『Baltic』フランスの洒脱が詰まった〝ネオ・クラシック〟

カシオ初のメカニカル3針『EFK-100 シリーズ』をレビュー!! 低価格機械式の新定番が「謝罪時計の定番」になる日

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最強の「謝罪時計ポジション」として期待大!!

EFK-100YD-7AJF エディフィス 俯瞰 ビジネスウォッチ CASIO Edifice
存在感の腰が低い!!(笑)

 今回のカシオ史上初「機械式モデル」をカテゴリー分けするなら「ビジネス&ドレスウォッチ」ではないかと思います。用途の近い2つをまとめただけですが、それぞれに微妙な違いがあることも確かです。

 ドレスウォッチには必要なくとも「ビジネスウォッチには必要」なもの… それは「謝罪シーンを乗り切る性能」です。これに関してはワタクシ「一家言」を持っています。各所で謝り倒してきた人生でしたからね…

 そんな私が近年、修羅場を任せてきた時計がございます。古くからの読者の方ならご記憶でしょう。それがコチラ…

ビジネスウォッチ SARB035 セイコー SEIKO  CASIO Edifice
腰が低い時計といえばSARB035

 セイコー「SARB035」です。6R自動巻き、かつて「プアマンズ・グランドセイコー」の異名を与えられた、知る人ぞ知る名作時計です。

 「SARB035」が何ゆえ、私のコレクションの中で「最強の謝罪時計」であり続けたのか… それは「第三者から見たときの、絶妙過ぎるクラス感」にあります。まず、セイコーという「平凡な響きのブランド」であること。そして、当時2~3万円くらいで買えた時計とは思えない「まとまりの良さ」と、グランドセイコーを彷彿とさせる「上品さ」

 地味な「白ダイヤル」であることも謝罪の場では最高のマッチングを見せてくれました。伏し目がちに肩を落として謝罪姿勢を取ったときに、ある種の「様式美」をもたらしてくれるのが「SARB035」でした。謝罪自体も「交渉事」ですからね。「災い転じて福となす」ための備えとして、幾度も勇気をくれた時計なのです。

EFK-100YD-7AJF SARB035 ビジネスウォッチ CASIO Edifice
美しき謝罪兄弟が爆誕!!

 思うに、「SARB035」が持っている『謝罪性能』を、「EFK-100YD-7AJF」も備えています。しかも、より「現代的に洗練」された形で。

 「EFK-100YD-7AJF」を見て『良い時計だな』と思う人はいても『調子に乗りやがって!!』と思う人はいないでしょう。それこそが「謝罪時計」に必要なキャパビリティ(潜在能力)なのです。オレってしょっちゅう謝ってるよなぁ~と自覚のある方、その左腕に「最強の謝罪時計」を着けて、つらいつらい謝罪タイムを乗り切ってみませんか??

機械式エディフィスが搭載するムーブメント「NH35A」の実力は??

エディフィス メカニカル NH35A セイコー SII CASIO Edifice
仕上げを楽しむムーブメントではありません

 EFK-100 オートマチックシリーズはその内部に「Seiko Instruments Inc(SII)」製の『NH35A』を搭載しています。はい、ムーブメントは外注品なのです。

 NH35とは要するに「4R35」のこと。セイコーの低価格自動巻き製品の定番とも言えるムーブメントですし、このクラスでは十分な性能を持っています。振動数は「21,600」、パワーリザーブは「40時間」です。

 マニアの間では「個体性能のばらつき」が問題視されることもありますが、何にでも当たり外れはあります(笑) 手巻き、日付のクイックセット、秒針のハック機能を備えた死角のないムーブメントです。

 日差は「-35秒 ~ +45秒以内」。スイス製に比べ物足りなさを感じますが、低価格帯の「EFK-100 シリーズ」に搭載されるのであれば、何の問題もありません。

見えているのにムーブメントは非公開!? 「トランスペアレント(シースルー)バック」に見るカシオのジレンマ

エディフィス メカニカル シースルーバック トランスペアレント CASIO Edifice
隠したいのか、見せたいのか(笑)

 ムーブメントは何ですか?? と尋ねた私に「カシオからは公表されていないんです。私の口からはちょっと…」と答えてくれた販売員さん。直後に「まあ、裏を見てもらったら解るんですけどね」と仰るので見てみたら… 「シースルーバック」やないかい(笑)

