『Baltic』フランスの洒脱が詰まった〝ネオ・クラシック〟

レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??

 今回はワタクシが〝ひと目で惚れた〟ドレスウォッチのお話をさせていただきます。それは一見、さして尖った特徴のある時計ではありません。しかし、見れば見るほど、触れれば触れるほど、ジワジワと魅力が染み出してくる… まるで高野豆腐のような「2025年の新作ドレスウォッチ」でした。

Table of Contents

ミレジムと並び立つ「主役モデル」の登場

 あれは2025年11月末のこと。「レイモンド・ウェイル」「エドックス」「コルム」「ルイ・モネ」などを取り扱う日本輸入総代理店『ジーエムインターナショナル本社内』において、腕時計界隈の有名人が主催するイベントがございました。私も早い段階でアサインされていましたので、喜んで参加させていただいたわけですが… そこで〝改めて〟今回の主役である「トッカータ ヘリテージ」を拝見する機会がありました。

 〝改めて〟と申しますのも、どこかのタイミングで「予告編」として現物を見た記憶が鮮明に残っているからなのですが、それがいつだったかについては思い出せません。年々記憶が怪しくなっていますし… ナニトゾお許し下さい。

 そんな話は置いておいて!! 今のレイモンド・ウェイルの勢いを支えているのは「ミレジム」で間違いありません。GPHG受賞をきっかけにブランドの知名度向上に大きく貢献した「ミレジム」。ですから、レイモンド・ウェイルに触れるということは、ほぼ〝ミレジムに触れると同義〟です。

 実際、このイベントでもそれは同じだったと思います。「やっぱ、良いですねぇ」「このムーンフェイズが好きかな」などなど、来賓それぞれが思い思いにミレジムを吟味して、ご自分のコレクションに加えたときのイメージを膨らませていました。

 ところがこの日拝見したレイモンド・ウェイルには〝もう一つの主役〟が存在したのです。それが「トッカータ ヘリテージ(Toccata heritage)」。見るからにクラシックなそれは、コンパクトな印象のミレジムよりさらにコンパクトで、明らかに「玄人向けのドレスウォッチ」に見えました。

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
正統派クラシックの美しさ 2280-STC-64001

 ああ、これはダメだ。一撃で刺さってしまった。もっと深く「トッカータ ヘリテージ」を理解しなければ気が収まらないではないか…

 ってなわけで、ダメ元覚悟で『ジーエムインターナショナル』さまにお願いしてみました。「もしかして、トッカータ ヘリテージって借りられます??」… (´・ω・`)

「トッカータ ヘリテージ」全部借りちゃった(笑)

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
まさかのレギュラー全モデル(合算すると恐い金額に)

 やったー!! 何ごとも言ってみるものですね!!(笑) 快諾していただき、まとめて「全9種類」をお借りすることになりました。受け渡しを兼ねて開催された「町中華忘年会」も楽しかったなぁ (*´ω`*) 

 そんなわけで今回は、ミレジムに追随するレイモンド・ウェイルの話題作、オーバルケースが上品な「トッカータ ヘリテージ」について、いつものように〝しつこく〟掘り下げて参りたいと思います。レイモンド・ウェイルが仕掛ける〝ネオ・ヴィンテージ 第二弾〟 皆さまもご一緒にお楽しみ下さい。

お借りしたレイモンド・ウェイル「トッカータ ヘリテージ」 9種類全モデルをご紹介します

 とその前に、今回私がお借りした「トッカータ ヘリテージ全種・9モデル」を一覧していただきましょう。

 単身赴任者の仮住まい、狭っ苦しいマンションの一室にレイモンド・ウェイルの話題作が揃っているなんて… 何だか不思議な光景。壮観です(笑)

トッカータ ヘリテージ『メンズモデル(幅 33ミリ × 高さ 38ミリ 厚さ 6.95ミリ)』

 それではまずケース幅33ミリ、機械式手巻きムーブメント搭載モデル「4種」からご覧ください(価格は2026年1月現在)

【Men’s】2280-PC5-80001(29万7000円)

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??

 「ローズゴールド(PVD)のケース」「コッパーダイヤル」… オーバルケースの繊細な色気が最大に増幅されるカラーリングです。同色でまとめたインデックスや針のゴージャスな存在感… それでいて、あくまで上品であり続ける明確なコンセプト。

 「ゴールドケースはちょっと…」と、諸般の事情で二の足を踏んできた方にとっても、「これなら!!」と納得できるかもしれない、高度に洗練された一本です。

【Men’s】2280-STC-64001(27万5000円)

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??

 こちらは最もクラシカルな「オールドシルバーのサンレイダイヤル」。現代のセンスで再解釈された、ガチなドレスウォッチがここにありました。

 インデックスや針がニュアンスを保ったまま溶け込むシルバーダイヤルの良さを、存分に味わえるモデルだと思います。美しい… グレーのストラップも良く似合っています。

【Men’s】2280-STC-50001(27万5000円)

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??

