『Baltic』フランスの洒脱が詰まった〝ネオ・クラシック〟

【自腹レビュー】SpaceOne(スペースワン)「WORLDTIMER TITANIUM(ワールドタイマー チタニウム)」に〝クールの誕生〟を見た!!

 2025年末、入荷が待ち遠しくて仕方がなかった「一本の時計」を手に入れました。これほどまでに執念深く「早よ来い!!」と念じ続けた時計も久しぶりじゃないかしら (*´∀`*)

Jumping hour & TELLURIUM 出典:https://spaceonewatches.com/

 フューチャーテイストのデザイン「ジャンピングアワー」や、買える天文時計「テリリウム」で、進取の気概を持つ腕時計愛好家の魂を震わせてきた注目のフレンチブランド『スペースワン』… 今回、皆さまにお目に掛けたい時計も、先の2本に負けず劣らずの個性で見る者の感性を鷲掴みにするはず… それが「スペースワン ワールドタイマー チタニウム」でございます。

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM
Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 スペースワンの時計はどれを取っても解りやすい〝オリジナリティーの塊〟ですが、「ワールドタイマー」はそんな三羽がらすの中でも特に際だったビジュアルを持っています。そしてこの「見た目のインパクト」がそのまま「機能性のインパクト」である点にこそ、ワールドタイマーの〝真の凄み〟があります。

 それでは早速、若き独立時計師、Theo Auffret(テオ・オーフレ)氏、デザイナーのOlivier Gamiette(オリヴィエ・ガミエット)氏を中心としたチームの〝才能の集大成〟とも言うべきニューモデルについて、「これは購入しないと解らんなぁ~」みたいなところを中心にお話して参ります。最後までお付き合い下さいませ (*´∀`*)

※ブランド「スペースワン」の詳細や「テリリウム」については、こちらの記事をご覧下さい。

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スペースワンはなぜ、天文時計の後に「ワールドタイマー」をリリースしたのか??

 複雑機構の到達点をカジュアルにまとめた手腕で、世界中の喝采を浴びた天文時計「テリリウム」。そのインパクトが余りにも強烈だったため、後のモデルとしてリリースされた「ワールドタイマー」で、ある種の〝肩すかし〟を食らったと感じた方がいたかもしれません。

 実際、複雑系は複雑系でも、天文時計とワールドタイマーでは、愛好家の受け取り方にも温度差があります。スペースワンに求める物が「面白いモジュール一択」だとしたら、提供される世界時計の機能は些か地味なものです。「な~んだ、スペースワンもネタ切れか??」と思った方もいたかもしれません。

 しかしながら、購入したワタクシの印象は違います。今回の「ワールドタイマー」に関して言えば、明らかに〝普段使い〟を目的として設計されたものだと感じました。

 スペースワンにとっての〝諸刃の剣〟は、異形のデザインが常に消費者の期待値をマックスまで押し上げてしまう点です。確かに「ワールドタイマー」のビジュアルインパクトは、他の時計にはない想像力を搔き立てるものです。

 ただ、本来時計とは日常生活の時間管理に使われるもので、そこから逸脱した機能は装備者にとって必携の機能ではありません。その辺りの基準で言えば、天文時計「テリリウム」は、本来の腕時計から〝半歩横道にズレた存在〟と言えるかもしれません。

 「テリリウム」はその「ズレ」こそが魅力の時計ですし、私自身「腕時計が腕時計であり続ける必然性」について、あれほど考えさせられた時計もありません。その辺りのユニークさがテリリウムの「即時ソールドアウト」に繋がっているのは間違いのないところです (*´ω`*)

 ただ、〝ジャック イン ザ ボックス〟のようなスペースワンであっても、腕時計メーカーである以上「毎日使ってもらえるプロダクトの必要性」を感じていたことでしょう。

 天文マニア以外には「お飾り」になりかねないテリリウムの機構とは真逆の発想で、広く多くの人にとって有用な機能を提供するべく送り出された新作が「スペースワン ワールドタイマー」なのではないでしょうか??

オレたちの「ワールドタイマー」は一味違うぜ!!

