こんな有り様の私をさらにマニアックな〝時計沼〟へと突き落とした… いや、引きずり込んだお店が皆さまもご存知!! 時計紳士御用達の「HºM’S” WatchStore 表参道店」さんでございます。本当にねぇ… 少しでも「拘った時計が欲しい」という考えが頭をよぎったことのある方であれば、あのお店は心地よい「天国」でもあり、気を揉ませる「無間地獄」でもあるわけでして…
「今日は見るだけ!!」と誓った日ほど〝ヤバい時計〟に出くわす
腕時計好きだからこそなのですが… 腕時計と〝接するのが辛い〟ときがあるのですよ。ここでこんなサイトを運営している時計馬鹿の私ですし、皆さまが想像するイメージは「年がら年中腕時計でハッピーな男」ってな感じでしょうか?? きっとそうでしょうね… そうでしょうとも。
それもあながち間違いではありませんが、年に数回は「腕時計を遠ざけたい期間」があるのも事実です。「好き過ぎてツラい」とでも申しましょうか… 好きな時計を好きに買える身分ではありませんし、欲しい時計を苦い思いで数回見送ったりすると、後悔と諦観が入り混じった〝しんどい心境〟になってしまうのです。
何となく「リセットしたいなぁ」なんて気持ちになるのはそんなとき… まあそれだけ、私にとって「腕時計道」は茨の道なのですよ (;´∀`)
とはいえ、大昔から基本的には「腕時計大好きっ子」ですし、この先もずっと好きでいたいわけです。だからこそ買えないことに胸がきゅーっと締め付けられても、懲りずに腕時計を見に行ったりするのですが…「どうせ買えないし今日は見るだけ!!」と心に決めた日であっても、そんな誓いとは無関係に、幸か不幸か〝良い時計〟に出くわすことがあります。
「お見せしたいものが」からの… 時計地獄(天国)
結構久しぶりに「HºM’S” WatchStore 表参道店」さんにお邪魔しました。ここ最近、面白い時計が頻繁に入ってきているようで「実機を見たいなぁ」と熱望していた時計が何本かあったからです。ミナセを購入したばかりですし何も買えそうにはありませんでしたが、見て触るだけならお財布もノーダメージで済みます。
下世話な話で恐縮ですが「お金を使わず遊ばせてもらおう!!」と思ってお店に行ったわけです。しかしながらそういうときほど「逃げられない時計」に出くわすものです。ワタシ的には珍しくない話だったりします(笑)
「久しぶりですねぇ」「先週一緒に餃子食べたやん(笑)」といった他愛のない話を店長と交わしつつ、他のお客さんも巻き込んでの〝時計トーク〟に花が咲きましたが、その最中でした。
「お見せしたいものがありまして!!」… 来た!! と思いましたね(笑) この〝言葉〟を聴かされた後の購入確率は80%を超えているはずですから、そんなつもりのない私にしてみれば、見たいよりも〝恐いの感情〟が先に立ちました。何が出てくるんだ… 見たい!! でも、止めてくれ!!(汗)
見たらアカン「3本」を見せられる
計「3本の時計」が出てきました。一本は〝二度と見ることはない〟と思っていたシロモノです。正直、私のコレクション的にはそれを手に入れるべき「論理的な必然」がありました。
次の一本は初めてお目にかかる時計。見た瞬間に息を呑んで、そのまま箱に戻して〝そっ閉じ〟しました。あと3分も見ていたらヤバいと感じたからです。何だあの完成度は… 抜群に良かった…
そして3本目。これも初めて見るモデルでした。横合いからガツンとハンマーでぶん殴られたかのような〝えげつない衝撃〟 嗚呼… このタイミングでこんなものを見せられるとは。金欠のワタシに対して、神さまの何たるいけずなことか (;´Д`)
天国なのか地獄なのかよく解らない状況でしたが、たった一つ確かなことがありました。この中のどれを選んで購入しても、帰りの途は〝スキップランララン〟に違いないということが。
清々しい時計ブランド〝AQUASTAR(アクアスター)〟の「BENTHOS PROFESSIONAL(ベンソス プロフェッショナル)」を購入