 「ブルーのサンレイダイヤル」です。これは間違いないでしょう!! スーツに合う!! きっと最高の装いになります。ブルーダイヤルでほんのりスポーティーな雰囲気が滲み出ている分、お若い方の袖口でも真価を発揮しそうです。

 コントラストがある分、針とインデックスの存在感が際立ちます。シンプルの中にこそ色気が存在する好例のような時計です。

【Men’s】2280-ST-50001(29万7000円)

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??

 こちらは「ブルーのサンレイダイヤル モデル」のブレスレットタイプ。ブレスレットも侮れない出来栄えですので、コチラでスタイリッシュ方面に決めても良さそうです。これなら生粋のビジネスウォッチとして、激務の中でも〝良い時計〟としての輝きを放ち続けるでしょう。

 2針でお仕事… 完全に〝デキるビジネスマン〟のリストです。



トッカータ ヘリテージ『レディースモデル(幅 31ミリ × 高さ 36ミリ 厚さ 5.1ミリ)』

 お次はケース幅31ミリ、クォーツムーブメント搭載の小ぶりなレディースモデル「5種」です(価格は2026年1月現在)

【Women’s】5280-STC-50001(19万8000円)

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??

 メンズモデルと同じく、繊細な「ブルーサンレイダイヤル」をまとったモデルです。クォーツモデルは機械式モデルよりもさらに薄く、完璧な着け心地を約束してくれます。

【Women’s】5280-STS-50001(39万6000円)

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??

 60石もの「ラボグロウンダイヤモンド」をセットしたベゼルが煌めく、「ブルーサンレイダイヤル モデル」です。

 女性らしい華やかなベゼルに対し、中性的で王道とも言えるブレスレットを合わせることで〝甘過ぎない大人の女性のファッション〟に合わせやすい一本になっています。

【Women’s】5280-STS-45001(39万6000円)

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??

 こちらは印象的な「レッドグレープのサンレイダイヤル」。ベゼルには「ラボグロウンダイヤモンド」が散りばめられています。ブルーサンレイのモデル同様にプライベートはもちろん、ビジネスシーンでも上品で印象に残る袖口を作ってくれるでしょう。

【Women’s】5280-PC-64001(22万円)

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??

 「オールドシルバーのサンレイダイヤル」「イエローゴールド(PVD)のケース」。個人的に好きな組み合わせです。緑色のカーフストラップがセットされていますが、ブラックのクロコに替えても化けそうな気がします。焦げ茶もシックにキマリそう!!

 オーバルケース独特の柔らかな表情と、とてもマッチしたカラーリングのモデルです。少し気取ったお呼ばれに着けて行くのも気分が上がりそうです。

【Women’s】5280-P5S-64001(43万4500円)

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??

 「ローズゴールド(PVD)のケース」「オールドシルバーのサンレイダイヤル」。ベゼルには「ラボグロウンダイヤモンド」。さらには「ケースと同色のブレスレット」が付いたこのモデルこそ、トッカータ ヘリテージのラインナップで〝最も豪華絢爛なモデル〟です。

 それでいて「これ見よがし」なところが一切無く、全体が極めて上品にまとまっています。レイモンド・ウェイルというブランドの、卓越したセンスと底力を見る思いです。



レイモンド・ウェイルからの挑戦状

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
シブい… シブ過ぎる!! 2280-PC5-80001

 「随分と玄人好きするモデルで勝負に出たな」と思いませんでしたか?? これは腕時計の〝酸いも甘いも噛み分けまくった方〟でないと、中々に難しいモデルです。とはいえ、数秒接するだけでトッカータ ヘリテージの〝言葉にできないヤバさ〟は十分に伝わってきました。

 まず皆さんにご理解いただきたいのは、最近のビジネスウォッチやスポーツモデルと違い、完成度の表面化が非常に難しいデザインだという点です。異なる仕上げの接線、複雑な構造の針、時計の外観を盛るような仕掛けはほとんど存在しません。要するに、評価を言語化する際のフックになり得る「解りやすいポイントが少ない」のです。

 それでも、視覚と触覚からビシビシ伝わる潜在的な完成度の高さ。ハイジュエラーのロングセラーモデルのように成熟した佇まいでありながら、同時に移り変わりの激しい現代に即した軽やかさも感じさせる「トッカータ ヘリテージ」

 「プレスリリース以上に私を語ってみなさいよ」… そんな〝挑戦状〟を叩き付けられた気がした私ですが、今回、ジーエム インターナショナルさんのご厚意で、その挑戦を受けるチャンスをいただいたわけです。さぁ~て「トッカータ ヘリテージとは何か??」グイグイ抉って参りましょう!!

「レイモンド・ウェイル」ってどんなブランド??

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??