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM 裏蓋
ウルトラ警備隊を連想させる裏蓋 Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 とはいえ、そこは「スペースワン」ですよ。ヒシヒシ感じる自分たちへの期待に背を向ける彼らではありません。「万人に有用な機能」を搭載して「普段使いできること」を目的にしたとしても、所謂普通の世界時計を出したのでは、世界中のファンが許してくれないでしょう。

 購入後、すでに何度も「ワールドタイマー」を着けて外出したワタクシでございますが、そのたびに思いました。「他のワールドタイマーでお出掛けして、これほどテンション高くなるかしら??」と。

 高価な時計を身に着けたときの高揚感とも、苦労して手に入れた人気モデルを着けたときの昂ぶりとも違う特別な感情。袖口に心地よい違和感を感じつつ過ごす時間の贅沢さ。「こんなへんてこで素敵な腕時計があるんだぜ!!」と声高に叫びたくなるようなあの気持ち… (*´ω`*)

 高揚感の類いに色があるとすれば、ワールドタイマーがもたらす高揚感はサイケデリックな「虹色」かもしれません。使うたびに味が染み出てくる「ワールドタイマーだけの魅力」

 普段使いに過不足ない性能を見たことのない機構で実現し、尚且つそれをインパクト満点のケースに収めたスペースワン「ワールドタイマー」の面白さ。

 極めてユニークな時計でありながら〝使い勝手の良さ〟も両立。着けるたび「どうだ!! オレたちの作ったワールドタイマーは一味違うだろ!?」と、スペースワン関係者のドヤ顔が見えるようです。That’s right !!

「シルバーカラーのチタニウムモデル」から解ること

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM 専用ポーチ
時計なのか何なのか(笑) Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 ブラックケースのモデルが「限定100本」、ブルーのケースが「限定200本」。そしてワタクシが購入した『シルバーのチタニウムケース』「限定300本」です。お解りいただけますか?? より少ない生産本数… 限定として価値の高いモデルも買えたんですよ?? それでも私は「シルバー」を選んだのです。

 何故ならシルバーこそが、ワールドタイマーの存在意義を最も色濃く体現していると思ったからです。正直、テリリウムのときには感じた〝目移り〟は全く感じませんでした。

 私の場合、何をどう考えても、普段使いするなら「シルバー一択」でした。パンダカラーで目立つディスクの配置、仕上げのコントラストから来る視認性の良さなどなど… 日常に落とし込む時計としての完成度で言えば「シルバーのモデル」しかなかったのです。実際、公式の販売方針にもその辺りの明確な証拠があります。

 それはシルバーの生産本数。他よりも圧倒的に多い「300本設定」が全てを言い現しています。最終的に一番売れるのは「シルバー」。一番使いやすいのも「シルバー」… スペースワンがブランドとしてとった戦略の正しさは私が証明しましょう。全く同じように考えているからです。

 ※ちなみにホディンキーでワールドタイマーの記事を執筆した Mark Kauzlarich 氏は、ブラックかブルーを「インパクト重視」で選ぶそうです。近所に住んでたら互いの主張を居酒屋で戦わせたかったなぁ(笑)

よくぞ仕上げた!! 有機的な曲面を持つケース

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM 12時方向から
時計のケースでは見たことのないアールがアチコチに Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 さてと… そろそろ細かい部分を見ていきましょうね。まずは「ケース」から。正直、一見したアウトラインは「なんじゃこりゃ!?」です。それも極上にワクワクしちゃう「なんじゃこりゃ」

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM 裏蓋
発想が自由過ぎる!! Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 最初に図面を見せられたサプライヤーはどんな気持ちだったでしょう。どう考えても仕上げで苦労する曲面ばかりで構成されているからです。仕上げの切り返しも多いですし、そもそも時計で扱うことのない仕掛けの数々に目眩を感じたに違いありません。「おれたちゃ、何を求められているのか??」と。

 でもありがとう!! スペースワンの無茶振りをきいてくれた君たちの苦労がここに結実していますよ!!

