ずっと気になる存在なのですよ。シチズン「Series 8(シリーズエイト)」のことですけどね。
モデルによって様々ですが、所謂「八角形ベゼル」だったり、ケース一体型のブレスレットデザインだったり、もはや珍しくも何ともない「ラグスポの眷属」であることは間違いありませんが… それでも何かが妙に引っ掛かる。
このニュアンスをどう表現すれば的確なのか解りませんが、使い古しの定型デザインをベースにしたように見えて、アチコチに「シチズンならではの味」を感じさせてくれる製品が「シリーズエイト」には多いのです。それゆえ単純に「はいはい、ラグスポですね」では済ませられない… 済ませたくない気持ちが湧いてくる。引っ掛かる時計って大体そうですけどね。
今回はそんなシリーズエイトの2026年新作「NB6080-51W など全3種」を軸にしつつ、改めて「シリーズエイトとは何ぞや??」に迫りたいと思います (*´∀`*)
Series 8(シリーズエイト)には〝解りやすいブランディング〟が必要だ

私が「シリーズエイト」を一貫して気にし続けて来た理由の一つは、展開次第で大きく化けるかもしれない「可能性」でした。ラグスポの中央値ともいえる〝決まりごと〟で勝負するように見せて、細部に「挑戦者としてのシチズン」の姿が見え隠れしている… その辺りは、シリーズエイトの各モデルに共通した魅力です。
ところが、どこかの段階でシリーズエイト全体の〝ブランディング〟が気になり始めました。これはシリーズエイトに限った話ではありませんが、全モデルを俯瞰した際に「これがシリーズエイトだ!!」という〝解りやすい看板〟が見当たらないのです。
例えばランチ時にふらりと街に出てお店を探すとして、その手段の最たるものは「お店の看板」ですよね?? お蕎麦屋さんなのかトンカツ屋さんなのか、はたまた中華なのか… そういった情報もなしに突撃する楽しみも無いわけではありませんが、例えば「今日はトンカツが食べたい」みたいな日にパスタ屋さんに入ってしまったら、十分な満足は得られません。
〝何を提供してくれるのか??〟… この最初の疑問に答えるために必要なものが「看板」だとすれば、シリーズエイトの看板からは今のところ「中級クラスの今っぽい機械式時計」以外のメッセージは感じられません。
そもそも複数の腕時計を揃えて〝集団〟として名乗りを上げるのであれば、一番重要なことは消費者に「企画の主義主張」を理解させることです。簡単なことではありませんし、実現には長い時間を必要とするでしょう。
しかし、理解を得られない苦しい期間をひたすら耐えることでしか、消費者に「まいった!!」と言わせることはできません。ブレずに堪え続ける雌伏の姿だけが、消費者の心中に安心と信頼を育てるのです。最初から人気を爆発させたラインアップなんて、実際は数えるほどしかありませんからね。
一旦決めた路線を頑なに守る… この一見保守的な取り組みの中にこそ、ブランディングの真髄が詰まっています。その点を見る限り、これまでの「シリーズエイト」は魅力的な単体の集まりではあるものの、頻繁な軌道修正ゆえか〝意思統一された集合体〟には見えませんでした。

