今回は本年6月にワタクシが手に入れた待望のタイムピース、Baltic(バルチック)「Heures du Monde(ウール デュ モンド)ワールドタイマー」について、微に入り細にわたりご紹介したいと思います。冷たい珈琲でも飲みながら、どうぞ最後までごゆっくりお楽しみ下さい (*´∀`*)
Baltic(バルチック)から「世界の時間」を愉しむ新作が登場

発表直後からコアな腕時計ファンの間で注目された「バルチック ウール デュ モンド ワールドタイマー」。初回は各モデル200本限定で販売され、日本におけるマイクロブランドの聖地「H°M’S” WatchStore 表参道店」には〝各モデル1本ずつの入荷〟がありました。私が購入できたのはそのうちの1本です。
バルチック公式の表記では「Heures du Monde Worldtimer」となっている本モデル。ちなみに〝Heures du Monde〟はフランス語で「世界の時間」を意味しています。「Heures du Monde Worldtimer」とはつまり〝世界の時間 ワールドタイマー〟と些かクドい言い回し(笑) この先は端的に「バルチック ワールドタイマー」とさせていただきます。
実はかなり早い段階で「バルチック ワールドタイマー」の開発開始の報を耳にしていました。その時点では「はは~ん、ってことは半年後にお買い物だな!!」なんてウキウキ気分でいた私ですが、まさかこれほど長く待つことになるとは!! (;´∀`)
バルチックの悲願 ――「ウール デュ モンド ワールドタイマー」

2017年のブランド創設から現在まで、バルチックほど順調に成長を遂げてきたマイクロブランドもありません。開発力も各段に上がりましたし、供給力も最初とは比べものにならないくらい安定しました。もはやマイクロブランドという括りでは語りきれない、立派なブランドになったと思います。
そんなバルチックがたっぷりと時間をかけて開発した「ワールドタイマー」。考え得る一切の妥協を排除するために費やした時間は、そのままワールドタイマーの開発がバルチックにとっての〝悲願〟であったことの証です。
ワールドタイマーは「実用複雑時計」の最たるものである

腕時計好きにとってワールドタイマーは特別な感慨で語られる種類の時計です。その筆頭はパテック フィリップの「ワールドタイム」。オメガの「シーマスター アクアテラ ワールドタイマー」も〝ワールドタイマーと言えば〟に属する時計でしょう。
フレデリック・コンスタントの「クラシック ワールドタイマー マニュファクチュール」も、私が以前から高く評価しているワールドタイマーです。ノモス グラスヒュッテの「チューリッヒ ワールドタイマー」も外せない名作 (*´ω`*)
どれも所謂ブランドの「売れ筋」ではないかもしれません。ただ、ワールドタイマーを作っているという事実が、時計ブランドのフォーマットに「格式や説得力」を与えている側面は無視できません。海外旅行や海外出張といった「実用性」に特化したワールドタイマーは、クロノグラフ以上に本質的な出番の多い「実用複雑時計」だからです。
バルチック渾身のワールドタイマー「Heures du Monde(ウール デュ モンド)」を紐解く

お待たせしました!! ワタクシが購入したバルチック「ワールドタイマー」の詳細を、焼き魚を解体するように説きほぐして参ります。本モデルに関しては採用している「ムーブメント」から話すのが筋かもしれません。
「Soprod(ソプロード)」とは??

