2025年6月 一部を改訂しました
うちのブログからリリースした記事の中で、他を寄せ付けないくらいダントツに読んで頂いたのは、セイコーの「sarb033と035」の話題に関するものでした。私の文章力の賜物…というよりは「sarb033と035」の人気のお陰であることは言うまでもありません。古い記事なのに未だに結構なアクセスを頂いてますから、衰えない人気と関心の証明だと思います。
しかし、よくよく考えれば絶妙なポジションの時計だった「033と035」。息の長い人気の秘密を考えると、まずはセイコーの世界観を余すところなく体現したフォルムでしょうか。今となってはほのかなビンテージ感漂う趣きと、絶妙なサイズ。それらはビジネス時計としてほぼ完璧な存在でした。
シビアな人間関係が求められる東京でこそ発揮される「SARB033・035」の本領
東京に転勤後、ビジネス風味の服装で多くの時間を過ごすようになって「033と035」の使い勝手の良さが身に沁みて解りました。実際、カジュアルな服装で通していた大阪時代よりも「033と035」の登場機会は大幅に増えています。
何が起きても「まあ… ええがな」で済ませがちの大阪と違い、全てがシビアな東京本社。私自身のゆるゆるな性格は一朝一夕で変わるものではありませんが、「せめて形だけでも」と考えたとき、ビジネスマンとして余計な印象を残さない…「敵を作らない性能」で言えば、SARBの2本に勝るものはありません。「白黒」揃っていますから、どんな服装にも合わすことができますしね!!

時計としての基本性能に目を向ければ、搭載されるキャリバー「6R15」の安定した動作も見逃せないところです。今となってはそこそこお高い時計に搭載される印象のあるムーブメントですが、ほんの1年前までは4万円もしなかった「033と035」で味わえたのです。実によい時代でした…恐らくもう戻ることはないでしょう。
確かに今でも、探せば新品を売っているところはあります。アマゾンだと「033(黒ダイアル)」は在庫切れでしたが「035(白ダイアル)」はありました。お値段「6万5898円」…だったのですが、この記事を書いているうちにさらに値上がり「7万3998円」になってしまいました。うわぁ…(;´∀`)
ちなみに私自身は「3万3943円」で購入しています。ぶっちゃけ倍額の強気な値付け。ROLEXもビックリの上昇率になってしまいました。ごくフツーのセイコー自動巻きでここまでプレミアが付くのは実際、珍しいのではないでしょうか?
とりあえずこの「6万5898円」というお値段を覚えておいて下さい。ここからは「現状買える6R搭載の腕時計」の中から、私が「033と035の代わりになる」と思う時計を紹介していきます。
プレザージュ チタンモデル(SARX057)

sarb033、035の後釜的にはピッタリな一本です。ブレスの高級感が増している分、ドレス寄りな雰囲気もあります。ケース幅は約41ミリ。
これなら多少堅苦しい席でも気後れすることなく使えそうです。しかし問題はお値段…アマゾン価格で2021年1月現在「10万6530円」となっております。ひぃ~高いよう(;´Д`)
この黒ダイアルは033の雰囲気を現代でリビルドしたような存在に見えます。033を買いそびれちゃった人や壊れて買い替えを思案中の人なら、このフォルムを見れば候補の一番手に上げるかもしれません。
でもねぇ…やっぱり、ちとお高い(´;ω;`)
とはいえ、ハンドの造形や仕上がりはこちらの「SARX057」の方がはるかに格上です。ブレスもだいぶ上品です。よりグランドセイコーっぽい気もしますね。
う~ん…高くなるのはしょうがないのかなぁ…
プレザージュ メカニカル(SARX045)

