腕時計が好きな方なら誰しもが思うはずです。「自分の手で腕時計が作れたらなぁ」と。実際そう考えた私は、某所で簡単な腕時計製作を学んだことがあります。もう随分と昔の話になりますが…
若い頃はセイコー5をベースにした改造MODで遊んだり、調子の悪いムーブメントを換装したり。お遊び程度の経験ならありますが、それすら最近はとんとご無沙汰。老眼が進んだこともあって「時計を作りたい夢」は文字通り〝遠い過去の夢〟になってしまいました (;´∀`)
「DIY Watch Club」さんから一通のメール
2026年2月3日、腕時計喫茶の問い合わせに一通のメールが届きました。
「DIY Watch Club」さん。5年の実績を持つ腕時計メーカーさんで、ユーザー自身が組み立てて楽しむ「DIYウォッチキット」を主力に展開してるとのことでした。
これまでは主に英語圏、特にアメリカに注力していたそうですが… 来る「2026年3月13日(金)19時」に満を持して日本での展開を開始するそうです。そこで、辺境の一ブログに過ぎない腕時計喫茶にも「実体験レビューの依頼」で声をかけて下さったみたいです。
「腕時計喫茶は以前から拝見しており、参考にしています!!」なんて仰って下さいましたし、生来おだてに弱い私としては「うむ!! 任せんしゃい!!」みたいな気持ちでお話を伺うことにしました。
「何やら楽しそうではないか!!」… 久しぶりに〝時計を作れる!!〟… それだけで高鳴るマイハート。枯れかけたモノづくりの魂が… 疼きます!!(笑)
幅40ミリのダイバーズを作る「DIYウォッチキット」が届いた!!

「腕時計組み立てキット」でイメージしていたものよりも、ずっとコンパクトな「DIY Watch Club」のボックス。逸る気持ちを… 抑えません!! 早速開封と参りましょう。
「これから組み立てるダイバーズウォッチのパーツ」が収まる上段

今回送っていただいたのは「40mm クリスタルダイヤル ダイバーズウォッチ MODコンボセット」。お値段「54,800円(税込)」の商品です。
整然と、それでいてファッショナブルなレイアウトで「ケース」「ムーブメント」「ベゼル」「ブレスレット」など時計の「各パーツ」と、組み立てに必要な「道具類」が格納されています。
最後まで私の心が折れなければ、本日中にスケルトンダイヤルの〝小洒落たダイバーズウォッチ〟が完成するはず。組み立て時間の目安は「約2時間」です。こ、これは頑張らねば!! (;´∀`)
そもそも部品点数の多いこういったキットは「どこに何があるか」が把握しやすくなければなりませんが、主要パーツがクリアケースでまとめられているので、初見でも混乱することは無さそうです。
まずは上段の箱に収まっている部材から、一つ一つ説明して参ります。
時計のケースとムーブメント

心臓部に収まるのはセイコー製「NH70A ムーブメント」。スケルトンダイヤル用に細かいオープンワークが施された地板が特徴です。
「ケース」はRolex「5512」「5513」を彷彿とさせるヴィンテージダイバーズ『王道のシルエット』。開口部の大きい「シースルーのスクリューバック(裏蓋)」が組み合わされています。
ケースサイズは幅「40ミリ」、厚みは「13.3ミリ」、ラグ幅は「20ミリ」、ラグトゥラグは「47.5ミリ」です。ダイバーズとしては標準的なサイズですね。
マニュアル通りに組み上げた場合の防水性は「10気圧」。普段使いには充分過ぎますが本格ダイバーズとしてはちょいと心許ない。見たところねじ込み式リューズではありませんし、本気で水に浸かったりは止した方が良いでしょう。
個人的にラブなのは「ベゼルのエッジ」。雰囲気満点です。これなら日常の様々なシーンに馴染んでくれるでしょう… 待ち切れません!! 早く、早く組みたい!! (*´∀`*)
文字盤など

厳重に養生されているので解りづらいですが「文字盤」と「ネジ類」です。
「文字盤」はモダンな『フルスケルトンダイヤル』。ミネラルクリスタル製でダークな色味、しっとりと落ち着いた透けっぷりです。内部が透け過ぎて視認性が意味不明になるようなスケルトンではありません。光線の透過と反射で様々な表情を見せてくれるでしょう。期待できる!!
ベゼルと針

