面から叩かれそうな意見を持っていました。大は小を兼ねる… 間違いではないんですけどねぇ (;´Д`)
それが本業で使うPCがノート型になり、特に不満が湧いてこない自分と向き合ったことで心境が変化。今や「パソコンなんて小さければ小さいほど良いんや!!」と周囲に触れ回る始末…
今回、購入した「GT1 Mega」はそんなノートPCよりも格段に小さく、さらにとんでもない性能を詰め込んだ「マイティ・マウス」みたいなパソコンです。実際、セッティングの続きをやろうと会社に持ち込んでみましたが、軽量だし、見た目はただの箱で目立たないしで、正直、ミニPCの魅力に完全KOを食らっているところです。
会社で「GT1 Mega」の検証を行っていたら、同い年の偉い人が覗き込んできたので「8月に納入する予定のパソコンと同スペックなんですよ」と説明しました。まじまじと覗き込んで「え!? このちっこいのパソコンなの!?」… うん、これこそ素直な反応だと思います(笑)
さらに「今使ってるヤツと比較してどう??」と聞かれたので「比較になりませんよ!!」と推しておきました。価格やら何やら細かいことも聞かれたので、早々に買っちゃうかもしれませんねぇ…(笑)
実際、小さい云々関係なく、パソコンとして死角の少ない素晴らしいプロダクトです。ガッチガチのゲーマーさんや、ゴリゴリの3Dクリエーターさんでもない限り、「GT1 Mega」を使って何かが足りないと感じることはないでしょう。ストレージにも余裕がありますし、拡張する必要も当面はありません。標準仕様のままで十分に「戦える」PCです。唯一の心配事は…「耐久性」かな?? コレばかりは使い倒してからでないと判断できません (;´∀`)
腕時計もそうですが、どんなに自分が「良い」と考えて推したところで、刺さるか刺さらないかは十人十色です。ただ一つだけ、誰にとっても「なんと!!」と思えるファクターがあります。それが「価格」です。
現在、GEEKOMさんの公式ショップでの「GT1 Mega」のお値段は、Ultra9-185H搭載機で「13万9000円」。SSDが半分の1TBでUltra5-125H搭載機なら「9万9900円」です。今なら「1万円引きのクーポン」もありますから、パワーにゆとりのある小型PCが欲しい方であれば、検討する価値はあると思います。
ただ、テレビに背負わせてネットフリックスやYoutube視聴用にということであれば、このクラスの性能は必要ありません。GEEKOMさんであれば、3万円以下の「MINI AIR12」でも十分な性能。ただ、他にも色々とやりたいことがあって、ちょっとでもAIを快適に使いたい方なら「GT1 Mega」が「効果的な投資」になるかもしれませんね (*´∀`*)
【惜しい】何故だGEEKOM!? 電源プラグが「3P」な件
購入前にレビューを読んでいたので驚きはしませんでしたが… 付属電源の電源プラグが「3P(ピン)」なのはいけませんね。アースピンで放電とノイズ軽減ができるのは3Pの良いところですが、それもコンセント側が「3P仕様」であればこそです。
私が使っている3Pタップは全て使用状態で埋まっていたので、仕方なく追加で「3Pタップ」を購入しました(1200円くらい) と、ここまでは「抜かりのないデジタル野郎」って感じで格好良かったのですが、何と!! 購入した3Pタップは「プラグ側も3P」でした。アホや… こんなんどこで使うねん… (;´Д`)
ということで、3P仕様のプラグは何とかしてね!! GEEKOMさん!! 本当に唯一の、唯一の残念ポイントなので (;´∀`)
ご意見・ご感想
コメント一覧 (2件)
やはり我々男子は何かしらオタクというか
凝り性ですよね。
スナフキンさんはそのうちコーヒー豆を自分で焙煎したり、
プラモデルをめちゃくちゃ塗装したりしそうな気がします。
Y太さま、コメントありがとうございます♫
そうですよ!! 男はみんな傷を負った戦士… いや、業の深いオタクなんですよ(笑)
コーヒーにも凝ったことがありました。サイフォン以外は許さんとか。
ガンプラは汚し塗装で入選したことがあります(笑)
だめだー!! 全部通った道でした(笑)