 と、お話を進める前に、「レイモンド・ウェイル」というブランドについて簡単にご説明しておきましょう。

 「レイモンド・ウェイル」は、スイス・ジュネーブの独立系時計ブランドです。

 1976年、クオーツ(セイコー)ショックで危機に陥ったスイスの伝統的な機械式時計産業を復活させるべく、時計職人のレイモンド・ウェイルが創業。音楽に縁のある一家を中心とした家族経営を貫き、現在は3代目のエリー・ベルンハイムがCEOを務めています。

 
 ブランドコンセプトは「ミュージック&アート」。高品質の時計を可能な限り手ごろな価格で提供することを目的としています。代表的なコレクションは「フリーランサー」「ミレジム」「マエストロ」など。

 ザ・ビートルズ、ボブ・マーリー、ジャン=ミシェル・バスキアといった、世界的アーティストとパートナーシップを締結し、彼らの存在から多くのインスピレーションを得ています。

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
楽譜に並んだ16分音符のように、リズミカルなトッカータ コレクション

 2023年11月に開催されたジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)において「ミレジム」〝チャレンジウォッチ賞〟を受賞。2026年は『創業50周年』の節目にあたります。

 シュッとした完成度の高い時計を揃えているので、どこぞのコングロマリットに属していそうなメーカーに見えますが、こう見えて自由度の高い「独立系」です。

愛好家を引き寄せた「驚異の吸引力」

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
載せるとスゴいのです 2280-ST-50001

 〝ダイソン〟の話ではありません。レイモンド・ウェイル「トッカータ ヘリテージ」のお話です。

 確かに、件のイベントでの注目は「ミレジム」でした。ただ、目の前に差し出された「トッカータ ヘリテージ」に脱線する人の数も相当なもので、一見すると高難易度の小さなケースを手首に添わせ「載せるとスゴいですね!!」と仰る方が何人もいらっしゃいました。

 何がスゴいのか… そこの表現がとにかく難しい時計です。小さくて腕載りが素晴らしい、袖口に滑り込むスマートなビジュアルが素晴らしい… 見た目に違わぬ「手巻きムーブメント搭載」であることも、大方の時計好きに刺さっていたと思います。実際、「今ならすぐにでも納品できます」と煽られ、ワタクシの物欲も大いに揺さぶられました (;´∀`)

 同じように頭を抱え、或いは天空の一点に視線をやりながら悩む方々と言葉を交わし、印象の共有を行うことで益々欲しくなるトッカータ ヘリテージ。次々と物欲のボルテックスへと時計好きを引き寄せる〝驚異の吸引力〟に関しては、それこそ「ダイソンも真っ青」だったかもしれません。場の雰囲気がコロコロ変化するタイプのイベントでなかったら… 恐らくその場で注文していたと思います(笑)

「Golden Ellipse(ゴールデン エリプス)」と「トッカータ ヘリテージ」

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
5738/1R-001 GOLDEN ELLIPSE 出典:https://www.patek.com/

 「トッカータ ヘリテージ」のディテールを語る前に、片付けておくべきことがあります。パテック・フィリップ「ゴールデン エリプス」の存在です。これは〝似ている似ていない〟の問題ではありません。このタイプのケースを纏う時計のスーパースターが「ゴールデン エリプス」である以上、そこを中心にお話しするのが筋なのです。

 「トッカータ ヘリテージ」をご覧になった時計好きの方であれば、どこかで必ず連想するであろう存在だと思いますし、ぶっちゃけ、こう言うことが書けるニュートラルなポジションにあるのが、弊サイト「腕時計喫茶」です(これくらいしか強みはありません)

 さて、私も一応はパテックのオーナーですし、二本目のPPとして「ゴールデン エリプス」をと考えたことがあります。そもそも持っているのがゴンドーロですし、隣に「ゴールデン エリプスが並んだビジュアル」を見たら、相当にテンションが上がると思います。PPのドレスコンビが完成するわけですし、ヤバいですよね。

 そんな私が「トッカータ ヘリテージ」を拝見したわけですが、当初は私も「レイモンド・ウェイルからエリプスっぽいの出たー!!」と色めき立ちました。と同時に、いやらしさを微塵も感じさせず、PPオーナーとして、むしろ歓迎している自分がいることにも気が付きました。

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
蒼いクラシックの共演!!

 その理由は明確。ひと言でいえば、それは「レイモンド・ウェイルが作った時計」だからです。

 ちなみに私がこれまでに購入したレイモンド・ウェイルは「フリーランサー」だけ。レイモンド・ウェイルの「レ」の字も知らないときに「何か解らんがコレ好き」みたいなノリで購入しました。

 それもそのはず、2000年辺りの時計雑誌には「注目の未上陸ブランド」として紹介されていましたからね。どうにかして日本国内におけるブランドの知名度を上げようと、躍起になっていた頃の話です。

 そのときに私が購入した「フリーランサー」は、どことなくタグ・ホイヤーの「カレラ味」を感じさせるモデルでしたが、私はむしろ、そんなフリーランサーの方に惹かれました。思えばあれが、レイモンド・ウェイル独特の「人懐っこさ」だったかもしれません。