バルチック ワールドタイマーには、フェスティナ傘下のソプロード社製「キャリバーC125」が使われています。ベースはM100(A10-2)。25石で1時間あたりの振動数は28,800 bph。パワーリザーブは約42時間です。GMT針と日付表示を搭載しています。
この「C125」から日付表示を取り除いた〝特別仕様〟が本モデルの特徴です。これはバルチックのファインプレーですね。ただでさえ表記要素の多いワールドタイマーにデイト枠まで付いた日にゃ、時計として一番格好良いバランスを損ないかねませんから。
そんなわけで、ETAは知ってる、セリタも知ってる。ところで「ソプロードってなに??」と疑問をお持ちの方と一緒に、ソプロードの歴史を振り返ってみたいと思います。二大巨頭とは異なる、スイス時計界でサバイバルを繰り広げてきたソプロードの歩みを知れば、今回のバルチックの選択が中々ニクいものに見えてくるはずです (*´∀`*)
創業期(1966年~)
当時、スイスのムーブメント市場は「Ebauches SA」によって事実上の独占状態にありました。これに対抗するため、アウグスト・レイモンド(A. Reymond)やホガ(Hoga Watch)など、7つの独立系時計メーカーがコンソーシアム(共同体)を組んで設立したのが始まりです。
当初は、参加メーカーのために機械式時計のコンポーネント(部品)を工業規模で製造・供給することを目的にしていました。
モジュールメーカーとしての発展
一般ムーブメント製造業者へと発展する中で、自社ブランドだけでなく、ETA製ムーブメントの組み立てなども請け負うようになりました。
特に評価されたのが、ベースムーブメントに追加する「モジュールの開発製造」です。この技術の高さから多くのラグジュアリーブランドの黒衣として、確実な信頼を積み上げました。
激動の資本変遷と「ETA2892代替機」への答え
2005年にレーマン・キャピタル(Léman Capital)による買収を受け、クォーツムーブメント製造のSFTグループと統合。それが後にSTMホールディングスへと発展します。
この時期にはETAによる供給問題がスイスの時計業界を揺るがせていました。ソプロードもETA「2892A2」に代わるムーブメントの開発を急ピッチで進めました。そして完成したのが「Alternance 10(A10)」です。
※このA10開発ではセイコーとの繋がりを指摘する声が多数ありますが、両者からの正式な発表はないそうです。
2007年、香港のピースマーク(Peace Mark)グループに買収されるも、翌年に同社が破産。不安定な中での開発競争が続きますが、そこに「救いの神」が登場します。
フェスティナ・グループ傘下へ(2008年〜現在)
そんなソプロードに2008年、スペインに本拠を構える巨大企業「フェスティナ・グループ」が手を差し伸べます。それにより盤石な資本基盤が完成。グループ内の時計コンポーネントを製造する統括部門として躍進することになります。
スイスやフランスに複数の製造拠点を構え、最もハードルが高いとされる「ヒゲゼンマイ」や「脱進機」までを自社グループ内で100%製造できるようになったソプロードは、2020年に完全自社製キャリバー「Newton(ニュートン / P092)」の開発に成功。この先も世界中の腕時計ブランドを下支えする、極めて重要なサプライヤーと見なされています。
バルチックの最高傑作だ!! 機構とデザインが相互に高め合う「ダイヤル」


まず、まるで磁石のように視線を吸い寄せる「ストーンダイヤル」が魅力であることに疑いはありません。ただ、このバルチック「ワールドタイマー」に関しては、天然石を使用した〝物珍しさ〟を軸に解釈すべきではないと考えます。「ダイヤルに天然石を使ったワールドタイマー」という単純な文脈では、本モデルの魅力を余すところなく伝えることができないからです。

ラブラドライト、ソーダライト、そしてタイガーアイ… それぞれの天然石が持つ「アースカラー」を最大限生かすための色彩構成。それこそが「バルチック ワールドタイマー」のコンセプトに他なりません。
特殊素材の質感もさることながら、この見事な「色設計」が、本モデルの独自性を形作っています。
主役級の素材を「背景材」に使う難しさ

塗装とは異なり、天然石の色は素材そのものが発しています。だからこそアクセサリーの素材として「圧倒的に目立つ」わけですが、その性質ゆえに「主役以外の役割では使いにくい」のです。
腕時計はその時々に応じて、視線の注がれるパーツが変化する不思議な道具です。しかも本来、ダイヤルは「背景材」であり、時刻を指し示す針などの要素より目立ってはいけません。
「バルチック ワールドタイマー」の巧さは、時計全体を一つの〝カタマリとみなして設計した〟ことです。
天然石に沿ったツートーンカラーの24時間ディスク、額縁として強い天然石の圧力を受け止める黒いセラミックベゼル… 天然石に負けない強い針を採用したことも、偶然だとは思いません。
多くのモデルで天然石ダイヤルを採用し、結果を残してきたバルチックの「経験値」。その全てが「ワールドタイマー」のトータルデザインにも遺憾なく発揮されています (*´∀`*)
ムダに回したくなる「24時間ディスク」