例えば、ガッツリ系をこよなく愛する私が注目するシリーズエイトに、ツートーンGMTベゼルの「NB6033-51E」がございますが、正直申し上げて… シリーズエイトとしてリリースする必然はほとんど感じませんでした。もしもダイヤルに「Series8」の文字が無かったら〝シチズンが作った機械式のイケメン時計〟といった、朧気な印象しか残らないでしょう。
単体としては紛れもなく魅力的な時計です。現物を見ればその大きな存在感と、シチズンらしい細部の切れ味に圧倒されると思います。
ただ、天下のシチズンがブランドとして独り立ちさせた限り、消費者は時計の個体以上のメリットを期待するはずです。そう考えると「シリーズエイト」が顧客に与える〝ベネフィット〟は、まだまだ十分とは言えません。
大なり小なり似たような事情の時計が多く存在する現行の「シリーズエイト」。一つ一つの個性は素晴らしい、しかし集団としての見え方には疑問が残る… この先にシリーズエイトが飛躍するための「鍵」があるとすれば、それは〝解りやすいブランディング〟に他なりません。
復活した〝シリーズエイト〟が任された役割は「斥候」だった??
2021年(だったかな??)に8年の空白期間を経て復活を果たした「シリーズエイト」は、大胆にファセットカットされたケースと独創的なベゼル、革新的なダイヤル構造で〝人気〟よりも〝物議〟を醸した時計でした。それでも、新しい価値観の創造という点でシチズンの〝潜在能力〟が見えた野心作だったと思います。
そうした話題性をラインナップの底上げに繋げられていれば万々歳でしたが、ほんの数年の間で何度も路線を変更したデザインを見るに、シチズンさんが思い描いていたようには行かなかったのかもしれません。復活当初のモデルで見せた「国産のブルガリ オクト」のような佇まいは、先の可能性を想起させるに十分なインパクトがあったのですが…

ところが、いつの間にやら路線がブレ始め「NB6069-53H」の代で「ロイヤルオーク オフショア」を思わせるモデルをリリース。これも物議を醸したわけですが、私自身はその時点で「多種多様な価値観に対する問いかけこそが、シリーズエイトの使命なのではないか??」と考えるようになっていました。好意的に解釈するなら、シチズン全体の〝斥候の役割〟なのではないかと。
それならば〝無頼の個性派集団〟という括りにもある程度の納得がいきますが… だとしても、消費者目線から見たときに〝纏まっている印象〟があった方が、断然売りやすいはずです。
シリーズエイトを〝再定義〟する「リーダー的モデル」が出現!!
要するに「シリーズエイト」に問題があるとすれば、個々の時計ではなく、それらを一つのラインナップにまとめ上げる「フックの弱さ」です。
集団をひとつに括るには2つの方法があります。一つは集団を構成する個々が互いに連結する意識を持つこと。今のシリーズエイトを見る限りこの辺りの接続が些か不完全に思えます。なので統一された輪郭…「これがシリーズエイトだ!!」を持てずにいるわけです。
もう一つは「強力なリーダーシップを配置すること」。意図や見解を集約する〝原点の不在〟がシリーズエイトの足下を弱くしているのは明らかです。個性派集団といえば聞こえは良いですが、まとまっていない個性の点在はブランドとしての意味を失わせます。
お解りでしょうか?? 現在のシリーズエイトに必要なのは「方針を持ったリーダー」なのです。個性派集団をまとめ上げるだけの器と信念を感じさせる「アンカー ピース」さえあれば、確実に化けるのがシリーズエイトのラインナップです。それこそシーンを選ばない万能モデルとして、ビジネス用途で盤石なアテッサに宣戦布告できるかもしれません。
そして2026年3月、その重責を担うに相応しい「新作」がリリースされました。これですよこれ!! (*´∀`*)
これが〝ザ・シリーズエイト〟だ!! 2026年3月発売「新作シリーズエイト」