 そして、同じ感想を「トッカータ ヘリテージ」にも抱きました。ある意味、貴族的な「ゴールデン エリプス」は装着者にも同様の格式を要求します。ゴンドーロにも似たようなところがありますが、本来は現代の貴族階級… 要するにハイクラスの方々が着けて様になる時計です。

 「トッカータ ヘリテージ」はというと、同種のアウトラインを持つ華やかな時計でありながら、価格云々とは別次元の「間口の広さ」を感じました。実際、とてもライトな感覚で「着けたい」「欲しい」と思わせる時計です。むしろ「多くの人に使ってもらいたいから作りました!!」みたいなメッセージさえ感じさせる「トッカータ ヘリテージ」だと思います (*´∀`*)

ラグがもたらした「可能性の開放」

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
お好きなストラップで自由に自己表現できます 2280-STC-50001

 基本的に「ゴールデン エリプス」〝ラグなしケース〟のイメージです。ブレスレットが直付けだった時代もありますし、ストラップの取り外しが出来るモデルも、表面上はラグや接続構造を見せないデザインを主流にしてきました。

 「これが完成品なのだ!!」というパテックのメッセージと取れないこともありませんが、ストラップを気軽に取っ替え引っ替えして、あらゆるシーンを楽しみたいと考える庶民派の方々とは、些か相容れない部分があるかもしれません。貴族さまの持ち物ですからねぇ。

 そして「トッカータ ヘリテージ」です。短く、可愛らしいラグが生えています。このラグがもたらしてくれる絶大な有用性… お解りでしょうか?? 取っ替え引っ替え、お好きなストラップで楽しめちゃうんですよ??

 その日の服装に応じてストラップを換えれば、たった一つの時計を様々な印象変化で楽しむことが可能になるわけです。ケースのポリッシュに合わせたミラネーゼを付けるのも良さそうです。NATOを引き通して使ってもヨシ!!

 「ラグがある」ということだけで獲得した自由度。それは上品なドレスウォッチ然とした「トッカータ ヘリテージ」が内に秘めた〝可能性の解放〟を意味します (*´ω`*)

整然と丸い「トッカータ ヘリテージのケース」

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
正確な曲線がもたらす存在感 5280-STC-50001

 初めて「トッカータ ヘリテージ」の現物を拝見したとき、最初に印象深く感じたのは「意外にも強い、ケースの存在感」でした。33ミリ幅ですし、厚みも抑えてある。それでも、印象として受ける存在感はむしろ「迫力満点」と表現しても良いくらいでした。

 仕上げの評価として、異なる表面処理の接線や角の処理など〝解りやすいアナロジー〟が取り上げられますが、この「トッカータ ヘリテージ」にはそのように明確な評価軸はありません。ただ、オーバルケースという重心の視覚化が難しいデザインであるにも関わらず、「トッカータ ヘリテージ」のケースからは毅然とした重量感と、連続する弧が作り出す緊張感を感じました。

 つまり、こういうことです。「オーバルであることに一切の甘えがない」

 オーバルケースはヴィンテージに多く見られるデザインですが、左右対称すら怪しい「もっちゃり」した形状のものが少なくありません。恐らく当時の職人のセンスで作られたカーブだとは思いますが、それ故に「古めかしさ」を感じることがあります。

 「トッカータ ヘリテージ」のケースは、現代金属加工技術の到達点とも言える完成度を誇る、素晴らしい出来栄えです。オーバルケースにありがちな〝どこかアンニュイ〟な緩さとは無縁の、非常に「隙のないオーバルケース」なのです。

 オーバルなのに「強い」… トッカータ ヘリテージの「ケース」に注目して下さい。

「2針」の世界へようこそ

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
細くても堂々とした存在感でダイヤルを支配する時針と分針 5280-STC-50001

 皆さん、「2針の時計」をどう思いますか?? じ~っと見つめていないと動いているかも解らないのが「2針」です。多針のクロノグラフが好きな方にしてみれば、2針は「淋しい」「つまらない」見た目かもしれません。

 実際、私もヴァシュロンの2針を手に入れるまで、2針を避ける傾向がありました。ゼンマイを巻いたらすぐにでも「動いていることを確認したい」のは、世の時計好きに共通した情ですしね。

 そんな私ですが、ヴァシュロンのヴィンテージと出会い、程なく「2針」を理解することができました。曲がりなりにもヴァシュロン・コンスタンタン、世界最高峰の2針ですからね。誤解なく2針を学習するのに、これほど適した教材もなかったと思います。

 「2針」でしか味わえない優雅な時間というものがあると知るのに、時間は掛かりませんでした。要するに、それまで分単位で気にしていた時間に対して数十分、何なら1時間単位で向き合えるようになったのです。

 格式の高い場所で、秒刻みにセコセコ動いている男性にエスコートされたいレディーがいるでしょうか?? 要するに「2針」とは、ゆったりと過ごす時間そのものを、自らの意志でデザインするための時計なのです。

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
ゆるりと流れる贅沢な時間を演出してくれる2針 2280-STC-64001

 ごらんの通り「トッカータ ヘリテージ」も、たおやかな二本の腕を持っています。しかもそれらを優美なオーバルの窓越しに楽しめる。

 コレクションが3本、4本と増えた先で「そろそろ2針デビューしようかな」と前向きな気持ちになったとき貴方(貴女)の目の前にあるのは、手頃な価格で手に取りやすい、レイモンド・ウェイル「トッカータ ヘリテージ」かもしれません。

2本の針と飾り気のないインデックス… それが良い!!

