お待たせしました!!「タイムユナイテッド 東京 2026」イベントレポートの〝後編〟でございます。タイトルは少し変えて〝大運動会〟を〝大文化祭〟としました。後編で紹介させていただくブランドさんの顔ぶれを見ていただければ「こりゃあ文化祭だな」と納得していただけるのではないかと思います。
まずは『前編』で触れたブランドさんを振り返り
最初に『前編』でご紹介したブランドを整理しておきましょう。まずは「nivadagrenchen(ニバダ・グレンヒェン)」さん。お次は「BALL Watch(ボール ウォッチ)」さん。そして初遭遇だった「Vicenterra(ヴィセンテラ)」さん。「Lundis Bleus(ランディ・ブルー)」さんの時計は相変わらず素敵でした。
「MeisterSinger(マイスタージンガ―)」さんは改めて、腕時計好きなら抑えておくべき特殊枠だと思いましたし、お洒落文脈で語られることの多い「DENNISON(デニソン)」さんからは、それだけではない時計好きを唸らせる要素を感じました。
「Mühle Glashütte(ミューレ・グラスヒュッテ)」さんもどこぞで一本!! と思いましたし、「Tutima Glashütte(チュチマ)」さんの時計からは滲み出るドイツらしさを感じました。
そして「STURMANSKIE(シュトゥルマンスキー)」さん。腕時計で世界地図を作りたい私からすれば、手に入れるべき明確な理由があるブランドでした。そして前編最後の「VOSTOK EUROPE(ボストーク ヨーロッパ)」さん。目の覚めるようなラインナップが印象に残りました。

「タイムユナイテッド 東京 2026」イベントレポート〝後編〟スタート!!
では早速、後編スタートと参りましょう。
一番手は体育祭の日はお休み(?)だった「アビエイター」さんです。どちらかと言えば〝肉体派〟なアビエイターさんですが、文化祭だって屋台の組み立てや撤去に筋肉が必要ですからね!!
「AVIATOR(アビエイター)」さんのブース

プロフェッショナル向けパイロットウォッチメーカーとして知られる「アビエイター」。確かに無骨なモデルが目立つラインナップでしたが、良く見るとドレス寄りのユニセックスサイズ辺りもかなり充実していました。しかもそれが堂に入ってる!!(可愛かったです)
XPRO DIVE BREATHER 300 AUTO

ほほぉ… 良いじゃないですか!! 42.8ミリ幅のケースに鮮やかな水色のラバーストラップが映える「XPRO DIVE BREATHER 300 AUTO」。見た目の期待を裏切らない「300メートル防水」です。
米国海軍特殊部隊(ネイビーシールズ)のダイビングマニュアルから着想を得た「ダイビングスケール」に加え、箱型呼吸法(ボックスブリージング)を参考に生み出された中央部の円盤「インテグレーテッド・ブリージング・ディスク」を搭載。安全な海中作業を強力にバックアップしてくれます。デザイン上のアクセントとしても効いていますね!!
で、スペック表を見ていたら… なぬ!? ラグ幅が「19ミリ」じゃないですか。ストラップ選択肢の自由度で言えば、20ミリでも良かったのでは??(笑)
「MOVADO(モバード)」さんのブース
1881年にスイスで創業し、140年以上の歴史を持つ名門時計ブランド「モバード」。ブランド最大のアイコンとも言える「ミュージアム ダイヤル」は、未だにその輝きを失っていません。
ひと目見ただけで忘れられなくなる12時位置の太陽(或いはお盆)の魔力… 時計ブランドにとってこれほど強い武器はないでしょう。
BOLD

ミュージアム ダイヤルのコンセプトを現代風に練り直したモデル「BOLD」。
3針ですし、インデックスやミニッツトラックまでありますし、「ミュージアム ウォッチ」で評価されたミニマル思想からは遠のいた気がしないでもありません。
ただ、その分明らかに使いやすい一本になっていました。ラグジュアリースポーツタイプのケースとブレスレットデザインも、ミュージアム ダイヤルと意外なハーモニーで魅せてくれます。ダイヤルの鮮やかな発色がキレイでした。
個人的にはデイトの要らないデザインだと思いますが、ニーズあってのことなんでしょうねぇ…
HERITAGE