突然ですが先日、久しぶりに「お米」を買いました。ここ最近の高値で、値札を見ると腰が引けちゃって… さすがにマズいと〝清水ジャンプ〟して「2キロを購入」。主食で苦労する日がやってくるとは… フランス革命か!!(汗)
「時計買ってる人が何言ってるの??」という声が聞こえてきそうですが… 主食と比べるまでもなく、時計にもちゃんとありますよ??「納得できる価格」と「できない価格」ってヤツが。
例えば、使っている素材や搭載するムーブメントなど、他と比較可能な部分で大差がないにも関わらず、著しく「高価格設定」された時計は買いたくありませんよね??
皆さんもきっとそうであろうという前提でお話しますが、価格に〝説得力〟さえあれば、少々高かろうが文句はありません。問題は「高価である根拠が乏しい時計」。スイスだとかブランドだとか、そういった〝雲霞のような価値〟で価格を上げられたところで、同じようなスペックでずっと安価な価格設定の時計が存在するのであれば、その高級時計も〝その辺りの価値が妥当〟ということになります。材料費?? 人件費?? ならば同じ条件のはずのスイスブランド間で、大幅な価格差が起きる理由は何なの?? という話です。
そんなモヤモヤも〝いつものこと〟にされてしまうのが一番の問題です。しかし、欧州にも〝山の清水〟が如き気持ちの良い時計メーカーが幾つか存在します。本日はそんな〝気持ちの良い時計ブランド〟の一つ、知る人ぞ知るダイバーズメーカー〝AQUASTAR(アクアスター)〟さんの「BENTHOS PROFESSIONAL(ベンソス プロフェッショナル)」をレビューさせていただきます。前述の「見たらアカン3本」のうちの一本を購入したわけです。あっさり負けとるがな (;´∀`)

いやいや、これは無理ですよ。買わなかったら後悔するヤツです。詳しくは後ほどお話しますが、使っている材質やスペックを考えたら、とんでもなく「お買い得なダイバーズ」だと思いました。

試着するたびに〝たじろぐ時計〟の存在

さて時計愛好家の皆さま、いざ購入の機運も高まって販売店に行くと想像して下さい。
逸る気持ちを悟られないように、大塚明夫さんばりの落ち着いたトーンで「そのダイバーズを見せて下さい」と店員さんに伝える。すると程なくして、お目当ての時計がトレーに載るでしょう。
その刹那、無意識のうちに「たじろぐ時計」がありませんか?? 価格やブランドにビビっての反射とは異なり、自分の意識が自然とステップバックする瞬間があるのです。私の場合、その代表格は「ウブロ」、お次が「セイコーのタートル系」。
「ウブロ」はもう… 嫌われてるとしか思えなほど相性が悪くてですねぇ。他人さまが着けているのを見る分には「かっけぇな!!」と思うのですが、自分が着けると「何故に??」とツッコみたくなるほど違和感があるのです。ウブロさんが求める着用者の資格を持っていないのだと思います。それでも時間が経つとイケる気がしてリマッチを挑むと… 結果は変わらないんですけどねっ(汗)
迫力に気圧され続けた「セイコーのタートル系」
もう一つの〝たじろぐ時計〟である「タートル系」に関していえば、私の〝覚悟が足りない〟ことが原因かもしれません。
「Cラインのダイバーズが欲しい症候群」でたびたび発作が起きるワタクシですので、折りに触れブティックに赴き、腕に載せてみたりするわけですが… 例えば現行の「SBDY125」の場合、載せるたびに迫りくる〝パワー〟に気圧されるばかりでした。ケース径45ミリですから丁度、慣れ親しんだラジオミールくらいのはずなのですが、腕に載せるたび異様にビビってしまうのです。
ぽてっと膨らんだCラインのダイバーズが欲しいくせに、いざ載せるとその〝ぽてっと〟に気後れる。要するに「デカかろうが意地でも使いこなすぜ!!」の〝意地の部分〟に確固たる信念がなかったのです。故に「ま、もう少し先でもいいかな??」なんて、何とも逃げ腰な言い訳で後回しにしてきたのが、私にとってのタートル…「Cラインのダイバーズ」でした。
念願の〝ドンピシャCラインのダイバーズ〟で歓喜!!