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
クラスを超えた仕上がりの針とインデックスが、トッカータのチャームポイント 5280-STS-45001

 極細ドーフィンスタイルの針と、これまた細身のインデックス。どちらも装飾の類を排した極めてシンプルな作りです。ミニッツトラックを含め、本当に必要最小限な要素しかありません。

 お解りいただけますでしょうか… 腕時計のデザインはシンプルにすればするほど、ごまかしの一切が効かなくなるのです。しかも2針ですからね。それならいっそ「思い切りシンプルを極めよう」と考えるデザイナーさんがいてもおかしくはありません。実際にインデックスを排して、針だけの盤面で勝負している2針モデルも多く存在します。

 しかしながらそれは〝諸刃の剣〟でもあります。「何時何分か読み解けない時計の誕生」を意味するからです。ラウンドダイヤルならまだしも、変形ダイヤルともなれば正確な読み解きは至難の業。お飾りで着けるならいざ知らず、ビジネスシーンで役に立つことを期待する時計には、最低限の判読性能(legibility)が必要なのです。

 そして「トッカータ ヘリテージ」。細身ながらもしっかりとした厚みを感じるインデックスと、必要最小限にまとめたミニッツトラックの存在が、円滑な時刻の判読を可能にしています。〝時を知る道具〟の面目躍如です。

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
高さを抑えた見返しと、インゴットのようなインデックスのコントラスト 5280-PC-64001

 驚かされたのは、それら個々の「仕上げの良さ」。単純な直線の連続だからこそ、僅かな仕上げのゆるさが気になるタイプの針とインデックスですが… ご覧ください。数学的に凛として屹立するインデックスの美しさ。山型に整形され上品な立体感でダイヤル面を縦横するドーフィン針… それらが心地良い緊張関係で判読性を高め、同時に上品な〝色気を放射〟しているのです。

 スポーツモデルが席巻する以前は、2針のドレスウォッチこそがブランドの頂点を象徴するカテゴリーでした。一切のごまかしが通用しない〝シンプル イズ ベスト〟が最高位だった時代の「古の美学」がここに復権しました。

トッカータ ヘリテージにとって必然の「ノンデイト」

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
ノンデイトは大正解 5280-PC-64001

 想像してみて下さい。このお顔に「デイト枠」があったならば… 恐らく現状の「トッカータ ヘリテージ」から感じる「透明感」のようなものは生まれていなかったでしょう。

 「ノンデイトだったらどれだけ良かったか」… そんな風に思わずにはいられない時計があります。主要ユーザーからのフィードバックで「デイトが欲しい」と言われれば、付けなくちゃいけないのがメーカーの立場。ただ、どう考えても〝デイトが邪魔な惜しい時計〟を見てしまうと、デザイン重視で腕時計を購入してきた私は思うのです。「そこは外圧に負けてほしくなかった」と。

 トッカータ ヘリテージにおける「ノンデイトの意味」はそれ以上に凄まじく重要です。例えるなら『To be, or not to be: that is the question.(生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ)』… 要するに、ドレスウォッチとしての存在を賭けた「ノンデイト判断」だと思います。

 非の打ち所がない正統派美人顔の「トッカータ ヘリテージ」。その滑らかなサンレイに大きな穴ボコを開けるが如き「デイト枠」は許されません。時計の薄さにも影響を及ぼしますし、この先もひたすら「トッカータ ヘリテージはノンデイトで」お願いしたいところです。

防水性は「3気圧(日常生活用防水)」

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
そこを気にする時計じゃありませんからね(笑)

 手巻きモデル・クォーツモデルともに、ある意味〝見たまんま〟「3気圧防水」です。それでも現代の時計の3気圧ですから、小雨の日に着けるくらいなら何の問題もないでしょう(土砂降りの際はそもそも着けませんよね??)

 バッシャバッシャと顔を洗うときなど、大量の水が高速度で打ち付けるようなシーンでは、そっと外してスマートにポケットにしまいましょう。ドレスウォッチとはそういうもの。

 カラッと気持ち良く晴れた日の青空が似合う「トッカータ ヘリテージ」なのです (*´∀`*)

機械式手巻きムーブメントとクォーツムーブメントの「豪華2本立て」

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
手巻きならではの見応え 2280-STC-64001

 ケース幅「33ミリ」のモデルには機械式手巻きの「RW4100(SW210-1 ベース)」が搭載されています。確認するまで私も存じ上げませんでしたが、このムーブメント、なんと厚みが「3.35ミリ」しかありません。故にケースの全体厚も「6.95ミリ」に抑えられています。ドレスウォッチは何より「薄さ勝負」ですからね。7ミリ切りなら… 勝てる!!