「壊れるから止めなくちゃ!!」と思いつつ、やたらめったら風防内部外周の「24時間ディスク」を回してしまう私。カチカチと切り替わる様子と指に伝わる感触が心地良くて、気が付けば何周もさせている… この楽しさを例えるなら、昔流行ったハンドスピナーが近いかもしれません。プチプチ(気泡緩衝材)をぷちぷちする感触にも似ているかも(笑)
通常のGMT針ならムダに回したりはしませんが、この「24時間ディスク」を見ていると「動作に干渉したくなる」のです。実際、ツートーンの角度でダイヤルの表情も変わりますし、太陽と月のポジションでも格好良さが如実に変化します。ダイヤルの〝着せ替え遊び〟に近いんですよ。
GMT機構の扱い方としては完全に間違っているのでお薦めしませんが、オーナーそれぞれに24時間ディスクの「理想的な状態」があると思いますので、是非ともひっそり楽しんで下さいね。
オッサンには「タイガーアイ」が良く似合う

関西人だから「猛虎魂でタイガーアイを選んだ」… 残念ながら違います(笑) ただ単純に「今の自分に一番似合う」と思ったからです。
黒いラブラドライトも青いソーダライトも、アクセサリーとして使われる天然石ですが、私の世代で言えば「タイガーアイ」は別格。昔からある数珠ブレスレットの定番ですし、そういえばダンヒルだったか… タイガーアイを使ったライターを使っていたこともあります。高級万年筆にも使われていましたね。
つまり、タイガーアイはやたらと「懐かしい」のですよ (*´ω`*)
床の間に飾られた「ツヤツヤのカメの剥製」みたいに、まだ子供だった頃の生家を思い出すと言いますか… 見ているだけで昭和にタイムスリップするような気がするのです。
同時に、歳を重ねた自分が、そういったオッサンアイテムの所有者に相応しくなったこともあって、他の2種「ラブラドライト」「ソーダライト」と悩んだ時間は1分もありませんでした。
敢えて、シブい「2針」にまとめたバルチックに拍手を!!

さすがと申しますか… いや、さすがですよバルチック!!
完成までの時間を思えば多くの紆余曲折があったと思いますが、最終的に「2針」を採用した判断は〝慧眼〟としか言いようがありません。強い天然石ダイヤルの前で繊細な秒針を回したところで、秒針の存在感は埋没してしまうでしょうからね。
ガッチリ体型の「ソード針」を選んだことも最大限評価したいと思います。ここにも天然石ダイヤルと上手に共存するための配慮を感じます。
スーパールミノバで24の都市が浮かぶ「ワールドタイムベゼル」

1931年、鉄道や航空網の発達で長距離移動が一般的となった時代に、スイス人キャビノティエであるルイ・コティエ氏が発明したのがコティエ式ワールドタイム「Heures Universelles」。
その特徴は外周部に24の都市名を配置。さらに内側に24時間表記のリングを配置するというものでした。これにより昼夜の判断が一瞬で行えるようになり、後に開発されたワールドタイマーの多くが、この方式を採用するようになりました。
それ以降にコティエ氏の発案を超える決定打が出て来ていないことからも、コティエ式ワールドタイムの完成度の高さが伺い知れます。何よりも見た目の「エレガントさ」が、数多の時計ブランドから支持されている理由でしょう (*´ω`*)
「バルチック ワールドタイマー」もコティエ式に倣っています。精密な都市名が彫られたセラミック製のベゼル。それと対を成すダイヤル内部の「24時間ディスク」… 誕生した1931年から数えて95年目の本年、若き俊英ブランドがリリースした「コティエ式ワールドタイムの後継者」… それがバルチックの「ワールドタイマー」です。