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM 噴射口
飛ぶんですか!? Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 「グレード5チタニウムの外装」は驚くほどに美しく、艶やかに磨かれています。曲面を整然と走るヘアラインがこれまた美麗で、正直、このケースの存在感だけで「買って良かった!!」と思っています。

 ミレニアムファルコン号の如き、宇宙船由来のケースデザインならではのディテール(噴射口?)も面白過ぎ。そんなお遊びですら徹底的に仕上げるスペースワンの尋常ならざるサービス精神には頭が下がります。

実用時計の「3気圧防水」は不安??

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM ネジ留め
この裏蓋を見て防水性を求めますか?? Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 んー!! またしても微妙な「3気圧防水」。テリリウムも同様ですが… アレはですね、構わないのです。天文時計ですもの。宇宙に雨は降りませんし、そもそも土砂降りの中でテリリウムを着けようと考える人もいないでしょう。

 先述の通り「実用性を重視したプロダクト」としてワールドタイマーを見ている私にしてみれば、テリリウムでは許せても、ワールドタイマーの場合は些か「惜しい」と言わざるを得ません。少なくともこれで「台風の季節は気を遣う時計枠入り」が確定しました(突然の暴風雨で水の侵入を許した時計が3気圧でしたから…)

 宝飾時計やアンティークの「防水性=なし」は珍しくありませんが、現代の、しかも実用時計であれば、安心して使える〝性能の下限〟というものがあるはずです。実際、防水性能は年月とともに次第に緩むもの。多湿な夏に苦しめられる日本人としては、最低でも「5気圧」を確保して、安全に使えるシーンを増やして欲しかったですねぇ (;´Д`)

敢えて見づらい場所に〝ブランドロゴの刻印〟

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM ロゴ エングレービング
この角度がこれまた… Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 一般的な時計で言うところの〝12時位置〟奥の側面、鏡面処理された場所に「SPACEONEの刻印」があります。能書きはいらないでしょう。コレがめちゃめちゃ格好良いのです。

 ワールドタイマーを着けた状態からチラリと見える鏡面がピカーっと光って、コントラストで浮かび上がる刻印はまるで「映画のオープニングシーン」のよう。キレのある演出力に惚れ惚れします。

「風防」の頑張りに泣けてくる

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM 丸い風防
お見事な加工精度 Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 丸いだけじゃない、変形の「ドーム型 サファイアクリスタル」も見事に美しい成型です。しかもこれ、なにせ土台が変態的なケースですから、キレイに填めて固定するには相当な技術を要したのではないでしょうか。でもそのお陰で、唯一無二の面白いシルエットを楽しめます。

このモデルのために設計された「世界時計モジュール」の贅沢

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM リューズ
リューズのみで全てを操作 Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 土台のムーブメントは「ソプロード P024」です。パワーリザーブは38時間、振動数は28800。世界時計の機能は、このP024の上にモジュールとして配置されています。要するに2階建て構造。ですから、どうしたって分厚くなるはずなのですよ。しかも重量感のある円盤を回転させつつ、尚且つ丸っこい風防が3つも付いているわけですから…

 それなのにこのスマートさ。輪列設計で相当な知恵を絞った結果であることは明白です。もっと全体が肉厚になってもおかしくなかったはずですからね。リューズ操作で全てを完結させる手際の良さも素晴らしい。天才の所業ですよ!!

この時計には「ダイヤルがありません」

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM 時針
インデックス ディスクと呼ぶべきかもしれません Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 ダイヤル全体が回っているとも言えますが、要するに、この「ワールドタイマー」には、針やインデックスを配置するための土台、或いは余白としての「ダイヤル」が存在しません。「ここに注目!!」と示すケース上の三角マークが「針」の役割を果たし、回転するディスクそのものが「インデックス」になります。

 動的なインデックスがせかせかと時刻のセットポジションに入ることで、それらを一覧すれば「何時何分かの疑問」に答えが出るようになっているのです。

〝レギュレーター〟の弱点を克服したかもしれない「ワールドタイマー」

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM クロノスイス TORA
使い始めの戸惑いと、慣れてからの使いやすさが似ています

