『Baltic』フランスの洒脱が詰まった〝ネオ・クラシック〟

アイスブルーのニクいヤツ… KENTEX(ケンテックス)『MARINE GMT アイスブルー MOP(S820X-12)』を託されたので、じっくり検証します!!

 「男子、三日会わざれば刮目して見よ」なんて言いますが、特に若い人の成長速度には凄まじいものがありますよね?? 3日は大袈裟だとしても1年もご無沙汰した後に会うと「同じ人か??」と疑いたくなるほどの変化を遂げている場合が少なくありません。私なんて1日ごとに退化していくだけなのに (;´∀`)

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若い気持ちを持つ時計メーカーの進化に目を瞠る

若いときの苦労は買ってでもって言いますけどねぇ

 それはモノ作りで存在を示し続ける「メーカー」にも言えることです。失敗を恐れない若いメーカーの進化速度は私なんかの分析速度を遥かに凌駕します。「このメーカーさんって、こんな良いもの作れたっけ??」と、浦島太郎気分を味わうこともあります。

 とはいえ、製造業であるメーカーの「若さ」の定義は、人間のそれとは異なります。創業から時間が経っていたとしても現状にあぐらをかかず、常に「挑戦者」でいる姿勢こそがメーカーの「若さのバロメーター」なのです。消費者がそれを推し量るのも実に簡単。作っているものを見れば、若さなんてものは如実に伝わってくるからです。

 ただ、そんな「若さ」「軽く見られる」ことに繋がる場合もあります。特に腕時計のように「着用者の格」を定義するアイテムであればその傾向は顕著。ともすれば軽快なフットワークが、腕時計にとっては好ましくない軽薄さを想起させるからです。そうやって製品の実態からかけ離れた評価に晒されているメーカーも少なくありません (;´∀`)

気を付けていても「誤解」の影響はある

今の時代「みんな」という概念が一番怪しいわけでして…

 自分が下した評価ではなくとも、いつの間にか同調してしまうことがありませんか?? 常に冷静な方であれば「それっておかしくないか??」と疑義を抱けるかもしれませんが、影響力がある(と言われている)人のちょっとした発言が、根拠を伴わずにまるで「みんなの意見」であるかのようにまかり通ることがあるのです。

腕時計の評価に影響を及ぼす「ウィンザー効果とバンドワゴン効果」

 自らが発信、或いは確保している情報よりも、他者を介して発信された情報の方を無条件で信じてしまう心理効果を「ウィンザー効果」と呼びます。また、それらが集団になった場合にはより深刻な大規模同調が起きる現象のことを「バンドワゴン効果」と呼びます。

 腕時計の世界においてもこれはとても厄介な現象です。そうやって完成した「誤解」には、消費者に深刻な金銭的不利益をもたらすものも含まれています。

 私自身はここ「腕時計喫茶」において、特定のブランド・メーカーを根拠なく揶揄するような真似をしたことはないと思いますが、それでも多かれ少なかれ、そういった風評に左右されることがあります。それを自覚したときは己の軽挙妄動を戒め、物事のスタート地点から評価をやり直すようにしていますが…

 後に自らの安っぽい価値観と、腕時計愛好家としての器の小ささを反省させられるきっかけ… 貴重で大切な「出会い」があって、ハッとさせられることもあります。

「ケンテックス愛」を貫けなかった不明を恥じる

 ここで私が申し上げたいのは、全てを「他者からの影響の責任」として責任回避を図るような、そういう「無責任の正当化」ではありません。そういった意見に「惑う」ということは即ち「現実認識が欠如している」ことに他ならないわけですから、どう解釈しても私の「勉強不足」。それはとても恥ずかしく、情けない話なのです。