 振動数は「28,800振動/時」。パワーリザーブは「45時間」です。これに関しては2針ですし、振動数を落として持続時間を延長した方が良かった気もしますが… あくまで個人的な感想です。

 オープンワークのケースバックから見る仕上げも上々ですし、裏側を見ながら巻き上げたくなる、そんな楽しい時計です (*´∀`*)

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
クォーツモデルのクラシカルなソリッドバックがお好きな方も多いはず 5280-STC-50001

 ちなみに、レディース用のケース幅31ミリモデルは「クォーツ搭載」。機械式よりもさらに薄造りで、厚みはたったの「5.1ミリ」しかありません。存在感と軽やかな着け心地… 細腕の女性が最高のバランスで楽しめるサイズ感と言えるでしょう。

 そんなレディーズモデルには、2針モデルならではの〝意外な可能性〟も。それについては後ほど、詳しくご説明させていただきます。

キレイにまとめたトッカータ ヘリテージの「スケルトン バック」

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
俵型の窓が切り取ったCai.RW4100の美しさ 2280-PC5-80001

 レイモンドさ~ん!! 上手く纏めましたね!!

 「キャリバー RW4100」のベースムーブメントは「SW210-1」ですので、所謂、丸いシルエットをしているわけですが、トッカータ ヘリテージの「ケースバック」に開けられたトランスパレントから見えるRW4100受け板は、何の違和感もなく「オーバル型」に見えます。まるで〝オーバル形状のムーブメントを新開発した〟かのような印象を消費者に与えるのではないでしょうか。

 シースルーの抜きをオーバル型にしたのは大正解ですが、それを受け板の効果的な見せ方に利用したアイデアが実に素晴らしい。お馴染みのセリタ200系も、見せ方次第でこんなに色っぽくなるんですねぇ (*´ω`*)

「ストラップモデル」と「ブレスレットモデル」… さあ、どっち??

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
ストラップかブレスレットか… それが問題だ 2280-STC-64001 & 2280-ST-50001

 機械式33ミリ幅ケースの「2280」と、クォーツで31ミリ幅ケースの「5280」。それぞれに〝ブレスレットモデル〟〝カーフストラップモデル〟が用意されています。

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
RWの刻印が美しい両開き式のブレスレット 2280-ST-50001

 「トッカータ ヘリテージ」の上品な顔立ちに良く似合う「カーフストラップ」で柔らかく着けるか、美しく仕上げられた「5連のステンレス製ブレスレット」でシブく決めるか… ご一緒にとことん悩みましょう (*´∀`*)

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
高級感のあるピンバックルが付いています 5280-PC-64001

「レディース用クォーツ」実は〝男性も使える〟??

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
油彩の額縁のようにエレガントなベゼル 5280-P5S-64001

 さて、先程もチラッと触れましたが…「31ミリ幅」のレディースモデル(5280)に関して言えば、実は「男性でもフツーに着けられる」と思います。

 どちらも実機で拝見しているワタクシの印象ですが、レディースモデルとは言ってもオーバルケースでそこそこ大きく見えるため、リストバランスとしては「男性が着けるドレスウォッチのサイズ」としても充分に成り立っているのです。

 例えばパテックの「ゴールデンエリプス(Ref. 3648)」のボーイズサイズはケース幅が「27ミリ」です。つまり、欧州のドレスコードに照らした「31ミリ」〝メンズばっちこい!!〟のサイズということになります。

 実際、ワタクシもアレヤコレヤと「トッカータ ヘリテージ」を試着する中で、最終的に〝これが良いなぁ~〟と選んだモデルが「レディス」だったりして、いつものラウンドケースとは異なる解釈が必要なところに、面白さを感じました。

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
整然と並ぶこのダイヤベゼルであれば男性も!? 5280-P5S-64001

 しかもホラ!! 2針ですから、機械式だろうがクォーツだろうが、運針は「ほとんど同じ」です。少しでもコンパクトで薄いドレスが欲しい男性の方には「敢えてクオーツを選ぶ」という〝シブい選択肢〟も、トッカータ ヘリテージにはあり得るのです (*´ω`*)

大切な人と贈り合う「トッカータ ヘリテージ」

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
レディースモデルとメンズモデル… どっちがどっちか解りますか??