 そもそも隠す気が全く無いどころか、ちょっとしたネタにしてやるくらいのお茶目を感じずにはいられませんでした。ただやはり「自社のムーブメントを積めない」ことに、薄っすらと気恥ずかしさがあるのかもしれません。他の国ならいざ知らず、セイコーやシチズンのように当然のごとく自社のムーブメントを搭載している日本ですからね。機械式新参者のカシオさんにしても、忸怩たるものがあるのでしょう。

「100メートル防水」は当たり前の日本ブランド

 これも日本ブランドゆえの基準。機械式初期作にしての「100メートル(10気圧)防水」は必達事項だったかもしれません。この辺りはフロッグマンで「ISO規格200メートル潜水用防水」を揃えるカシオさんです。お手のものですね。

 実際、ガチガチのドレスウォッチならいざ知らず、ビジネス使用にはある程度の防水性が求められます。「10気圧防水」であれば、外回りで急な天候の変化があっても心配には及びません。

「エディフィス」からスタートしたことの意味と、なぜ「オシアナス」ではなかったのか??

エディフィス EFK-100 全体 写真 CASIO Edifice
初の機械式がエディフィスからという不思議

 こう考えた方もいらっしゃったでしょう。「何故、エディフィス名義なのか??」と。私も同様に考えましたし、一方で「オシアナスから出しても良かったのでは??」と思いました。

 カシオさんにしてみれば、間違いなく話題作になるであろう「EFK-100 オートマチック シリーズ」でエディフィスに「喝」を入れる意図もあったでしょう。モータースポーツ括りの一点さえ抑えておけば「機械式が混じっても違和感がない」という側面もあったはずです。

 「オシアナス」は近年、幾つかの印象的なモデルで露出を増やしており、さらなる話題作りとして「機械式」を組み入れればさらに盛り上がった可能性もあります。上品なデザインの時計が揃っていますし、軸となるデザインコードも明確です。今回の「EFK-100 オートマチック」がオシアナスから出ていれば、消費者にも自ずと違って見えたでしょう。

 ただ、オシアナスには死守すべきポジションがあります。同じく高機能電波ソーラーで知られるセイコーの「アストロン」、シチズンの「アテッサ」、それら人気のビジネスウォッチに対抗しなければならないのです。となると、機械式の投入は「場違い」ということになります。

 「エディフィス」のネームを冠することが正解だったのか… 部外者の私が幾ら考えても真相には辿り着けません。しかし、「EFK-100 オートマチック シリーズ」の売れ行き次第によっては、カシオの中に夢のような「機械式専用ライン」が生まれるかもしれません (*´∀`*)

「機械式専用ライン」が生まれる可能性は??

 可能性は大いにあるでしょう。かつてセイコーが低価格帯に無秩序に散らばっていた機械式腕時計を再編し、「中位ゾーン」『プレザージュ』を成功させたように、しばらくの間はエディフィスの庭で機械式の慣らし運転を行って、その後、大々的に新ラインを設定する可能性は低くありません。

 その契機は「カシオ製オートマチックムーブメント」の発表ではないかと思います。「あり得ない」… そうでしょうか?? 数年で完全オリジナルのムーブメントを開発するのは難しいかもしれませんが、「共同開発」であれば、その可能性は跳ね上がります。カシオから協業の願いがあれば、幾らでも手を貸すメーカーはあるでしょう。

 カシオが機械式に参入したという事実は、業界に小さくない波紋を起こしていると思います。垂直統合で成長してきた日本の腕時計メーカーが、次の一手のために他社の力を借りる… 今後はそんな動きも活発化するかもしれませんね。

「打倒 TSUYOSA(ツヨサ)」がスローガン??

シチズン ツヨサ TSUYOSA カシオ エディフィス EFK-100 CASIO Edifice
同じパイを食い合うライバルか??