 秒が分と同軸なので完全ではありませんが、時と分を別の軸で表現した機構は、所謂「レギュレーター」に分類されるものです。一般的なレギュレーターはそれぞれの針の位置とインデックス情報を脳内で演算することで初めて「今は何時何分」と認識することができます。つまりは「些か面倒臭い仕組み」のです。

 私はクロノスイスでレギュレーターに触れましたが、レギュレーターの利点は次の2つに集約されると考えています。ひとつは「時針分針の見間違えが起きない」。クラシックモデルの細いリーフ針などで、尚且つ長さにも差がない時針と分針の見辛さは如何ともし難いところですが、レギュレーターとして別々の軸を与えてしまえば、自ずと見間違えを解消することができます。

 もうひとつは「時刻判別のスピードアップ」。すでに何時であるかの認識がある場合、端的に分針だけを注目することで、こまめに時刻を確認する必要がある場合の判読がスムーズになります。レギュレーター慣れした方は、結果として同じような使い方になるのではないでしょうか??

 スペースワン「ワールドタイマー」は、レギュレーター独特の使用感、特に利点部分を大幅に洗練させています。段階的な数字として表された「インデックス」の数字部分を読み取るだけで、何らの換算も必要とせず最短最速で「今何時何分??」に至るからです。

 デジタル時計並みの簡潔さにアナログならではの自由な解釈を組み合わせることで、慣れれば慣れるほど、ベストな使い方が見付かるでしょう。少なくともそこには「レギュレーターの弱点」はすでにありません (*´ω`*)

「世界時計のディスク」は男のロマン

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM 24時間計 世界時刻
都市名の書体にも拘りを感じます Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 「男の子なら大好き」でしょう。ええ、そうでしょうとも。私もこのディスクのクールさにメロメロです。

 古今東西、様々なメーカーが様々なワールドタイマーを作っていますが、その魅力が「都市名の表示」にあることは共通ですし、スペースワンのワールドタイマーにおいても、格好良さの源泉がこの「世界時計のディスク」にあることは疑いようがありません。たまには東京以外に合わせて、ローカルタイムとの時差を満喫したいと思います。

現時刻に連動して回る「24時間ディスク」が好きだ!!

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM 24時間計
時刻調整時には、離れた場所の24時間ディスクも連動して回転 Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 時刻調整時のお楽しみの一つが、現時刻設定と連動して実直に回転する「24時間ディスク」。ワールドタイマーで24時間針が連動するのは当たり前ですが、何せ異なる風防で覆われた〝別枠〟でそれが見られるのですから、エモさも数倍です (*´∀`*)

 リューズ操作で内部から指先に伝わる挙動も極めて滑らか。モジュール追加で余計な歯車が増えている分の抵抗は、ほとんど感じられません。

「秒針ディスク」がキュート

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM 分針 秒針
唯一、動いていることを確認できるパーツ Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 ワールドタイマーで唯一、動作が確認できるパーツが「秒針ディスク」です。腕時計好きならば、ひたすらクルクル回転する様子に癒やされることでしょう。ぶっちゃけ回ってるだけなのですが、こんなにも愛らしいなんて…

秒針ディスクが動作する様子

 針の動きとは趣の異なるディスクの回転をご覧下さい。めっちゃ可愛いですから。

 こんな機械ものに「可愛い」とか言っちゃってる時点で、私もかなりヤバい男です(イマサラ感)

ディスクの仕上げに感じる「スペースワンの執念」

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM オメガ スピードマスター プロフェショナル
ダイヤルの質感が似ている両者

 この「ディスクの仕上げ」が思いの外良いのですよ。実質、各々のディスクたちが一般的な時計の「ダイヤルの質感部分」を担っているので、単なるパーツとしてではなく、本来ならダイヤルが受け持つ「美観」にも配慮する必要があるわけですが… 実際、十分にその役割を果たしていると思います。もはや〝執念〟ですよ。

 飾り気のない生真面目な仕上げですが、インデックスの精密な彫りと相まってディスク自体がすこぶる上質に見えます。私の手持ちで例えるなら「スピードマスター プロフェッショナル のダイヤル仕上げ」に近いかもしれません。要するに〝飽きのこないシブさ〟なのです (*´∀`*)

光ってほしいところは「ルミノバ」で全部光る!!