「HERITAGE」… 良いじゃないですか!! スクエアの幅35ミリ。絶妙なボリューム感で袖口を違和感なく華やかにしてくれました。「35万2000円」のお値段も妥当… いや、むしろ安い気がする!!
ケースとブレスレットのバランスも上品で、ダイヤルのブルーサンレイがこれまたキレイでした。ベゼルの額縁感にニュージアムシリーズとの接続を感じましたが… さすがに深読みし過ぎでしょうか??(笑)

こちらはコンビの「HERITAGE」。リリース直後から見てみたい時計の筆頭だったので、この機会にお目にかかれて光栄でした。幅広い年齢層… このサイズバランスなら、男女問わずに使えるかもしれません。コンビかぁ… なるほど…
「HERBELIN(エルブラン)」さんのブース
「NEWPORT」でスマッシュヒットを飛ばすなど、順調な成長を見せていた「ミッシェル・エルブラン」がブランド名を変更したのは2022年。現在は「エルブラン」として、上品なコレクションを一層充実させています。
CAPCAMARAT

スポーティーで大胆なスクエアフェースを持つ「カプカマラ」のグリーンダイヤルモデル。こうして写真に撮ると解ります。細部まで極めて丁寧に作られた時計でした。ケース径は39ミリ。スクエアですのでかなりのインパクトがあります。
防水性は10気圧。スイス製自動巻き搭載とのことです。
広大でフラットなベゼル、そしてケースに至る構造も美しく、合わさるブレスレットも凝った作り。「19万5800円」というお値段を聞いて、思わず聞き返してしまった私の反応からお察し下さい(笑)

こちらはブルーダイヤル。小さい方はレディースだったかボーイズだったか… とにかく、自動巻きにクォーツと、おサイフ事情に応じた選択肢が多いのも「エルブラン」の魅力の一つです。
でもやっぱり、デイトは残すんですねぇ(笑)
「MINASE(ミナセ)」さんのブース
日本時計産業が誇る金属加工の名手「ミナセ」。ミナセさんだからこそ実現可能な構造体で作られた時計の数々には、もはや圧巻としか言いようがありません。実際、世界中を探しても、これほどスチールの特性を熟知し、それを独自のデザイン哲学に落とし込んでいる時計ブランドは見当たりません。
しかもそれを、さも「当たり前」のように熟してしまうのだから、他所のブランドにとっては誠に厄介な存在です(笑)
ミクロからマクロまで、様々な構造にアプローチしてきた母体、協和精工さんの経験と知識があってこその「ミナセ」と言えるでしょう。
SEVEN WINDOWS 蒔絵 “小紋”

古くは欧州のアカンサス、後のウィリアム・モリスによる植物の連続配置、アール・ヌーヴォーに見られる植物的な曲線意匠など、植物に発想を得た美術の日本版とも言える文様芸術「小紋」の植物柄。
SEVEN WINDOWSが誇る多面体で額装されたダイヤル「漆蒔絵・小紋」の美しさたるや… これは間違いなく「腕に装着する芸術」です。あまりにも神秘的なので、絵画を見ている感覚を離脱して〝イコン〟を拝んでいるような気持ちになっている自分がいました。
このモデルは腕時計を… いや、この先の時代すらも超越した価値観を維持し続けるはずです。「SEVEN WINDOWS 蒔絵 “小紋”」のような時計は、今のミナセさんにしか作れません。
この見た目で5気圧防水を確保している点にも感銘を受けました。横37.4ミリ、縦46.5ミリと角のある時計としては少々大きめではありますが、これだけ美しいのですから大きさはもはや〝ご褒美〟です。
MASTER CRAFT M3