スーパールミノバ「BGW9」で鮮やかに浮かび上がる都市名を見れば、旅先の情景が否が応でも浮かんできます。そんな〝旅の高揚感〟自体は、95年前の昔と何ら変わらないのかもしれませんね。
GMTの形式としては、所謂コーラーGMT機構にあたります。リューズで24時間ディスクを調整し、ベゼルを回して基準となる都市に合わせることで、一目で世界各地の時刻が解ります。
24のタイムゾーンに「120クリック」
ここに「バルチック ワールドタイマー」における〝唯一のツッコミどころ〟があります。回転ベゼルのクリック数が「120」なんですよ。それに対してタイムゾーンは「24都市」。要するに〝次の都市に切り替えるために5クリック分の回転を必要とする〟わけです。カチカチカチカチカチ… これがそこそこ面倒だったりします。
ダイバーズのラチェットを流用したのだと推測できますが、クリック数の多い方が狙った都市と6時位置の矢印が正確に合致しますし、その点で見れば120クリックでも構いません。ただ、何せ良く出来たワールドタイマーですし雰囲気も最高ですので、叶うなら24 の倍数でもう少し歯を減らすか、両方向回転のフリクション(摩擦抵抗)式を採用して欲しかったところです。
絶妙なサイズでスマートに着けられる「ケース」

「ワールドタイマーのケース」は、幅37mm、厚み9.3mmの新設計。風防を入れてなお11.3mmに収まる上品なシルエットが、使い勝手の良さを約束しています。
サイドから見ると、ベゼルの方がケースから僅かに張り出して大きく見えますが、腕載りに影響するケース自体がコンパクトなので、ストラップも絶好の位置から落ちています。腕載りに関しては「極上」と申し上げておきます。

仕上げも相当なものですし、コンパクトであることが明らかに見た目のラグジュアリー感を底上げしていると思います。9.3mm厚のケースが可能にする装着時の快適さ、そして美しさが、バルチック「ワールドタイマー」を特別なタイムピースへと昇華させているのです。
繊細を装いつつも「100m防水」

扱いの難しい天然石ダイヤル、複雑なGMT機構、薄く小径のケース… ドレスウォッチ並みに「お嬢さま然」とした「バルチック ワールドタイマー」ですが、こう見えて「100m防水」だったりします。
見た目が繊細であれば、自然と「期待しないモード」に入ってしまうのはマニアの悪癖。ワールドタイマーである以上、自宅を遠く離れた外国で長期間暮らす際の相棒として「バルチック ワールドタイマー」に白羽の矢を立てる人も多いはずです。慣れない土地でのことですから、正直「時計なんかに構っていられないシーン」も多々あるでしょう。
そんな余裕のない場所で使用される時計に必要なものは、何をおいても「簡単には不具合を起こさないこと」でしょう。堅牢性については何とも言えませんが、少なくとも「100m防水」の性能があれば、急な降雨で肝を冷やすこともありません (*´∀`*)
全てをクラシックに包み込む「ダブルドーム型風防」

何気に「バルチック ワールドタイマー」のキーパーツが「風防」です。このダブルドーム型サファイアクリスタル風防が、最新のバルチック「ワールドタイマー」という時計に、マイルドなシルエットと歴史的な文脈を与えています。こういう〝押さえどころ〟を外さないのが、如何にもバルチックっぽい。
この湾曲した風防を使用することで、ダイヤル円周部の「24時間ディスク」がどのように見えるか、そこまで計算してのことでしょう。これがフラットな風防だとしたら、一般的な意味での視認性は向上します。しかし、この時計における重要な見どころの一つは失われたはずです。
愛すべき横顔美人