2026年の新作シリーズエイトに対して「これは見に行かないとアレだな!!」と奮起したきっかけは「シチズン公式の写真」でした。明らかに洗練された2026年新作。これまで奔放に展開されてきたシリーズエイトに〝一本の柱が立った〟… そんな印象を強く持ちました。
出来るだけ早めに現物を拝まなければなりません。近場で国産を見るとなるとやはり… ビックカメラか!!(笑)
グランドセイコーとザ・シチズンに見る「それぞれの思想」
少々話が横道にそれますが… 何かに付けて頻繁に比較される国産の両巨頭が「グランドセイコーとザ・シチズン」でございます。どちらも日本を代表する腕時計メーカーが心血を注いで開発した世界最高レベルの時計群です。
「どちらが凄いか」といった答えの出しようがない議論については言及を避けますが、朧気な「コンセプトの違い」については、双方のブレンドネームから推し量ることが可能です。
「グランドセイコー」とは要するに〝グランドなセイコー〟です。大きな、立派なという意味を持つグランドを冠にすることで「セイコーの豪華版」であることを物語っています。対して「ザ・シチズン」のブランドネームはシンプルです。〝The(ザ)〟を付けることで、そもそもの性質や機能を強調し、ただの普通名詞に「典型」としての〝特別な意味〟を持たせています。
豪華であることを明示し、レギュラーラインのセイコーとは区別された〝憧れのブランド〟として定義された「グランドセイコー」と、あくまでシチズンであることに拘り、さらに強調してそのイデアを洗練させる道を選んだ「ザ・シチズン」… 似ていると言われる両ブランドのネーミングが実は思想の反対軸から名付けられていることに、気付いた方もいらっしゃるでしょう。
ある意味、頑固一徹に見えなくもないシチズンが放った今回の2026年の「新作シリーズエイト」。ビッグカメラ新宿西口店で拝見したそれは、紛れもなくシチズンの時計作りの真骨頂…〝イデアの塊〟ともいえる作品でした。細部についてはこれから拝見させていただくわけですが、新作からほとばしるある種の〝オーラ〟を目の当たりにした私はすでに確信しています。
これは「ザ・シリーズエイト」に違いない!! と (*´∀`*)
2026年3月発売「新作シリーズエイト」のラインナップ
ってなわけで、2026年3月発売の「新作シリーズエイト」たちをご紹介したいと思います。如何にも〝シチズンらしいカラーリング〟展開にワタクシの頬も緩みっぱなし(笑) それでは、最もオーソドックスな「グリーンダイヤル」からどうぞ!!(養生フィルムが邪魔ですが、ご勘弁の程を)
NB6080-51W(グリーンダイヤル)

ケースはシルバーのステンレス色ですし、一見したところ特筆すべき派手さはありませんが、お抹茶のようにシブいグリーンのセクターダイヤルに、特徴的な「市松模様」が良く映えています。

ベゼルやケースの形状自体に強いインパクトがありますからね。それ以外は派手さを抑えた演出で、ビジネスシーンなど気を使う場面においても安心して着けられる、汎用性重視のモデルです。
NB6086-54E(コンビケース、ブラックダイヤル — 限定モデル)

深いグレーとイエローゴールドのメッキでドレスアップされた「ケースとベゼル」が目を引きますが、「フォージドカーボンのダイヤル」も洒落ています。ベゼルの艶とカーボンダイヤルの艶消しが生む〝贅沢なコントラスト〟… 高級感と若々しさが同居する野心的なデザインです。

以前よりシチズンさんは〝黒の扱いがとにかく上手〟なメーカーです。シチズンの時計で迷ったら「取り敢えず黒いのを買うべし」… それくらい〝シチズンのクロ〟は外しません。
NB6085-57W(ゴールドケース、ウォームグレーダイヤル)

総ゴールドカラーで派手派手… ではないんです。これが本物のゴールドだったら途轍もなく嫌らしく見えたかもしれませんが、そこはむしろ「めっきであること」が功を奏しています。派手さよりも「キレイだなぁ」の印象の方が圧倒的に強い時計です。
ケースとブレスで特筆すべきは「イエローゴールド・ウォームゴールド」、2つの金色の使い分けです。この巧みさが「NB6085-57W」にゴージャス且つ繊細な〝貴族的ニュアンス〟を与えています。
さらに高貴を漂わせる「ウォームグレーのダイヤル」もスゴい。ハイブランドのような美しさでグイグイ胸に迫ります (*´ω`*)
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それでは「2026年新作シリーズエイトの魅力」について、いつも通り(ほんのり変態的に)解きほぐして参ります。最後までお付き合い下さいませ (*´∀`*)
複雑なファセットで贅沢気分!!「複合八角形ベゼル」