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM 蓄光 発光
蓄光マニアも大満足!?

 ワールドタイマーのお顔を拝見すれば「こことここが光ったら超絶格好良いだろうなぁ」なんて妄想が膨らむと思いますが、その妄想、全てが叶います。

 腕時計好きが妄想するであろう「光ってほしい箇所」は、余すところなく全てが発光しています。むしろ「こんなところまで光るんかい!!」と声が出るはずです。何だこの〝ルミノバ祭り〟 最高じゃないですか (*´ω`*)

ケース幅「5センチ以上」なのに、この腕載りの良さは一体!?

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM 装着例
抜群の腕載り。ジャケットにも合う!!

 スペック表を読んで「オレには無理だ」と諦めた方の中には「ケース幅 52.7ミリ」を断念の要因にした方もいらっしゃるでしょう。確かに「幅5センチ」はモンスター級です。腰が引けたとしても仕方がありません。私だって、そんな時計を買いたいとは思いません。

 公式のスペック表で「おや??」と思わされたのは、一般的な時計と「幅、全長」の解釈を〝真逆〟に記していることでした。ラグ トゥ ラグ側を「幅」と表記しているのです。

 リューズを頭として見た場合の〝デザイン的な意味での幅〟であれば、確かに「ラグ トゥ ラグの数値」かもしれません。しかしながら実際のところは、どうにかして公式表記としての「幅5センチ以上」を避けたかったのではないでしょうか。AIに質問したら「幅5センチ以上です!!」と答えが返ってくるわけですからね。

 例えば写真を見ずに「幅」の数値だけに着目されたなら、一体誰が「幅5センチの時計」を買うの?? って話です。オンラインショップで購入を決断する際に参照する数値には、それだけの意味があります。

 だからこそなのです。だからこそ「腕時計は着けてみないと何一つ解らない」ことを思い出してほしいのです。ワールドタイマーの装着感は、数値から抱く印象の恐らくは真逆にあります。めちゃくちゃ載ります。むしろ「腕載り抜群」の部類です (*´∀`*)

ちゃんと載るから安心して

 〝ラグ トゥ ラグ〟の数値を見て下さい。常識的な「41.9 ミリ」で収まっているのです。まずこの時点で「普通に巻けるやん!!」と安心されたのではないでしょうか。さらに申し上げるなら「ラグの生え方」。ケースが作り出すスペーシーな雰囲気を壊さないように、短いラグが底面に向かって落ちるように生えているのがお解りいただけると思います。これが絶対的な腕載りを約束してくれます。

 テリリウムも同じですが、スペースワンの時計からは、腕載りに対する尋常ではない拘りを感じてなりません。ユニークなケースだから仕方がないと「腕載りを諦めるようなことがあっては無意味」… そんな風に考えている気がします (*´ω`*)

こんな見た目なのに、スルスルッと「袖口」に滑り込みます

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM 装着例
袖口に難なく滑り込みます

 冬場でもありますし、着けてすぐに解りました。ワールドタイマーはある意味でオフザケが過ぎるデザインの時計ではありますが、こう見えて〝抜群に腕載りが良く〟しかもビジネスシャツの袖口に「スルスルッと」滑り込んでくれます。ケースや風防の滑らかなスロープがそれを可能にしているのでしょう。カフ(袖口)から半分だけ顔を見せる様子にもグッときます。

 見た目から受ける「着け辛さの印象」は、装着した際の一瞬で打ち消されるはずです (*´∀`*)

何となく「デイトナ」を連想しました

 未だに誰にも同意をいただけませんが… 購入後の早い段階でワタクシ、ふとした瞬間に「デイトナ感あるなぁ」と思いましてね。見た目の印象よりずっと小ぶりで「アレ?? 案外ちっちゃい??」と認識を改める必要があることもそうですが、纏っている空気が似ているというか… 苦み走った佇まいが 116520 辺りと同類に見えたのですよ。

 んー、説明が難しい!! とにかく〝めっちゃシブい〟ってことです (;´∀`)