こちらはミナセさんが得意とする〝雪平ダイヤル〟の「MASTER CRAFT M3」。
電鋳製法で作られた〝雪平ダイヤル〟には光線次第で大胆に表情を変化させる特徴があります。私も所有するDIVIDOで美麗の恩恵を受けていますが、こちらのモデルのダイヤルも、会場の照明を受けて神秘的に輝いていました。
39ミリ幅のCラインで使いやすそうですし、個人的に一本は手元に置いておきたい時計です。
DIVIDO 絞漆 “こがねの揺らぎ”

「DIVIDO」… 私も雪平ダイヤルのモデルを使っていますけどね。これがめちゃめちゃ良く出来た、尚且つ美しい時計なんですよ。着けるたびに構造の面白さにクラクラします。
このモデルはそんなDIVIDOのダイヤルに「絞漆」を施した逸品。揺れながら広がる有機的な文様が独特な光沢を放ち、何だか只者ではない迫力で視覚を刺激してきました。生物のようでもあり抽象的なインスタレーションのようでもある… こりゃあ時間確認のために時計を確認しても、ダイヤルだけ見て「で、何時だったっけ??」ってなるやつです(笑)
「JUNGHANS(ユンハンス)」さんのブース
先に謝っておきます。お時計を拝見しておきながら、肝心の撮影を失念しておりました。以前より見知った方が立っておられたので、わちゃわちゃと会話の方に夢中になってしまいまして… (泣)
ワタクシ的には〝取材時あるある〟なのですが、見せていただいて説明もしていただいて「写真がないから触れません」ってわけにはいかないじゃないですか??
ってなわけで、このとき久しぶりに「やっぱり良い時計だ!!」と振り返るきっかけをくれたユンハンスについて、お話したいと思います。
max bill Chronoscope Bauhaus

昔々、心斎橋で購入したのが私の「マックス・ビル クロノスコープ」。その際に注意点として聞いたのは「プラ風防だから擦り傷は覚悟して」と「生活防水やから頼むで!!」でした。
それから幾星霜が過ぎ、マックス・ビル クロノスコープの風防はアクリルから「サファイアクリスタル」へアップグレード。防水性も「5気圧」まで高められていました。これなら夏の大汗くらいならへっちゃらです。
そして本モデル「max bill Chronoscope Bauhaus」。漆黒にPVDコーティングされたケース、計器としての妥協を許さないソリッドなブラックダイヤル。そこに一筋、目が覚めるような鮮烈な「赤」のアクセント… 改めて「マックス・ビル クロノスコープは格好良い!!」と思わずにはいられませんでした。
「黒いクロノスコープ」かぁ… 刺さるなぁ (*´ω`*)
「Backes & Strauss(バックス&ストラウス)」さんのブース

世界で最も歴史の古いダイヤモンドメゾン… それが「バックス&ストラウス」さんです。現在はウォッチランド社とパートナーシップを結び、技巧の粋を凝らした宝飾時計を展開しています。贅沢過ぎて… 目が!! 目が!!(笑)
BERKELEY khatchkar collection

こちらはケース径40ミリのオクタゴン型「BERKELEY」。如何にもウォッチランドな温かみのある造形と、隠しきれない高級感が味わえるモデルです。何気に差別化も効いています。
日常生活防水だったりするので、古のドレスウォッチと同じ括りで慎重に扱うべき時計です。ムーブメントは手巻き。リューズにはダイヤモンドカボションが埋め込まれています。
ムーブメントは… 何となく「Peseux 7001ベース」に見えましたが、正確なところは解りません。いずれにせよ、ダイヤモンド装飾にも力を入れてきたウォッチランドならではの解釈が、ダイヤモンドの歴史そのものとも言える「バックス&ストラウスさんの魅力」を見事に引き出していました。
Berkeley W1 AM watch