 そして、それに気付かせてくれたのは東京都台東区の腕時計メーカー「KENTEX(ケンテックス)」さんでした。

 2025年2月、ケンテックスさんの「直営ブティック」へお邪魔した際の「訪問記」を書かせていただきました。お陰さまで多くの方に「ケンテックス」を知っていただく機会になったと(ちょっぴり)自負しておりますが、その私にしたところで、ブティックへ伺うまでは少なからず「ケンテックスさんを曲解」していたのです。

「使えば解ると」言ってやれなかった

MARINEMAN SEAHORSE II

 それは所謂ハイブランド界隈からの影響でした。そこをホームにする方にとって「ケンテックスの時計」は、微妙に視界から外れた存在なのかもしれません。彼らが評価するのはケンテックスの何十倍ものお値段で知られる時計たち。価格を無視した相対評価でケンテックスが勝つことは難しいと思います。

 それ自体は納得でしたが、ケンテックスのダイバーズ「マリンマン シーホースⅡ」のオーナーである私からしてみれば、あまり気分の良い話ではありませんでした。恐らくこれがブレゲだったり、ブランパンだったりしたなら、彼らもそういった言い方はしなかったでしょう。舐めてるんだな… ケンテックスのことを!!(プンスカ)

 それでも私はマリンマンの無骨で一風変わった作りが気に入っていましたし、とにかくガッツリとした存在感があって、やたらと気分が上がる着け心地が好きでした(重いけど!!)

この「わがままボディ」がたまりません

 そこを解っている私の立場からは本来、「使えば良さが解るよ」と言えなければウソなのです。自分のセンスが選んで購入した時計なのですから、そこはどこまでもオーナーとして「ケンテックス愛」を貫くべきだった。何を言われたって「そんなこと言っても、アナタ絶対好きになるよ!!」と。でなければ、ここにある「マリンマン シーホースⅡ」が余りにも不憫ではないですか??

 あのときの弱腰だった自分自身を今は恥じています。そして今度同じ場面が訪れたなら、私は胸を張ってこう伝えるでしょう。「そこまで言うなら、一緒にブティックへ行こう!!」と。

「ケンテックス ブティック訪問」で再確認できた〝腕時計大好き〟のピュアな気持ち

 だからこそ腕時計は「実物を見ないで評価してはいけない」のです。これが絶対の理。実際、ケンテックス直営ブティックで拝見した数多くの時計たちが私に及ぼしたショックは、言葉に言い表せない衝撃のカタマリでした。とにかく、欲しい時計が幾らでもあったのです。

 実際、ハイブランドのブティックに赴いたところで、欲しい時計は「精々3本」です。その瞬間のライフスタイルや興味のベクトルが影響することで視野が狭くなり、望遠ズームでモチーフを探すような感じで対象が限定されるわけです。もちろん私の「情けないお財布事情」も関係しています。

 ところが、ケンテックス直営ブティックさんに赴いた私は半ば興奮状態で、まるで子供のように「あれも良い!! これも良い!!」と久しくなかった目移りを起こしました。買えるはずのない過去作の中にも何本も自分好みの時計を発見して、叶わぬ恋に身悶える「曽根崎心中の徳兵衛」のような切ない気分にも。

 そして自分で驚いたのは、その中に何本もの「コラボレーションモデル」が含まれていたことです。実のところ自衛隊モデルにしてもアニメとのコラボモデルにしても、私個人の興味の対象ではなかったはずなのです。ところが実物を目の前にするやいなや、可愛いやら格好良いやらで心底参りました。

〝絶対評価〟で見る「ケンテックス」価値

 このとき、私の頭の中でちょっとした変化が起きました。腕時計に必要なものは個別の「絶対評価」だけであって、上下にも左右にも拘泥する必要なんてない… そんな「価値観の基本」とも言うべき大切なことを、ケンテックスの作品群が改めて教えてくれたのです。

 少なくとも「10万円」を握りしめて買いに行くケンテックスは「最適解の一つ」です。価格に対する「性能」「美観」のレベルで言えば、とてつもなく楽しめるメーカーだと思います。何かと比べる必要なんて… 端から無かったのです。