ワールドタイマーを「買って満足できる人」と「買って後悔しそうな人」

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM
これしかない!! と思えたら、後悔の入り込む余地はありません Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 もしかすると、腕時計に精通した人ほど距離を置きたくなる時計かもしれません。腕時計定番の評価基準が通用しない部分を幾つも持つワールドタイマーですのでさもあらん。実際、理解できないままで買うべきではない時計の〝最たる物〟かもしれません。

 購入して「満足を得られるか」どうかは人それぞれの尺度によります。まず「見た目がどストライク!!」であれば、それだけで大満足できる時計です。「見た目が好き=機構が好き」と言い換えられる希有な時計ですから、100%見た目から入ってたとしてもそれが「大正解」

 「普通の時計には飽き飽きだ!!」と仰る方も満足できると思います。変態的な見た目ですが、時計としての芯の部分は非常にしっかりしていますから、「変な時計着けやがって!!」と他人様に侮られることもありません。

 購入で「後悔しそうな人」に関しては、個人的な事情を由来とする様々な要因がありそうです。一つだけハッキリしているのは「使うシーンがイメージできない」場合、相応の注意が必要であるという点です。

 何もワールドタイマーに限った話ではありませんが、「コイツは会社に着けていけないなぁ」と感じたならば、週のうち5日は使えない時計ということになってしまいます。ワールドタイマーを「虎の子の一本」として購入する方が多いとは思えませんが、大枚はたいて購入した時計なのに〝着ける機会が土日しかない〟のだとすれば、深い後悔の念に襲われても仕方がありません。

 要するにそれでも「欲しい!!」「使いたい!!」と強く思えるか否か。そうすれば、決して安いとは言えない「53万9000円」だって〝無駄金ではない〟はずです (*´∀`*)

市場価値について

 Chrono24 さんで検索したスペースワンの時計全モデルで「プレミア価格」を確認しました。ワールドタイマーの場合、検索で引っ掛かったのがブラックのみでしたのでそれに限った話ですが、当初はそれほどでもなかったワールドタイマーにも値上りを確認。売り切れが影響したと思われます。

 スペースワンの時計に関して私は「少なくとも5年保有して見定める」べきだと考えています。例えばテリリウム シリーズには最新モデル「スケルトン チタニウム」で生産を終了するという噂もありますので、今後はどう足掻いても二次市場でしか手に入らないことになります。

 他のシリーズに関しても同様の新陳代謝を進めるならば、スペースワンの時計は全てが「リミテッド」であると言えます。善し悪しは別として、スペースワンのビジネスモデル自体が、時計の価値を上昇させる仕組みになっているのです。

スペースワンの「次なるモデル」を大予想!?

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM テリリウム
Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 何の根拠もありませんので、話半分でお願いします。「ワールドタイマーの次のモデル」を予想してみました。

ダブル〝レトログラード〟

 余り面白くないところから行きます。確度が高そうなのは「レトログラード」。それも「ダブル レトログラード」とか出してくれないかなぁ~と。大塚ローテック?? ダブルならスペースワンに軍配が上がりませんか??

ジャンピングアワーをベースにした〝鳴り物〟

 お次は「鳴り物」。ジャンピングアワーをベースにゴングを入れて鳴らしてくれるだけでも面白過ぎます。現在、鳴り物は持っていない私ですので、出たら確実に買うと思います。

宇宙風味の〝ダイバーズ〟

 ついでに申しますと「ダイバーズ」が出そうな気もするんですよねぇ… 想像できないじゃないですか、 スペースワンのダイバーズなんて。だからこそ尚更に (*´ω`*)

クロノ針だけ独立させた〝ドッペルクロノ〟

 もう一丁!! クロノグラフに見えない顔の「ドッペルクロノ」とかどうでしょう?? クロノ針だけ独立した窓で… ダメ??