雰囲気満点の「アルミベゼル」と、「時針、分針、秒針」の詰め合わせです。
針はそれぞれ2本ずつ入っています。要するにそれだけ「失敗する確率が高い」ということ。怖えぇ~ (;´Д`)
秒針取り付け補助ツール

時計組立の最難関である「秒針取り付けを補助してくれるツール」です。
頼りなく見えますか?? いえいえとんでもない!! これが超絶スグレモノなのです。後々、全面的に頼ることになりますからね。
ブレスレットとラバーストラップ

シンプルで男性的な「3連ブレスレット」と、こちらもシンプルな「ラバーのストラップ」が付いています。
高級感があるとか、そういう類のものではありませんが、荒削りな仕上げがこれから出来上がる時計本体の雰囲気には合っていると思います。
レザーストラップと割りピン抜き

オプションを選べたので、私好みの「レザーストラップ」を付けていただきました。似合うと思うんですよねぇ~ 特に赤ベゼルのときに (*´ω`*)
手前はブレスレットのコマ調整で使用する「割ピン抜き器具」です。
細かいカスタムにも配慮した設計
完成後も主要なパーツは自由に付け替えが可能。服装に合わせて日常的に試したい「ストラップの交換」も、クイックリリース(アビエ)で工具を使わずに楽しめる仕様です。
「ベゼル」や「針」、「文字盤」なども交換が可能。これらの交換には専用工具とそれなりのスキルが必要ですが、このウォッチキットで時計組み立てを経験すれば、いつの間にか〝必要なスキルが身に付いている〟はずです。
下段には「時計のための道具」がギッシリ!!

下段にはこのような「銀色の箱」が入っていました。最近購入したパソコンの箱もこんな感じでしたっけ?? 何だか眩しいぜぇ~(笑)
何が入っているのかと申しますと…

時計の組み立てに必要な「道具類」が詰め合わせになっていました。

この辺の道具類は、時計を完成させた後も何かと役に立ちそうです (*´ω`*)
それでは、どんな「道具」が入っているか、一つ一つ確認して参りましょう。
ブロアー(ダストポンプ)

まずは「ブロアー」。空気圧でプシュプシュやって埃やチリを吹き飛ばすアレです。
一つ持っていると何かと便利。後でカメラやレンズのお手入れにも使えますね。
キズミとケースオープナー

細かい作業で頼りになる「キズミ」と、ケースバックを開け締めする際に使う「ケースオープナー」です。
ちなみにキズミを目にあてて見ると、私の視力には少々倍率が足りない気がしました。どうしても見えないときは、自前のキズミを使うしかないかも?? (;´∀`)
指サックやクロスなど

細かい部材に指紋や皮脂を付けないようにするための「指サック」と、汚れを落とす「クロス」、塵や埃を粘着して除去する「練り消しゴム(ロディコ)」などが入っていました。
練り消しゴムをネリネリすると、美術予備校時代のデッサンで悪戦苦闘した記憶が蘇ります(汗)
ピンセットと木製ペグ

最後まで活躍する「ピンセット」と、何かと用途の広い「木製ペグ」です。
キットに同梱されているピンセットですし、正直、大した代物ではないだろうと侮っていた私ですが、細かい針も確実に掴むことができる優れものでした。
針押さえが2本

時針、分針、秒針、それぞれを設置するための器具「針押さえ」です。こうして「針押え」を見ると、これから先の苦難が予想されて… 何だか震えてきますね (;´Д`)
今回のキットにおける最大の難関をクリアするために、大活躍してもらわなければいけないツールです。
針取り外し用ツールと精密ドライバー

今回のキットではドライバーの必要な箇所は限定的ですが、それでも一端の「精密ドライバー」が同梱されています。
もう一方の耳かきのような金属棒は「針の取り外し」の際に使用します。もちろん、順調に作業が進んでいれば一度組み付けた針を外す機会はありません。
また、この金属棒は「ベゼルの着脱」の際にも役立ちます。完成後も何かとお世話になるツールですので、無くさないようにしなくちゃ!!
謎のウレタン円盤