 ガツンと来る腕時計デザインが好きな方であれば、ケンテックスブティックの空間を「パラダイスだ!!」と感じるでしょう。そして思うはずです。「自分はこんなにも素直に腕時計が好きなんだ」と (*´ω`*)

記事掲載が繋いだ縁

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
完璧な「時間」を作る…

 「腕時計喫茶」運営者として私が自らに課している隠しテーマの中に「中の人たちのやる気を喚起する記事を書く」というものがあります。読者の皆さんに楽しんでもらうことは当然ですが、腕時計を作っているブランド・メーカー、関連商品のメーカー、そして腕時計販売に関わっている皆さんにも「誇りを持って腕時計を扱ってほしい」と思っているのです。彼らが楽しくないと私のところに楽しいネタも降りてきませんし、何より私の筆が進みません。

 ケンテックス直営ブティック2度目の訪問は、記事を読んで下さった「二代目代表」橋本直樹氏からのメールがきっかけで実現しました。

 過去には販売店さんが仲立ちとなって、欧州ブランドトップへの取材が実現したこともあります。ただ、ケンテックスさんのように腕時計喫茶が単独で「独占インタビュー」を行った経験は、これまで一度もありませんでした。こういうことができる腕時計喫茶になったか… 心なしか自分とサイトの成長に胸が熱くなった瞬間でした。

 2度目の訪問は当初、橋本代表からの「お礼」という形で進みましたが、私はこの機会を何かしらの「形に残したい」と思いました。こんなチャンスは滅多にありませんからね。小型ボイスレコーダー(仕事で買ったヤツ)とα6700とレンズをリュックに詰めて、意気揚々と直営ブティックを訪ねたわけです。

 その集大成がコチラの記事です (*´ω`*)

インタビュー記事に与えられた「永久保存版」の評価

 本業でも最近はご無沙汰のインタビュー記事は思いのほか難儀でした。ただ、書き進める内に勘所をどんどん思い出して、いかにも腕時計喫茶らしい「熱量」で書き切ることができたと思います。読んでいただけたなら、ケンテックスブランドに対するイメージが少なからず変化する記事になっているはずです。

 掲載後、橋本代表からこれまたご丁寧なメールを頂戴しました。私にとってはこれ以上ないくらいに嬉しい内容でしたので、要約の上、掲載させていただきます。

 拝読しながら自社の歴史や歩みを振り返ることができ、私自身も胸が熱くなりました。

 「MARINEMAN」の設計思想や「CRAFTSMAN 時帆」に込めた想いまで汲み取っていただき、2代目としての苦労と挑戦、これからのケンテックスへ向けた期待感というところを見事に言語化していただいたと感じています。まさに「永久保存版」です。

 今後、ブランド紹介のたびに活用させていただきます。

 会長である父にも共有しましたが「最近はこういう心のこもった読み応えのある記事が少ない」と喜んでいました。

 「永久保存版です」とまで言っていただいて… 腕時計喫茶としては身に余る最大級の評価をいただきました。心から「書いて良かった」と思いました。寿命が5年くらい伸びた気がしましたね。

取材を受ける際は「まずこれを読んで下さい」と伝えたい

 加えてメールには、今後のメディア取材の際に「先ずはこの記事を読んで下さいと伝えたい」とありました。私自身、本業はオールドメディアの人間ですし、さすがに恐縮しましたが、ここまで喜んでいただけたことで、先述した「中の人たちのやる気を喚起する記事を書く」という命題に一歩近付けたような気がしました。あの記事を「ケンテックスの基礎知識」とするには、少々内容が濃すぎますけどね(汗)

KENTEX MARINE(マリン)GMT アイスブルー MOP(S820X-12)を進呈していただきました!!