〝交差する才能〟テオ・オーフレ氏とオリヴィエ・ガミエット氏

 若き天才時計師「テオ・オーフレ」氏。その存在がなければ、スペースワンのプロジェクトが前に進むこともなかったでしょう。彼が設計する独自機構のモジュール、彼自身の独立時計師としてのネームバリューもそうです。テオ・オーフレという光輝く才能がいなければ、スペースワンの時計が今のようなユニークさを持つことはありませんでした。

 デザイナーの「オリヴィエ・ガミエット」氏も同様です。彼の発想力がテオに与える影響の大きさを考えれば一目瞭然。どちらが欠けても、互いのインスピレーションを形にする手段を失うことには変わりありません。そういう意味で、非常に繊細なチームとして「スペースワン」は活動を続けています。ある意味、まるで奇跡のようなプロジェクトです。

 独立時計師がその名を冠した普及モデルを展開すること自体は珍しくありません。ただ、彼らが本気を出して生み出した時計と比較して、それらがどれくらいの価値を有しているかについては、行き過ぎた評価を鼻白む愛好家は少なくありません。表層的なデザインに辛うじて何らかの共通項を見出せるかといった程度の、微妙な時計が多いのも事実。

 その点、スペースワンは別次元です。限られたコスト要件を楽しむかのように、個々が才能を発揮しています。「自由で実験的で挑戦的」… そこには一切の出し惜しみを感じません (*´∀`*)

最後に… 才能と野心の腕時計ジャムセッション…「クールの誕生」を見逃す手はない

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM
Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 スペースワンの面白いところは、すでに著名なバンドのミュージシャンたちが個別に集まって「新たな活動」を行っているように見えるところです。

 例えるなら、1980年代にイギリスのレコードレーベル「4AD」で産声を上げ、ゴシックロックに金字塔を打ち立てた「This Mortal Coil(ジスモータル・コイル)」。レーベル所属のミュージシャンが次々と参加して、メインの活動以上に珠玉の作品を残してくれましたからね。それもこれも、プロジェクトに特別なやり甲斐を見出したからこそだと思います(夜中に聞いていると母親に文句を言われるところまでが4ADのお約束。This Mortal Coil の〝Song to the Siren〟のときは「お葬式っぽい」なんてイヤな顔されましたっけ… )

 とはいえ、テオ・オーフレ氏のような未来ある才能が、いつまで低価格帯のプロジェクトに関わっているかについては少々懐疑的です。少なくとも、今現在のような深度でスペースワンのモジュールを設計し続けるのは難しいかもしれません。年齢的にもこれからが飛躍の正念場ですしね。

 スペースワンを立ち上げた起業家「ギヨーム・ライデ(Guillaume Laidet)」氏も、そこは覚悟しているのではないでしょうか。それでも、才能と野心で今という混迷の時代に爪痕を残せるのだとしたら、例え短期の存続であっても、スペースワンに関わった人たちのキャリアにとって重要な意味を持つプロジェクトになるはずです。実際、その辺りの評価の兆候はすでにあるわけです (*´ω`*)

 例えこの一瞬に終わったとしても、今しか出せない音があるなら全力で表現する… 私たちが見ているものは、旬の才能がスタジオで奏でる「ジャムセッション」なのかもしれません。つまり、この瞬間を見逃してはいけないのです。

 一人の腕時計好きとして、特別な才能と同時代に生きていることを感謝しつつ、腕時計世界で今まさに起きている「クールの誕生」を見守りつつ、彼らが繰り出すアートに酔いしれたいと思います。



 ちなみに、シルバーとブルーに関してはまだ在庫があります。とはいえ、これまでの販売スタイルを踏襲するのだとすれば、同じモデルの〝追加生産はない〟と考えるべきで、「これやったらいつでも買えるわ」なんて考えていると後悔するかもしれません。

 ちなみに現時点で言えば、実数で一番売れているのはブルーのモデルでした。二番手はシルバーです。

 ご興味のある方は、本物の伝説として「手の届かない存在」になってしまう前に、早めのご検討をお薦めします (*´∀`*)

ストラップの後日談

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM ストラップ
標準のファブリックストラップ Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 「ワールドタイマー」には「テリリウム」と同タイプの〝ファブリック製ストラップ〟が付属しています。悪くはありません。裏材もしっかり貼られていますし、ファブリックだから肌感触が良くないといったこともありません。

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM ピンバックル
グレード5チタン製ピンバックル Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 縫製も丁寧。尾錠も良い感じです。