これはお目々が喜ぶヤツですよ。八角形ベゼルと円形ベゼルを融合させた「ゴージャスなベゼル」が刺さりまくります。正面から見ても横から見ても、どの角度からでも視覚的な充実を味わうことができる。うむむ… マジで凄いなこれ。
そのままの八角形ベゼルを被せることに躊躇があった可能性も捨てきれませんが、これまでのシリーズエイトのエッセンスを統合した結果と考えた方が幾分建設的です。迫力と繊細な優美が同時に感じられる、ナイスデザインだと思います。
直線の使い方が絶妙な「ケース」

主要パーツを別体にすることで緊張感を保たせ、同時に仕上げの可能性を大幅に高めた新作シリーズエイトの「ケース」。複雑に絡み合う直線を折り紙のように組み合わせることで生まれた「有機的な直線」が、シリーズエイトのケースに〝エッジ感と柔らかさ〟という、相反する要素の両立を可能にしています。

世にラグスポは数あれど、ここまで「線と面」に拘ったケースデザインは多くありません。デザイナーの目線で例えるなら「平面デザインの流儀をそのまま立体に持ち込んだ快作」と言えます。高級時計の本場がこの出来映えを見たら、ハンカチを噛んで悔しがるんじゃないかしら??
幅40ミリを切った「コンパクトなシリーズエイト」

数値で見れば些細なことに見えるかもしれません。ですが、こと腕時計に於いては〝0.1ミリの差〟が全ての印象を左右するケースも珍しくありません。
例えば旧モデルの系譜として今も存在するスムースベゼルの「NB6050-51E」はケース幅40ミリです。それに対して新作の「NB6080-51W」はケース幅「39.3ミリ」。この僅か0.7ミリが腕に載せた際の印象を大きく飛躍させました。ひと皮むけるとはこのこと!!

コンパクトなシルエットで明らかに使いやすそうな「NB6080-51W」。サイズから来る押し出しの強さでシリーズエイトを遠ざけてた方にも、是非一度試していただきたい新作です (*´∀`*)
剛性の高さを感じさせる、大型の「リューズガード」

ベゼルが別体、解ります。リューズガードが別体、それも解ります。でも何かがおかしい。取り敢えず裏返してみましょうか??(ペロン)

「リューズガード」がケース裏に食い込んでいます。側面にネジ留めで固定しただけじゃなかったんだ… 裏を見る以前に、何か異様な一体感を感じていた私ですが、この食い込みは見破れませんでした。
私は学生時代に建築デザインを学びましたが、それゆえか、外から見るだけで基礎がしっかりしたビルと、そうでもないビルの見分けが付くようになりました。具体的な説明は困難ですが、後で興味がてら資料を取り寄せたら「ああ、やっぱり」ということが多い。
新作シリーズエイトの「リューズガード」にもそのニオイを感じました。要するに「剛性が高く見えた」のです。この構造であれば、実際の耐衝撃性能も高いはずです。
八角形ベゼルが時計の中心に視線を集中させる中で、唯一そのバランスを崩そうともがく「大きなリューズガード」。洗練されるがゆえに退屈になりがちなラグスポの弱点を、見事にカバーしているのがこの「リューズガード」です。
迫力と上品さを併せ持った「ブレスレット」

ヘアライン処理を主体にしつつ決め所をポリッシュで引き締めた、中々ニクい「ブレスレット」です。ケースサイドの面から、同じ厚みでブレスレットへと繋がる気持ち良さがあります。
ブレスレットにある程度の存在感を持たせることで時計本体だけを悪目立ちさせず、一つの円環として袖口を飾るアクセサリーとしての完成度にも着目して下さい。目立つけれど馴染む… ラグスポとして正しく設計された時計ならば、必ず持っている〝性能〟です。
開け閉めしやすく見た目も上々な「バックル」