 近年の低価格機械式腕時計のヒット作で思い浮かぶのは、私のお気に入りでもあるシチズン「ツヨサ」ですよね?? 今回「EFK-100 オートマチック」の実機を見て、私もすぐさま販売員さんに言いました。「ツヨサに強力なライバル出現ですね!!」と。

 どちらも価格から言えばとんでもなくよく出来た時計です。安いからと言って「エントリーモデル」というわけでもなく、腕時計を良く知った方の趣味性を満足させることができるという点で共通しています。

 「ツヨサ」のスタンダードモデルは、実売で3万円台後半から4万円台半ばといったところ。「EFK-100 オートマチック」もほぼ同じです。5万円を握りしめて近所の量販店に乗り込んだとして、数ヶ月前には存在しなかった悩みがそこにはあります。「果たして、どちらを買うべきか…」

 どちらを選ぶかについては、個々の趣味や事情にお任せで良いと思います。どのモデルを買ったとしても失望することはありません。

 ただ… 両方の時計を購入したワタクシから、購入の決め手になるかもしれない「比較」をお伝えしておきます。腕載りに関しては「EFK-100 オートマチック」の方が僅かに快適です。これは私が持っているツヨサが40ミリモデルであることも関係していますが、ヘッドとブレスのバランスでは「EFK-100 オートマチック」「ツヨサ」に勝ります。腕載り至上主義の方なら「EFK-100 オートマチック」かもしれませんね。

 もしも「新しい時計を買いました!!」という感情の昂りを目一杯感じたいのであれば、「ツヨサ」にすべきかもしれません。ツヨサはその名の通り、左腕で「特段の強い存在感」を与えてくれる時計だからです。対して「EFK-100 オートマチック」はどちらかと言えば「静かに寄り添う」ような時計。素人目に見えるアピール成分は弱く、購入後の高揚感も弱く感じられます。

 しかしそれは、「EFK-100 オートマチック」という時計が、余りにも自然に馴染んでしまうからです。私自身、実戦投入初日にして「存在を忘れていた」くらいですから、何年も前から持っていた時計のように「あっという間に親しい存在になれるフレンドリーさ」こそ、「EFK-100 オートマチックの真髄」であると考えていただいて間違いないと思います (*´ω`*)

EDIFICE(エディフィス)は「ダサい」のか??

 今回の記事を書くために、それはそれは何度もグーグル検索をかけまくりました。検索のたびに「グーグルさんのサジェスト(キーワードを入力すると、関連性の高い検索候補を自動的に表示する機能)」が現れるわけですが… そんなに気になりますかね??「エディフィスはダサいのか」って (;´Д`)

 どんなブランドの時計で検索しても、大抵はこの「ダサいのか??」というサジェストが表示されます。一体、何が気になるのでしょう??「アイツ、エディフィスなんて着けてやがる」と言われるのが恐いのでしょうか?? 正直、私にはさっぱり理解できません。

 「集団同調性バイアス」とも言えるこの現象、腕時計趣味にとっては「1ミリのメリットもありません」。単純に好きなものを「好き」と言えないで、自分の脚で立つことなんて出来ません。顔も見えない無責任なネットの住人たちの、根拠に乏しい意見に翻弄されるなんて無駄も良いところです。何の意味もありません。

 この辺の心理に関してはいずれ、何らかの分析記事を出したいと思いますが、たかが「腕時計」の話ですよ。「コレ良いな!!」と思ったら、素直に買って使えば良いのです。自分が幸せになるための腕時計ですからね??

 エディフィスが「ダサい」と揶揄される理由については解りませんし、そもそも根拠なんてないはずです。少なくとも「EFK-100 オートマチック」に関して言えば、かなりイケてる3針時計だと思いますし、私自身は正直、エディフィスかどうかを気にしたことがありません。どうでも良いのですよ。「EFK-100 オートマチック」の格好良さは変わらないわけですから。

 ですので皆さま、検索して類する「嫌なサジェスト」を見たとしても、負けないで下さい。「EFK-100 オートマチック」に関して言えば、これまでエディフィスに触れてこなかった「腕時計の猛者たち」が、かなりの興味を示しています。それって「腕時計個体の魅力」が優れているからですよね??