そんな私に突如やってきた、憧れの〝Cライン ダイバーズ〟アクアスター「ベンソス」との出会い。しかも、国内に〝たった一本のみ〟入荷した黒い「プロフェッショナル」との邂逅には全身に電流が走ったかのような衝撃を受けました。「ナニコレ!? めちゃめちゃ好きなヤツですやん!!」… 黒く色付けられたケースに差し色のオレンジ、ツヤツヤのベゼル、2時位置のリューズ、そして欲しかった絶妙なサイズ感…
この日提案された3本はどれもこれも〝買って損のない時計〟に該当していました。そんな熾烈な脳内競争を勝ち抜いて購入を決意させた「ベンソス プロフェッショナル」の図抜けた魅力。
「持っていないタイプの時計」であったこと、「2本目のアクアスターをいずれ…」と狙っていたこと、ここしばらく「最近ダイバーズ買ってないなぁ」と密かにモヤっていたこと… などなど。「ベンソス プロフェッショナル」に落ち着く論理的な理由は幾つもありました。しかし、最大のトリガーは「とにかく格好良かった」からです。秒で解りましたもん。これはマジでヤバいと。
ってなわけで、ここからは「ベンソス プロフェッショナル」の〝何がヤバいのか??〟を中心に展開して参ります。ホントにヤバい時計ですので、散在したくない方はお心を強くお持ち下さい(笑)
薫り高き〝70年代〟を象徴する「Cライン」

60~70年代のオリジナルモデル「BENTHOS 500」を極めて忠実に復刻した「ベンソス プロフェッショナル」最大の特徴は、その年代に流行した〝トノーシェイプ(樽型)〟または〝Cライン〟と呼ばれる「ラグ一体型ケース」です。
70年代を中心に一時代を築いた〝Cラインケース〟ですが、ダイバーズでの採用となるとまずはセイコーの「植村ダイバー」や「タートル」を生み出した一連の流れを連想する方が多いかもしれません。
植村ダイバーは「セイコー プロスペックス ダイバースキューバ 1970 メカニカルダイバーズ」として2019年に復刻されたこともあって今も記憶に新しいところ。やたらクールなラバーストラップが付いていましたっけ(ストラップだけ欲しいとか、当時は不埒なことを考えていました)
セイコーダイバーズの歴史に照らすと「ベンソス」のケースデザインが一番似ているのは150メートル防水の「6105-8000」でしょうか。「ベンソス」のリューズ位置を4時位置に反転させたら、丁度そんな感じになりそうです。
都市生活に落とし込みやすいケース径「42ミリ」

ケース径43ミリとの情報もある「BENTHOS 500」に対し、「ベンソス プロフェッショナル」は〝42ミリ〟 13.7ミリに抑えた厚みと相まって、しっかりと現代のニーズに合わせたリファインがなされています。
少なくとも私にとっては、このケース径「42ミリが完璧」でした。これまでに購入した時計を振り返ったとき、43ミリ幅から急に「デカい時計」としての圧が強くなる気がしていたからです。たった1ミリのことなのに… 絶妙なバランス!! ちなみに私の手首周りは16.5~17センチですのでほぼほぼ「日本人男性の標準」くらいです。

「38ミリとか、もっと小径でも良いのでは??」… 細腕民の方はそう仰るかもしれません。ただ、私は「ベンソス プロフェッショナル」の42ミリを〝必然〟だと考えています。
小さいと〝可愛げ〟が出てしまう「Cライン」

「Cラインケースのスターモデル」といえば、「ノーチラス」や「ロイヤルオーク」を手掛けた〝チャールズ・ジェラルド・ジェンタ氏〟のデザイン、オメガ「コンステレーション Cライン」でしょう。ここからCラインの歴史が始まるわけですしね。
「コンステレーション Cライン」はケース径が約35ミリ。当時としては大ぶりな時計だったかもしれません。とはいえ、膨らんで見えがちな「Cラインデザイン」であっても、現代のサイズ感覚における小径として見れば、随分コロンと可愛らしく見えます。曲線主体のフォルムにむしろ女性的なイメージを強く感じるかもしれません。

要するに〝Cライン〟は小さくすると「可愛くなってしまう」のです。まるで一粒の高級チョコレートのように、妙に愛らしく見えるのです。ドレスウォッチであれば現代においてもそれで良いでしょう。しかし「ベンソス プロフェッショナル」はダイバーズです。ヘリウムエスケープバルブまで備えた「ガチダイバーズ」なのですよ。
もしも貴方がバルク自慢の〝肉体派〟だとして、意中の女性から欲しい褒め言葉は「格好良い」や「男らしい」ではないでしょうか?? ガチダイバーズの「ベンソス プロフェッショナル」だって同じ。小さくなって「丸くて可愛い♥」なんて言われた日にゃ… 私が〝ケース径42ミリ〟を「Cラインを男らしく見せる下限サイズ」であると考える所以です。
リューズを「2時位置」にした理由を考えてみる