こちらも「BERKELEY」の青い文字盤です。この文字盤の仕上げ… 残念ながら明確な資料には辿り着けませんでしたが、有機的な風合いから見るに焼成エナメルかもしれません。目が覚めるような発色でしたが、不思議と派手過ぎる印象は受けませんでした。
普段、私のように視座の低い愛好家には馴染みの薄い「バックス&ストラウス」さんでしたが、この「BERKELEY」を拝見して見方が変わりました。多くの幾何学ベゼルを備えた人気モデルと、同列で話題にすべき時計かもしれません。ただ、流布している情報が少な過ぎます。もう少し、情報の引っ掛かりを作るべきでしょう。
5気圧防水以上であれば、人気モデルの一角にも食い込めそうなんですけどねぇ… 文句の付けようがない〝ステータス〟を持っているわけですから (;´∀`)
「ORIS(オリス)」さんのブース
ひたすらに孤高を貫いている「オリス」さん。いやいや、オリスさんはそれで良いのです。マイペースの中にオリスさんだけの解釈が生まれていると思いますし、他所のブランドさんと歩調を合わせる必要もありません。それが魅力のブランドなのですから。
その辺りの「のんびりした風情」は消費者にも伝わっていると思います。だからでしょうかね?? ブランドに翻弄され、そういった喧騒と距離を起きたくなった人が〝最後に手元に残す時計〟… そんなイメージがあります。
Artelier Complication

リリース直後に公式で写真を拝見した際に、オリスさんとしては珍しくキュート路線だなぁ~と感じた私でしたが、本モデル「Artelier Complication(アートリエ コンプリケーション)」のデザイナーが24歳の女性だと知り、妙な納得が心中に広がりました。
オリスらしいバランスはそのままに、女性の目線で語られる「アートリエ コンプリケーション」は、これまでのクラシック路線を半歩逸脱して、柔らかな未来を感じさせる仕上がりでした。
大小に変化を付けたコンプリケーションのサブダイヤルと、焼き立てビスケットのようなテクスチャーを持つダイヤル… 牧歌的な味わいとともに、オリスの〝これから〟を感じさせる完成度の高さ。「アートリエ コンプリケーション」を通じて、これまでとは異なる方面からオリスのファンになる人も出てきそうです。
ケース経は39.50ミリ、3気圧防水、ムーブメントはCal.782です。
Artelier キャリバー 112

個人的に「ええやん!!」と思ったのが「Artelier キャリバー 112」。240時間(10日間)という途方もない持続時間を証明する強烈なバレルが、トランスペアレントバックの印象を支配しています。華美で見せる受け板ではありませんが、チラチラ見せる輪列など、オリスさんの作る機械には必ず愛嬌がありますね (*´ω`*)
サブダイヤルの配置が個性的なダイヤル。こちらも構造主義的な割り切りの中に、隠しきれないオリスの愛嬌が顔を覗かせています。
すご~く好きな顔立ちなのですが… 一つだけ。このモデルこそ「ポインターデイト」にすべきだったのではないでしょうか?? (;´∀`)
Big Crown Pointer Date Bullseye

多くに人に「これがオリスだ」と認識させる「ビッグクラウン ポインターデイト」… 豊富なバリエーションでファンを楽しませ続けてきたビッグクラウンでは珍しいセクターデザインのダイヤル、それが本モデル「Pointer Date Bullseye」です。「これ、砂布巾の好きなやつだ!!」と思ったアナタ!! 大正解!!(笑)
地に足をつけた時計を作りまくっているオリスさんに於いても、この「ビッグクラウン ポインターデイト」は〝100%の完成形〟です。それでもまだ、ダイヤルの変化だけで〝遊べる余地〟を残していたかと驚いた人も多かったと思います。最終形態だと思っていたら、実はもう一つ変身を残していたみたいな… バトル漫画なら絶望するシチュエーションですが、時計好きにとってこんなに嬉しいことはありません(笑)
38ミリ径のケースが、貴方だけのベストバランスを提供してくれるでしょう。ちなみに「ビッグクラウン ポインターデイト」は、女性が着けてもめちゃめちゃ可愛い時計です。
「CONCORD(コンコルド)」さんのブース
「C1 Tourbillon Gravity」でGPHGの部門賞に輝いたこともある「コンコルド」。古くは超一流ジュエラーの時計OEMで地位を固めた名門コンコルドですが、クォーツ危機を迎える中で北米時計会社(現在のモーバードグループ)に買収されました。
機械式が徐々に衰退する流れに逆行して「クォーツの高級路線」を推進。新時代を切り開く発想で、ブランドの存続を実現させました。ですので機械式が復権した現在においても、クォーツモデルに比重を割いています。
アイコニックピースは「マリナー」と「サラトガ」です。
Saratoga Gent