何気にブレスレットの〝格〟を担っているのが「バックル」ですが、シリーズエイトのバックルも悪くありません。
時計本体のデザインなどお構いなしに「ウチはこれだから!!」と似合わないバックルを押し付けられた時計も少なくありませんが、このバックルはシリーズエイトのコンセプトにも違和感なく似合っていると思います (*´ω`*)
ダイヤルは「市松模様」で統一すべきだったかもしれない
「NB6080-51W」と「NB6085-57W」で採用されている〝セクターダイヤル〟の出来がとにかく見事でした。中央部の「市松模様」が控えめに効いて、針の視認性をグイッと引き上げています。

となると疑問に思わずにはいられない、限定モデル「NB6086-54E」の〝フォージドカーボン採用〟。単体で見れば非常にお洒落で格好良く〝今風〟な要素もあって人気が出そうな気もしますが、今回の「新作シリーズエイト」を定着させるというミッションを考えると、今回はアイコニックな「市松模様」で押し切るべきだった気もします。
限定だからという〝お祭りスタンス〟かもしれません。しかしながらぶっちゃけ〝遊び〟はもっと先でも良かったと思います。ブランディングは「我慢の積み重ねの上に達成」されるもの。今回の新作お披露目に必要だったのは〝一気通貫の統一感〟だった気がしました。
シビアになりきれない… その辺の大らかさがシチズンさんの魅力ではありますが、ブラックでシブくキメた市松ダイヤルを採用した「NB6086-54E」が見たかった… そんな気持ちが大きいのは確かです。
「10気圧防水」で死角なし
見た目と防水性能が合致している… おかしな表現かもしれませんが、まさにそんな感じがしています。5気圧だと不満が出るけど、20気圧まで頑張る必要のないジャンル。そういう意味で「10気圧防水」は適正です。
風防はクラリティ・コーティングされた「サファイアガラス」

シチズンさんは様々な「コーティング技術」で業界をリードするメーカーです。そして26年新作シリーズエイトにも、その高度な技術力が活かされています。
サファイアガラスの両面に多層コーティングされた薄膜で高い透過率を実現した「クラリティ・コーティング」。内面のみの無反射コーティングと比較しても、その透過性能は圧倒的です。
それにより表面上の余計な反射を抑えることが可能になり、まるでガラスが存在しないかのようにくっきりと、針やインデックスを見ることができます。汚れが付着しにくいという有り難い性能もあるそうです。
薄型ムーブメント「Cal.9051」搭載

2026年新作シリーズエイトには、21年新開発されたムーブメント「Cal.9051」が採用されています。ケース厚10.4ミリを可能にした「薄型ムーブメント」であるのみならず、振動数「28,800回/時」で日差「−10~+20秒」という、精度にも優れたハイビートムーブメントです。淀みなく滑らかに秒針が動く様子は、時計好きのちょっとした贅沢ですからね。
パワーリザーブは約42時間。磁気に強い部品の採用で高い耐磁性でも知られる「新世代3針自動巻き」です (*´∀`*)
シリーズエイトといえば「耐磁性能」
シリーズエイトといえば「耐磁」。日常生活環境で磁界を発生する多くの機器に対し、1センチまで近付いても影響を受けることなく性能を維持し続けられるという、安心の「耐磁2種時計」です。
現代人の生活には様々な磁界が溢れていますからねぇ。防水性能と同様に「耐磁性能も高ければ高いほど良い」のは間違いありません。
本当の意味で「ラグジュアリーを纏った」初めてのシリーズエイトかもしれない