 現代の感覚だと、トッカータ ヘリテージ メンズモデルの「幅33ミリ」にしても「ユニセックスとして使えるサイズ」です。先に31ミリのレディースサイズが男性の選択肢にもなり得るお話をしましたが… ということはですよ?? 恋人同士やご夫婦でプレゼントし合えば、「2種類のサイズでカラー違いのトッカータを楽しめる」わけですよ。カルティエ辺りの男女シェアユースは珍しくありませんが、トッカータ ヘリテージにも十分にその可能性があります。タンクにできて、トッカータ ヘリテージにできないわけがない!!(笑)

 それにホラ、こういう「ハイセンスな時計」だと『大切なあの人に着けさせたい!!』みたいな欲求が湧いてくるわけですよ。自分自身のセンスを正統派クラシックの「トッカータ ヘリテージ」で試してみたくなる… とでも言いますか。

 贈られた側も「ちょっと難しめの時計でも、この人なら着けこなしてくれると思ってくれたんだ」と意気に感じるはずです。誰か~ 私にも贈って~、何なら男性からもウェルカムよ~ん ( ;∀;)

ブランドの〝心のゆとり〟が生んだ「トッカータ ヘリテージ」

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
優しい表情を見せるトッカータのサイドビュー。リューズもキレイ 2280-PC5-80001

 そもそも腕時計には「高価だから性能が良い」みたいな、高価であることを正当化する特段の理由なんてありません。ですので、酔狂にも(失礼!!)何十何百万円の腕時計を買っちゃう人の心中にあるのは、そんな当たり前の前提などお構いなしに「好きだからお金を払う」… そんな心境なのだと思います。

 それは〝心のゆとり〟がなせるワザなのでしょう。長い人生には「無駄な要素」が必ず必要ですからね。計算づくの生き方を強いられる人生なんて、誰も望んでいないはずです。

 〝心のゆとり〟を具現化した最たるものの一つが「腕時計趣味」ではないでしょうか?? こんな私だって、本当のピンチが訪れたら腕時計なんて言ってる場合ではなくなります。生命維持に必要ってわけじゃないですしね。

 そんな風に余裕の象徴として「腕時計を購入する」面が消費者の心中にあるのだとすれば、時計の提供元である腕時計ブランド・メーカーさんにも、「お客さんに余裕を提供する商売」であることを自覚してほしいものです。明らかにガツガツと狙いに来たニューモデルを見せられたときの言葉に詰まるあの感じ… ワクワクもドキドキも生じないまま「売れてます!!」「人気です!!」と言われたところで、その時計を好きになれるかは全くの別問題です。

 「このメーカーさんも苦労してるなぁ」と内実を推し量る気持ちはあっても、決してお安くない腕時計を買うのですから、手に入れた後の「満ち足りた時間」までイメージさせてくれるような「ゆとりのあるブランド」さんでないと、正直、息が詰まる気がします (;´Д`)

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
年代物のワインのように芳醇な色彩 5280-STS-45001

 これまでの歴史やラインナップから推し量るしかありませんが、私はレイモンド・ウェイルさんに「ブランドとしての心のゆとり」を感じています。ゆとりがないブランドさんであれば、ヒット作(ミレジム)が吹かせた追い風に乗って、もっと違う方面で調子に乗っていたかもしれません。ですので「トッカータ ヘリテージ」を初めて見た際の、私の驚きは小さくありませんでした。

 「時計を売る」以前にすべきことがあると、レイモンド・ウェイルさんは知っているのだと思います。だからこそ、明らかに「狙っていない」シブ~いモデルである、オーバルケースの「トッカータ ヘリテージ」が生まれたのではないでしょうか??

最後に… 時計に対する〝理解の解像度〟を上げる —— レイモンド・ウェイル「トッカータ ヘリテージ」

腕時計喫茶-Wristwatch-Tearoom- | レイモンド・ウェイルの新作オーバルケース「トッカータ ヘリテージ」とは、如何なるドレスウォッチなのか??
レイモンド・ウェイル トッカータ コレクション まずはお近くの販売店で実物をご覧下さい

 文中「レイモンド・ウェイルからの挑戦状」と表現した「トッカータ ヘリテージ」ですが、これは何も、言語化しようと試みた私だけに投げられた手袋ではありません。メディアの記事を読んで気になっている、実は週末にでも見に行こうかと思っている… そんな方への「挑戦状」でもあると思います。

 もしも「トッカータ ヘリテージ」『初めての腕時計』として購入される方がいたならば、(腕時計界隈的には)相当な有望株です。未だスポーツウォッチが強い業界事情がある中、それでも「トッカータ ヘリテージ」のような〝シブい一本〟に手が届く、持って生まれたセンスに拍手を贈りたいと思います。

 実際「トッカータ ヘリテージ」の価格帯は〝最初の機械式〟として相応しいものです。ですが何せオーバルケース、何せ2針。最初の機械式として購入するビギナーさんが理解するには、少々〝玄人過ぎる〟ガチなドレスウォッチです。

 ただ、明確な目的があって、少々難しい「オーバルケースを一本」と前向きに考えて実機を見たなら、これほど直球的に刺さるラインナップも中々ありません。

 「トッカータ ヘリテージ」が放つ幽(かそけ)き主張を見逃さず、レイモンド・ウェイルがトッカータに込めたメッセージに耳を傾けたなら、現代ドレスウォッチの世界に突如舞い降りた「トッカータ コレクション」が如何に挑戦的で、如何に刺激的かが解ると思います。