 ブランドを挙げ連ねて「ダサい」と揶揄する風潮自体が「一番ダサい」と私は思います。それでも揶揄してくる連中が湧いてきたら、「何言ってるの?? エディフィスめっちゃ良いじゃん!!」と返してやりましょう!! (*´∀`*)



最後に… CASIOは「デキる」と証明した快作!!「EFK-100 オートマチック」

カシオ エディフィス EFK-100 オートマチック 正面 写真 CASIO Edifice
初物でこれが作れたことに、カシオの懐の深さを感じました

 「低価格帯機械式腕時計」という魅力的な響きのカテゴリーは、もう10年も前から「日本のブランドのためにある」といっても過言ではない状況です。ティソですらお財布から10万円は出す必要がありますからね。

 低価格帯におけるセイコーとシチズンはまさに「帝王」。今回そこに「カシオ」が、エディフィス『EFK-100 オートマチック』で加わったわけです。

 世界的に知られる多国籍企業であるカシオはすでに強力なブランド力を有しています。ただそれが「機械式腕時計」においても発揮されるかは未知数。「エディフィス」という地味なラインからの発表は、さらに消費者を困惑させるでしょう。

 ただそれは同時に、これまでなら縁のなかった消費者の目が、カシオに向けられるかもしれないということです。私はそこに無限の可能性を感じています。どうします?? 機械式のG-SHOCKなんてものが出現したら!! 面白すぎるでしょ??

 クオーツを主戦場とするカシオの当面の敵は「スマートウォッチ」で間違いないでしょう。であれば、デジタル機能をスマートウォッチ並みに強化したモデルを出すか、全く別の道…「機械式」という荒れた海に漕ぎ出すしか、次の成長はありません。そのうちの一つに、カシオは答えを出したのです。しかも、かなり出来の良い「快作」で!!

エディフィス EFK-100 写真 シルバー ダイヤル CASIO Edifice
しばらくはダイヤル展開で楽しめそうです

 さあ皆さん!! 何と言ってもこれまで、数々のイノベーションを巻き起こしてきた「カシオ」さんのことです。機械式腕時計の分野においてもこれまでに見たことのないアプローチで、腕時計好きの私たちを楽しませてくれると期待しましょう!!

 最後に、「EFK-100 オートマチック」の今後でひとつ「予言」をしておきましょうかね。電気鋳造のパターンを見て思ったのですが、これって間違いなく「淡い色」の方が独特のテクスチャーが活きますよねぇ…

 即ち…「アイスブルーのダイヤル」は必ず出る!! 確度は相当なものだと自負していますが… 皆さまは今後の展開をどう予測しますか??

 「EFK-100 オートマチック シリーズ」… これは単なる『初物』などではありません。誰もが知っていて誰もが見たことのないカシオの「始まりの狼煙」なのです (*´ω`*)

EFK-100YD-7AJF 仕様(基本性能は全モデル共通)
項目内容
発売年月2025年7月
価格メーカー希望小売価格 ¥49,500(税込)
ケースサイズ(縦×横×厚さ)43.5 × 39 × 12.5 mm
質量148 g
ケース・ベゼル材質ステンレススチール
バンドメタルバンド(ステンレスムクバンド)
ワンプッシュ三つ折れ式中留
構造耐磁時計(JIS1種)
防水性10気圧防水
駆動方式メカニカル 自動巻き(手巻きつき)
風防サファイアガラス
裏蓋シースルースクリューバック
バンド装着可能サイズ150~205mm
駆動時間パワーリザーブ:約40時間(最大巻上時)
精度日差:-35秒~+45秒以内
その他日付表示
秒針停止機能
石数:24石
振動数:21,600振動/時
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ご意見・ご感想

コメント一覧 (2件)

  • 遂に出ましたね〜という感じですね!

    まだまだ走り出しですが、セイコー5や
    ツヨサみたく、サイズ展開やバリエーションが増えたらどんどん面白くなりそう!!
    今後の展開が楽しみですね!

    本格的にCASIOが機械式に力を入れだしたら、機械式のG-SHOCKも夢じゃない気がします!
    (ノルケインのワイルドワンみたいな!笑)

    • Y太さま、コメントありがとうございます♫
      カシオだけはそれはないと思っていましたからね。
      かなりビックリしました。
      そして初作にしてあの落ち着き。
      長く温めてきたのだと思います。いつかは機械式作ってやろうと。

      G-SHOCKが機械式になったら、もう一度ホッケースティックでぶん殴るCMを作って欲しいですね!!
      それで中身が壊れなかったら… 革命が起きます(笑)

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