細身のハンドと引き絞ったインデックス、ライン状のギョーシェをまとったダイアルが033と035に比べるとかなりドレスよりではありますが、スポーツライクなブレスの印象も強く、全体的にはラグスポ風味の時計だと思います。ケース幅は約40ミリ。
キレイ目ですから、身体を動かす仕事というよりは、デスクに張り付いて仕事をする方の袖口を飾るに相応しいように思います。ホコリにまみれるのが似合う時計ではありませんね(*´∀`*)
ちょっとしたお呼ばれの席でも、これなら気後れすることはないでしょう。仕事の延長で大切な人に会わねばならない時を想像してみて下さい。社会人としていろいろ考えた時、これは「正解に近い」腕時計だと思います。
ちなみにアマゾンでは現在「5万9800円」です。シンプルだけど高級感があって価格以上の所有欲を満たしてくれるかもしれません。6Rですしね。
プレザージュ プレステージライン(SARX033)

美しい青針が印象的な一本。絶対に飽きのこない普遍のボディーラインと共に、現代的な新しさも同時に感じる時計だと言えます。 一見してほぼ「SARX057」と同じようなものですので、アマゾン価格で「7万7000円」というのは買い得にも写ります。
幅広い年齢層に受け入れられるであろう懐の広さがありそうですし、日常使いからビジネス、フォーマルの席にまで対応できる万能さは、まさに「買って損なし!」の033と035の後継と言っていいのかもしれません。ケース幅は40.8ミリ。
sarb033と035の後継を名乗るなら、必要なのはむしろ目立たぬ奥ゆかしさ、そして、だからこそ発散される色気がなければなりません。この「SARX033」も同様に、一見して凡庸なフォルムからは想像できない、様々な魅力を感じ取ることができます。
ブランドとしてこれからの時代を睨み、そのラインアップを戦略的にリビルドするならば、懐かしいセイコーの空気を守り抜いてくれたsarb033や035のような逸品とて、「SARX033」のような「これからのスタンダード」にその座を明け渡すのは仕方がないことなのかもしれませんね。少し淋しくもありますが…(;´∀`)
プレザージュ 琺瑯ダイヤル(SARX049)

抜けるような透明感のある琺瑯のダイアルが大人の色気を感じさせる一本。これまでに上げた生粋のビジネスモデルとは異なり、休日に図書館にでも着けて出掛けたくなるような知性的な雰囲気をまとっていると思います。普段は絶対に読まないような本でも読みたくなってしまいそう(*´∀`*)
針のように細い筆致のローマンインデックス、さり気ない色変化で視覚的な遊びもある青針。クラシカルなラインを持ったリューズの存在感もまた、10万円クラスのセイコー時計としては他に類を見ないものだと思います。ケース径は40.5ミリ。クラシカルな雰囲気の時計ですが、大きさは現代的です。
そもそもこの時計の特徴「琺瑯ダイアル」はなかなかに贅沢なシロモノです。スイス製の高級品の中にも嗜好品として作られた琺瑯ダイアルがありますが、それらは目玉が飛び出るような価格が付けられています。この価格で同様の雰囲気が味わえちゃうのですよ。
sarb033、035の代わりにと考えると、ブレスではありませんし、そもそものコンセプトが異なります。しかし、これはこれで間違いなくスーツに映えます。っていうか、スーツが映えます。
ここまでハッキリ言えるのは、使っている人を実際に見たからです。グレーのシンプルなスーツにカーフストラップ&白ダイアル…イケメン!お主やるな!って思いましたね。
アマゾン価格は「7万5300円」、さらに10%のポイントが付きます。現状の6R15搭載品の高騰を考えると、コイツはかなり魅力的じゃないですか?
カーフストラップを外してミラネーゼにしても、色っぽいと思いますぜ旦那!
プレザージュ プレステージライン コアショップ専用モデル(SARX077)