この時点では何に使うものやらさっぱり解りませんでしたが、実はめちゃくちゃ重宝するシロモノでした。ヒントは… 裏返したときに必要!!(笑)
作業用マット

「作業用のマット」まで付いていました。
今回は広いスペースで作業を進めたかったので、自前のレザーシートを作業エリアに敷き詰めた上で、こちらの小さなマットを併用することにしました。
カード類(ビデオマニュアルへのリンクが記載)

組み立てキットには紙のマニュアルのようなものは一切入っていません。とはいえ、印刷物で図解されたところで、手順の理解は難しいはずです。
そこで「DIY Watch Club」さんの公式では、購入者に向けた各モデル用の「組み立て動画」を用意しています。
カードに印刷された〝QRコード〟を読み込んで、必要な動画のハブページへジャンプしましょう。
最後までお世話になる「組み立てマニュアル動画」のページ

QRで飛んだ先にあるのが、時計が完成する最後の瞬間までお世話になる「マニュアル動画」のページです。
主要な工程ごとに切り分けられているので、どこかで心が折れて「ここから先は次の休日に頑張ろう」なんてことになっても大丈夫。必要な工程を探すのも容易です。
※インスタも必見です!!
今回の〝作業ルール〟を決める
さて、ここで一旦心を落ち着かせて、今回の作業の「ルール」を決めたいと思います。即ち「組み立てにはキットに入っていた道具だけを使用する」… これです!!
時計の組み立て作業には特殊な道具が必要ですから、何か足りないものがあったとすれば、それだけで「追加の費用」が発生してしまいます。そうなっては折角の「組み立てキットの魅力」も半減。
前述の通り、作業マットとして自前の大きなレザーシートを使用しますが、それ以外はキットに同梱された道具のみの使用をお約束します。
組み立て手順の細部に関してはマニュアル動画を観ていただくのが確実ですが、今回は私自身が組み立てを進める中で「気になった点」に注目しつつ〝私なりのDIY解説書〟を仕立てたいと思います。
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「DIYウォッチキット」組み立て開始!!
作業に入る前に、利き手と逆の親指、人差し指、中指に「指サック」を着けます。ケースやムーブメントを支持する際、ケースなどの内側に指紋を付着させないようにするためです。
作業は長丁場ですし、途中でおトイレに行きたくなる場合もあるでしょう。そのときは面倒がらず、外してから行きましょう(水分が付いてしまったりすると、後悔することにもなりかねません)
①ケースからケースバックを外す

まずは「ケース」から「ケースバック(裏ぶた)」を外します。
ゆるく嵌っているなら指の力でも回せますが、固いときは同梱の「オープナー」を使用します。

「オープナー」を使って、慎重に突起と溝を合わせながらゆっくり回します。私はこの作業が結構好きです。

外れました。合わせて「リューズ」も抜いておきます。
②文字盤の取り付け

お次は「NH70A ムーブメント」に「文字盤」を装着します。その前に巻真を動かして正常に動作するか確かめましょう。針も付いていませんし、指に伝わる挙動で判断するしかありませんが… よっしゃ!! 問題なし。良好な動作です。
文字盤だけは意地でも触らない

文字盤だけは意地でも素手で触らないようにします。特に今回送っていただいたモデルは「スケルトンダイヤル」ですから、ここに指紋が付いた日には悔やんでも悔やみきれません ( ;∀;)
ちなみに通常のダイヤルとは異なり、ムーブメントとダイヤルを固定するための「足」がありません。
ってなわけで、固定は「ネジ」で行います。そのネジがコチラ…

このサイズ感、解りますか?? 蟻さんよりも小さなネジです。こんなの部屋で無くしたら、一生見付けられない自信があります。

ダイヤルの穴にネジを差し込みました。ネジの頭もミクロサイズですから、細心の注意を払いつつ、精密ドライバーでネジを回します。
ネジの受け座はムーブメントの外周部分を覆う樹脂パーツです。余りしつこく回すと樹脂がなめて固定が難しくなりますので「まあ、この辺りかな??」と、丁度良い塩梅を見極める必要があります。
作業に余裕があれば、ダイヤルに合わせて「ネジ頭の方向を調整」してみてください。小さなネジの頭に過ぎませんが、ほんの些細な拘りが最終的な完成度を大きく左右します。
③時針を取り付ける