 実際、とにかく実機を触ってほしい時計です。触って腕に載せて、ゆったりとした運針を3分間見守って下さい。たったそれだけの時間が「トッカータ ヘリテージ」を理解して好きになる『解像度』を上昇させるはずです (*´∀`*)

トッカータ ヘリテージ メンズ 手巻きモデル
品番2280-ST-50001 など
サイズメンズ
ケース形レクタンギュラー
キャリバー手巻き(RW4100)
パワーリザーブ約45時間
ケースサイズ33 × 38mm
ケースの厚さ6.95mm
ケース素材ステンレススティール
防水30m/3気圧防水
ガラスサファイアクリスタル
ストラップステンレススティール ブレスレット
カーフ レザー ストラップ
トッカータ ヘリテージ レディース クォーツモデル
品番5280-STC-50001 など
サイズレディース
ケース形オーバル
キャリバークォーツ
ケースサイズ31 × 36mm
ケースの厚さ5.1mm
ケース素材ステンレススティール
防水30m/3気圧防水
ガラスサファイアクリスタル
ストラップステンレススティール ブレスレット
カーフ レザー ストラップ

おまけの言い訳

 「購入レビュー」は当然ながら、すでに出血済みの〝自分の時計を手にした状態〟です。謂わば、お迎えした大切な時計に「永遠の愛を誓う儀式」。そもそもお金持ちでも何でもない自分がなぜ、この時計のために大金を支払ったのか… それらをロジカルに(でもないか…)書き残すことで、その時計と自分の間に生じた物語の「第一章」に幕を下ろすという意味合いがあるのです。ですので、書き終わった後は熱病のような浮つきが収まり、静かな気持ちで時計と向き合う「第二章」が始まります。

 「購入していない時計のレビュー」には常に〝買っていないことへの無責任感〟が付きまといます。物理(お財布)的に絶対に買えない時計の場合はご容赦いただきたいところですが、買えそうな価格の時計を「買わずに語る」ことには、人知れず自責の念を感じてきました。

 だからこそ、自分が購入したレビュー以上の下調べと、熱量を以て執筆にあたるわけですが… そうすると何が起きるでしょうか?? はい、誰よりもまず「私自身が好きになっちゃう」のですよ。実際、このパターンは何度も経験しています。

 そしてレイモンド・ウェイルの「トッカータ ヘリテージ」。これは私の方からジーエムさんにお願いして書かせていただいたレビューです。そもそも欲しいとも思わない時計のレビューなんて書きたくないですからね。当然「行けたら行く!!」みたいな心境あってのことです。

 で、調べまくっているうちに自分なりの理解がさらに深まって、先程のお話で申しますと「解像度が急上昇」するわけです。ホラホラ、何だかきな臭くなってきましたよ(笑)

 というわけでワタクシ、今回のレビュー用に「トッカータ ヘリテージ9本」を借り受けた〝新宿三丁目の町中華〟「自分用のトッカータ ヘリテージ」を注文してしまいました(笑)

 「結局、買うんかい!!」というツッコミが多方面からやって来そうですが…(汗) 届いたら早めにレビューを書きたいと思っています。ぶっちゃけ、トッカータ ヘリテージについての詳細はコチラの記事で済んでいますが、それでも!! 別の記事として書くだけの「特別な価値があると信じるモデル」です。こちらも楽しみにお待ちくださいませ (*´ω`*)

ブログランキングに参加中です

Please share this article.

ご意見・ご感想

コメント一覧 (2件)

  • レイモンドウェイルといえば広田さんが監修した
    ミレジムの登場で、よりミレジムに注目が集まっている
    感じでしたが、ドレスラインも中々に良いですね!

    この仕上がりでコスパがいいのは本当にありがたいし貴重!!

    常々思いますがいいブランドは、注目モデル以外も幅広く
    でも手抜きせずにちゃんとした時計を作ってますよね〜

    追加の購入レビューも楽しみにしてます!
    (個人的には青文字盤の革バンドのものを購入したと予想します!笑)

    • Y太さま、コメントありがとうございます♫

      レイモンド・ウェイルを一躍表舞台に押し上げたのがミレジム。
      広田さんプロデュースの通称「ピロジム」も大変な話題になりましたが…
      ワタクシ、完全に乗り遅れました(笑)
      今更書いても~って感じなんですけど、今だから書けることがある気もします。
      そこはジーエムさん次第ですね(笑)

      トッカータヘリテージは解ってるブランド(レイモンド)が解ってる時計好きに向けてリリースしたラインです。
      ところがもの凄く敷居の低いところもあって、いい意味で気軽に手に取れる素晴らしい出来でした。
      写真を見ていただけたら解っていただけると思いますが、仕上げも完全にクラスを逸脱しています。

      えへへ~
      私が購入したトッカータヘリテージも届きました。
      少し使ってから、使用感中心のレビューを書きたいと思います。

コメントする

Table of Contents