ドレス寄りのシルバーダイアルモデルがありますが、この「sarx077」に関して言えば、このブルーのダイアルが私的には一番そそられます。
複雑な光線の乱反射を生み出す精緻なギョーシェの美しさはこの価格帯ではまさに出色の出来映え。緊張感のある起伏が連続する模様は、麻の葉を模したものだそうです。海外では日本の伝統柄は完成されたグラフィックデザインとして高い評価を受けていますよね。家紋などはコレクターや研究者が存在するくらいです。
ビジネス時計でありながら、華やかな席にも通用するドレスウォッチとして、所有者のステータスを損なわないだけの「格」が、この「sarx077」にはあります。
パワーリザーブ70時間を誇る「6R35」を搭載。ケース幅は39.3ミリ。幻想的なダイアルにハンドやインデックスが浮かび上がるさまは、さながら万華鏡のようです。律儀なビジネス時計の顔と工芸品レベルの美術性を併せ持つ「sarx077」は、現代を生きるビジネスマンの袖口に、絶妙なクラス感を生み出す一本ではないでしょうか?ただしお値段はち~とお高め…11万円也(;´∀`)
最後に… SARB033と035に比肩するモデルを出すことが、プレザージュの使命ではないだろうか??(大袈裟ではなく)
とりあえず、sarb033と035の後継になりうると私が考えた「5機種」挙げさせていただきました。もちろんキャリバー「6R」搭載の時計は他にも色々あります。しかしここでは、どちらかというと不器用なフォルムのセイコーらしい時計を集めてみました。外見一本槍で選んだお陰で、似たような時計が集まってしまいましたが(;´Д`)
当然のことながら「自分だったら!」という気持ちをフルスロットルにして選んだわけです。特に琺瑯ダイアルの「SARX049」は、まぁ…かなりヤバい(笑)白ダイアルにローマンの組み合わせ、私のツボなんですよ。ブレス仕様で「ザ・ビジネスウォッチ」な033と035を持っている身としては、心の隙間にスルリと入ってきそうなのが、柔和な顔つきの「SARX049」といえるかもしれません。
sarb033と035がビジネスシーンで「ほぼ無敵」なことは百も承知です。ここ数ヶ月で、改めてそのデザインと機能が優れていたことを再認識しました。けれど時代は移ろい「キャリバー6R」の価格は上がりました。悲しいけれど、これも世の定めってヤツなのでしょう。諸行無常です。
なればこそ「今のセイコーを体現した時計」として、6R搭載の時計を楽しみましょう。価格は倍加しちゃったけど、そもそもsarb033と035にはそのくらいの価値があったのですから…前向きに考えてみてもよいかもしれません(*´∀`*)
こうやって挙げ連ねてみるとよ~く解ります…やっぱ日本人には「セイコー」ですな!
※追記です
2025年現在、上で紹介したモデルのほとんどが市場から消えていることに気付きました。元は21年にリリースした記事でしたから、たった4年で流通しなくなったということになります。早いなぁ~ (;´∀`)
恐らくは同系統のニューモデルに取って代わられた結果だと思いますが、SARB033・035という「アイドル」に比肩するモデルは未だ現れていません。中古市場でもほとんど見ることのないこの2本が、現役当時の安さからは想像もできないほどオーナーの心を掴み、手放せないポジションであり続けているのは間違いないでしょう。
先ほど「プレザージュの現行ラインナップ」を見てきましたが、「Classic Series」で価格の中央値が「15万円」でした。いや、言っても詮無きことと解ってはいますが、私が購入した際のSARB035は「3万3900円」ですからね!!
「6R51」のように確実にリファインされて性能向上を果たしたムーブメントが搭載され、時代に応じた価格上昇を繰り返してきたプレザージュではありますが… 当初の役割である「機械式入門編」からは逸脱してしまった気がします。
SARB033・035の復刻がなされたとしても、その価格も恐らくは15万円前後になるでしょう。そうなると「他の候補」も目に入ってきますから、033・035に対する「想い出補正」がどこまで効くか…
つくづく、価格も含めて「SARB033」「SARB035」という時計の偉大さが沁みますね (;´Д`)









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