さて、手先の器用さを求められる作業の最たるものが「針の取り付け」です。中心のロウソクのような形の軸に、下から「時針」「分針」「秒針」と付けていきます。

一番太い軸に付ける「時針の取り付け」はそれほど難しくありません。とはいえ、分針、秒針と先に進む上で、まず大切なのは「時針を正確に取り付ける」ことです。
「時針の装着」が完全でない場合、後々分針、秒針の取り付けにも影響が及びますので、可能な限り針と文字盤が平行になるよう、慎重に作業を行います。
時針の動作を確認

「時針」の取り付けが終わりましたので「文字盤に干渉しないかをチェック」します。時針の回転範囲にはインデックスなどぶつかるものがありませんから、精神衛生上は気安く行うことができます。
こうやって針をクルクル回すだけで、何やら苦労が報われると言いますか… 最高ですねぇ(笑)
④分針を取り付ける

「分針の取り付け」は、時針に比べて少しだけ難易度が上がります。
時針以上にダイヤル面との平行を意識して進めます。試しに回転させてみて、インデックスが干渉したら即アウト(汗)
不具合がある場合は針押さえを使ってクニクニやりながら、可能な限り平行になるよう調整します。
こうして時針と分針が揃ったことで、時計っぽさが一気に増しました。ん~ 良いですねぇ~!! このまま「2針ダイバーズ」として完成させてもお洒落な気がしてきました。
「秒針取り付けから逃げてるだけ」… いやだなぁ~ ダンナ!! そんなこと、あるわけないじゃないですか?? (;´∀`)
とはいえ、老眼と近視と乱視。いうなれば〝見辛さのグランドコンプリケーション〟を抱えている私の眼に、秒針を取り付ける小さな軸が「全く見えていない」のは事実です。
⑤〝難易度最大〟秒針を取り付ける

ってなわけで、このキットのクライマックスは間違いなく「秒針の取り付け」です。この華奢な姿に… 震えるがよい!!(笑)
しかしご安心下さい。経験のない方でも間違いなく秒針を設置できるように編み出されたスグレモノのツールがコチラの「秒針取り付け補助ツール」です。

このように、補助ツールの蓋部分の真ん中の穴に秒針を設置します(拡大して見て下さい)
ところが、この作業がそもそも難儀(笑) これだけで数分は要したでしょうか… 老眼と震え過ぎる指が恨めしい!!(笑)

補助ツール本体に秒針を設置した蓋を取り付けます。これで秒針を確実に中心軸に通すための準備が無事に完了。これを自分の手だけで行ったとしたら… ぷるぷる震えて、大苦戦していたかもしれません(そもそも秒針を断念して、2針ダイバーズに逃げようとしていたわけで…)
この後、針押さえで慎重に秒針を押し込むわけですが、ここでは羽根を扱うような力加減が必要になります。とはいえ、この「秒針取り付け補助ツール」があれば、恐らくはどなたでも秒針を付けることができるはずです。
秒針の固定を確認できたら、補助ツールの「クリアパーツを除去」します。その際、干渉して針を曲げたりしないように、クリアパーツの角度に注意しましょう。
⑥3本の針の取り付け完了

ようやく「3本の針の取り付け」が終わりました。取り付けた秒針が平行にならず悶絶しましたが、針押さえを使って微調整することで切り抜けました。何ごとも焦ってはいけません。
そんな苦労を経ての3本の針。巻真を動かして動作に支障がないことが確認できた瞬間、ワタクシ無意識に「よっしゃあ!!」と声を出していました。それくらい感動しますよ。
はぁ… めちゃめちゃ緊張した~ (;´∀`)
ちょっと休憩。コンビニで炭酸飲料買ってきます!!
ケーシングなど、続きは「次のページ」で
長くなって参りましたので、ここで一旦区切りを付けて「2ページ目」に引き継ぎたいと思います。以下のボタンからお進み下さい (*´∀`*)









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