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
保管しやすい丁度良いサイズのボックス

 「もしご迷惑でなければ、砂布巾さまに是非とも弊社の新作『Marine GMT アイスブルーMOP』を進呈させて頂けないでしょうか??」 橋本代表からのメールはこのような結びの言葉で締めくくられていました。

 「な、なんですとー!?」 天井に頭をぶつけそうなほど嬉しさと驚きのあまり飛び上がった私でしたが、次の瞬間「とんでもないことしちゃったかも!!」と身悶えました。インタビュー記事の最終場面で「Marine GMT アイスブルーMOP」の印象に触れていたからです。これはアレか…「おねだり」的なアレになっちゃうのか… (;´Д`) イヤソンナ…

 そもそも私が自発的に書いている記事に関しては「コンテンツの充実こそが報酬」ですし、その時点で執筆の労苦は完全に昇華されます。確かに「時計を進呈される」なんてハッピーも過去に何度かございましたが、依頼原稿でもない限り、そのようなお話のたびに申し訳なさが先に立つのです。好きで書いているだけなので。

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
何という贅沢な光景!!

 ただ「ぜひ日常でもご愛用下さい。開発者の私としてもこれほど嬉しいことはありません」と言って下さった橋本代表のお言葉に甘え、「Marine GMT アイスブルーMOP」を使わせていただくことにしました。本当にありがとうございます。代表から直接いただけるなんて… お宝です!!

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12 仕様
ケース径 44ミリ
厚み13.9ミリ
重量220グラム
ムーブメントSII・TMI「NH34」GMT自動巻き デイト 秒針規制 21,600振動 24石 日差0~+25秒(自社による調整) パワーリザーブ 40時間以上
ダイアルアイスブルーMOP 強蓄光(ブルー)
ブレスレットSUS316L エクステンション機能付きセーフティバックル
ケースSUS316Lステンレススチール
防水性能150メートル
風防サファイアクリスタル
その他限定99本生産 シリアルナンバー刻印

 そして、今回のレビュー記事を作成するにあたり橋本代表からは「一切の遠慮なく、見たまま、感じたままを書いて下さい!!」と仰っていただきました。いいぞ、ケンテックス!! 今回もいつも通りのテンションで書かせていただきます!! (*´∀`*)

※ケンテックス公式はコチラ

MARINE(マリン)GMT アイスブルー MOPを着けてみよう!!

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12 着用
大きいですが、腕載り性能高し!!

 着用シーンから書くのは珍しいと思います。しかしこのモデルに関しては「腕に載せることから付き合いが始まる」… そんな予感が強くありました。

 腕時計なんだから当たり前じゃないかですって?? いえいえ、腕に載せる前から「100%の印象度」に達しているような腕時計もあって、そういう時計に関しては着用しても「インプレッションの変化がほとんど起きない」のです。むしろ「あれ?? こんなはずでは」と、着用した瞬間にイメージが悪化する時計も少なからず存在します。

 そもそも「良い時計」とは、手首に巻いたその一瞬で着用者を「うわぁ♡」と魅了する時計のことです。そこはもう理屈じゃありません。うまく表現する自信がありませんが、そうですねぇ… 無条件に「幸せにしてくれる」のですよ。良い時計は (*´ω`*)

 「MARINE(マリン)GMT アイスブルー MOP」を箱から取り出した私は、総重量220グラムの重みを手のひらで包むように受け止めながら確信しました。「良いものをもらっちゃったな」と。

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12 着用
う~ん… すごく好き (*´ω`*)

 そしてブレスレットを調整する前に強い日差しが刺すバルコニーに出て、そっと左腕に。「これは… 好きなヤツ!!」 そうなんです。焼け付くような日差しに照らされ強いコントラストで縁取られたケースと、優しく涼しげなMOP(マザーオブパール)ダイヤルの組み合わせが一瞬で私を虜にしたのです。

強さと美しさを兼ね備えた「MARINE(マリン)GMT アイスブルー MOP」のブレスレット

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
ガッチリはまった弓カンから伸びるブレスレットの重量感よ!!