40ミリのケース一体型デザインに8角形のベゼル。よく見るタイプのラグジュアリースポーツと言えなくもありませんが、デイト枠やダイヤル円周部のちょっとした変化球に、ブランドの意地が見て取れます。ローマンインデックスのデザインもキュート。時針と分針も面白い作りです。
グリーンガルバニックダイヤルも上品な色合いでした。それにしても、ここ最近のグリーンダイヤルの躍進はスゴいですね。ブルーダイヤル危うしって感じかも??(笑)
そんな「Saratoga Gent」のお値段ですが、自動巻バージョンは$3,200、クォーツなら$2,500です。他人と被りたくない、でも流行りの時計は欲しい… そんな心境の貴方には是非一度、実機をご覧になることをお薦めします。
Mariner Gent

ケース径39ミリ、オクタゴンケースの「Mariner Gent」。ワタクシ個人的にはこちらが刺さりました。サーモンピンクのクル・ド・パリと青いメッキのインデックス。あまり見ない組み合わせですが、不思議と懐かしい印象を受けました。
クォーツムーブメントですがその分、厚みが8.85ミリしかありません。ケースとブレスレットの連続性がとても上品ですし、ビジネスはもちろん、ちょっとしたお呼ばれにも良さそうです。
「LÖBNER(レブナー)」さんのブース

長く〝幻のドイツ時計〟と呼ばれていた「レブナー」。かつては高精度計測で名を馳せ、ヨーロッパ中の主要な競馬場に計時機器として設置されるなど、高い評価を得ていたメーカーでしたが、第二次世界大戦とその後の混乱でベルリンの壁付近にあった拠点が失われ、ブランドとしての歴史は幕を閉じました。
2023年、ドイツの歴史的ブランドを再興するプロジェクトの一環として、幻と言われた「レブナー」は再起動を果たしました。
著名なデザイナーを採用してデザインにも力を入れています。最大の特徴はケースサイドに備えられたリューズガード・スライダー「スレッジ(特許取得済み)」。断固として誤動作を防止する機能を以て、往年の「計測機器」としての在り方を現代に伝えています。
Steelracer Rocketman

初めて見ました!! 何だよこれ… めちゃめちゃ格好良いのだが!!
オフセット気味に配置されたサブダイヤルのバランスはあまりにも完璧。ダイヤルに対して一歩引いたケースとベゼルのジワジワ来る存在感にドハマりしてしまいました。
前述したリューズガードシステム「スレッジ」も、異形というよりは構造主義の極致といった風情で、幸運にも購入できた人は得難い満足を得られるでしょう。羨ましい!!
ちなみに「Steelracer Rocketman」のデザインは、1920年代に開発されたロケット車両から着想を得ているそうです。
ケース径は42.5ミリ、レブナー製コラムホイール式自動巻きクロノグラフ「Cal.6223」搭載。パワーリザーブは60時間です。
Steelracer Speed Arrow Limited Edition

高品質なブレスレットを備えた「Steelracer Speed Arrow Limited Edition」。これまた完成度の高さを見せてくれました。「スレッジ」を閉じた状態も美しいシルエットを形作っていました。金属の表面処理も… ぶるるッ最高です!!

1938年に世界最高速度を記録した「メルセデス・シルバーアロー W125」へのオマージュでもある「Steelracer Speed Arrow Limited Edition」。人類が少々無茶をしながらも、限界へ飽くなきチャレンジを続けていた時代の息吹すら感じさせる、シブ過ぎる一本でした。
「BLACKOUT WATCHES(ブラックアウト ウォッチ)」さんのブース