リューズに関しては「4時位置だと〝セイコー〟っぽくなるし、それで〝2時位置なのね〟」とシンプルに考えることもできますが、実はワタクシ、「ベンソス プロフェッショナル」で初めてベンソスシリーズを手にしたことで気付いてしまいました。〝2時位置のリューズ〟って、凄く巻きやすいんです。もしかしたら〝3時位置〟よりも巻きやすいかもしれません。指先に力を入れやすい手首の角度に自然となるからかも??
ちなみに〝4時位置〟にあるのは「ヘリウムガス抜きのバルブ」です。
「SUS904L」を塗りつぶすとはねぇ…

「それ904なんですよ~」とHMS表参道の店長から聞かされた瞬間、「ナニ勿体ないことしてるねん!!」と返したワタシですが、それもそのはず… 真っ黒な「DLC(ダイヤモンドライクカーボン)」でコーティングされたケースの素材が〝SUS904L〟ってアンタ…
ロレックス風に言えば、要するに「オイスタースチール」ですからね。微妙とはいえ、316Lの横にロレックスを置くとやっぱり違いが解りますし、そこに〝グッとくる〟わけですよ。そんな微妙な贅沢を惜しげもなく塗りつぶし、これといってアピールするでもないアクアスターさん。

「ベンソス ヘリテージ Ⅱ」のようにSS無垢であれば、自ずと904Lの味わいにも気付けるかもしれませんが、ここまでキレイにしっかりと黒くされたらまず解りません。「こう見えて904なんやで~」と内心で自慢しつつ、風合い以外の利点(海水・汗などに対する高い耐性)でニヤニヤするしかありません。
まあ、例え地金が何であっても、このDLCは本当にキレイです。真っ黒なのに金属の風合いと重量がしっかりと感じられますし、何と言っても炭素系硬質膜で硬度、耐摩耗性が強化されているわけですから、ガチダイバーズとしては「意味のある黒」と言えるでしょう。確かモナコの黒ケースも「DLC」でしたね。イメージして下さい。あの〝黒〟です。
抜群の腕載り性能のカギは「絶妙なケースサイズ」と「ラグ」にあり!!

この日に拝見した時計はどれも「一期一会」に近い希少なモデルでしたので、どれを買っても「増量」された喜びを味わえたと思います。その中からアクアスター「ベンソス プロフェッショナル」を選択させた〝エクスペリエンス〟が「腕載り」です。見た目の迫力とは裏腹に、吸い付くこと吸い付くこと…
これは〝42ミリ〟という絶妙なケースサイズと、〝下へ下へ〟とストラップ位置を下げるように設計された「ラグ」によるものです。手首に巻いた瞬間、まるで〝カチッ〟と音が聞こえるようでした。吸い付くというより「手首にセットされた」という表現が相応しいほど、見事に違和感なく巻き付いたのです。


もちろん、標準装備された「ISOfrane ラバーストラップ」の上質な肌触りが果たす役割も絶大です。相当な厚みがありますが、とにかくソフトで腕に馴染む。しかもこの手の大型ダイバーズでは珍しい「ラグ幅20ミリ」ですよ。ストラップの着せ替えごっこが捗りそうです。さあ、どちらのお店でビスポークをお願いしようかなぁ~(笑)
これまた意味深い〝黒〟の文字盤

ラッカー仕上げだと思いますが、ここ最近のラッカーは「エナメルか!!」とツッコみたくなるくらいに美しいものが増えました。「ベンソス プロフェッショナル」のブラックダイヤルも、これまたとろけるような出来栄えです。
抑え加減の光沢で均一に広がる黒い平面に、細部まで丁寧に仕上げたインデックスが息づいています。針、特にアロー型秒針の強さに負けないアワーマーカーの存在感が、ダイヤル要素の整理整頓に果たす役割が見事です。とても60、70年代に完成していたデザインとは思えません。

アプライドインデックスなどに見られる蓄光には、最上級グレードの塗料「X1スーパールミノバ」が使われています。ほんの少し陽の光にあたって室内に戻ると、そこから5分くらいはぼんやりと光っていました。光が強い!!
よく出来た黒いケースに目を奪われがちな「ベンソス プロフェッショナル」ですが、ダイヤルの魅力も半端じゃありません。これで実機を見せられたら… しょうがないですよ。しょうがない!!
120クリックのベゼルは「セラミック製」