 ブレスレットのコマも調整し終えましたし、ブレスレット自体の「ディテール」に目を向けることにしましょう。素材は「SUS316Lステンレススチール」です。

 数え切れない数のブレスレットを調整してきた私ですが、ここに「ユーザー想いのケンテックス」を見ました。クラスプに隣接した「半コマ」があったのですよ。

「半コマ」の威力

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
コマを外したときの佇まいでブレスレットのレベルが解ります

 クラスプ(バックル)自体にもバネ棒の位置を調整する穴が空いていますので、そこで一コマ分ほどの調整は可能です。ただ、私自身はこの調整を「最終手段」だと考えています。クラスプに潜り込むコマには確実に傷が付いてしまいますから「貴重なコマが犠牲になってしまう」のです。コマを滑り込ませるという装着時の「繊細なひと手間も発生」しますし、できれば避けたい調整手段です。

 そこで「半コマ」が威力を発揮します。半コマがあれば、コマの抜き差しだけでブレスレットがジャストな長さに調整できるのです。半コマの「あるときー」「ないときー」は天地の差。ケンテックスさん、ナイスな配慮です (*´∀`*)

馴染み深い使用感の「クラスプ(バックル)」

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
フツーのバックルですが、細部まで丁寧に仕上げられています

 クラスプは良く見るタイプの構造で「エクステンション機能」が付いているものです。デザイン性で言えば「面白味のない部類」かもしれませんが、慣れている分悩まないで使えますし、十分な剛性と丁寧な仕上げで安っぽさは感じさせません。

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
そして便利なエクステンション機能付き

密度と視覚的重量感が男らしい「3連ブレスレット」

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
3連は「男」って感じです

 やはり「男なら3連ブレスレット」ですよね。特にヘッドがガッツリデザインの時計には「3連」が良く似合います。

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
ひとコマずつ美麗に仕上げられています

 ヘアラインも鏡面仕上げも十分にキレイです。中コマの両端が鏡面に仕上げられているので、男性的でありながら同時にラグジュアリーな繊細さも楽しめます (*´ω`*)

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
陰影が美しいブレスレット

 コマ調整を終えて着けてみたところ、手首上での重量バランスにシビれました。確かに重たい、でも嫌な重さではないのです。適切に調整済みのブレスレットであれば、快適な装着感を味わえると思います。

大迫力!! でも美しい!!「MARINE(マリン)GMT アイスブルー MOP」のケースデザインに見た『和の心』

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
日本の時計作りを継承する「S820X-12」のケースデザイン

 ケースデザインだけで「ああ、これは日本の時計だ」と思えるはずです。もちろん、平安の御代から腕時計が存在するわけではありませんし、腕時計の「和」って何なのよって話です。

 要するに腕時計デザインにおける「和」とは、日本の腕時計を世界に知らしめてきたメーカーたちの「歩んできた歴史」の中にある「イデア」です。日本に縁のないブランドがダイヤルに着物の一遍を貼り込んだとして、それを「和」とは呼びませんよね?? それは「和イメージの剽窃」に過ぎません。

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
ベゼルエッジとリューズのデザインも、ケースと一体を成している

 ケンテックスの創設者であり現会長の橋本憲治氏はセイコーのご出身だそうです。そこで学び、そこで培った「日本の時計の何たるか」が、ケンテックス創業以降も脈々と生きているのではないか… その繋がりこそが「歴史」であり、ケンテックスの時計に共通する「和の空気」なのだと思います (*´∀`*)

全ての土台として大切に作られた「ケース」

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
強いベゼル、強いダイヤルを受け止める「強いケース」

 「動と静」「MARINE(マリン)GMT アイスブルー MOP」のケースデザインには「2つのコンセプト」があります。見た目からは想像できないほど良好な腕載りからは、日本の腕時計としての揺るがぬ「実用品としての誇り」を感じますし、大胆な発想を受け止める母体としての部分には「止まない進化の歩み」を感じます。

 それら2つのコンセプトが混じり合った結果として「MARINE(マリン)GMT」のケースは存在しています。美しさだけ、性能だけを求めたのではこの「存在感」には辿り着きません。

ケンテックスの「ブレないコンセプト」

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
ゴツい… これぞケンテックス!!