 悪くないです。結構な有名ブランドでもフニャフニャのレザーストラップが付属していたりしますが、それに比べたらこのファブリックの方が100倍マシです。

スペースワン ワールドタイマー チタニウム SpaceOne WORLDTIMER TITANIUM ストラップ
ボロボロになりがちの穴はレザーで補強 Spaceone WORLDTIMER TITANIUM

 しばらくはこのストラップのままで… 当初はそう思っていました。でもでも、やはり無理でした。

 時計本体があまりにも格好良過ぎるので「このストラップじゃ弱いかなぁ」という気持ちが日に日に大きく膨らんできまして… 何かしら〝気合いの入ったストラップ〟を付けてやりたくなったのです。業ですな、これは。

松下庵奇譚

 昨年末、年内営業の最終日に、ハンドメイドストラップの殿堂「松下庵」へご挨拶に伺いました。腕にはGS「SBGC007」。手に入れたばかりの「ワールドタイマー」はカバンの中に。ご挨拶なんて言いつつ、何気に時計を自慢しに行ったわけです。もちろん、真の目的は「ワールドタイマー用ストラップのオーダー」でした。

 で、「ワールドタイマー」を見てもらったわけですが… 大の男が「腕時計に一目惚れする瞬間」を目撃してしまいました。松下代表が〝どハマリ〟したのです。

 着けて外してを繰り返し、間を空けてまた着けて… しまいにはトイレに閉じこもって「蓄光の光り具合」を確認したり。

 何かのピースがガチっとハマったのかもしれませんね。一応、「黒が売り切れで、ブルーが残り少なめ、シルバーは生産数が一番多いのでまだまだ買えますよ??」とお伝えしました。すると間髪入れずに「シルバー一択でしょう!!」と来たものだから、やっぱりこの人スゴいわと。

 この時点で決まっていたのでしょう。その日、2025年の営業を終えた松下代表はその足で表参道まで赴き、「ワールドタイマー」を手に入れていました。行・動・力(笑)

 「スゴい勢いで松下さんが来たんですが、砂布巾さんが煽ったんですか??」 速攻でH°M’S” 表参道の店長にツッコまれましたが… 違います!! 勝手に恋しちゃったんですって!!(笑)

お揃いのストラップを作ってもらいました(笑)

 「ご自分のワールドタイマー用にストラップ作るなら、それと同じ物を!!」とお伝えして、完全お任せのフルオーダーをお願いしました。そして出来上がったのがコチラ!!

松下庵 謹製 オリジナルストラップ
松下庵謹製 オリジナルストラップ

 代表と相談して「Stud Eater」と命名させていただきました。めっちゃ遊んだデザインですが、革材は希少な〝ポロサスクロコ〟ですからね。質感は極上です。

Spaceone WORLDTIMER TITANIUM 松下庵 謹製 オリジナルストラップ
Spaceone WORLDTIMER TITANIUM 松下庵謹製 オリジナルストラップ

 「ワールドタイマー」を起点に、こういう発想もあるのかと刺激をもらいました。マニア垂涎のポロサスクロコを使ってのお遊び… こんな贅沢も他にありません。まるでチップチューンの〝ピコピコサウンド〟が聞こえてくるようです。

 レトロゲーム好きの皆さまも、一本如何ですか??

WORLDTIMER TITANIUM Specifications
項目内容
ケース厚さ15.88 mm(24時間/シティドーム含む)
ケース全長52.7 mm
ケース幅41.9 mm(ラグトゥラグ)
ケース素材・風防グレード5チタン(ポリッシュ/ブラッシュ/サンドブラスト)、サファイアドーム
バックルグレード5チタン
防水性能3 ATM(30m)
ストラップ幅22 mm → 18 mm
ムーブメントSoprod P024
ワールドタイマー機構自社開発ワールドタイマー
組立地フランス・パリ
振動数28,800振動/時(4Hz)
パワーリザーブ約38時間
パッケージSpaceone ウォッチポーチ

※撮影機材: α7RⅤ+ FE 70-200mm F4 Macro G OSS II + FE 100mm F2.8 Macro GM OSS Adobe Lightroom で編集

 

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