「折角の高級時計なのだから、自分だけの一本にしたい」… そんな要望に応えるべく高級時計カスタマイズのブランドとして始まったのが「BLACKOUT WATCHES」。
2022年、新たなブランドオーナーのもとで本格的な時計作りに着手し始めた「BLACKOUT WATCHES」でしたが、同時に彼らは「世界中の誰しもが購入可能な高級時計」という、矛盾した目標にもアプローチを始めました。
例えば「トゥールビヨン」。時計好きなら誰もが憧れる機構でありながら、スイス製でそれを叶えようとすれば莫大な出費を覚悟する必要があります。そこで「BLACKOUT WATCHES」さんは、ポテンシャルの高いアジア製を選び出し、スイス・ジュネーブの自社工房で〝再構築〟するという、ある意味、一から作るよりも面倒なプロセスを経て、高品質でありながらリーズナブルなラインナップを揃えるに至りました。
XPE Tourbillon Black / BOXPETBLBK

「XPE」は幅広い愛好家に向けて使いやすい「ラウンドケース」を採用したモデルです。トノー型に比べて活躍するシーンも多様化。よりアクティブに進化した印象もあります。
ケースには軽くて強いUACフォージドカーボンを採用。時計全体の重量は「80グラム」しかありません。しかも鍛造の工程でルミノバパウダーを練り込むことで、光を蓄えた状態であれば暗所での幻想的な発光を見ることができるそうです。何だか… スゴいですね!!
気になるサイズはケース径42.5ミリ。デザインのイメージとトゥールビヨンを積んでいることから考えると、実際はそこまで大きな時計ではありません。
ムーブメントは自動巻き「フライング・トゥールビヨン(ベースムーブメント:3D50A PTS)」。パワーリザーブは72時間。スイスで徹底的にモデファイされた特別製です。
XP1 Tourbillon LT Frozen Blue / BOXP1TBLTCFB

アジア製トゥールビヨンを輸入し、スイスでクオリティーで再構築。それにより「可能性のある価格」を実現した「XP1 トゥールビヨン」は「BLACKOUT WATCHES」の社是を最も端的に表した、アイコニックピースです。
明確な系譜を感じるデザインではありますが、随所に差別化を試みた痕跡が見受けられます。しかも基本的なクオリティーが高い。実際、手にしたときの充実度も相当なものでした。
そんな「BLACKOUT WATCHES」さんの時計から私が感じたものは、ある種の「危機感」だったかもしれません。
一向に留まることを知らない腕時計の高額化は、いずれ腕時計という存在そのものを一般大衆の目前から消し去るでしょう。憧れすら消え失せたその先にあるのは、腕時計世界の〝完全なる消滅〟です。
その危惧に対して「BLACKOUT WATCHES」さんは、極めて合理的なビジネスモデルで抵抗しました。即ち「スイスの頭脳と職人技 & アジアの供給力」を融合させた〝ハイブリッド・スイスブランド〟としての「BLACKOUT WATCHES」を確立させたのです。
製造事業部門とアフターサービス部門を〝一本化〟したことで、ともすれば「壊れたらオシマイ」のイメージが強いアジア製トゥールビヨンに対するユーザーの心配を大幅に緩和。時計大国「スイス基準の安心」をこのような形で提供し続ける「BLACKOUT WATCHES」さんの心意気… 嬉しいじゃないですか (*´∀`)
「IKEPOD(アイクポッド)」さんのブース
「アイクポッド」さんと言えば以前、英国の時計ECサイトで見付けて、その独特のセンスと際立つ存在感に一瞬で恋に落ちたことがあります。
「そうだよね、こんな時計があったって良いわけだ!!」と妙な親近感のままカートに入れたわけですが、どこぞから「時計買い過ぎ!!」のご指摘を受けまして… 結局、お流れになってしまった経緯があります (;´∀`)
それから日本国内でも、何度か実機を拝見する機会はありました。そして今回のイベントで改めてじっくりとお目に掛かったわけですが… やっぱり愛嬌があって良いですね!! 高価な機械式モデルには手が届かないけれど、デザインの本質を楽しむのであれば「クォーツモデル」で十分かもしれません。
アート系のお仕事をされている方や美大に通っている方の琴線に触れまくる「アイクポッド」さんだと思いますが… 如何でしょう?? 何ごとも「形から入れ」って言いますし(笑)
HOROPOD / Jodpur