オリジナルの「Benthos 500」に関する資料が乏しくて申し訳ないところですが、オリジナルのベゼルインサートは恐らく〝アルミ〟でしょう。写真で朽ちたベゼルを見てもお馴染みの剥離具合ですし、アルミだと思います。そもそも私がアルミインサートが好きな理由の一つは「朽ち方がシブい」からです。
対する「ベンソス プロフェッショナル」のベゼルインサートは〝セラミック製〟…「アルミベゼル至上主義」の私にしたところで、この美しさには兜を脱ぐしかありません。ツヤツヤブラックの色気が凄まじいです。

回転ベゼルにおける〝何気に重要なポイント〟が「クリック数」です。安物ダイバーズでありがちな「12時の三角が真ん中に来ない問題」も、1クリックの幅が大き過ぎて微調整が効かないゆえに発生します。アレは地味にストレスなんですよねぇ。
「ベンソス プロフェッショナル」なら心配ご無用。ベゼル調整のためのギアは〝120クリック仕様〟です。0.5秒角という細かい単位でベゼルを調整できるため、三角もキッチリ12時のセンターで合わせられます。
ムーブメントはETA2824〝エラボレ グレード〟

ずっと同じものが載っていたとは考えにくいのですが「Benthos 500」には〝AS2162〟が使われていたそうです。アシールド(AS)かぁ… 激アツですね!!
変わって「ベンソス プロフェッショナル」のムーブメントに関しては〝アクアスターの良いヤツ具合〟が良く出ています。公式スペックシートによりますと…
〝スイス製 ETA 2824-2 エラボレ グレード〟搭載

「2824」ですからね。めちゃめちゃ「普通」です。性能は悪くないが主張する個性はない… そんな事情から恐らくは、世界で一番「覆面状態」で扱われたムーブメントだと思います。〝エタポン〟の正体として腕時計愛好家を落胆させた数でも、恐らくは世界一でしょう。それだけトップ級のブランドにも浸透していたわけです。だからこそ正体を隠され、だからこそ〝ニコラス・G・ハイエック翁〟がブチキレたわけですが… (;´∀`)
近年はSellita SW200やSoprod A10など「2824 クローン」が隆盛を極めていますし、その〝始祖〟としての存在感はかつてない程大きくなっています。その辺りのモメンタムに無関心で、未だに2824であることを隠すブランドさんには猛省を促したいところです。
その点、小規模メーカーであるアクアスターさんにしてみれば、時代を席巻してきた2824の搭載はむしろ誇りとするところでしょう。わざわざグレードにまで言及して「Elabore(エラボレ)」であると明かしているところも可愛らしい。「標準仕様じゃないぞー!!」とアピールしたい気持ちも解りますしね(笑)
ちなみに2824-2のグレードは、トップの-4~+6 秒/日「クロノメーター」から、-12~+30 秒/日「スタンダード」まで4つに分類されています。部品の選別、調整の追い込みなどでここまでの性能差が生まれるわけです。そして下から2番目、-7~+20 秒/日に精度改善された〝プチ贅沢品〟が「エラボレ」。標準品よりも精緻に入念に作られたという意味のフランス語「élaboré」から来ています。
プロが要求する〝ガチな潜水能力〟

「ベンソス プロフェッショナル」はガチな見た目に相応しく「300メートル(990フィート)防水」の性能を持っています。一般的なスキューバはもちろん、さらにハードな潜水にも耐えられる作りです。プロダイバーのためのブランドとして知られるアクアスターさんですから、これはある意味当然でしょう。
そんな水圧にも耐えられる風防は「フラットサファイア」。トリプル反射防止コーティングを施し、水中での複雑な乱反射状態での視認性を確保します。
私は海に入るのが苦手で(断じてカナヅチではない)今後「ベンソス プロフェッショナル」の潜水性能を試す機会もありませんが、そのうち、一緒にお風呂にでも入ってみようかと思います (*´ω`*)
最後に… アクアスターが手掛けると、ガチ性能もやたら「お洒落」になります