日本の腕時計メーカーの多くが、自社の高級時計に「ラグジュアリー」を纏わせることに苦労している気がします。「ジャパニーズ ラグジュアリー」の定義が進んでいない現れではありますが、そもそも欧州で培われてきた「高級感」とやらをそのまま取り入れても、日本の土壌にはフィットしません。
形を真似れば同様のラグジュアリーに到達できるのか?? それは絶対にありません。ラグジュアリーとは謂わば「世界観」です。歴史の前後左右に濃密なストーリーがなければ、どんなに格好良いデザインの時計であっても〝嘘寒い格好付け〟にしか見えません。
そんな風に考えている私が、新作シリーズエイトの中に「ほのかなラグジュアリー」が根付いているのを感じました。2本のレギュラーに1本の限定モデル。どれもが老舗ラウンジのママのような、ただならぬ色気を放っていました。
それらはどう考えても、リリースされたばかりの新作が放てるものではありませんでした。そこに透ける何かを要約するなら… それは「歴史」かもしれません。新作でありながらリーダー格として生まれた出自の重さが、新作モデルたちに「見えない年輪」を与えていたのです。それが私の感じた〝ラグジュアリー〟でした。
これまで私の中には、シリーズエイトを端的に表わす修飾語は存在していませんでした。しかし、新作「NB6080-51W など全3種」が登場した今ならば「シチズン発、日本のラグジュアリーウォッチ」という〝冠〟を付けることができそうです。
お値段は税込「15万9500円」から
グリーンダイヤルの「NB6080-51W」が税込『15万9500円』。ブラックとゴールド、フォージドカーボンダイヤルの限定モデル「NB6086-54E」が税込『19万8000円』。ゴールドケース・ゴールドブレスレットの「NB6085-57W」は税込『17万6000円』です。
おニューの設計で機械式(それも9051)です。最高額の限定モデルでも20万円を切っているわけですから、実際は「めちゃめちゃ良心的な価格」だと思います。しかも〝ブレスレット付きで〟ですからね。
シチズンさんの場合、シチズンコレクションで探せば半値以下の機械式モデルが見付かりますが、低価格ラインでは味わえない上質を求める方であれば、検討に相応しい「シリーズエイト」だと思います。
最後に… シリーズエイトの新章と呼ぶに相応しい「2026年新作3種」

腕時計のブランドやラインナップが、成長していく様子を見守る楽しさと言ったら、お目当ての時計を購入して身に着けること以上かもしれません。26年3月の新作「NB6080-51W など全3種」が見せてくれたものは、間違いなく「シリーズエイト新章の幕開け」でした。実機を見て思わず膝を打ちましたが、これまでのモデルとは次元の異なる売れ方をする可能性が大いにあると思います。
サイズダウンで一層洗練されたこれらのモデルが、今後のシリーズエイトを牽引していく〝強力な存在〟になるであろうことは容易に想像できました。シチズンの開発陣がずっと欲していた評価の一端を、この「NB6080-51W など全3種」がジワジワ獲得していく未来は想像に難くありません。
だからこそなのですが、シチズンさんには今後の舵取りを間違えないようにして欲しいと、密かに願わずにはいられません。実際これは「金の卵」です。シリーズエイトに注目し始めたお客さんが、それを「目玉焼き」で食べたいのか「ゆで卵」で食べたいのか、はたまた「オムレツ」で食べたいのか… 全てはシチズンさんの…〝未来を見通す力〟にかかっています (*´∀`*)
| シチズン シリーズエイト(NB6080-51W、NB6086-54E、NB6085-57W)共通スペック | |
|---|---|
| キャリバーNo. | 9051 |
| 動力 | 機械式(自動巻き+手巻き) |
| 精度 | -10~+20秒/日(静的状態での平均日差) |
| 持続時間 | 約42時間(最大巻上時) |
| 重量 | 147g |
| 厚み | 10.4mm |
| ケースサイズ | 横 39.3mm |
| ケース素材 | ステンレス |
| バンド調整可能サイズ | 135~198mm |
| ガラス | サファイアガラス(クラリティ・コーティング) |
| 防水性能 | 10気圧防水 |
| 耐磁性能 | 耐磁2種 |
| デザイン特徴 | 夜光(針+インデックス)/シースルーバック |
| 機能 | 秒針停止機能/振動数:28,800回/時/石数:24石/日付表示/日付早修正機能 |
| 原産国 | 日本製 |
| メーカー保証 | 国際保証3年間(購入後1年以内にMY CITIZENご登録で国内保証5年間) |
※撮影機材:Xiaomi 15T Pro Adobe Lightroom で編集











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