丸い、とにかく真ん丸い(笑)
ここまで丸いケースの時計はありませんし、それを現実的に着用できるレベルに落とし込んだデザインだけでも、思い切って一本持っておく価値があると思います。ちなみに「HOROPOD / Jodpur」は44ミリ幅とかなりの大柄の部類ですが、チタン素材なのでそこまで重い時計ではありません。
押し潰した球体ともいえるフォルムから唐突に伸びるブレスレット。そういった〝五感への引っ掛かり〟こそがアイクポッドの面白さであり、明文化の難しい本質的な魅力だと思います。「丸い=可愛い」なんて凡百の表現では、アイクポッドの楽しさは現せません。
ムーブメントは「ETA2824」。ゴルフボールのディンプルを想起させるダイヤルは、CZAPEKやChristopher Wardを担当したデザイナーさんの作だそうです。
DUOPOD / Black Glass

ぽってりした砂時計シルエットの秒針(?)がステップしながら回転しまくる「DUOPOD / Black Glass」。秒針を主役に据える逆転発想が、このモデルを一度見たら忘れられないユニークな存在へと押し上げています。
個人的にグッと来たのは、アラビア数字をエングレービングした見返し。めちゃめちゃ格好良かったです。遊び満載のコンセプトなのに、決めるところは決めてくる… この辺りの妥協のなさに、アイクポッドという真ん丸時計が秘めた〝真のメッセージ〟を見ました。
ケース径は42ミリ、厚みは15.6ミリ。クォーツムーブメントを搭載して防水性は5気圧です。いかん!! 秒針が輪ゴムに見えてきた!!(笑)
「RAYMOND WEIL(レイモンド・ウェイル)」さんのブース
ここ数年間で進境著しいブランドの代表格と言えば「レイモンド・ウェイル」さんではないでしょうか。日本総代理店がマーケットの傾向を反映させるように押しまくってくれたお陰で、日本人消費者のど真ん中に突き刺さる時計が増えてきました。良いぞ~ もっとやれ~(笑)
レイモンド・ウェイルを「タイムユナイテッド 東京 2026 イベントレポート」の大トリに選んだのには理由があります。これだけ大掛かりなイベントに於いても特筆せざるを得ない「ニューモデル数本」が、情報解禁前にも関わらず展示されていたからです。
登録制イベントとは言え、これは中々に勇気のいることだったと思います。信じているんですね… 腕時計を愛する者たちの〝気高い人間性を!!〟(笑)
しかしながら私は自分の人間性を信じ切れませんでした(笑)
撮影の許可はいただいていましたが、万が一にも「指が勝手に」SNSに流してしまったら、それこそエラいこっちゃです。ですので、新作の写真撮影はご遠慮させていただきました。情報解禁日、公式サイトにニューモデルの情報が上がるまで、大人しく待つことにしました。
A.R.T.コレクション

公式でも発表されて、ようやく解禁となりました!! 拝見した際の現物写真はありませんが… 思い出すだけでアレは… 凄かったですねぇ (*´∀`*)
こちらはメンズの「38 mm」ですが、正直「ちょっと有り得ないレベルの完成度」でした。非の打ち所がどこにも見当たらないので、これを見た男性たちはどこで物欲のブレーキを踏めば良いのか、相当苦しむことになりそうです。はい、私も苦しんでいます(笑)