 風防、ベゼルと重なる重量感を受け止める迫力のサイドビューをご覧下さい。流行に流されるだけのブランドであれば、ここ数年の潮流に乗って「約220グラム」というヘビー級の存在感を否定したかもしれません。ですがケンテックスは、流行よりも何よりも「ケンテックスらしさの具現」に力を注いできたのだと思います。そうして今、時代は巡り、大型の時計への好反応が戻り始めている…

 ブランド・メーカーの「ブレないコンセプト」は消費者への『ギフト』です。メーカーとして「是」とするものを何より大切にして作られた「MARINE(マリン)GMT のケース」… ぎゅっと握りしめたくなるこの力強さを、皆さんにも味わっていただきたいですね (*´∀`*)

「150メートル防水」とはどのくらいの潜水性能なのか

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
ネジ止めのケースバックで150mは頑張ってます

 時計の防水性がややこしいのは「防水性能」「潜水性能」を交ぜ書きしているからです。例えば「100m防水」「10気圧防水」は同じように見えますが、規格と用途が異なります (;´∀`)

 「10気圧防水」とあれば、それは水中で静止状態にある場合の耐圧性能のことです。パシャパシャと水をかぶるくらいなら問題はありませんが、潜水は想定されていません。

 対して「100m防水」とあれば、それはJIS規格で定められた中で、潜水時計としての最低ラインの性能を有している時計であることを表わしています。実際に水深100mまで潜って良い時計と言うことです。

ケンテックス マリンGMT アイスブルーMOP S820X-12
極地で使うのでもない限り、不安要素はありません

 「MARINE(マリン)GMT」『150m防水』「頼りない」と見る方もいらっしゃると思いますが、実際は上で述べた100m防水よりも高度な防水性能を有しています。潜水の記録でも狙わない限りは何ら問題の無い性能だと言えます。

 ちなみにフリーダイビングの世界記録は200mを超えるそうです。一呼吸でですよ?? 超人!!



 次のページでは皆さまお待ちかね「ダイヤルのインプレッション」など、さらにマニアックな目線で『実機レビュー』をお届けします。ケンテックスが誇る〝時計作りの妙味〟を引き続きお楽しみ下さい (*´∀`*)

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ご意見・ご感想

コメント一覧 (2件)

  • めちゃくちゃ羨ましい!っと言いたいところですが
    これはスナフキンさんが腕時計業界と真摯に向き合って
    きた結果なんだと思います!
    まさに腕時計への愛の結晶だと思います!(でもやっぱり羨ましい!!笑)

    今回も細部まで余すことなく紹介した、読み応えのあるレビューでした!

    個人的には裏蓋に色々情報が書いてあるのが好きですね〜
    文字はあればあるほどカッコよく見えちゃうんですよね。。
    (波や覗き窓も勿論ステキです。)

    美しきデカ厚時計にどのようなベルトが装着されるのか。。。
    楽しみにしております!

    • Y太さま、コメントありがとうございます♬
      そんなに頻繁にあることではありませんが、時計もさることながら託してくれる気持ちが嬉しかったですね。
      何より時計という存在の意義と価値について代表と共有できたことが光栄でした。
      「時計作りに携わっている人たちを泣かせる記事を書く」… 今後の変な目標ができちゃいました(笑)

      裏蓋のエングレービングですね。
      実際あれはたまりません(笑)
      所狭しと入る情報の密度自体がカッコ良かったりします。

      松下庵が完成しましたら、何らかの形で記事化したいと思います(*´ω`*)

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