サイドビューも味があるんですよ。これは久々に〝来た〟かもしれません。
腕時計の〝横顔〟と言われて私が真っ先に連想するのはオメガの「スピードマスター プロフェッショナル」です。実のところ「正面から見たら美形だけど横顔がイマイチ」な時計は枚挙に暇がありません。正面に比べてどうしても情報量が減るので、結果として淡白になりがちなのです。その点、スピマスプロの横顔にはスピマスプロだけのキャラクター性があります。あれはもはや「時計文化遺産」。
ちなみに私が〝美しく見える横顔の条件〟として重視しているのが「厚み」です。ドレスウォッチで言うところの「薄ければ薄いほど良い」は、本質的に美しさとは何の関係もありません。薄過ぎる時計の横顔に集まる賛意は「よくこんなに薄く作れたな」という、技術的な驚愕を発露にしたものだからです。
「バルチック ワールドタイマー」の場合、ドーム型風防の厚みとケースの厚みが、この手の時計における〝最適解〟を成しています。
「正面」「斜め」、そして「横顔」… この流れには、言葉にできない気持ち良さがあります (*´ω`*)
各モデルの個性に配慮した「レザーストラップ」が付属

どちらかと言えば毎度「引き気味の標準ストラップ」が付いてくるバルチックさんですが、その伝統(?)は「ワールドタイマー」でも継承されました。ダイヤルカラーに準じたシンプルなカーフ素材で、徹底的に脇役として時計本体を支えています。
つまりこれは、各モデルの個性を際立たせるために、バルチックから提案された〝最初のストラップ〟なのです。設計者がイメージする絶対的な「正解」として、次のストラップを見繕う際の〝起点〟になるでしょう (*´∀`*)
ブレスレットでもイケてる!!

個人的に楽しみにしていたのが「ブレスレット付けたらどうなる!?」でした。新たに設計されたケースということで、手持ちのバルチック謹製ブレスレットが違和感なく使えるかに注目していたわけですが… 結果から申せば杞憂でした。めちゃくちゃイケてます!!
バルチックといえば、この「ブレスレット使いまわしシステム」が有名ですが、この「ワールドタイマー」もご多分に漏れず、コレクターのブレスレット資産を最大活用できるようです。

「ビーズオブライス」も良いけど…「フラットリンク!!」ですよ!! クラシック顔の時計本体と絶妙なフィット具合です。これはヤバい!!
どうしてくれる!? この「ワールドタイマー熱」の高まりを!!

参りました。どうやらワタクシ、クロノグラフ以上に「ワールドタイマー」ってヤツが好きなのかもしれません。恐らく、自分が意識している以上に。
海外の主要都市が記されたベゼルの「妙なお得感」も好きですし、大して渡航するわけでもない私がそんな時計を着けるというある種の「ムダ」にも贅沢を感じます。
最低限必要な機能をどのように搭載するかという点で、各メーカーの解釈の違いが現れやすい「ワールドタイマー」。その苦心の集大成であるダイヤルデザインには、メーカー、ブランドのアイデンティティが如実に透けて見えます。
クロノグラフや各種コンプリケーションとも違う〝ひと捻り〟に魅了され、念願の「バルチック ワールドタイマー」を入手したワタクシ。そこには確かに「バルチックがワールドタイマーを作るならこうなるだろう」という明確な着地点の存在を感じました。それこそがバルチックの〝アイデンティティ〟です。
だからといって、この時計が私の「終のワールドタイマー」になるかと言えば、恐らくそうはならない気がしています。バルチック ワールドタイマーのお陰で「ワールドタイマー熱」って言うのかなぁ…「もっとワールドタイマーを!!」みたいな、情念の高まりを感じているので(笑)
※高まっちゃった方は、お店にお問い合わせ下さい (*´∀`*)
「バルチックは安っぽい」という見方は正しいか??