そしてレディース用「30 mm」。全9種、最初から全力投球で来ましたねぇ。彼女さんや奥さまには見せないようにしましょう(笑)
実際、この「A.R.T.コレクション」を良くある流行りの時計だと思っていたら、盛大に足下を掬われかねないと思いました。これでまた「レイモンド・ウェイル」は、一段上のステージに立つことになるはずです(お近くで実機をご覧下さい)
腕時計の新作を拝見したとき、モデルの出来栄え以上に気になるのが「このブランドにとって説得力のある存在か」だったりします。脈略のないニューモデルは消費者の理解を得るまでに時間が掛かりますし、そういった新作は消費者の期待するものではない場合が多い…
腕時計ブランドと製品ラインナップは〝一つの物語〟を形成していなくてはなりません。経営の浮き沈みを含めて、ブランドの歩みと製品がメッセージを成しているかが大切です。
「A.R.T.コレクション」の場合、それを読み解くキーワードは「トッカータ ヘリテージ」のリリースだったと思います。ミレジムで飛躍を遂げ、トッカータ ヘリテージへ。そして新作の「A.R.T.コレクション」。この連続する必然性の物語がどこまで繋がるのか… 早くも次の展開に期待している自分がいます。
クラシックの純粋性を絶妙な外連味とともに蘇らせてきた「レイモンド・ウェイル」に生まれたもの… それは「この先も紡ぎ続ける覚悟」ではないでしょうか。その本気度は間違いなく消費者に伝わっていると思いますし、今作「A.R.T.コレクション」にも確固たる説得力を与えているはずです。その辺りの姿勢が見えてこそ、ファンは安心して付いていけるわけですからね (*´ω`*)
最後に…「タイムユナイテッド 東京(time united tokyo)2026」で、ブランドと代理店から受け取ったメッセージ
さて、そろそろ大文化祭も終幕、私も焼きそばの屋台を片付けたいと思います(笑)
「独立系」という括りを「大きなグループや資本の下で運営されていないブランド」という意味で解釈して良いなら、今回拝見したブランドの多くはとてもシビアな状況でブランドの輪郭を維持している状態だと思います。私なんかはそこにこそ時計ブランドの「ダイナミズム」を感じますが、皆さんは如何でしょうか??
巨大なグループの下にあれば、十分な資金を露出度増加に湯水のように使えるでしょう。ですが独立系はその限りではありません。彼らは自分たちの作る時計の良さだけで、評判を高めていくしかありません。今回の「タイムユナイテッド 東京 2026」のようなイベントは、独立系ブランドにとってまたとない露出の機会だったはずです。
今回の記事では便宜上、ブランドのお名前で見出しを立てましたが、実際は「日本総代理店」の皆さんの頑張りを見る機会でもありました。日本国内での露出頻度は代理店さんの匙加減一つで決まります。それ自体はどこの国でも似たような状況でしょう。
今回多くのブランドさんが命運をかけて展開する時計を拝見して思いましたが、独立系の時計を日本国内に定着させようと奔走する代理店の姿に「自分たちこそが道を切り拓く」という、ビジネスの最もエキサイティングな面があるように思いました。それはとても純粋で、数字には置き換えられない〝文化的な価値〟を含んでいます。
莫大な資本が動くために見落とされがちですが、今日における高級腕時計は「サブカルチャー」に過ぎません。本来サブカルチャーとは、一部のアンテナが拾い上げた希少性の中にセンスや価値を見出すもので、均一化されたトレンドや、誰が言い出したか定かではないステータスに左右されるものではありません。
その点、「タイムユナイテッド 東京 2026」に参加したブランドさんの多くは、未だ多くの可能性領域を持った稀有な存在でした。自分自身の感性で「良い」と思ったものをとことんまで愛し続ける〝独立独歩の気概〟を持った方にしてみれば、隅々まで楽しめる時計イベントだったと思います。

※え~今回は12のブランドさんを取り上げました… って、あれ?? 前編で「総数20のブランドさん」と書いた気がしますが、正しくは前後編合計で「総数22ブランド」でした。返す返すも… コンプリートしたかった!!










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コメント一覧 (2件)
イベントお疲れ様でした!
ミナセはやはり目が離せない美しさが
ありますね〜
JAPAN ART COLLECTIONはぜひ一度見てみたいと思いました!
このイベント購入もできるんですか?
物欲を抑えるのが大変そうですね。笑
もしかして何かお迎えしたのでしょうか?( ̄∀ ̄)
Y太さま、後編もコメントありがとうございます♫
ミナセ… やばかったです。
是非一度、現物をご覧ください(*´∀`)
購入もできたはずなのですが、ほとんどその辺の周知ができてなかったみたいで(笑)
イベントとしての完成度で言えば、まだまだこれからの成長段階だと思います。