「ディープスター 39ミリ クロノグラフ」についての記事を書いたのは今年の8月。購入から結構な時間を置いてのレビュー記事でしたが、その分、多くの切り口を見付けることが出来たと思います(まだの方は是非)
お世辞でも思い込みでもなく、こんなに美しいダイバーズは存在しません。ラグスポ並に上品なので、「これを海水に浸けるなんてちょっと…」と躊躇してしまいそう。ダイバーズのくせに海水をためらわせる時計なんて「ディープスター」くらいじゃないでしょうか??
比較すると「ベンソス シリーズ」は、遥かに「よっしゃ潜るか!!」と思えるダイバーズだと思います。他に誰も見ていない海中で、ひっそり着ける拘りのダイバーズ… 思う存分、ほくそ笑んで下さい(笑)
こうして「ディープスター 39ミリ クロノグラフ」と「ベンソス プロフェッショナル」を並べてみると、どちらもスポーツウォッチには不似合いなくらいの美しい見た目をしています。ディープスターはやはり高級ラグスポっぽいですし、ベンソス プロが放つ〝色気〟もたまりません。
何より、アクアスターの時計は全てが「お洒落」です。機械物のデザイナーが売るために仕込む〝お洒落ポイント〟とは根本的に異なる手法で、それぞれのモデルをとてもドレッシーに仕上げています。ツール・スポーツ系だから無骨で粗野でも構わない… どうやら、アクアスターさんのデザイン哲学に、そういった〝甘え〟は存在しないようです。

ロレックス サブマリーナが細胞分裂したかのような「ありがちダイバーズ」に飽きた方には、是非一度、伝説のダイバーズウォッチメーカー「アクアスター」を検討していただきたいと思います。〝ありそうでなかった〟と出会えるはずですから (*´ω`*)
| AQUASTAR BENTHOS PROFESSIONAL 仕様 | |
|---|---|
| 項目 | 内容 |
| ブランド | AQUASTAR(アクアスター) |
| モデル名 | BENTHOS PROFESSIONAL(ベンソス プロフェッショナル) |
| ムーブメント | ETA 2824-2(Elabore グレード)自動巻き |
| ケース素材 | SUS904L ステンレススチール(DLCコーティング) |
| ケース径 | 42mm |
| ケース厚 | 約13.7mm |
| 防水性能 | 300m(990フィート) |
| 風防 | フラットサファイア(トリプルARコーティング) |
| ベゼル | 120クリック・セラミック製インサート |
| リューズ位置 | 2時位置(ヘリウムエスケープバルブ:4時位置) |
| ストラップ | ISOfrane ラバーストラップ(ラグ幅20mm) |
| 夜光 | X1 スーパールミノバ |
| 特徴 | トノーシェイプ(Cライン)ケース、70年代「Benthos 500」復刻デザイン |
| 価格 | 262,350円(税込・購入時) |
| 購入店舗 | HºM’S” WatchStore 表参道店 |
補足資料:AQUASTAR(アクアスター)について

スイスの伝説的ダイバーズウォッチブランド「アクアスター」は、ダイバーであり船乗りでもあったフレデリック・ロバート氏により1962年、設立されました。設立当初から一貫してスポーツダイビング、プロの科学調査や水中探検に至るまで、あらゆる海洋活動が可能な時計の製造を目的としていました。
その目的のためにロバート氏は画期的な特許を幾つも取得。これにより、高い防水性を持つリューズ、インナー回転ベゼル、特殊な無減圧計算ベゼルなど、プロのダイバーが求める多くの機能の実装が可能になりました。
多くの例に漏れず、アクアスターもクオーツショックに端を発する激動の時代に翻弄され、ロバート氏の引退後は幾度かの買収を経験しました。ただ、アクアスターにとって幸運だったのは、それらがアクアスターの理念を理解した上で行われた買収であったことでしょう。
細々ながらレガッタ計時時計などでヒットを飛ばしていたアクアスターでしたが、2019年には同じダイバーズウォッチメーカーである「DOXA」を手掛けたリック・マライ氏の「シンクロン・グループ」に買収されたことで、他には見られない優れたアーカイブが再び注目されることになりました。









ご意見・ご感想
コメント一覧 (2件)
秒針が大きくてかわいい!
一瞬GMTかと思いました。
無骨さの中に、大きい針だったり
差し色が入ってたりでチャーミングなポイントもあってバランスがよいですね!
ベゼルの質感も良さそうですね〜
セラミックベゼルはいつでもツヤツヤピカピカで傷が付きにくいのでたまにはいいかもしれませんよ〜?
Y太さま、コメントありがとうございます♫
私もGMT針が高速で回っとる!!って思いました(笑)
たまたまタイミング良く買えましたが、実は探している方がいっぱいいました(汗)
確かに、これは欲しくなるダイバーズです。
アルミ派の私ですが、たまにはセラミックもありですね。
高級感が段違いです(*´∀`*)