低価格帯のマイクロブランドが話題として取り上げられ始めた当初は、腕時計ファンの評価も総じて寛容でした。かく言う私も「新参のブランドが頑張ってくれている!!」という感動が先に立ち、古豪ブランドと同じ目線で彼らの時計を断じることはありませんでした。
そして、そんな保護区から飛び出しつつあるのが「バルチック」です。限定を含めた展開の妙、痒いところに手の届くプロダクト展開。成長した彼らが作る時計には、新参ブランドにありがちな〝迷い〟がありません。有名ブランドに匹敵する「進むべき我が道」を見付けたからでしょう。
それは同時に、消費者からの〝厳しい意見の対象になる〟ことを意味します。これまでなら見逃されてきた細部にも厳しい意見が投げかけられるようになり、マイクロブランドから脱しつつあるバルチックにとっては〝最初の試練〟とも言うべき状況を目にするようになりました。
世界的な掲示板型ソーシャルニュースサイト「Reddit」にも、そんな意見が散見されます。中には特定のモデルに対して「作りが安っぽい」という方もいて、喧々諤々、様々な意見が交わされていますが、それ自体はバルチックというブランドに磨きをかけるための〝有益な摩擦〟です。バルチックと消費者の関係性が健全であることを現しています。
「作りが安っぽい」に関してのワタクシの考察
まず、バルチックの時計における最大の魅力は「絶妙な時代感」です。現代の時計でありながら、漂う空気にヴィンテージ特有の埃っぽさすら感じることができる。この〝数値化できない魅力の実現〟において、一部の消費者が感じたある種の「安っぽさ」が重要な役割を果たしています。
それを何かに例えるなら「現代の時代劇」でしょうか。時代劇に精通した監督が少なくなったこともあってか、その映像からは急激にリアリティーが失われました。撮影機材や受像器の性能が良過ぎるのも原因の一つかもしれません。
昔に遡れば遡るほど、リアリティー溢れる時代劇を見ることができるのに、本来ならより凝った作品が残せるはずの環境で作られた現代の時代劇からは「時代の空気」を感じることができないのです。時代を感じない時代劇の存在意義は、果たしてどこにあるのか…
恐らくバルチックは〝ヴィンテージ風味の時計〟を作るにあたって、そのコンセプトを最大化するために「時代の空気の再現」を最重要視しているのだと思います。
私はバルチックの時計を「高度に演出された趣味性の高い時計」だと考えています。ケースサイズやダイヤルの再現で「復刻」を謳う時計は多くありますが、時代の空気感までも纏わせた時計はほとんどありません。バルチックは敢えて〝低解像度の演出〟を施すことで「作り物のレトロ」になるのを避けたわけです。現代の基準内で雰囲気満点に楽しめるネオ・ヴィンテージ… それが私の考える「バルチック」のポジションです (*´∀`*)
新しい革ジャンが欲しくなった
自分が身に着けたときのイメージが克明に脳裏に浮かぶ… それが〝良い時計〟に共通した特徴です。私の場合はワールドタイマー ウール デュ モンドを目の前にしてすぐ、無性に「革ジャン」が欲しくなりました。黒色ダブルのライダースジャケット、オッサンだし、オーバーサイズが良いかなぁ (*´ω`*)
タイガーアイの発色と黒いカーフのライダース… ロックです。この歳でダブルのライダースを着て許されるのかという、本質的なところは別として(笑)
最後に…「袖口の第6惑星」は輝き続ける –– バルチック ワールドタイマー ウール デュ モンド

マイクロブランドの… それも何らかの限定だったりするレアピースに関しては〝現物を見てから購入するか決めたい〟… なんて悠長なことは言ってられない場合があります。「幸運の女神には前髪しかない」と言いますからね。
私にとってのBaltic Heures du Monde「ワールドタイマー」はその典型でした。
限定ではありませんが、希少な初期ロットを手に入れる機会はこの一瞬しかなく、現物を見れずとも購入するしかなかったのです。これに関してはこれまでの「バルチック歴」が背中を押してくれました。「何が来たって損はせんやろ!!」… そんな風に前のめりで思い切れたのも、バルチックというブランドが、一度たりとも私の期待を裏切らなかったからです。
そして実機を目の当たりにした私は、そのあまりの美しさに言葉を失いました。同時にこうも思ったのです。「ダイヤルのタイガーアイが、まるで第6惑星のようだ」… と。
太陽系第6惑星… 要するに「土星」のことです。〝大赤斑〟があれば「木星」でも良かったかもしれませんが、有機的な縞模様とそれを取り囲むベゼルの組み合わせが、何となく土星に見えました。〝コスモス〟でカール・セーガン博士に憧れた私にしてみれば、そんなところにも特別な繋がりを感じています。
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入手から数日、腕時計愛好家の仲間たちが集まる食事会がありましたが、そこで初披露した「ワールドタイマー」に集まる諸兄の熱量には少々驚きました。スゴい時計をお持ちの方ばかりでしたが、一様に「次は絶対に買うぞ!!」と宣言していましたっけ。それくらい物欲を刺激し、求心力に溢れる「バルチック ワールドタイマー」なのです。
2026年中に2度目の出荷があるようですし、興味のある方は今のうちに「どのダイヤルにするか」を決めておいた方が良いかもしれませんね (*´ω`*)
| Heures du Monde Worldtimer Specifications | |
|---|---|
| 項目 | 仕様 |
| ケース素材 | 316Lステンレススチール |
| ケース径 | 37mm |
| ラグ・トゥ・ラグ | 45mm |
| 厚さ | 11.3mm(風防を除くと9.3mm) |
| ラグ幅 | 20mm |
| ベゼル | 逆回転防止ベゼル(120クリック)、ブラッシュ仕上げセラミック |
| 風防 | ダブルドーム型サファイアクリスタル |
| ダイヤル仕上げ | タイガーアイ、ラブラドライト、ソーダライト |
| 夜光 | Super-LumiNova® BGW9 |
| ムーブメント | 自動巻き Soprod C125 GMT |
| パワーリザーブ | 42時間 |
| 防水性能 | 100m(10気圧) |










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コメント一覧 (4件)
ご購入おめでとうございます!
どこか可愛げのあるワールドタイマーですね、タイガーアイの
文字盤も洒落てますな(●´ω`●)
革ジャンも良さそうですし、古着なんかとも非常に相性がよさうですね!
私もGMTの時計やワールドタイマー機能が付いている時計を持っていますが、
実生活で使ったことは1度もありません。笑
海外支社に連絡するときに現地の時間をパッと確認できるのに便利〜
みたいなよく見る活用方法を1度でも実行してみたいものです。笑
Y太さま、コメントありがとうございます♫
可愛いんですよ~ 可愛げのあるオッサンみたいな時計です(笑)
洒落てジャズ…と言いたいところですが、実際はド演歌も似合う時計です。
タイガーアイのせいなのか… フランスなのに!!(笑)
古着も良さげですね!!
ヴィンテージのツイードとか、怖いくらいにハマりそうです。
探してみますか(笑)
海外特派員のカウンターパートナーだったこともあるので、あの時代にWTが欲しかったなぁ~と思うときがあります。
今の私には使い所がありませんが… こっそり雰囲気だけ楽しんでおきます (*´ω`*)
すごく素敵なワールドタイマーですね。ソリッドバック、100m防水というのが本当に旅で使ってほしい、というメーカーの志を感じます。タイガーズアイも素晴らしいですが、アースカラー、テラコッタの文字盤ではないから、という言い訳を自分にして何とか踏みとどまっています(笑)。2弾目に強く期待します。
日本にクラシコ・イタリアを紹介した落合正勝氏は、「旅行鞄には持ち主の夢と人生がつまっている」と書いていました。私は「ワールドタイマーには旅人の夢と人生がつまっている」と思います。
ワールドタイマーをつけて長距離クルーズの船旅に出る、憧れです。
私が一番心に残っているワールドタイマーは、銀座のシェルマンさんとスヴェン・アンデルセン氏がコラボしたワールドタイマーです。あれも時代の空気をよく纏っていました。
Veritasさま、コメントありがとうございます♫
バルチック ワールドタイマーは実機を見たらダメなヤツです。
皆さん遠い目をしつつ、静かに陥落していきます(笑)
自分の好みを色濃く反映したモデルを待ちたい気持ちも良く解ります。
実際、私はこのモデルを見たとき、一番似合うのはシンプルなブラックラッカーではないかと思いました。
結局は辛抱できずに昭和の香り漂うタイガーアイを購入しましたが、ブラックラッカー、或いはオニキスがやって来たら、
それも買ってしまう可能性は否定できません(笑)
無性に旅に出たくなる時計です。
ローカル線を乗り継ぐあてのない旅が似合いそうです。
シェルマンさんとアンデルセンさんのWTと言えば、VOYAGEでしょうか。
あまりにも素敵な旅情満点の時計でした。